千手扉間に責任を取って欲しいうちはイドラの話   作:藤猫

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感想、評価ありがとうございます。感想いただけましたらうれしいです。


完結まで読んでいただき、ありがたく思います。
また、活動報告にてコメントくださった方もありがとうございます。
前から書こうと思っていたものになります。


番外編:ある日の九喇嘛

 

「ナルトおおおお!!そろそろ、起きなさい!」

 

家の中に響き渡るような怒声に九喇嘛はかっと目を見開いた。そうして、ゆっくりと起き上がると、ばたばたと騒がしい足音がした。

 

「もう、あんた、遅刻するわよ!」

「仕方ねえじゃん!昨日、遅くまで修行してたんだってばさ!」

「だからって睡眠時間削ってまでやったら意味ないでしょ?このままだとちびのまんまよ?」

「二人とも!騒いでないでご飯食べちゃってばね!」

 

九喇嘛はそれに欠伸をしながらぐっと背伸びをした。彼がいるのは、ちょうど、居間に置かれたソファの上だ。本来の寝床はこの家の家主の息子、波風ナルトこと、うずまきナルトの部屋にあるのだが、朝食を食べた後、二度寝を決め込んでいたのだ。

ソファの後ろ側で騒がしい双子の声を聞きながら、九喇嘛はさんさんと日光の入るベランダを見た。

そうしていると、背もたれから自分を見下ろす存在に気づく。

 

「くーらま!」

 

その小さな手は無粋に自分のことを抱き上げると、ぐりぐりと頬ずりをしてくる。

 

「じゃあ、俺ってば学校行ってくるからさ!帰ったら修行だからな!」

「ナルト、ほら、早く行くわよ!九喇嘛も、行ってくるわね。」

「ああ!ほら、はよう行ってこい!」

 

ナルトの背後から顔を出したのは、赤毛をした少女だ。全体的な配色は父親、顔立ちは母親に似たナルトとは正反対で、色合いは母親だが顔立ちは父親に似た凜々しい少女だ。

双子の片割れである波風ヤオことうずまきヤオはそのままナルトを引っ張っていく。

九喇嘛はソファの上に放られてふうと息を吐いた。

 

「やあ、ようやくいったってばね。九喇嘛?」

「なんだ、クシナ?」

 

二人の母親であるうずまきクシナに九喇嘛は返事をする。

 

「私、これからミナトのとこに着替えとお弁当持っていくんだけど。あんた、どうする?」

「・・・俺も散歩に行ってくる。」

「わかったわ。」

 

九喇嘛はそのまま準備をするクシナを尻目に、家を出る。火影にしては質素、という言い方は変だがマンションを出た後、九喇嘛は変化をする。

そうすると、鮮やかな夕焼けのような髪をした少年の姿があった。

きつめの顔立ちのそれはそのままふらふらと町を歩き出す。

ちらりと見た火影岩を見れば、四つの顔が連なっている。

 

「・・・・長いこと続いたものだな。」

 

しみじみとした声の後、そのまままた歩き出した。

 

 

 

「・・・・九喇嘛殿、何をされてるんですか?」

「んあ?」

 

ぼおっとしていた九喇嘛に話しかけてくる存在に気づき目を開けた。そうして、下を見ればしかめっ面をしたうちはの現頭領がいた。

 

「フガクか?」

「そうですが。そんなところで何をしているんですか?」

 

そんなところとは失礼な、と九喇嘛はまた欠伸をして伸びをし起き上がる。九喇嘛がいるのは、うちは神社の本殿の屋根の上だ。

そうして、そんな九喇嘛を見つけたうちはフガクが彼を起したというわけだ。

ひらりと屋根から下りた九喇嘛にフガクは顔をしかめた。

 

「いいだろ、ここ、里の外れでうちは以外の人間は来ないしな。お前こそ、なにを・・・・」

 

そう言った九喇嘛はフガクの手にある、袋に気づいた。猫の餌だ。

それにフガクはちょっと顔をほころばせた。

 

「私は猫の餌当番なので!」

 

どや顔を晒している男に九喇嘛は遠い目をした。

 

 

 

「ほら、喧嘩をするなよ。クロ、白、大将、三角・・・・」

 

フガクの周りにはわらわらと猫が集まってくる。それに餌皿に餌を盛っていくのを眺める。

 

「お前ら、本当に猫が好きだな・・・・」

「イドラ様から伝わることですから。増えすぎないように、餌をやっている猫は去勢もしておりますので、ご安心を。」

 

そんなにきりっとしながら言うことだろうか?

