千手扉間に責任を取って欲しいうちはイドラの話   作:藤猫

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感想、評価ありがとうございます。感想いただけましたらうれしいです。


この話のキャラと原作に飛ばす話を考えてるけど、だいぶ脱線してしまう。
原作のダンゾウに、広間とか狭間とか、ひ孫の方のオビトと原作のカカシをぶつけたい。


赤ん坊って可愛い、それはそれとして寂しい

赤ちゃんって可愛い。

それはまさしく、この世の当たり前だろう。暖かくて、柔らかくて、丸っこいのだから産まれたばかりのしわくちゃな赤ん坊さえも可愛いものだ。

それについてうちはイドラこと千手イドラだって否定しない。否定はしないのだけれど。

 

(・・・・私のなのに。)

 

 

 

千手とうちはの合いの子である千手広間が産まれてから数ヶ月が経った。それぐらい経てばある程度、自意識とまでは行かないが何かしらの反応をするようになる。

そんな広間であるが、赤ん坊であるのにすでに完全に見た目は父親である千手扉間の生き写しだ。

扉間が赤ん坊の頃はこうだったんだろうなあと思えるような見た目だ。兄である千手柱間は、赤ん坊の扉間ぞ!とそれは嬉しそうに広間に構っている。

正直、未来からやってきた息子や娘一行の存在を知っていた千手兄弟とうちは兄弟を除けば、皆、イドラに似ている子を望んでいた。

そのため、そうかあ、扉間様似かあとちょっと残念そうにしていた。

軽く無礼では無いか?と扉間が思う程度に、千手の人間はがっかりした。が、広間は見た目は扉間似であれど、中身はきちんと母親似だった。

 

広間はめちゃくちゃに愛想が良かった。

誰に抱っこされても泣くことは無く、どんな人間にもぱたぱたと手を伸ばしてご機嫌で懐くのだ。

いないいないばあなんてして見ればもうにっこにこで喜ぶのだから誰も彼もが広間に構いたがった。広間は両家で爆発的に人気だった。

 

アイドルってあんな感じかなあ、などとイドラが呟く程度に人気だった。

 

「・・・・さすがはイドラの子、扉間とは大違い。」

「扉間様が赤ん坊の頃ってどんな感じですか?」

「そうだな、なんというか、赤ん坊の頃からあれは扉間として完成してたからな。」

「か、完成・・・」

「ああ、赤ん坊の頃から、あれだ。」

 

その言葉にイドラの脳内には泰然自若にどっしりと構える赤ん坊の姿が浮んだ。たしかに、そんな赤ん坊は嫌かもしれない。

 

 

 

「本当に扉間殿に似ておられますね。」

「ああ、見た目は本当に扉間似だ。」

「可愛いですよ!」

 

その日、イドラは義理の姉であるうずまきミトこと千手ミトに会いに行っていた。

ミトの腕の中にはすやすやと眠る広間がいる。

基本的にぐーすかと眠るか、それとも周りに愛想を振りまくことしかできない広間は抱っこされようと、畳の上に寝かされようと基本的に変わらない。

泣くことだっておしめが濡れたときだとか、そんな時だけなのだから非常にご機嫌だ。

 

赤ん坊の時のイドラそっくりだとマダラが太鼓判を押している。

 

ミトは正座をしながらにこにこと赤ん坊をのぞき込んでいる。イドラはその膝の上に両手を乗せてにこにこと笑いながらミトに話しかけている。

それをアカリは湯飲みの中身を啜りながら、ぼんやりと、全力で人に懐いている犬と飼い主の姿がダブって見えた。

 

 

「にしても、本当に泣かれませんね。」

「ですねえ、赤ちゃんってもう少し泣くんだが。」

「私もイズナも夜泣きが酷かったので覚悟してたんですけど、昼も夜もずっとご機嫌です。」

 

ミトは抱っこしていた広間をイドラに渡した。広間は母親の腕の中に帰ってきたことが分かったのか、おもちゃのような手をイドラに伸ばしている。

 

「ちなみに、柱間は人見知りはしなかったが、夜泣きはすごかったぞ。本当に、赤ん坊のくせにどこにそんな体力があると思われるぐらいに。」

 

アカリの覚悟を促すような言葉にミトはこれから産まれる子どもに少しだけ覚悟を決める。

 

「そう言えば、うちの夫君が赤ん坊の頃はどんな感じだった?」

「兄様は、夜泣きとかはあんまりしなかったそうですけど、人見知りがすごくて、父様とか、母様以外の人に抱っこされると泣きわめいてました。」

「繊細だ。」

 

