千手扉間に責任を取って欲しいうちはイドラの話   作:藤猫

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感想、評価ありがとうございます。感想いただけましたらうれしいです。

くらまの名前、わかりにくいので漢字変更します。高校生と中学生の男子がいる家庭の食事量ってエグいですよね。


番外編:認めたくない未来ほど無慈悲なまでに真実だ 2

 

 

「やったな。」

「やったね。」

「やったの。」

 

上から、うちはマダラ、うちはイズナ、そうして、千手柱間は呆れたようにそう言った。そんな中、千手扉間(少年)は目の前の光景に茫然とした。どう見ても、うちはの、あの河原で見た少年達の面影がある。というか、うちはの人間と兄が雁首そろえて自分の目の前にいる時点で、全てを察してしまう。

 

「・・・それで、どうやれば術が解けるのかは皆目見当が付かねえのか?」

「私にはどうとも。後で父上の研究室を覗こうとは思いますが。下手な手順で触ると、消えたり、爆発したりするので時間がかかりますね。」

「待って、爆発すんの!?」

「爆発します。」

 

イズナのそれに千手広間がにっこりと笑って答える。そんな中、柱間がしみじみとした声で言った。

 

「そう言えば、あやつが若くなれんかとぼやいておったな。」

「はあ?なんでまた。」

「この頃徹夜がキツいと。」

「いや、寝ろよ。」

 

そんな冷静な声音が聞こえてくるが、扉間にはそんなことは関係ない。兄の姿はなんとか理解できた。全体的な顔立ちは、幼い頃と変わっていないのだろう、確かに兄だと認識できた。

けれど、わらわらとやってきたうちはの人間に扉間の脳は沸騰しそうだった。

いくら、同盟やらなんやらで上手く言ったとしても、少し前に父親と殴り込みのように兄の密会を止めさせた手前、そう簡単に切り替えができなかったのだ。

扉間からすれば、自分の息子という面々さえもうちはというならばまさしく敵に囲まれた状態だ。

いくら冷静とは言え、さすがに諸諸で精神的な負荷があったのだろう、扉間はのそのそと兄の足下により、そうしてその袴をぎゅっと握る。

マダラはそれに不安だったのだろうなあと考えていたが、ふと、柱間の方を見ると男はふるふると震えながらマダラに小声で話しかけてきた。

 

(見ろ!マダラよ!扉間は俺の袴の裾を!)

「いや、この状態なら普通だろ。」

「な、扉間のこれがどれほど貴重なのか。マダラはわかっておらん!」

 

柱間はぷりぷりしながら扉間のことを抱き上げた。扉間は兄に抱かれることに不満がないわけではないが、それはそれとして召しものや話を聞く上で千手の頭領は兄なのだろう。

そんな兄の腕の中ならば、うちはがいようと一応は安心できる。

そんな扉間の幼い仕草にマダラは少しだけ考えるような仕草をした後、懐から手ぬぐいを取り出した。

 

「イズナ。」

「何、兄さん?」

「手ぬぐい。」

 

マダラのそれにイズナは察したのか、ああと頷く。

 

「兄さん、扉間に甘くない?」

「義弟だからな。」

 

簡潔な言葉と共に、マダラは自ら手ぬぐいで目隠しをした。それにイズナも懐から手ぬぐいを出して習う。

 

「ほれ、これでどうだ?」

 

扉間は目を丸くした。うちはにとって何よりも武器であるはずの瞳を覆ったのだ。

いくら、それが手ぬぐいと言っても、瞳を隠したその仕草に扉間は度肝を抜かれたのだ。

 

「よいのか?」

 

柱間のそれに扉間もうなずきかける。

 

「見えんのだから、転ばんか?」

「気にするのはそこじゃないだろう!?」

 

思わず扉間は柱間の腕の中でずっこける。けれど、柱間は不思議そうな顔をした。

 

「だがなあ、目が見えんのは不便だろう?前は、万華鏡写輪眼の影響で視力も落ちとったしなあ。」

「まあ、月兎が治療してくれたおかげで治ったからよかったけど。」

「ただ、回復させただけで、結局使い続けたら同じだしな。」

「血縁者の瞳と交換すりゃあいいらしいが。」

「そう言えば、イズナとの瞳の交換、するのか?」

「まあ、今のところ、この里とやらかすやつらはいないだろうけど。一応ね。」

「月兎の話じゃ、例のイドラのチャクラが一族内に広まれば視力が衰えることもないって話だが。」

 

