陰の実力者(笑)の相棒にさせられて   作:嫉妬憤怒強欲

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そろそろラブコメに入りたいです…………。


癒し系の友達ができた

「そ、そこまで!勝者!一年ヴァイス・ネーベル!」

 

 審判の高らかな声に合わせて、怒号のような大歓声が闘技場中に響き渡った。

 

『す、すげえ……!』

『あのクレア先輩が、一太刀も触れることが出来ずに……!?』

『本当になんなんだあの一年!?』

 

 周囲の声が耳に溢れかえる中、オレは剣を下して地面に膝をついてクレアに手を伸ばした。

 

「立てるか?」

「っ………一人で立てるわよ」

 

 クレアは肩で息をしながらもゆっくりと立ち上がり、ギロリとオレを睨んだ。

 激しい運動でその顔は上気し、汗で乱れた黒髪が張り付いている。いつもより色っぽくなっており、その辺なら男子ならイチコロだろう。中身は残念過ぎるがな。

 

「ちょっと、今失礼なこと考えていたでしょ?」

「気のせいだ」

 

 だからなんでオレの考えてることがわかるんだ。

 適当に誤魔化し、終わりの挨拶をすませる。

 

「…………アンタ、やっぱり手を抜いていたじゃない。なんで今まで手を抜いていたのよ?その気になれば特待生だってなれたのに」

「単に余計な波風を立てたくなかっただけだ。田舎貴族のお前ならまだしも、養子のオレだと面倒臭いことになる」

「あっ……」

 

 大体の貴族は面子や血筋に拘る。貴族の血を引いてるのか定かでない奴が目立つと面白く思わない連中がちょっかいをかけてくることは目に見えている。

 例外としては、オレがネーベル家の養子だと知ってもクレアは特にオレへの態度を変えることはなかったことだ。対応は酷いもんだが。

 

「その、よかったの?私のせいで目立っちゃったけど」

 

…………。

 

「え?」

「ど、どうしたのよ急に固まって」

「いや、珍しくしおらしかったから驚いた。頭でも打ったか?」

「なっ!ひ、人がせっかく気を遣ってやってるのに失礼しちゃうわね!」

 

 なんだ。いつものクレアか。

 

「こ、今回だけは負けを認めてやるわ。けどもう動きは見切った。次はそうはいかないんだから覚悟しなさいね!」

「その次ってのはいつになるんだろうな。実戦だったらお前20回ぐらい死んでたし」

「〜〜〜ッ!!!うっさいうっさいバーカバーカ!絶対にぎゃふんって言わせてやるっ!!!」

 

 悔しそうな表情でそんな捨て台詞を吐いた後、クレアはさっきまでへとへとだったのが噓だったかのように大股で退場して行った。

 クレアは選抜大会で負けたが、『武神祭』は基本的に誰でも参加することが出来る。学園からの推薦枠という名誉がないだけで、選抜大会で敗北した生徒も参加すること自体は可能だ。あいつのことだから絶対に出るだろう。

 今回の敗北を糧にどれだけ強くなるかはアイツ次第だ。せっかく異世界の剣術をいくつか見せてやったんだ。オレの期待を裏切るなよ。

 

『噓だろォォ!なんでヴァイスの奴が勝っちまうんだぁぁぁ!!?クレア先輩に賭けてたのにぃッ!!』

『僕もですぅッ!持ち金全部突っ込んだのにぃ!』

 

 歓声の中からどっかのクズとストーカーの声が聞こえたが、特に気にも留めずにオレも退場する。

 

 選手専用口から出て人気の少ない廊下を歩く。

 

「あ、あの」

「ん?」

 

 ふいに見覚えのある生徒から声をかけられた。

 学術学園の制服を着た桃色の髪の女子生徒…………図書館でアーティファクトに関する蔵書を探していた奴か。

 

「あ、あの…試合、見てました。あまり剣術の試合とか見ないんですけど、後半からの攻めがすごくかっこよかったです」

「はあ……どうも」

 

 褒められたので一応礼を言う。

 

「あの、これ……」

 

 少女は少し頬を染めながらおずおずと小さな包みを差し出した。

 

「これは?」

「クッキー焼きました、この前手伝ってくれたお礼です」

 

 あの程度なら別にお礼する必要はないのだが、せっかくだし受け取った。

 少女は嬉しそうに微笑んだ。

 

「あ、あの…も、もしよければ、お友達になりませんか?」

「友達?」

 

 学園に入学して女子からそう言われるのは初めてだ。

 

「はい、駄目…………でしょうか?」

「いや、別に構わないが」

「やった。お義父様、友達になれました!」

 

 お義父様?

