陰の実力者(笑)の相棒にさせられて   作:嫉妬憤怒強欲

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アニメ終わりましたね。
しかも完全新作劇場版をやるとの情報が。
一話のアカネちゃんが再び登場。


汝等ここに入るもの、一切の望みを捨てよ

 会場が静まり返る。

 

「嘘、でしょ……」

「あの一撃に無傷で……」

(さすがです……あとハゲ死ね)

 

 ネルソンの失言に注意がいってしまい、オリヴィエの一撃をどう凌いだか見逃してしまったアレクシア、ローズ、ナツメは見た。

 

 

――――晴れる土煙の中、強大な一撃を放ったオリヴィエの背後に立つヴァイスを。

 

――――オリヴィエが反撃するよりも先にヴァイスの一閃が入ったのを。

 

――――オリヴィエの首が刎ねられ、彼女の身体が砕け散ったのを。

 

 

 フィールドに残ったのは挑戦者ただ一人。

 無傷。

 力、速さ、体力、単純な能力の次元が根本から違う相手に、シャツが少し裂けてるのを除けば一つも傷が見当たらない。

 圧倒的強者を一方的に倒した挑戦者。

 

「そ、そんな…………馬鹿なぁ」

『しょ、勝者、ヴァイス・ネーベル!』

 

 審判によりヴァイスの勝利が宣言される。

 

 

 ワァァァァァァァァァァ!

 

 

 会場中を爆発せんばかりの歓声が響き渡る。

 一般客とミツゴシ社員兼シャドウガーデン構成員、警備をしている聖騎士、更には次を控えている挑戦者達で会場が興奮に包まれていた。

 

 

 だが、

 

「──あ、ありえんっ!!!」

 

 空気の読めないハゲが叫んだ。

 

 彼には最後の瞬間オリヴィエが勝ったと思ったのだろう。

 

「あの女が負けただと!どんな手を使った!?あの女が生身の人間に負ける訳がない!!」

 

 ヴァイスが審判から勝者の証であるメダルを首にかけてもらい、フィールドから離れていく。

 

「ま、待て!おい、あの小僧を捕らえろ!」  

「は?」

 

 先程拍手をしていた聖騎士達がネルソンからの命令に戸惑う。

 

「は?じゃない、さっさとあの者を捕らえるんだ!抵抗するようなら殺せ!」

「え……し、しかし捕らえる理由がありません…………」

「試練で不正行為を働いた疑いがある!それで十分だろ!?なにをしている!わしは大司教だぞ!聖騎士なら命令に従え!」

「は、は!すぐに―――」

「待ちなさい!」

 

 聖騎士達の前にアレクシアとローズが立ち塞がり、携帯していた剣を構える。

 

「大司教代理ネルソン!先程からの発言、いくらなんでも横暴が過ぎます」

「アレクシア王女の言う通りです!他の挑戦者の時はなにも言わなかったのに何故彼にだけそこまで動揺されてるのですか!?」

「まさか、あのエルフの少女となにか関係が?」

「――――っ、こ、これは教会の問題です。二か国の姫君には関係ありません!」

「生憎と彼はミドガル王国の人間で、同じ学園の同級生でもあったのです」

「後輩でもありますので関係あります。それ以前に困難な試練に打ち勝った挑戦者への侮辱を魔剣士として見過ごすわけにはいきません!」

 

「こ、このガキ共が出しゃばるんじゃない!……そこをどけ!」

「どきません!捕縛は阻止させて貰います!」

「図に乗るなよ!」

 

 

「――――私も加勢しよう」

 

「「「え?」」」

 

 緊迫状態のなかで突然聞こえた第三者の声。

 辺りを見回すと、いつの間にか聖騎士達とネルソンの周囲を六人ほどの軍服を着た集団が囲うように立っていた。

 

「な、なんだこいつら……」

「あの意匠………ベガルタ帝国軍のじゃないか?」

「な!?」

「な、なぜベガルタの軍がここにいる!?いったい誰の命令で―――」

「私だよ」

 

 そこに一人だけ、衣装が他と異なる丸眼鏡をかけた老齢の男性が現れた。

 白髪をオールバックにし、長いひげを生やしている。

 70代くらいの老人だというのに油断も隙もない巌の表情、この場の人間の中でも一際大きな存在感と威圧感、威厳を放つ男だ。

 

「来賓の紹介があったのだから私が誰だかご存知だと思いますがね。大司教代理」

「……アンドレイ・ザックレー総統」 

 

 丸眼鏡をくいっと動かす老人が誰だかわかったネルソンは顔を青ざめる。

 

 アンドレイ・ザックレー

 世界で有数の軍事国家『ベガルタ帝国』の軍のトップ。

 魔剣士の最高位に7人の魔剣士で構成される「ベガルタ七武剣」に若い頃在籍しており、しかも過去に女神の試練に挑戦して古代の戦士を倒した過去がある実力者だ。

 今回の女神の試練に元七武剣のアンネローゼ・フシアナスが挑戦するというのもあり来賓として来ていた。

 