九喇嘛はそれにぼんやりと話題の、千手イドラのことを思い出す。何故か、うちは一族、動物、特にでかいのがやたら好きなのだ。

野良猫に餌をやったあげくに増えすぎて大目玉を食らったために、ルールを設けられたのは懐かしい記憶だ。

現在も、地域猫として一族全体で餌やりを当番でしているらしい。

一度情をかけると、そうそう抜け出せないのが玉に瑕だろう。

 

(扉間とマダラに怒られて全員で正座させられてたな、うちは一族・・・・)

 

うちはと任務をするときは気をつけろ!あいつら、狐とか猫とか見つけたら追いかけていくからな!

 

なんてことを言われている一族だ。いいや、昔はもう少ししっかりと。

 

(いいや、思えば信頼できる奴の前になると一気に緩むところがあったものなあ。)

「そう言えば、九喇嘛殿。尾獣大戦、今年も参加されるんですか?」

 

それに九喇嘛はもう、そんな時期かと遠い目をした。

 

「うちのが言ってましたよ、今年は誰に賭けるのかと。」

「今思えば、尾獣たちに競技させて、それの順位で賭博をするなんぞ気が狂っているな。」

「まあ、尾獣たちを持つ国はもちろん、出資した国からも利益は配られますし。おかげで風の里はその競技場として砂漠を貸せるのだから利益が出ていいでしょうが。」

 

そんなことを言っているフガクの足下にはわらわらと猫が集まって、にゃーにゃーと合唱になっている。フガクはその中の1匹を抱き上げた。

 

木の葉の里は里の中で一番に利益を出している。それというのも、もちろん、任務を多くを受けているというのもあるが、それ以上にマダラの書いた小説の利益が大きい。

印税と言えるものはもちろん、それに合わせて作られたグッズ類。

何よりも、舞台になった場所への観光からの利益もなかなかのものだ。

 

「いえ、大戦で売り出されてる九喇嘛殿のぬいぐるみ、サスケが気に入ってずっと部屋に飾っていますので。」

「・・・大戦、あれも最初は柱間とマダラのガス抜きだったんだがなあ。」

 

うちはマダラは身内判定をするとどこまでもデロ甘で、平和を願っている男だったが、それはそれとして戦うことを好む部分があった。千手柱間と身内になると、表立って本気で戦うことが出来なくなる。

それでは溜まるだろうと、うちはアカリが定期的に本気で戦える場を整えるように提案したわけだが。

それに目を付けたのが、千手広間で。

 

「安全地帯から見ると、お二人の戦いは一種の娯楽になりますよ!」

 

その言葉で、結界の中で繰り広げられる戦いを見れると宣伝すれば、観戦料を払ってでも見たいという人間が殺到したわけだ。

里は、里の最高戦力を見せつけ、牽制になる。大名達も自分たちの戦力を宣伝出来るわけだ。そうして、その場で売られ始めたのが、九喇嘛のぬいぐるみだ。

が、さすがに二人も老いてくる。

そこで次に考えられたのが、尾獣たちの大運動会だ。でけえ生き物が暴れても大丈夫な砂漠を貸すことで、貧しい土地しかない風の里も潤いが出てきた。

その賭博で出た利益は、他の里にも分配されているのだが、うはうはなわけだ。

 

人間の賭博に利用されるのは嫌じゃない?