 少女の視線の先から、長身で白髪交じりの髪をオールバックにまとめた男性が歩いてくる。

 その痩せた男性に見覚えがあった。

 

 ルスラン・バーネット、学術学園副学園長…………かつてはブシン祭で優勝経験もある文武両道の剣豪でそして――――。

 そして、少女がこの男を義父と慕うということは…………そうか。この少女が王国で名高い研究者シェリー・バーネットだったか。

 

「ヴァイス・ネーベル君だったね。試合見てたよ。実に見事だった」

「…どうも」

「かつて魔剣士だった私でも見たことのない剣技だった。いったいどこの流派なんだね?」

「さあ、小さい頃に偶然見つけた古い指南書に書いてあったのを参考にしただけで、どこのかまでは」

 

 実は前世の剣術を使いましたなんて言えないので適当に誤魔化す。

 

「ふむ、そうかね…っと失礼、今は娘の話が優先だった。この子は研究一筋でね。今も騎士団から受けて、アーティファクトの解析に没頭している。だからろくに友達もいないんだ」

「もう、お義父様!」

 

 ははは、と笑いながら副学園長は続ける。

 

「今はこうして笑っているが、いろいろあったんだ。シェリーと仲良くしてやってくれ。これは一人の父としてのお願いだ」

 

 ルスランは真剣な顔で、隣のシェリーは困ったように微笑んだ。

 

「…わかりました」

「ありがとう。では後は若い二人に任せるとしよう」

 

 オレの肩を叩いて副学園長は去っていく。

 

「あの、よろしくお願いします」

「ああ」

「えっと……それで、どうしましょう?」

 

 困ったようにシェリーは首を傾げる。考えてなかったのか。

 

「まずは自己紹介じゃないか?オレは魔剣士学園一年のヴァイス・ネーベルだ」

「あっ、そうですね。学術学園2年のシェリー・バーネットです」

「一年先輩だったのか………すみませんそうとは気づかずにため口で」

「あっ、敬語じゃなくていいですよ。一歳も違わないですし」

「そうか。じゃあお言葉に甘える」

 

 ちなみに入学したばかりのころ、クレアに『私は先輩なんだから敬語を使いなさいよ』と指摘されて敬語を使ってみたが、『ごめん…なんか気持ち悪いから普通に話して』と言われた経緯で学園でもアイツにはため口で話している。

 

「そういえばさっき副学園長が騎士団からアーティファクトの解析依頼を受けてるって言ってたな。その騎士団ってひょっとして紅の騎士団か?」

「あっ、はい。なんでもディアボロス教団っていう宗教団体の施設にあったものらしくて、古代文明の暗号が使われてるそのアーティファクトとなにか関連があるんじゃないかって解析を私に依頼しに来たんです」

 

 いかにも極秘の情報をペラペラと喋ったぞこの子。大丈夫なのかこれ?