「て、帝国の総統閣下がなんの真似で?」

「なんの真似、ですか。ミドガル王国とオリアナ王国の姫君達に同調した、という理由では不十分ですかな?」

「「え――」」

 

 突然の帝国軍総統の登場に動揺していたアレクシアとローゼは彼の言葉に呆けてしまう。

 

「自慢ではないが私も若い頃は剣を振るって女神の試練に挑戦しましてな。相手の力量を測れる観察眼はまだ鈍っていないと自負していますよ。私から見ても彼が不正行為を働いたようには見えなかった。それに、たとえなにかしらの小細工をしたところであのエルフの少女相手に通じないのは彼女の力量を見ればわかります」

「だがおかしいのだ!あの女が田舎貴族のガキ程度に負けるはずがない!あの女は――――」

「あの女は、なんですかな?」

「あ――」

「その様子だと、大司教代理はあのエルフが何者かご存知の様子だ。そういえば先程貴方は彼女のことを”オリヴィエ”と呼んだ気がしましたが?」

「わ、わし……そんなこと言いましたかな?」

「………ふむ、他の者はどうだね?」

「はっきり言ったのを聞きました」

「私も聞きました」

「自分も」

 

 とぼけた振りをするネルソンを見て、ザックレーは部下たちに聞く。部下たち全員耳にもネルソンの失言が届いていた。

 

「姫様方はどうですかな?」

「は、はい。はっきりと」

「私もです。そこの大司教が彼を殺すように彼女に命令していました」

「とのことです。いったいどういうことなのか説明願いますかな?」

「そ、それは……その…………えっと……」

「質問を変えましょう。代理とはいえ大司教である貴方がなぜ彼を殺したかったのですか?」

「えっと………」

 

 どう言い訳しようか思考を巡らせるが中々いいアイデアが浮かばないネルソン。

 

「こ、これは教会の問題で………帝国人、しかも軍の総統である貴方が口を出せば国際問題に――――」

「先程聞いたセリフに似た返答ですな。ですが周りをよくご覧なさい」

「ま、周り?」

 

 ザックレーに言われた通りに周りを見渡す。ネルソンに向かうVIP達の視線が冷ややかなものだった。

 

「なんなのあのハゲ……都合が悪くなったら国際問題の話を持ち出してくるなんて」

「なんであんなのが聖地の大司教やってるんだ?」

「というか、私あの人のことよく知らないんですよね。ドレイク大司教はどうしたのでしょうか?」

 

 

「あ…………」

「どうやら貴賓席の皆様には、この場で問題を起こしてるのは大司教代理ネルソン、貴方個人に見えるようですな。さて、この状況でもまだ彼を殺……失礼、捕縛の命令を?」

 

 ザックレーの鋭い眼光に、ネルソンは委縮してしまう。

 どう見ても不利なのは自分だ。これ以上事を荒立てようものなら会場の人間全員を敵に回すことになる。

 最悪、聖教の本拠地、宗教国家オルムが黙ってはいないだろう。

 

「その……えっと……」

「ああ、そういえば先程大司教は二か国の姫様方に暴言を吐いていましたな」

「え?」

「確か王族に対する無礼な行為はかなり重い罪になるはず、聖地の大司教とはいえ2か国のとなると極刑は免れな―――」

「わ、わかりました!め、命令は取り消します!だから、どうかそのことは――!」

 

 完全に堕ちた。

 アレクシアとローズへの暴言を国に報告しない代わりにヴァイスの捕縛命令は無くなったのだった。

 

 

 

(す、凄い……あの狸親父を舌戦で打ち負かしちゃうなんて……伊達に軍の総統をやってないってわけね)

 

 自分にもあれくらいの話術があれば監査を通せたかもしれない、とアレクシアは悔しがる。

 

 

 

(あれがベガルタ帝国の総統………調査報告通りかなりのやり手ね)

 

 ナツメもといベータはザックレーを警戒していた。

 シャドウガーデンの調査によれば、ベガルタ帝国は教団に支配されている。

 数百年前のベガルタ大陸が領主達による群雄割拠の戦乱の時代、ほとんどの領主達が疲弊し、それでも大陸統一を渇望していた所をディアボロス教団が介入。結果として協力関係を結んだ貴族が大陸統一を成して初代皇帝となり、以後もディアボロス教団は裏で貴族や要職等に介入するなど、癒着関係を築いている。

 だがザックレーだけは違った。

 アンネローゼと同じく教団との繋がりはなく、自身の力で総統にまで上り詰めた実力者。

 

(彼の存在がシャドウガーデンにとって有用であるか、それとも害になるのか…………) 

 

 

 

 

「すみませんザックレー総統」

「ん?なんですかなオリアナの姫君」

(え?会長?)