 

そんなこともあるが、競い合う競技は年々で違うため、1匹が勝ち続けることもなく。勝てば非常にちやほやしてもらえるのだから、納得できる。

何よりも、大筒木が来たときに向けた人間との連帯の練習も兼ねているのだ。

 

(広間の奴はこういった金稼ぎに関しては本当にめざとかったな・・・)

 

そんな中、九喇嘛の脳裏にはにやにやと笑う守鶴の姿。

 

「今年はひねり潰してやるからな・・・・・!」

 

ごごごごごと怒気の混ざるそれを気にした風もなく、フガクは不思議そうな顔をしながら猫まみれになっている。

 

「そう言えば、サスケの奴は大丈夫なのか?」

「ああ、カグヤ様が月兎とペン吉を譲ってくださってなんとか。」

「・・・俺も九喇嘛が欲しいと駄々をこねられたときは本当に困ったぞ。」

「本当に、あのときは申し訳ないことを・・」

 

九喇嘛の世話は基本的にうずまきの人間が担当している。一応は、里の中に住まうということで能力を封印している。それは封印術に長けたうずまきの人間が担当しているため、うずまきの人間の家に住んでいるわけだが。

 

「うちで茶でもしていきますか?」

「いいや、いい。そろそろ、ナルトとヤオが帰ってくる頃だからな。」

「ああ、そうですね。私もサスケが帰ってくる頃か。」

「夜勤明けだろう?さっさと帰ってやれ。お前が構ってくれんから、オビトやらマヒルの奴に修行を付けて貰ってるんだろう?」

「・・・そうですね。では、私はこれで。」

 

フガクはそれに簡単に片付けをして、そのまま神社から出て行く。足下に大量の猫を引き連れて。

 

(ファンシーだ・・・・)

 

 

 

九喇嘛はそのまま学校に向かう。おそらく、ナルトが帰ってくる頃合いだろうと。

驚かせるために、九喇嘛はわざわざ猫に変化をして、学校近くをうろつく。

 

「落ちこぼれ!」

 

そこでそんな声を聞き、九喇嘛はその声の方に駆けていく。そっと、草原から顔を出し、学校に併設された鍛錬場をのぞき込む。すると、ナルトと、その周りを取り囲むのは学校の生徒達だった。

 

「お、落ちこぼれなんかじゃないってばさ!」

「へえ、聞いたかよ!影分身もろくに使えないくせに!」

「火影様の息子が情けないよな!」

「そんな状態で火影になるとか身の程がわからねえのかなあ?」

 

それに九喇嘛は草陰の中で、あーと思う。

 

(・・・・うずまきの血が濃いのと、俺のチャクラの器になっているからなあ。チャクラの扱いが上手く出来ていないんだよなあ。)

 

今のところ、千手の人間達が色々と指導をしてくれているが、それもなかなか上手く言っていないのだ。

 

(カグヤの奴が多重影分身を教えられるように手続きをしていると聞いたが。)

まだ、子どもであるため、身体チャクラと精神チャクラが未熟な内に扱いの仕方を覚えさせねばならないのだが。

 

九喇嘛はどうやって助けるかと悩んでいたとき、視界の端から何かが駆けてくる。

それは、うちはサスケだった。

 

「ナルト!こんな所にいたのか?」

「あ、さ、サスケ。」

「学校終ったらすぐに修行だって言ってただろ!」

「え、えっと・・・・」

 

ナルトはおろおろと目の前の生徒たちを見た。サスケはそれにようやく生徒たちに気づいた。

 

「なんだよ、あんたたち、先約は俺だからな!」

 

サスケはぷんぷん、なんて擬音の似合う怒り方をした後、ナルトを連れていこうと手を引いた。それに生徒たちも少しだけ引いた。

 

「おい、あいつ・・・」

「うちはの。」

「やばくねえか?」

「何だよ、用がないなら行くからな。」

 

ひどく興味のなさそうなサスケはナルトの手を引いた。

 

「行こうぜ、今日は兄さんに教えて貰った手裏剣、教えてやるから!」

「で、でも、いいのかなあ?」

 

そのサスケの態度が鼻についたのか、一人が叫ぶ。

 

「うちは、お前、なんでそんな奴と連んでんだよ!そんな、落ちこぼれ!」

「・・・俺が誰と一緒にいようと、関係ないだろ?」

 

今までの小生意気そうな空気など、どこへやら。冷たく吐き出された言葉にその場にいた人間は固まった。

ぎらぎらと光る、赤い瞳に、誰かが写輪眼だと恐れおののく。けれど、その時だ。

 

「おい、何してんだよ!」

 

ばたばたと走ってくる人影が幾つかあった。

 