ミトは目の前で話し込む二人を見た。

ミトにとって、義理の姉になるアカリについては昔から付き合いがあった。

元々、祖母がうずまき一族の出であった彼女は時折うずまきの里を訪れて、封印術などについて学んでいた。

うずまきにて高い地位の家系にあるミトとも顔をよく会わせていた。

そんなアカリの印象は、淡泊な人、である。別段、ミトに対して辛辣だとかはない。女衆とは仲良くしており、当時、千手の宗家にアカリしか女がいないために、彼の一族の女主人はまさしく彼女だった。

そうして、千手柱間との縁談が持ち上がり、決まったとき、アカリは当たり前のように自分の元に顔を出した。

そうして、千手での決まり事や彼女がこれからするだろう雑務について引き継ぎのようなものが行われた。

アカリはやはり普段と変わらず、淡々と事を進めた。ミトはそれを意外に思った。

なんといっても、彼女と柱間との間には婚姻話もあったし、それを抜いてもアカリの彼の人への入れ込みは有名だ。

簡潔な祝いの言葉を発してはくれたが、何か、思うところは無いかとミトはどきどきしていた。

周りの人間、それこそ父や母からこの縁談は必ず成功させるように言い含められていた。

柱間の名声はそれこそ、忍の間に行き渡っている。彼との縁談で、うずまき一族が優位な立場に着くことが出来る。

その縁談で、千手の裏方を仕切っているアカリの機嫌を損ねたくは無かった。

といっても、アカリは変わらず淡々としており、ミトに幾つかの頼み事、それが一番に印象的であったけれど、ひどく醒めた人だという印象だった。

 

(・・・・マダラ様と結婚されて、こう、だいぶ印象は変わりましたが。)

 

ミトはマダラと結婚してからのアカリの変貌振りにちょっと遠い目をした。いや、こう、扉間の婚約者であったときに比べて圧倒的に生き生きとはしているのだけれど。

それでも、以前の出来るお姉さんみたいな幻想が崩れたことに関してはしょっぱく感じる。

 

「ミト様?」

 

その声にミトは意識を戻す。そこには赤ん坊を抱っこしたイドラが心配そうに自分を見ていた。

広間は千手の赤ん坊らしく平均よりも大分大きな赤ん坊だった。それを小柄なイドラが抱っこしているせいか、少女が弟だとかの世話をしているように見える。

 

「どうかされましたか?」

 

イドラというそれをミトは最初は警戒していた。婚約者である柱間は、うちはの頭領について執心しているようで少しだけ話題を聞いていたが。

うちはといえば、千手と相対する一族で、血継限界持ちの秘密主義な一族だ。

姫として戦場に出たことのないミトは伝聞でしか知らないが、高慢で、非情であるのだと聞いていた。

そんな一族と、扉間が密通して恋愛をしていたなんて話を聞いて、ミトは、てっきり同盟への宣伝のために付け加えられた話なのだと思っていた。

 

ああ、義理の姉妹になるといううちはの娘とはやっていけるのだろうか?

ミトは千手の兄弟の妻として行うだろう腹の探り合いを思い、結婚についてまったく挨拶にも来なかった扉間をしばきに帰ると千手に戻ったアカリに探りを入れた。

 

うちはの姫君には会えましたか?

 

軽く手紙でそう問えば、ある程度の情報は貰えるだろうと考えていた。

返信には、ひたすらに、扉間への愚痴が書かれていた。それに、ミトはおそらく絞られただろう扉間に密かに合掌した。

そうして、肝心のイドラについてだが。

 

何というか、めちゃくちゃ可愛かった。

 

ざっくりとした情報がそれだけ添えられていた。

ミトは混乱した。

 

可愛い?

何だその思春期の少年の感想みたいな情報は。

 

柱間にも探りを入れたが、柱間も同じようにめちゃくちゃ可愛い妹が出来て嬉しい、ミトも絶対に気に入るとのことだった。

ミトはそれに焦りを覚えた。

これから自分が掌握せねばならない一族を、すでにうちはに食い込まれてしまっている。

一番に関わりが難しそうな扉間もほだされているのだ。

ミトはこれから、千手で派閥を作らねばならないことに頭を抱え、そうして、イドラにあったわけだが。

 

「こんにちは、ミト様!!!!」

 

あら、元気なご挨拶。

そんな感想と共に引き合わされたそれは、自分に向けて尻尾をぶん回す黒いわんこである。

 