 

 ローズがザックレーに声をかける。

 

「あの、加勢してくださりありがとうございます」

「………驚きましたな。まさかオリアナの姫君に礼を言われるとは」

 

 オリアナ王国とベガルタ帝国の仲は良くない。

 「芸術の国」と称されるオリアナ王国では剣術は野蛮なものとされている。軍事国家であるベガルタ帝国を野蛮な国と称するほど。しかも数百年前にベガルタ帝国がオリアナ王国に侵攻した過去があり両国の関係はあまり良くないのだ。

 故にオリアナ王国の王女であるローズが取った行動は誰にとっても予想外だった。

 

「そうですね………両国の関係を考えればそうでしょう。私はオリアナ王国の姫でありますが、ミドガル王国魔剣士学園の生徒会長でもあります。なので、後者として後輩を助けて下さったこと感謝します」

「…………なるほど。では後者の感謝の言葉、しかと受け取りました」

 

 ローズの物怖じしない態度にザックレーは正直感心していた。

 

「アレクシア王女」

「はい?」

「貴女の国にあれほどの技量を持った魔剣士がいたとは…ミドガル王国は安泰ですな」

「ど、どうも」

 

(ローズ会長も凄いわ………王国の姫としてと生徒会長として、か)

 

 なら自分はどうだろうか?

 ミドガル王国の王女としての自分、紅の騎士団のメンバーとしての自分は同じものだ。

 それ以外の自分はあるのだろうか?

 アレクシアはどれだけ自問自答しても答えが出なかった。

 

 

 

 

「それでは私は失礼させてもらいます」

「え?試練はまだ終わっていませんが?」

「何分忙しい身故国から長く離れるわけにもいきませんのでな。元々アンネローゼの試練が終わればすぐに帰国する予定でした。それに、形がどうあれ教会の人間とひと悶着起こしてしまったわけですからな。国に伝わる前に火消ししませんと……姫君達も同じですよ」

「「あっ」」

 

 後先考えずに動いてしまったとアレクシアとローズは自分達の事の重大さに漸く気づいた。

 

(あれ?なんで総統はアンネローゼのが終わってすぐに帰らなかったの?)

 

ふと気になったことをアレクシアが聞く前に、既にザックレーは「それでは失礼」と部下を引き連れてその場から去ったのだった。

 

 ちなみに、その後試練が続く間もネルソンは来賓客からの厳しい視線に晒され、ストレスで髪が更に後退したとか。

 

 

 

 

 

 

 

「……本当に、折れた剣で勝ってしまわれた」

 

 歓声が響く中、観客席の隅でヴァイスの戦いの一部始終を見ていたシャドウガーデンのメンバー。

 ニュー、カイ、オメガが愕然としている中、イプシロンは最初からわかっていたとばかりに余裕の笑みを浮かべていた。

 

「どう?驚いたかしら?」

「はい…まさかあの不利な状況下で傷も負わずに切り抜くなんて」

「主様が認めた相棒なら当然よ。たとえどれだけ多くのハンデを負ったとしてもあの方は如何なる相手にも負けないわ。そういえばオメガ、ちゃんと録画はできてる?」

「は、はい!一部始終記録しました!他の者も別のアングルから撮ってると思われます」

「よろしい。アレクサンドリアにいるラムダにもデータを送るといいわ。完璧に修得できるかは定かじゃないけど、指南の参考に使えるといいわ。あと七陰の分もコピー宜しく。く・れ・ぐ・れ・も宜しく」

「りょ、了解しました!」

 

 食い気味のイプシロンに圧され、オメガは上擦った声を上げながら軍隊式の敬礼をした。

 

「…………まぁその件は後にして、もうじきアルファ様から行動開始の合図が来るわ。貴女達も準備しておきなさい」

「「「は、は!」」」

 

 イプシロンの命に従いその場から移動する面々。

 その中でニューは興奮が未だ治まっておらず、心臓が強く高鳴っていた。

 

 シャドウガーデンに入り、ラムダの元で剣術の指南を受けて1年弱しか経っていないが、ニューの目から見てヴァイスが魅せたあの剣は教わった剣術以上に洗練されている事がわかった。

 剣が折れても劣ることのなかった剣筋。

 速度と威力で勝っている相手の剣をものともせず、絡め、捌き、流し、流れるように確実に攻めていく。

 単純な力の押し合いだけで勝負は決まらないと証明してくれるような、まるで極限まで研ぎ澄まされた剣の芸術だ。

 

 ニューはそれがとても美しいと感じた。

 だがイプシロンはあれで本気ではない言ったのだ。

 まだ更に上があるのだろうか?