 

「なるほど………それで魔剣士の護衛が二人もついてるのか。後ろの方で」

「え?」

 

 オレの言葉が届いたようで、廊下の曲がり角の陰に隠れていた二人組が出てきてこっちに来た。

 1人は美しい青髪に端整な顔立ちで、オレとそう歳が離れてなさそうな若い青年で、もう1人は獅子の鬣のような髭と頬に大きな切り傷の痕がある大柄の偉丈夫だ。

 二人共紅の騎士団か。特に大柄の騎士には見覚えがある。

 

「やれやれ見つかったのなら仕方ない」

「あの、シェリーさん困りますよ。一応内密の依頼内容を部外者に話したら……」

「あっ」

 

 若い騎士に注意され、シェリーはしまったと言わんばかりに両手で自身の口を塞ぐ。

 

「心配するなマルコ。彼は大丈夫だ」

「えっ副団長、知り合いなんですか?」

「まあ少しな」

 

 若い方を制した大柄の騎士がオレの方を向く。

 

「君、ヴァイス・ネーベルだろ?ジャンの息子の」

「え?」

「大きくなったな。前に会った時は君が8歳だったか。覚えていないか?」

 

 ああ、思い出した。

 

「グレンさん……でしたよね?義父の元上司の」

「はは、覚えていてくれたか」

 

 このグレンという男はオレの養父ジャン・ネーベルが前にいた騎士団の部隊の隊長だったらしく、たまに屋敷に遊びに来るほど親交がある。

 

「紅の騎士団の副団長になっていたんですね」

「ああ、アイリス様から直々に勧誘されてな……あっ、そうだ。部下を紹介する。彼はマルコ・グレンジャー、まだ若いがかなり腕の立つ騎士だ。まあ、腕は立っても、さっきの試合を見た後じゃヴァイスとどっちが上かわからなくなったが」

「ちょっ、副団長………上げて落とすのやめてもらえません?」

「ははは!スマンスマン」

 

 マルコという若い騎士を軽く弄って大きな声で笑う。厳格そうな顔立ちとは裏腹に快活な性格は相変わらずのようだ。

 取り敢えずマルコと軽く挨拶しておく。

 

「初めましてヴァイス・ネーベルです」

「マルコ・グレンジャーだ、よろしく。さっきの試合見てたよ。まさかあのクレアさんをあそこまで追い込むなんて凄いよ君……俺なんて稽古でコテンパンにされたんだから」

 

 そういえばアイツ、紅の騎士団に体験入団してるとか自慢してたな。

 

「あの……アイツがご迷惑をお掛けしてるようで、本当に申し訳ありません」

「えっ!?いや、別に迷惑とかは掛かってないから」

 

 綺麗に90度頭を下げて謝罪するとマルコがあたふたする。それを見てグレンは「これじゃどっちが年上かわからないな」と苦笑する。

 

「ところでグレンさん。アーティファクトの解析の依頼で護衛につくほどなんてそんなにそのディアボロス教団っていう組織は危険なんですか?」

 

 面を上げてグレンに聞いてみる。

 

「んー……まあ、ジャンの息子なら大丈夫か。実はな、アーティファクト以外にも多くの資料や物品を教団の施設から押収し保管していたんだが、先日何者かの手で保管庫が燃やされてな。解析を頼んでいるアーティファクトしか残っていないんだ」

「保管庫を燃やされたって……ひょっとして殿下は内部の犯行を疑ってるんですか?」

 

 オレからのその質問にグレンは答えなかったが、表情から大体察した。

 

「………そうですか。ですが、アーティファクトとともなればその教団はなにがなんでも取り戻そうとするでしょうね。どんな手を使っても」

「どんな手って……例えばどんなだ?」

「そうですね。資料や物品を保管庫ごと燃やすくらいですから相当自分たちの存在が表沙汰になるのを嫌っているのでしょう。強硬手段でアーティファクトを取り戻すにしても、別の組織を装って来るでしょうね。それも敵対していて悪者に仕立て上げられても誰も疑問に思わない連中が」

「敵対している組織………シャドウガーデン?」

 

 オレの話を聞いてふむと顎に手を添えて考え込むグレンが聞き覚えのある単語を口にする。

 

「なんですかそれは?」

「ん?ああ、アレクシア様の話だとそのディアボロス教団と敵対している謎の黒づくめの集団だそうだ。最近深夜の王都でそのシャドウガーデンを名乗る集団が無差別に人斬りをやってるんだが、鉢合わせたアレクシア様はそれを騙る偽者だと」

 

 ベラベラと喋ってもらって本当に助かる。

 