「お話聞いてました!柱間様の奥さんですよね!赤毛が綺麗ですね!うずまきの方ですね!あ、私は、うちはのイドラです!でも、今は千手のイドラなんです!扉間様の奥さんです!これからよろしくお願いしますね!」

 

丁度、千手の女衆の顔合わせに向かっていたとき、廊下でアカリと、そうして話題のイドラにあったわけだが。

そのイドラは心底嬉しそうにアカリに纏わり付いてくる。もう、アカリの周りをうろうろとうろついている。

 

ミトの中で、高慢でつんとすました姫の姿ががらがらと崩れ落ちた。その後も、千手の女衆の元に行けば、それはもうちやほやされた。

おまんじゅうを渡されて、にこにこしながら食べかすつけてる様なんて、緊張感の欠片もない。

完全に、孫を愛でるおばあちゃんの会だった、

 

(でも・・・・)

 

目の前で自分に尻尾を全力で振るイドラを見る。

 

(可愛い!)

 

見目も良いのもあるが、好意を隠さずに全力で微笑まれれば誰だって心をぱかりと開けてしまうだろう。

ミトはイドラに微笑みかけた。

 

「いいえ、何でもありませんよ。それで、イドラ様、おいしいおまんじゅうがあるのですが・・・」

「おまんじゅう?」

「まてい!」

 

ミトがそう言ったとき、手をがしりと掴まれる。

 

「・・・ミト、お前、すでに扉間に怒られているだろうが。あまり、イドラに菓子を与えるなと。」

「そ、それは・・・・」

 

ミトの脳内には、やたらとイドラに菓子を与えて関心を買おうとしたときに、雷を落とした義弟の顔が浮んだ。

ああ、だって、イドラは愛想がいい。それはイコールで誰に対しても平等と言うことだ。

正直、ミトはその改めて出来た可愛い妹分にお姉ちゃんとして慕われたいと願望があった。そうして、全力で懐かれたいと思ってしまっていた。

だって、可愛いのだ。千手の女衆がちやほやするのもわかるほどに。

 

飯が入らなくなるだろうが!

 

今は母乳のことも有り、イドラも食事には気をつけねばならない。それはそうだとミトも理解する。ミトは断りを入れようと、イドラの方を見た。

そこにはしょんぼりとした黒柴が1匹。

 

「イドラ様、おやつにしましょう!」

「だから、餌付けをするな!」

 

アカリのそれにミトは「はい」と肩を下げた。

 

 

 

イドラは広間が可愛がられて嬉しく思っていた。

嫌われるよりも、好かれる方が何倍も良いだろう。

何よりも、広間をきっかけに、柱間の妻であるミトと会えたことが嬉しい。

 

(ミト様と仲良くしておけば、私に何かあっても千手で女衆にないがしろにされないはず。)

 

なんて打算的なこともあったが、それはそれとしてミトはイドラに優しくしてくれる。

 

「扉間様とけんかしたら、家に来てくださいね。柱間様のことを説得して、お二人とも養いますから。」

 

よくわからないが、ミトは自分に対してよくしてくれる。

下手をすると、全力で彼女と柱間の家で養おうとしてくる勢いだ。

 

「みんな、広間の事が好きだから優しくしてくれますね!」

 

俗に言う、抱っこひもを使って広間を己の体にくくりつけてイドラは赤ん坊に言った。その様は、まるで幼い子どもが子守をするかのように稚い。

イドラは嬉しく思った。

どこに行っても、皆、広間にちやほやしてくれる。

千手もうちはも、広間にメロメロだ。それをイドラは嬉しく思う。

嬉しく、思うのだ。自分への関心が薄れてきた感もあるが、それ以上に、嬉しいのだが。

 

 

イドラは廊下を歩く、風呂に入って、もう、後は寝るだけで。その日は扉間が帰ってきていて、広間を見てくれていた。

イドラはるんるんで広間と扉間のいる部屋に行った。

 

「上がりました!」

 

そう言って、部屋をのぞき込むと、そこには広間と、そうしてそれを膝に置くように抱っこしている扉間の姿。

それにイドラはしょんもりする。

 

「どうかしたのか?」

「・・・なんでもないですよー。」

 

そのまま少しの間、その日の出来事、広間の様子などを扉間に報告する。それに扉間は穏やかに微笑んで、広間をのぞき込む。

 

「そうか、今日も皆に愛想を振りまいたのか。」

 

それに広間はすでに夢の中だ。そんな話をしながら、イドラはそわそわと扉間を見る。が、話を終えると、さっさと寝てしまう。イドラは広間に何があったときに動けるように赤ん坊に寄り添って寝る。