 

 あるのならどんなものなのか、できるならお傍でそれをご覧になりたい。

 芽生えた彼女の好奇心が当初の彼に対する疑念を掻き消したのだった。

 

 

♢♦♢

 

 

「ヴァイスちゃんおつかれさまぁ」

 

 審判から受け取ったメダルを手に持ったままフィールドを後にすると、弾けるような笑顔を見せたアンナにそのままがばっと抱きしめられた。

 

「古代の戦士を倒しちゃうなんてヴァイスちゃんすごいわぁ~」

 

 抵抗する暇も無く捕まり驚くオレをよそに、アンナはご満悦の状態でオレの顔に頬ずりをしていた。

 家ならともかく、外でやるのは勘弁してほしい。

 アンナの外見は実年齢よりも若く見え、知らない人間からすれば20歳前後だろうと勘違いする。現に遠目にこちらを見ていた挑戦者達が「あんな綺麗な姉ちゃんにスリスリされてるだと…!?」「やっちまうか?」「やめとけさっきの見ただろ。勝てるわけねえだろ」と目から血涙を流しながら睨んでくる。

 

「……相変わらず愛情表現が過激ね」

「えっ、いつもあんな感じなんですか?」

 

 ほら、さすがのクレアも呆れちゃってるし。 

 

「あの、養母さん。人前だから…………」

「あらそうだったわ。ごめんなさいね。お母さん嬉しくてつい」

 

 名残惜しそうにしながらもアンナは漸く離れた。外野が「お母さん!?親子なのか!?」「全然似てねえ」と騒がしいため移動することにする。

 

「それにしてもヴァイス君、よくあの攻撃を受けて無事でしたね」

「そうね。あんなの喰らったら消し飛んでるはずよ」

「ああ、オレもそう思ったからな。当たる前に全速力で避けた」

 

 噓は言っていない。かなり強力な攻撃でも当たらなければどうという事は無い。大振りの攻撃の分、離れてカウンターを決める余裕は十分にあった。

 オレがやったのは、縮地で射線から外れ、オリヴィエの背後に回り込んで後に一撃を決めるというただそれだけのこと。

 魔力の出力を抑えたまま、しかも武器が半分折れた状態でやるのは正直面倒くさかったな。

 あの大司教が余計な横槍を入れなかったらもっと時間がかかってた。

 

「いやあ、剣が折れた時から駄目かと思ったよ」

「何が駄目だったよ。滅茶苦茶余裕だったじゃない。やっぱり私のときも手を抜いてたでしょ。嘘つき」

 

 何故か不機嫌な様子のクレアがオレの脇腹を殴る。

 

「お前な、厳しい試練を乗り越えた挑戦者にする仕打ちじゃないな…痛いぞ」

「フーンだ」

 

 クレアが物凄く拗ねてる。子供だな。

 

「今、子供だなって思ったでしょ?」

「…そんなことないぞ」

「何故バレた」

「それよりもうここを出たいんだが」

「あら?他の試練は見ないの?」

「流石に疲れたから、温泉にゆっくり浸かってから眠りたい」

 

 オリヴィエを倒してしまったからな。あの大司教が余計なちょっかいをかけてきそうだからここに長居はしたくないのだ。

 

「あらぁ、それじゃあ頑張ったヴァイスちゃんのお背中を流さないといけないわねぇ」

「お、お背中!?」

「ということは混浴ですか!?」

「男女別で」

 

 それは色々アウトだろ。

 

「ちょっと待ってヴァイス・ネーベル!」

「ん?」

 

 後ろから聞き覚えのある声がして、振り返るとアンネローゼ・フシアナスがいた。

 

「試練の突破おめでとう。貴方の闘いぶり見事だったわ」

「どうも」

 

 アンネローゼはオレを見上げて微笑む。

 なんかこの人セレモニーのときとは打って変わって友好的だな。

 

「アンネローゼさんも見事な闘いぶりでしたよ」

「いいえ、貴方と比べたら私なんてまだまだよ。強くなるために国を出て、あの頃より強くなったつもりでいたけど、世界には上には上がいるってことを思い知ったわ」

「はぁ…」

「でもそうだとしても強くなることを止めるつもりはないわ。ヴァイス・ネーベル、貴方ブシン祭にはもうエントリーした?」

「え?まぁ…」

 

 義妹が勝手にだが。

 

「私もブシン祭に出るつもりよ。私は貴方と真っ向から勝負してみたい」

 

 あっ、キャンセルすること言わないと。

 

「いや、あの…」

「それじゃあ今度はミドガルで会いましょう」

「あの、ちょっと」

 

 オレの呼び止める声が届かず、アンネローゼは行ってしまった。

 

「あの、ヴァイス君ブシン祭に出るつもりないですよね?」

「そのつもりなんだが…………参ったな」

 

 出なかったら絶対面倒くさいことになりそう。

 

