私が好きな私だけの… 作:凌介
-現在ー
恋人として公私共に支え合う私達だけど私が千翼の事を本気で好きになった…いえ、違うわね千翼の事はきっと前から好きだったのだけどその気持ちを自覚したのはお芝居の恋をすることになってそれで相手が千翼だったらと思った瞬間だった
そしてその気持ちの変化があったのは初めて千翼と過ごした大晦日とお正月だろう
「千翼、私と初めて大晦日とお正月を過ごした時間を覚えてる?」
「覚えてるよ、でも、特別な事ってなかった気がするけど」
「そうね、恋人になって何度もデートしてはいるけれど私は身綺麗なままだもの」
「特別で大切な人を安易に傷つけたくないので」
「私を気遣ってくれるのはありがたいけれど相手にされないと魅力がないのかなって思うわよ」
「大切にしたい気持ちだけではダメなんですよね」
そう言いながら千翼はあの時の事を思い出す。
-大晦日-
千翼と過ごす約束した私達とは言ってもどこかに出かけるわけじゃなくただ一緒に過ごすだけで何かある訳じゃない
約束の時間に私は千翼の家にやって来た。
インターホンを押すと千翼が出迎えてくれた。
「いらっしゃい中へどうぞ」
「案外片付いているのね」
「これでも散らかっている方なんですよ」
「そうなの?」
「えぇ、まぁ、とりあえずお昼にしましょう!」
「お昼は何かしら?」
「夜は年越し蕎麦なので昼はシンプルにオムライスでもどうですか?」
「良いわね!ふわとろのオムライスをお願いね」
「わかりました。さすがにフレンチのシェフには及びませんが腕を振るわせていただきます!」
そうして千翼が振舞ってくれたオムライスはとても美味しかった。
それから2人で映画を観て読書をしてただ2人が同じ空間にいて時間を共有した。
「千聖、年が明けたら初詣に行きませんか?」
「人が多そうね、もしかして人があまりいない所に心当たりがあるの?」
「いえ、残念ですがそれはわかりませんが朝早い時間なら人も少ないでしょうし大丈夫かと」
「その前に1度家に帰ってもいいかしら?」
「構いませんがどうされるんですか?」
「晴着に着替えるのよ!私を今の格好のまま行かせるつもり?」
「今のままでも十分素敵ですよ千聖」
「そりゃあ気合い入れたもの!でも、それとこれとは別よそれに千翼、せめて目元隠してよね」
「はい?どうして?」
「マネージャーとは言え男性と歩くんですものスキャンダルとか怖いものこれでもアイドルだし」
「そう言えばそうですね、僕は女優としての千聖しか知りませんからねそこは残念と言わざるを得ません」
「そうなのよね、でもそれを言ったら私だって千翼の事あまり知らないわよ」
「僕が教えてあげられることはあまりないですけど?」
「どんな事でも良いのよ!貴方の事教えて千翼、マネージャーとしてのあなたじゃなくて白鳥千翼個人の事を」
「そうですね…こう見えて読書は結構好きで恋愛小説が好きですね後はファンタジーや冒険もクエスト系の小説とか」
「クエスト系?」
「デルトラクエストやビーストクエストと言ったタイトルの小説があってそう言うタイトルの冒険の話が好きなんです」
「なるほどね、最近の好きな小説は何かしら?」
「色々ありますが『はめフラ』の略称で親しまれてるライトノベルですね」
「へぇ〜食事を楽しんだりするものはあるの?」
「神様の定食屋と言う作品がオススメですよ!」
それから本の話で盛り上がって2人で本を読んでたらあっという間に時間になり2人で年越し蕎麦を作り食べたあと紅白歌合戦を観ながらゆっくり過ごす。
「私達ももしかしたらあの場にたっていたのかもしれないわね」
「だと良かったんですけど、今回は縁がありませんでしたからね来年頑張りましょう」
「なら千翼、年内最後に演奏を聞かせてくれないかしら?またピアノの演奏が聴きたいわ」
「では少し出掛けましょうか、家にピアノはないので近くに大正月だけ休みで他は営業してるBARがありましてそこならピアノがありますから」
「なら連れて行ってちょうだいそこへ」
「わかりました。では、行きましょう」
それから千翼の車に乗り目的地のBARへとやって来た。
「ここ?」
「えぇ、行きましょう」
そしてBARに足を踏み入れると全然違う世界だと感じた。
「ちょっと待っててください」
そう言って千翼はグラスを拭いているバーテンさんと何か話していた。
そして話が一段落したのかカウンター席に案内された
「千聖、とりあえずなんか飲みましょう。未成年なのねお酒はNGですが、ノンアルコールのカクテルくらいなら作りますから」