「その話が本当なら、その人斬りはディアボロス教団の手の者の可能性が高いですね」

「えっ!?」

「!!?何故そう思う?」

「アーティファクトを取り戻すときに別の組織に罪を着せたい場合、その組織に前科があった方が誰もが納得しますからね。悪者に仕立て上げた謎の集団を騎士団に討伐して貰おうという魂胆でしょう。騎士団に教団の手の者がいたのなら、ひょっとしたら既に手配書の発行の手筈も済ませてるかもしれません」

「アーティファクトの奪還にシャドウガーデンに濡れ衣を着せる…………そんなことのために市民を殺しまわってたって言うのか?」

「あくまでもオレの突拍子のない推測ですが……」

「だが筋は通っているな…」

「くっ……」

 

 オレの推測を聞いて、マルコはディアボロス教団に対する怒りをあらわにし、両拳を血が滲むほどに握りしめていた。

 

「……至急このことをアイリス様に伝えよう。マルコ、言伝頼めるか?」 

「えっ!?自分は護衛を――」

「そんな怖い表情してると目立ってしょうがない。足を動かして気を紛らわせに行け」

「っ……すみません」

 

 グレンが気を遣ってるのを察したマルコはその場から離れる。

 

「うちの部下がすまない。熱くなりやすい性格でな」

「いえ」

「それじゃあ私も失礼するよ。これ以上二人の邪魔をするわけにもいかないしな。あっ、それとアーティファクト関連の話はくれぐれも」

「ええ、誰にも言いません」

「助かる。今度ゆっくり話そう」

 

 そう言い残してグレンはその場から立ち去る。きっと近くにはいるのだろう。

 思わぬ再会だったが、これでアイリスの方をある程度誘導することができただろう。

 

「悪いなシェリー、そっちのけで話をしてて――って、どうしたんだ?」

 

 シェリーの方を向くと、何故か彼女はキラキラと輝かせてオレを見ていた。

 

「すごいですヴァイス君!ほんの僅かな情報からあそこまで細かな推理をするなんて!」

「いや、別に大したことしてないんだが…………」

「いいえ!考古学者や歴史学者もほんの僅かな断片の情報から過去の出来事を推測するのが基本です。ひょっとしたらヴァイス君は学術学園の方が向いているのかもしれません!」

「はあ………」

 

 まあさっきより親しくなれたんだから結果オーライということでいいのか?

 そのあとオレ達は次の試合まで二人で軽くおしゃべりしてわかれた。

 

 ちなみに次の試合では生徒会長相手に違和感がないようにギリギリ良い勝負をしてわざと負けた。

 

 その前のシドの試合?モブ式奥義の編み出しとかくだらないことをやっていたようなので見なかった。

 

 

 

♢♦♢

 

 

 選抜大会が終わった翌日、色んな奴に絡まれた。原因は昨日の選抜大会でクレアに勝ったのが原因だ。教室に入った途端、クラスメイトに囲まれて「お前あんな強かったのか!」やら「強さの秘訣は?」やらめちゃくちゃ話しかけられた。

 普段特に会話しない相手が殆どで対応に困った。一部の女子から恋人や婚約者の有無を聞かれたら尚更だ。

 

 ヒョロとジャガがオレと親友だとアピールしてなにかのおこぼれに預かろうとしていたが、選抜大会前に婚約者持ちの女子をナンパしようとしていたことや学術学園の女子に対してストーカー行為を働いたという情報が既に広まっていたため、二人はクラスメイト達(特に女子)からごみを見るような目で見られていた。

 ちなみにシドはこの日生徒会長との対戦で重傷を負った(実際は違うが)とかで休んでいた。

 

 それから休み時間に上流階級の生徒が喧嘩を吹っかけてきたりして、騒ぎを聞きつけた生徒会に仲裁されるなどいろいろあって放課後になった時の事…………

 

 

「なあ親友……実は美味しい投資の話があるんだけど聞かないか?」

「どうせ昨日の賭けで金全部無くなったから借してほしいんだろ?」

「な、ななななんのことだかオレ達にはさっぱりぃ!?」

「そ、そそそうですよ!ヴァイス君ったら人が悪い!」

 