「あら?もう思い切って出ればいいじゃないの?私があんたを試合中にぎったんぎったんにしてやるんだから」

「それ前にも聞いた気がする」

 

 クレアの方を見ると、彼女はギロリと鋭い目つきで腕を組みながらオレを睨んでいた。

 

「どうしたんだよ?」

「どうしたってなにが?」

「いや、なんか物凄い顔してるぞ」

「そう?別にそんなつもりはないわよ」

「……そうか」

 

 まあクレアがオレを睨むのはいつものことか。

 

『次ッ!ミドガル魔剣士学園生徒から!シ――』

 

「え?今シドの名前が呼ばれた気がしたわ」

「そんなわけないだろ。弟が恋し過ぎて遂に幻聴まで聞こえてきたか?」

「なっ、そんなわけないでしょうが!」

 

 シドがエントリーしてようとどうでもいい。さっさとこの場から退散だ。

 後はミアとモニカに任せた。 

 

 

♢♦♢

 

 次なる挑戦者でシドの名前が呼ばれた途端、最近ミドガル王国を騒がせているシャドウガーデンの盟主(笑)シャドウが乱入。

 すると古代文字が反応して災厄の魔女アウロラと呼ばれる謎の美女が登場。そのまま試練が開始した。

 

 魔力操作を応用した血液操作による猛攻で初手から一方的にアウロラが攻め立てていたが、最後はシャドウの一撃で敗北。

 

 あっさりと、あっけない決着で、それはまるで獅子が子羊の首を捻るかのようだった。

 シャドウが何をしたのか、そこでどんな攻防があったのか、誰も理解できない。

 激闘が嘘だったかのように会場は静まり返っていた。

 

「負けた……のか?バカな、攻めていたのはアウロラだったはずだ!」

 

 あれは歴史上最強の女だ、とか得意げに言っていたハゲがオリヴィエの時と同じくらい激しく動揺していた。

 

「いったい何があった……アウロラが負けるはずがない! あの女は……!」

 

 シャドウが漆黒のコートを翻し夜空に飛び上がる。

 

「騎士たち何をしておる!早く奴を捕らえろ!」

 

 その時眩い光が舞台を照らし出した。

 フィールド中央に白い大きな扉が現れた。

 

「これって!?」

「扉が……開いていく?」

 

白い扉は淡く輝きながら、少しずつその扉を開けていく。

 

 

 不思議な光景だった。

 

 

「まさか……聖域が応えたというのか……?」

 

 ネルソンが呆然と呟いた。

 

「聖域が応えたとは……?」

「ご存知の通り今日は一年に一度、聖域の扉が開かれる日です」

「聖域の扉は聖教会にあると聞きました」

「ええ。聖教会にあります。しかし扉は一つだけではないのです。聖域はその扉を叩いた者によって迎える扉を変えるのです。招かざる扉、招集の扉、そして歓迎の扉……。あの扉が何なのかは入ってみるまで分かりません」

 

 ネルソンは白き扉を見たままローズの問いに答えた。

 

「こうなっては女神の試練を続けることはできません。観客を外へ出しなさい」

 

 ネルソンの指示を受け係の者が観客を外へ誘導していく。来賓客も順に席を立つ。

 その間も少しずつ扉は開かれていく。

 

「誰も扉に近づけさせないように!」

 

 ネルソンが指示を飛ばす。

 そして扉が一人分ほど開いたところで、ローズたちにも声がかかった。

 

「皆様にも退出お願いします」

 

 ネルソンがそう言った。

 その瞬間、アレクシアとローズは剣を抜き、ネルソンの背後の存在に向き合うように構えた。

 

「なにを…?」

「悪いけれど扉が閉まるまでの間、大人しくしていて頂戴」

 

 鈴が鳴ったかのような美しい声が聞こえた。

 

 辺りを見回すと、いつの間にか周囲は黒ずくめの集団に囲まれていた。ローズとアレクシアでさえ直前まで気配すら察知できなかったのだ。

 

「ッ、貴様ら、何者―――まさか、シャドウガーデンか!?」

「あら、名乗る前に当てちゃうなんてただの教会の神父じゃなさそうね」

 

 ネルソンが声を荒げると、代表する様に金髪のエルフが前に出た。

 

 その視線が一瞬、ローズとアレクシアを見た。

 一目見て強いことが見て取れた。

 下手をすれば王国最強と言われるアイリスよりも…

 

「イプシロン、後は任せるわ」

「了解いたしました。アルファ様」

「っ、あれがアルファ……」

 

 アレクシアが呟く。

 

「待て、聖域に入るんじゃない!!」

 

 ネルソンの絶叫を無視して、アルファと呼ばれた女は光の扉の奥に姿を消した。

 彼女の後に続くように一人、また一人と聖域に入っていく。

 