「ナルトに何してんだよ!」

「・・・・またからまれたのか。」

「めんどくせえ・・・」

「早く、あっち行きなよ!」

 

そう言ったのは四つの人影だ。犬塚キバ、油女シノ、奈良シカマル、秋道チョウジがいた。

 

「なんだよ、お前ら!」

「よってたかって下らねえことしてるからだろ!」

「わん!」

 

キバのそれに生徒がふざけてるのかとわめくが、それよりも先にシカマルが焦ったように声をかけた。

 

「なあ、あんたら、そろそろどっかに行った方が良いと思うんすけど?」

「はあ?何言ってやがる?」

「こいつ、奈良家の。」

「はっ!結局守って貰ってて情けなくねえのかねえ?」

「あの、本当にもう行った方が・・・」

「あ?いったい、何を・・・」

「いや、もう遅いな・・・・」

 

シノのぼやくようなそれに生徒たちがはあと顔をしかめていた。けれど、その言葉にナルトとサスケを庇うように立っていた四人の顔が引きつった。それに生徒たちはうんと不思議そうな顔をした。

その時だ、じゃらりと鎖の音が響く。それに、生徒たちの顔が引きつった。

彼らは恐る恐る後ろを振り向いた。

 

「ねえ、あんた達・・・・」

 

じゃらりと響く、鎖の音。そうして、ゆらゆらと揺れる赤い髪。

 

「あ。」

「赤い血潮のハバネロ(二代目)!!」

「何を、人の片割れ泣かしてくれてんの?」

 

その後、数人の悲鳴が上がったが、それは割愛しよう。

 

 

「二度と、うちのナルトに近寄んじゃねえわよ!?」

「・・・・こええ。」

「ナルトに手を出せば、ああなると何故わからん。」

「ナルト君?大丈夫?」

 

キレたヤオの背中を見ながら、シカマルとシノが呟いた。そうして、彼女と共にやってきた日向ヒナタがナルトに問いかけた。それを横目に、キバたちはヤオの鎖でぼこぼこにされた生徒たちを見て合掌した。

 

「・・・うん、ありがとうだってばさ、ヒナタ。」

「え、えっと、ううん!気にしないで!」

「まったく、にしてもお前、情けねえな!あんな奴らにいいようにされてよ!お前、俺とライバルの自覚あるのか?」

 

キバの呆れた言葉にサスケの顳顬がぴくりと震えた。

 

「はあ!?誰がナルトのライバルだって?」

 

その言葉に張り合いの精神が膨らんだのか、キバが叫んだ。

 

「何言ってんだ!火影になるためのライバルなんだよ!お前、目指してねえじゃん!」

「当たり前だろ!俺は父さんや姉さんみたいに影から火影を助けるような奴になるのが夢なんだから!」

「なら、同じ目標の俺の方がふさわしいじゃねえか!」

「なんだと!?」

 

キバとサスケが争っている中、シカマルが面倒くさそうな顔をした。本来ならば、こう言った諍いごとに首を突っ込まない彼であるが、そうも言ってられないのには訳がある。

ナルトの姉のヤオというそれは、まあ怖い。

シカマル達の同級生でガキ大将はと言われて名前が挙がる程度には。

そんな彼女の逆鱗であるナルトに何かあると後日、痛い目にあう可能性があるのだ。

ちなみに、チョウジに関してはヤオが趣味で作っている菓子に買収されている。

 

(・・・ああ見えて、大人受けがいいんだよなあ。)

 

奈良家のじじばばなど、愛想の良いヤオのファンはそこそこいる。ちなみに、うちはのオビトもランクインしている。

つまりは、彼女が少しでも大人の間で口を利くと、ものすごい影響力を持って自分にしわ寄せが来る可能性もあるのだ。

キバはキバで火影の息子であるナルトに対抗意識を燃やしているようで、自分以外にナルトにちょっかいをかける存在を面白く思っていないようだ。シノは、完全に付き合いなのだろうが。

いじめっ子達を追い払った後、ヤオは無言でナルトに近づいた。

 

「ナルト、起きなさい。手当するわよ。」

「・・・・なあ、ヤオ。」

「何?」

 

すりむいたらしい膝小僧の確認をしていたヤオに、ナルトはしょんもりとしながら言った。

 

「俺ってば、火影になるの、難しいのかな?」

 

その言葉に周りの人間が目を見開いた。

ナルトというのは、それはもう諦めが悪い。

今まで火影の夢を語っても、彼自身の成績などから否定されること星の数ほどだ。けれど、それは諦めたくないといいながら必死に努力を重ねている。

母親に似て負けん気が強く、何を言われても減らず口を叩くナルトが、弱音なんて!