 あほらし。

 

「おい、待て、待てってば!生活費もつぎ込んじまってヤバいんだよ!一生のお願いだからサインして!絶対に儲かるから!」

「後生ですヴァイス君!僕たち親友じゃないですかぁあああああ!」

 

 帰ろうとしているオレの両脚に縋りつくヒョロとジャガ。まるでこの世に存在してはいけない生き物のようなしつこさだ。これには教室に残っているクラスメイトたちもドン引きだ。

 自業自得のため、オレがこいつらにかける情けはない。というか親友になった覚えもない。

 

「あの、すみません」

「ん?」

 

 どうやって2人を引きはがそうか考えていると、教室の入り口から聞き覚えのある声がした。

 

「学術学園2年のシェリー・バーネットです。ヴァイス・ネーベル君はいますか?」

 

 昨日友達になったシェリーだった。

 

「シェリーか」

「あっ、ヴァイス君」

「うおおおおいヴァイス!いつの間にあんな可愛い女子と仲良くなってんだ!?」

「しかも学術学園の生徒で1歳年上!?僕でさえ失敗したのにぃい!」

「ただの友達だ」

 

 足元が五月蠅いな。ヒョロとジャガだけでなくクラスメイトも少し騒いでる。

 

「ここじゃなんだから外でいいか?」

「は、はい」

「お、おいヴァイス!まだ話は終わって――」

「てい」

「「ぬっほ!」」

 

 手刀で両脚に纏わりつく妖怪2匹の意識を奪う。拘束から抜け出せたオレは白目を剥いて気絶した2人を教室に放置して教室から出た。

 

「あの、お友達はよかったんですか?」

「ああ、大丈夫大丈夫。あいつらはそんなんじゃないし」

「は、はあ…………」

 

 取り敢えず庭園に出て話を聞く。

 

「それでどうしたんだ?」

「あっ、はい。実は今度のお休みに、露天通りで買い物に行こうと思ってるんです。それで、ですね。ヴァイス君に、一緒に行ってほしくて、お誘いに来ました!」

「なんでオレなんだ?グレンさん達がついてるだろ」

「お義父様に言われたんです。その……護衛付きだと目立ってしまうだろうから、歳の近くて強いヴァイス君とならいいだろう…って」

 

 お義父様……ね。

 

「副学園長に言われたから、か」

「あっ、でもお友達のヴァイス君と一緒に街を歩きたいのは本心で!その、駄目……でしょうか?」

 

 濡れた子犬のようなウルウルした目でシェリーが聞いてくる。

 

「まあ、その日は忙しくないからいいぞ」

「本当ですか!?急なお誘いだったから断られるんじゃないかと心配していたんです!」 

 

 今度はぱあっと明るくなった。ころころと表情が変わるな。

 

「じゃあ待ち合わせと時間は――ふふ」

「どうした?急に笑って」

「いえ、こうしてお友達とのお出かけ計画を立てるのって楽しいですよね!あっ、ヴァイス君も行きたいところがあったら言ってくださいね。私の予定ばかりにつきあわせたら申し訳ないですし」

「そうか………ならミツゴシ商会に寄ってもいいか?」

「ミツゴシって、最近流行りのですか?」

「ああ、あそこはいろんなのが揃ってるからな。それ以外特に行きたいところはない」

「わかりました。じゃ、じゃあ張り切って計画立てますね!」

 

 本当に楽しそうだ。

 

「ああ、だがほどほどにな。あまり詰め込みすぎると1日じゃ回り切れないだろうし」

「そ、そうですね!ほどほどに!」

 

 集合時間や場所を決めた後、オレ達は別れる。

 

 この世界に転生してから人生初めての異性との普通の買い物か。

 別に心躍らないが、休日を楽しみにしておこう。

 





原作ではあっさり退場してしまったグレンさんとは知り合いという設定を追加しました。
出番が少なかっただけに性格を上手く掴めなかったので、キャラ崩壊してないか少し不安です。
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