「聖域でいったい何をするつもりなの?」

 

 とアレクシアはイプシロンへと訪ねる。

 

「何をするか、ではなくそこに何があるだ。大人しくしていれば危害は加えない。せいぜい賢い選択をする事だ」

 

 ローズたちを視線だけで牽制する。透き通った湖のように美しい瞳が、油断なく二人を見据える。

 この女も強い。アルファほどではないが、強者特有の圧があった。

 しかし、いざとなったら……。

 

「動くとこの女がどうなっても知らないぞ」

 

 ローズと、そしてアレクシアの敵意を読み取ったかのようにイプシロンが言った。

 彼女の視線の先には、黒ずくめの女に捕らわれたナツメ先生の姿があった。

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 申し訳なさそうに目を伏せるナツメ先生。

 

「ナツメ先生ッ……!!」

「…………見捨てるのもアリね」

「駄目ですッ!!」

 

 アレクシアには効果がなかった。

 

「見捨てた方がいいわ、うさんくさいもの」

「ダメったらダメ」

 

 アレクシアとローズがそんなやり取りをしている間に聖域の扉の光は明々としていたのが段々と輝きを失っていく。

 ゆっくりと、ゆっくりと。

 シャドウガーデンの構成員たちは続々と扉の中へと入ってゆき、捕らえられたナツメとネルソン大司教代理も扉の方へ歩かされる。

 

 ローズとアレクシアはそれをただ見ているだけしかできなかった。

 一人一人の隙がない。

 黒ずくめの集団は一人一人が強く、そして統率が取れていた。彼女たちは三人一組のチームで互いをフォローしていた。 ほんの僅かな隙を突いても、即座にカバーされることが容易に予想できる。極めて洗練された集団行動だった。

 

 光がどんどん弱くなっていく。

 

「やめて、乱暴しないで!」

「ナツメ先生ッ!!」

「わ、私は大丈夫です、だから心配しないでください!」

 

 ナツメ先生は震える声で健気に叫び、扉の中へ連れ去られた。

 ローズは泣きそうな顔でそれを見送った。

 

「うさんくさ」

 

 と誰かの呟きが聞こえたが無視した。

 最後に残ったのはイプシロンと拘束されたネルソンだった。

 

「一緒にきてもらう」

「そんなに行きたければ行くといい…あの世へな!処刑人(ヴェノム)!」

 

 ネルソンの言葉を皮切りに突如舞い降りた黒い影。

 処刑人と呼ばれた黒づくめの人物の大剣がイプシロンへと横凪に振ろうとしたその瞬間、横から黒い線のようなものが飛んできて処刑人のこめかみを貫いた。

 

「は?」

 

 ガラクタ人形のように四肢を投げ出し、処刑人は床に転がる。当然ピクリとも動かない。

 貫かれたこめかみからドクドクと血が流れて床を汚していく。

 

「い、いったいなにが……?」

「――――駄目じゃないかイプシロン。ちゃんと魔力感知で周りを警戒しないと」

「「「「っ!」」」」

 

 イプシロン達の前に新たに現れた黒づくめの二人組。

 

「っ!銀閃に大鴉!?なぜ貴女達がここに!?」

「お久しぶりです。イプシロン様」

「なぜって、ちょっとお手伝いに」

「は!?」

 

 銀閃と大鴉…………ミアとモニカの登場にイプシロンが驚く。ミストの親衛隊メンバー2人が来るとは聞いていなかった。

 

「あれが大鴉………」

 

 アレクシアは大鴉のことをグレン達から聞いていた。

 ルスランの配下による学園襲撃事件で紅の騎士団に協力を持ちかけてきたシャドウガーデンのメンバー。

 もう一人の方は知らないが、二人共アルファに匹敵するほどの強者特有の圧があった。

 

「あっ、そこにいるのってひょっとしてアレクシア王女?」

「えっ」

「初めまして。知ってると思うけどボクは『大鴉』。学園襲撃でそっちに迷惑をかけちゃったみたいだね」

「ど、どうも……」

 

 アルファやイプシロンと違いフランクに話しかけてくるモニカにアレクシアは戸惑う。

 

「なんかここに監査に来たのに大司教殺されちゃって有耶無耶になっちゃったんだって?」

「え?どうしてそれを――――」

「ネタバレすると………ドレイク大司教を殺したの、床に転がってる処刑人だよ」

「えっ!?」

「処刑人ヴェノム…………かつて女神の試練に挑み、オリヴィエを呼び出した流浪人でしたが、ジャック・ネルソンの汚れ仕事を請け負う哀れな傀儡となりました」

「なっ――――」

「ネルソン大司教の!?」

 

 モニカに続いてミアの口から出た内容にアレクシアとローズが動揺する。ローズに至ってはドレイク大司教が殺されたこと自体初耳である。

 