 

遠目にそれを聞いていた九喇嘛も、まあなと少し考える。

何と言ってもナルトの父親であるミナトは千手扉間ほどの天才と言われるような男で、母であるクシナも優秀な忍だ。

双子の片割れのヤオも、早々と封印術について学び、成績も良い。そんなナルトを出がらしだと馬鹿にする人間は実際いる。

 

(ヤオの奴が妙なところで人嫌いなのもそういった部分があるのだろうな。)

 

「俺ってばさ、前も同じ事があって、そんなときだってサスケに助けてもらったし。その前も、女子にサスケに近寄るなって言われたときは、サクラちゃんとかに助けて貰ったし。こんな俺が火影になんかなれるのかなって。」

 

そんなことをぼやくナルトに、ヤオはため息を吐いた。

 

「なら、諦めるの?」

「やだ!けどさ・・・・」

「なら、弱音吐いてる間にやることやるしかないでしょう?大体、ナルト、お父さんだって言ってたでしょう?自来也様に、それに、狭間様に他の人だって。火影になるのは、どんな人か。」

「・・・・みんなに、認められた人。」

「そうよ。いい、成績が悪いだけの奴と、成績が悪くても努力が出来る奴。どっちのほうが火影になれる?」

「努力が出来る奴・・・・」

「そう。ナルト、私にはあんたが火影になれるなんて絶対を口にするほど夢見がちじゃないけど。」

 

あんたの夢の先まで支えてあげるのは約束できるわ。

 

その言葉にナルトはぐっとこらえるような顔をした後、立ち上がった。膝小僧が痛いような気がしたけれど、そんなのへっちゃらだ。

 

「そうだってばよ!俺、父ちゃんみたいな火影になるってばさ!」

「そうだぞ!」

 

そこにサスケが飛び込んでくる。そうして、ナルトにぐりぐりと頬ずりをする。

 

「お前が火影になって、俺がお前のことを支えるんだからな!頑張れよ!」

 

サスケはふんすと息を吐く。

お姉ちゃん子のサスケではあるが、いつの頃からか共に遊べる同い年ほどの同性の兄弟というものに憧れを持っていた。そんなとき、近くにいたのがナルトだ。

優秀なサスケに噛みついてくる程度に根性があり、何よりも素直で人好きのするナルトはサスケの大のお気に入りであり、兄弟のようなものだ。

そんな彼がナルトの、火影になるという夢が大のお気に入りだ。

何と言っても、彼の憧れは火影を支える父で有り、そうして、自分のことを何かと見守ってくれる姉が理想の上のきょうだいなのだ。

それ故に、サスケの夢は火影になった弟分を支える優秀な忍となった訳なのだ。

 

「だから、火影になるのは俺だって言ってるだろ!」

「お前は絶対にやだね!」

 

それに飛び込んできたキバにサスケはぴしゃりと言い返す。ふうううとにらみ合う二人を見つつ、ヤオはそっとナルトの肩に手を置いた。

そうして、ひそひそと話しかける。

 

「それにね、ナルト。火影になるって事はね、否応なくうちはたちの管理もしないといけないの。サスケのこと、他人に任せられる?」

 

その言葉にナルトはもちろん、その場にいた人間達にサスケに吸い寄せられたトラブルを思い出す。

思い出してごらんと、何やら歌詞のフレーズと共に。

 

(・・・・皆で森に授業の一環で行った時は狸を追いかけ迷子になったな。)

(でも、何故か狸の群れに送ってきて貰ったよね。)

(数週間前は、イタチのお姉さんが呼んでるからって変なおじさんに路地裏に連れて行かれそうになったっけ。)

(あのときは、オビトの兄様が気づいて、相手のことをしばき倒してくれたからよかったけどね。)

 