「もしかして貴方が?」
「えぇ、まぁ待っていてください」
そう言うと千翼はシェイカーに数種類のカクテルを入れて混ぜる
そしてグラスに注がれたのは透明なカクテルだった。
「水じゃないわよね?」
「1口飲めば分かりますよ」
千翼がそういうので私はカクテルを1口飲むと少しピリッとしつつも爽やかな口当たりが広がった
「美味しい」
「喜んで貰えて何よりです」
「そのカクテルは千翼君にしか作れないんだよ、私や他の店員が何度やっても教わっても透明にならないわ、ここまでにならないわで千翼君にしか作れないんだよ」
「へぇ〜」
「まぁ、とりあえずそのカクテルと一緒に今年最後の演奏を披露します。では、君よ進めと同じアーティストの曲をカバーさせてもらいます素敵なことがあなたを待っている」
『ねぇそのこぼれ落ちる涙堪えなくていいよ
心を整理できるまではいつも時間がかかるね
焦らないでいこう大事な人たちがあなたを見守ってる
ほら素敵なことがあなたを待っている
優しいその心が嬉しいことで満たされる
ほら素敵なことがあなたを待っている
いつか光が届くと信じてるよ』
なんて素敵な曲なんだろう、聞いているだけで幸せな気持ちになれるそんな曲なんだなと感じ私は自然と目を閉じて聴くだけに専念した。
ねぇ悔しいと思う気持ち決して無駄じゃないよ
すべて未来へ繋がってゆくそのために今があるね
話聞けば聞くほどあなたは偉いって思うよ心から
よく頑張ってきたねよく頑張ってきたよ
ちいさなその心でいろんなこと受け止めて
よく頑張ってきたねよく頑張ってきたよ
いつか思いは届くと信じてるよ』
この曲を聞いているとじんわりと温かさというか優しい気持ちが込み上げてくる。とても素敵な曲だなと思う
『つらいのに笑顔を見せたり無理して平気ぶったり
不安が消えない夜もあるね何度も顔を上げてきた
もっと甘えていいのに立ち上がってきたんだ
ほら素敵なことがあなたを待っている
優しいその心が嬉しいことで満たされる
ほら素敵なことがあなたを待っている
いつか光は届くと信じていて
よく頑張ってきたねよく頑張ってきたよ
小さなその心でいろんなこと受け止めて
よく頑張ってきたねよく頑張ってきたよ
いつか思いは届くと信じてるよ
いつか光は届くと信じてるよ』
その場にいた観客は私だけで拍手は私1人の小さな物だったけれど千翼の演奏には多分十分だしきっとそれが千翼にとって最大の賛辞だろう
その後千翼と二人でカクテルで乾杯しBARをを後にした
そして千翼の家で2人年を越した
「あけましておめでとう千翼」
「おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
新年の挨拶を交わして少しして私は眠りについた
-千翼視点-
新年の挨拶を交わして少しして千聖は眠ってしまった
「千聖、寝るなら僕のベッド使ってくれて良いですから1度起きてください」
肩を揺すって声をかけるが起きない千聖
「仕方ないですね」
俺は千聖をお姫様抱っこしてベッドに運び髪を解いてから寝かせ目元にかかる髪を指先で耳元にかける
俺は千聖の寝顔を見て軽く笑う
「普段は大人びてるのに寝顔は年相応に可愛いですよね」
俺は千聖の耳元で囁く
「ILoveYou…貴方が好きですよ千聖」
囁いたあと俺は居間のソファーに寝そべり目を閉じた。
-千聖視点-
目元にくすぐったい感じがしてから少しして薄っすら意識が覚醒していた時千翼が耳元で何かを囁いた。
最初の方は聞こえなかったけどおそらく1番重要な部分が聞こえていた。
「……貴方が好きですよ千聖」
私は気付かないフリをするのが精一杯だった。
-早朝-
千翼が車で家まで送ってくれてその後晴れ着に着替えて来た
「どうかしら千翼」
「良くお似合いですとても綺麗ですよ千聖」
「ありがとう。さぁ行きましょう。お参りに」
「えぇ、またエスコートお願いね」
「お任せ下さい」
車に乗り車で30分位の所にある神社にやって来た。
参拝するお客さんはそんなにいなかった。
私達は神社にお参りした。
(この1年楽しく過ごせますように…そして出来れば千翼との関係も変わりますように)
私は千翼に言われた言葉を思い出し顔が赤くなるのを抑えるのが精一杯だった。
7話目ですそろそろ本格的に時間軸合わせようかなとか思いつつも構想的にはもうちょい引っ張ってもとか思ってたりしてます。
次回はとりあえず恋人にしちゃおうと思います
その為のお芝居の恋を主人公とする話を書いていきますので次回の更新をお楽しみに
次回「お芝居の恋と千翼との恋」