そのまま寝入るのだが、イドラはその日もしょんもりした。

 

 

「広間、いいですか。」

 

その日は用も無く、一日家にいた。母乳を与えるために幾度も起きるが、元より忍をしているイドラは短時間で起きては眠るという不規則さについては平気だった。

野営などについてはそういったこともよくある。

そのため、体調面では問題はない。そのため、できるだけ家事は自分でしているのだが。

イドラは広間に乳を与えつつ、不満そうに言い聞かせた。

 

「扉間様はあなたの父上です。ですが、私の夫ですので少しは返してくださいよ?」

 

ぷんすかと言いながら、イドラ自身でこれはこれでどうなのだろうと悩む。

広間が産まれてから、皆が広間に関心を向ける。それをイドラは嬉しく思う。木の葉隠れの里が無ければ、本来ならば忌まれていたはずの子が、こんなにも祝福されている。

自分の産んだ子だ。

何よりも、愛おしい。可愛い、愛しい男の子だ。

けれど、イドラには不満があった。

扉間はきちんと自宅に帰ってくると、広間を抱っこして、その日にあったことをイドラから聞くことを習慣にしていた。

けれど、いつも、イドラは思っていた。

 

(扉間様のお膝の上は、私のなのに!)

 

きゃんと、犬が吠えていた。

 

 

イドラは扉間の膝の上に座って、その日にあったことを話すのが日課だった。その時間がイドラは何よりも好きだ。

なんといっても、皆に引っ張りだこの夫を独り占めできる時間だったのだ。

全力で甘えても赦されたし、懐きまくってひっついていい時間だった。が、その膝の上の特権は見事に息子にかっさらわれたわけで。

 

母としての自分も、妻としての自分も、うちはとしての自分も、姉としての自分も、扉間様が広間を可愛がってくれて嬉しいなあ、可愛いものなあ、大好き、と思考しているのだけれど。

その中で、駄犬の部分が私の特権なのにと吠えている。

 

(・・・・子どもが産まれると、夫と関係が薄れるかもって本当だったんだ。)

 

それはあくまで、子育てに忙しい妻から夫の関心が離れて浮気に走る場合の話なのだが、イドラにはとって息子に嫉妬している自分の現状が心底情けない。

それで広間に何かしようだとかはないのだけれど、何か、その場に蹲って全力でジタバタしたくなるときがある。

そんなことしるはずもない広間は、変わらずじたばたと手足を動かしている。

それにイドラは可愛いなあとにっこり笑った。

 

新雪のようなふわふわとした髪に、赤い瞳はなんだか雪兎みたいで可愛い。

その感想を聞いたイドラの兄やアカリなどは、赤ん坊に似ているだろう扉間のことを思い出した。

 

(雪兎。)

(配色は同じなのにな。)

(どっちかっていうと、白い狐のような・・・)

(兎、ではないな・・・)

 

などと思われているが、そんなことを知らないイドラは新ためて決意をした。

 

(がんばって、扉間様の関心を取り戻そう!そうだ、アカリ様に一度相談してみよう!)

 

イドラはそんなことを腹に決めて、広間のことをあやし始めた。

 





おーい、ナルト。
あれ、オビトの兄ちゃん。どったの?
なんだ、オビトか。
サスケ、お前、もう少し呼び方なんとかならねえのか?
なんでだよ?
クソ生意気だな。いや、俺はもう諦めてるけど、マヒルの奴に怒られるのはお前だぞ?
・・・・マヒルさんには言わないでくれ。
いや、言いつけはしねえけどさ。
なんだよ、サスケ。お前、マヒルの兄ちゃんもこええのか?
うるせえ!お前だって、マヒルさんに怒られてみろよ!
まあ、マヒルの奴、一番ジジイに似て礼儀作法にも厳しいしな、いや、あれはアカリの婆様に似たのか。
そういや、オビト、俺に何のよう?
ああ、そうだ、お前のこと、ヤオの奴が探してたぞ。
え・・・・あ、やべえええええええ!部屋の掃除するように言われてたんだ!サスケ、修行はまた今度だってばよ!
お、おい!?何だよ、あいつだってヤオの奴のこと怖がってんじゃないか。
・・・・まあ、クシナの姉ちゃんにそっくりだからな。双子なのに、ナルトと違ってしっかりしてるし。
修行、どうしようかな。
うん?じゃあ、俺とするか?
しょうがねえな、我慢してやる。
お前、イタチに向ける優しさの半分を俺に見せろよ・・・・
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