その他にもある、サスケのやらかし。

いや、当人自体、学校での成績もいいのだ。けれど、どっかで抜けている。身内の話を出すとすぐに信じてしまうびっくりするようなチョロさがある。

同世代のうちはである、うちはマヒルの妹であるうちはタマモもなかなかのわんころ具合なため、周りのざわつきはいかんせん正しい。

 

(優秀な奴が多いって親父には聞くけどなあ。)

 

いや、プライド高いが、仕事は出来る。素直な褒め言葉でヤル気になってくれるから扱いやすい。何よりも、懐けばそれこそ裏切りなどそうそうないのだからある意味で管理する側としては楽なのだ。ただ、非常に他人を振り回す。

奈良家の、それこそ争っていた時期を知っている世代は、当時のピリつき具合は周りに味方がいなかったせいだったのだろうかなんて回想をしているのもいるぐらいだ。

 

ナルトはそれに顔を青くした。それこそ、赤ん坊の頃からの付き合いであるそれとはまさしく兄弟同然だ。

ナルトは慌てて、サスケに駆け寄り、そうして叫ぶ。

 

「俺、俺、絶対火影になるってばよ!」

 

固い決意を聞きながら、シカマルはさっさと帰るかと息を吐く。

彼としては、もう、無難な人生バンザイなのだから火影だとかのごたごたに関わる気はない。

ちなみに、彼の描く無難な夢がことごとく叶わないのはまだ誰も知らないことだ。

 

 

「・・・・平和だなあ。」

 

何やら目の前で起こるそれらを見つつ、九喇嘛は呟いた。そうして、ぐっと背伸びをして、ナルトたちに合流するために歩き出した。

今日も今日とて木の葉は平和だと、火影岩を見つめながら独りごちた。

 





ナルト
原作同様根性はあるが、怖い姉がいるせいか生意気よりも健気さが前面に出ている。怖い母ちゃんと姉ちゃんと優しい父ちゃんに見守れているので、原作よりもしっかりしている分、少しだけ弱音を吐いたりもする。
サスケとは今は衝突はないが、大きくなればそれ相応に喧嘩もしていくことになる。が、ちゃんと仲直りしてやっていく。
サクラちゃんに関しては自分のことを気にかけてくれるのは嬉しいが、姉や母の影を感じてちょっと怖い。優しい年上の女性が好み。

サスケ
原作同様生意気が爆発しているが、それはそれとして家族がかけることはないため、甘ったれな部分がある。優秀ではあるが、時としてびっくりするようなチョロサを見せつける。顔と、姉がいるために異性について気遣いが出来るのでモテる。それはそれとして同性の奴らと遊ぶのが楽しすぎる。写輪眼は父親に修行の約束を破られたときに数時間泣きわめいた後開眼した。
恋がいまいちわからない。たぶん、家族以外でナルトが一番好き。

キバ
何かとナルトと張り合っている。それに乗じてサスケにも絡まれている。サスケのおかげで原作よりもツッコミ力が鍛えられている少年。

シノ
あんまり目立たないが、ナルトの頑張っている姿には好感を持っている。扉間の二男の孫娘に気に入られてつきまとわれているが、どう反応すればいいのか悩んでいる。

シマカルとチョウジ
ヤオからの頼みでナルトを気遣っているが、それはそれとしてよく遊んでいる。ちなみに、シカマルの夢はここでも叶わない

ヒナタ
ヤオと仲がいい。互いに料理が好きなので、レシピなどよく話し合っている。

ヤオ
赤い血潮のハバネロの二つ名を密かに継いでいる。ナルトのことを馬鹿にする人間が多いため、人嫌いの気がある。それはそれとして猫かぶりも上手く、親からの信頼は絶大。ナルト世代の裏番。

九喇嘛
誰にも恐れられず、生意気でも心優しい小さな相棒の元で、彼は今日も微睡んでいる。そうして、彼だけではない、多くの子どもたちが彼の名を呼んでいる。
きっと、その未来をずっと夢見ていた。



扉間は

  • 女の子が欲しいが、息子しか産まれない
  • 女の子がすぐに産まれる
  • 女の子が欲しくて、末っ子に産まれる
  • どっちでもいい
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