「ということはドレイク大司教を殺害するよう指示したのって――――」

「で、デタラメ言うな!わ、わしはなんも知らん!大司教殺害に一切関わっておらん!」

 

そうネルソンは関与を否定するが、ヴァイスを強引に捕縛もとい殺害しようとしたり、動揺で顔が汗塗れだったりとまるで説得力がなかった。

 

「はいはい。そう簡単に認めるわけないよね。あっ、ちなみに紅の騎士団が動くことになった大司教の噂ってさ

 

 

 

 

――――あれシャドウガーデンが流したんだよね」

 

 

「――……は?」

「えっ!?」

「?噂ってなんの話ですか?」

「ちょっと大鴉!なに部外者にバラしてるのよ!?」

 

 モニカの行動に怒りを露わにして、イプシロンが怒声を発しても当の本人は意に介していない。

 

「何故、そんなことをしたの?」

「ジャック・ネルソンを表舞台に引きずりだすため、みたいだね」

「?みたい?」

「ボク等とこいつらは指揮系統が別だからね。今回の作戦も情報共有されてないんだよ」

「大鴉。そろそろ」

「おっとそうだった。それじゃあボク等も聖域に入るから、イプシロン。そのゴミをちゃんと連れてくるんだよ」

「なっ、ちょっと待ちなさい。まだ話が――――」

 

 イプシロンを無視してモニカとミアが閉じかけた扉の奥へと姿を消した。

 二人を追いかけるようにイプシロンはネルソンを引きずって閉じかけた扉の奥に姿を消した。

 扉が閉じていく。

 

 閉まりきる直前、彼女が飛び出した。

 

「アレクシアさん!?」

 

 ローズの制止を無視して、アレクシアは扉の隙間に入り込んだ。

 

「ああ、もうっ!」

 

 ローズも追いかけて転がり込み、直後に扉は閉まり切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、やっぱり来たみたいだね」

 

 アレクシアとローズが扉をくぐり抜けた先は薄暗い吹き抜けの通路だった。

 周りには黒ずくめの女たち、その中にアルファ、イプシロン、ミア、モニカ、そして捕らえられたネルソンがいた。

 シャドウガーデンとミスト親衛隊のミアとモニカが向かい合った形になっており、両者に挟まれたネルソンが酷く怯えている。

 

「ごめんなさい、躓いて転んでしまったの。それで、転んだ先に扉があってどうしようもなかったの」

 

 当然自分の意思で入ってきたのだが、アレクシアは堂々と宣言していた。同行したローズも流石にそれは通らないでしょ、と呆れている。

 

「へぇ、随分と派手に転んだみたいだね……(言い訳下手)」

(……ミスト様、この王女思ってた以上に無鉄砲のようですよ)

 

 モニカとミアも口に出さないがアレクシアに呆れていた。

 うん、もうそれでいいよって、シャドウガーデンの面々もそんな態度でアレクシアを見ていた。

 

「…………大人しくしているなら好きにしなさい。もしかしたら、あなた達は知るべきなのかもしれない」

 

 アルファがアレクシアを一瞥しそう言った。アレクシアは「やった」と小さくガッツポーズした。

 

「…………それで、何故貴女達二人がいるのか説明してくれないかしら?」

 

 アレクシアとローズはひとまず置いておいて、アルファはミアとモニカに向き直る。

 

「いやあ、君達聖地でなにかデカいことをしようとしてるみたいだったからさ、こっちはなんの報告も聞いてないけど。それでミストがボク達も行くように指示したんだよね(折角の休暇が返上になって、どうしてくれるんだよ)」

「そう…流石ね」

 

 なにかを悟ったような表情をするアルファ。

 

「彼は承知の上で私達の補助に回るというわけね………でも人手は足りてるから手伝いは不要よ」

「はいそうですかって帰るわけにもいかないんだよこっちは」

「ミスト様ご自身からのご命令となればなおのこと」

 

 そう言ってミアは懐から取り出した通信機のボタンを押す。

 

 

『――――ミストが命じる。アルファ、聖域内での活動に銀閃と大鴉の同行させろ』

「っ!?この声はミスト!?」

 

 通信機から聞き慣れた陰の参謀の声が響いてシャドウガーデンのメンバーは動揺する。

 ネルソンが「えっ、この声は…」となにか呟いているが誰の耳にも入っていない。

 

「驚いた?通信機にもう一つ録音機能っていうのがついていてね。こんな風に本人の指示内容を伝えることができるんだ」

「聞いた通り、同行は確定事項です。ミスト様のお言葉は全てに優先される――――この意味アルファ様はわかりますよね?」

「…………いいわ。邪魔はしないでよね」

「勿論(邪魔してるのそっちだろうに)」

 

 アルファが指示を出し、黒ずくめの女たちが散開していく。その中にミアが加わる。

 

 そして残ったのはアルファ、モニカ、ネルソン、ローズ、アレクシア、ナツメ、そして正体の分からない黒ずくめの女。彼女はイプシロンとは別人のようだ。

 

「こんなことをして、何のつもりだ?」

 

 黒ずくめの女に拘束されたネルソンがアルファを睨み上げた。

 

「この地は『英雄』オリヴィエが討ち倒した『魔神』ディアボロスの残骸……その左腕を封印した場所とされている」

「それがどうした!?御伽話を頼りに腕でも探すつもりか!?」

「それも楽しそうだけれど……我々が知りたいのはそんなことじゃないの。我々が知りたいのはディアボロス教団のことよ」

「えっ……」

 

 アレクシアがディアボロス教団という言葉に反応した。視線を厳しくするアレクシアを、ローズは横目で見ていた。

 

「なんの話だ……?」

「答えられないのはわかっているわ。だから直接見に来たの。最初から全て、歴史の闇に葬られた真実を探しに」

 

 アルファは背を向けて、大きな石像の前に歩いていく。

 その石像は聖剣を掲げた女性だった。美しい、戦乙女のような神々しさがあった。

 

 その容姿にアレクシアとローズは見覚えがあった。

 

「あれ?女神の試練に現れたエルフの少女に似てる?」

「確かに………」

「それは英雄オリヴィエの像よ」

 

 アルファの言葉に、ローズは首を傾げた。

 

「英雄オリヴィエ……?しかし彼は男性のはずでは?」

 

 それも当然のことだろう、一般常識として習ってきたオリヴィエは全て男性。しかし、目の前にある石像はどう見ても女性なのだから。

 

「その情報は教団が真実を隠すために作った噓だよ。女神の試練で学生君が呼び出したエルフの少女をそこにいるジャック・ネルソンがオリヴィエって呼んでたのもう忘れたの?」

「あっ、そういえば」

 

 シャドウの乱入やシャドウガーデンの登場などがあってすっかり忘れていたローズ。

 

「我々はおおよその事は理解している。しかしまだ確信を持てずにいる。歴史の真実も、教団の真の目的も、そして……」

 

 アルファは英雄像に手を伸ばし、その頬にそっと触れた。

 

「なぜ英雄オリヴィエが私と同じ顔をしているのかも」

 

 そして振り返る。その顔にあった仮面が消えていた。

 

「エルフ……?」

 

 それが誰の呟きだったかはわからない。

 だが、誰もがその美しさに息をのみ、そして同時に気づいた。彼女の顔は、英雄オリヴィエとうり二つなのだ。

 

「まさか、貴様はエルフの……だが悪魔憑きになって死んだはず……」

「やはり、あなたは知っているのね」

「ッ……!」

 

 ネルソンは慌てて口を閉ざした。

 

「我らは悪魔憑きの真実も知っている。秩序を制御したい教団にとっては、さぞかし邪魔でしょうね?」

 

 ネルソンは俯き何も答えなかった。

 

「教団の目的が単なる魔人の復活ではないことも察している。しかし、確信はない。だから皆で直接見に行きましょうか」

 

 アルファはそう言って、石像に魔力を込めていく。魔力の高まりが、大気を震わせる。

 

「この魔力、やはり悪魔憑き。自力で覚醒したのか……?」

 

 その尋常ではない魔力量に、ローズは背筋が冷たくなった。もし彼女の矛先が国へ向いたとき、それを止めるには膨大な戦力が費やされるだろう。

 

「今から約千年前かしら。この地で大きな戦いがあった。英雄が魔人を封印し、幾多の命が散った。魔人の魔力と、戦士たちの魔力がこの地で渦巻き、その魔力の渦に行き場を失くした記憶が閉じ込められた。ここは、古の記憶と魔人の怨念が眠る墓場」

 

 石像が魔力に反応し光り出す。そして古代文字が浮かび、石像が色彩を帯びていく。

 

「英雄オリヴィエ。あなたなら応えてくれると思ったわ」

 

 そこに、アルファとうり二つの英雄オリヴィエが現れた。

 

「バカな……まさか……」

 

 ネルソンの足が震えていた。

 オリヴィエはローズたちに背を向けて歩いていく。オリヴィエの道先が光に染まり、それはやがて周囲に広がった。

 

「さあ、お伽話の世界に旅立ちましょうか」

 

 光り輝く世界の中で、アルファの声が最後に聞こえた。

 




おまけ

ヴァイスの前にも聖域への扉が現れようとしたのだが…………

「ん?」
『あっ』

 カポーン

 ちょうどその場所が露天風呂の男湯だった。

『し、失礼しました』シュン

 気まずくなってすぐに消えてしまう扉。

(なにあれ!?あんなに大きいものなの!?)

 それからヴァイスの前に扉が出現することはなかったとさ、チャンチャン

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