何やらすごい会話が繰り広げられているのはわかる。けれど、それ以上に、現状に対して言いたいことの方があった。

 

(いや、何を暢気に。その前にうちはの奴らは写輪眼を、いや、まんげきょう写輪眼とはいったい?いいや、その前に、瞳を隠したうちはを前に、兄者は何をそんなにのんきに!?)

 

扉間は混乱の極みなのだろう、もう、口から煙を吐きそうな勢いだった。それを部屋の隅で見ていた蔵間は哀れむようにそれを見ていた。

 

「・・・助けねえの?」

「うん?」

 

隣にいた広間は不思議そうな顔をした。そうして、ふにゃふにゃとした笑みを浮かべた。

 

「可愛いですねえ。」

 

のんびりとしたそれは、暗に助けずに眺めることを選んだと無慈悲に告げていた。それに蔵間は思わず、哀れよと内心で合掌した。

 

「ところで、今日の父上の仕事、どうしますか?」

 

そう言えばと思いだしたかのように広間がそう言った。

それに柱間とマダラは顔を寄せ合う。

 

「そこまで急な案件はないよな?」

「だが、扉間が抜けるのはなあ。第一、この現状を周りにばらすのは。」

「・・・うーん、なら、しばらく私が代役になりましょうか?父上のまねぐらいならできますし。」

「でも、兄上、父上にそっくりだけど身長は?」

 

そう言われて広間に視線が集中する。

その青年は確かに容姿等は父親そっくりなだが、背丈は違った。それは、柱間よりも数センチほどでかい。

元々体格のいい家系だ。それに、幼い頃から栄養状態のいい食事を取らせ続ければ、まあ、でかくもなるだろう。

 

「・・・・人前に出るときだけ変化で。なるたけ、誰にも会わないようにで行くしか無いですね。」

「それしかないな。」

 

はあと大人たちはため息を吐いた。

 

 

「兄様ー、イズナー、柱間様ー。朝ご飯食べますかあ?」

 

固まっていた扉間の耳に、あの、間延びした声が飛び込んでくる。そう言ってひょっこりと顔を出したのは、あの、朝方に自分に抱きついてきた女だった。

 

「ああ、そうだな。相伴に預かろう。」

「はいはーい。」

 

それを扉間は今までの衝撃を忘れて、見送った。

いや、何だろうか、あの生き物は。

年かさ的に、イズナと名乗った男とマダラの間なのだろうが。

足音さえも、とてとてとやる気というか覇気が無い。あれが、かのうちはの頭領一家の女?

嘘だろ、姉者のように養子なのでは?いや、にしても忍の一族の女にするには、あまりにも、あまりにも、こう、愚鈍すぎないだろうか?

 

(あの場にいなかったのもうなずけるな。)

 

例え、子どもがあれしかおらずとも、自分だって連れて行きたくない。というか、あんなでかい息子がいるのだからそこそこの年齢だろうが。

よく生き残れたな。

 

なんて感心をしている扉間の頭に、なにやら視線が集まった。

それに思わず振り返ると、そこには、無数の生暖かい目をした、柱間や広間に蔵間。

え?うちはの人間は目を覆ってるって?

手ぬぐいをしてもわかる程の、生暖かい目。

 

「何だ?」

「いやのお。」

「なあ。」

「お前ってほんとにさ。」

 

その瞳の意味はわからない。ただ、非常に自分にとって不本意なことは確かだ。

 

「なんだ、その目は!」

「うん、まあ。」

「・・・・気にするな。」

「扉間は、変わらんのお。」

 

柱間だけがにっこにこで扉間の頭を撫でた。それに扉間は大変イラッとしたが、さすがに兄に八つ当たりをするわけには行かず、睨みをきかせることしか出来なかった。

 

もちろん、その場にいた人間は、小さい頃からこいつの好みって変わらねえんだなあってぬるめの視線を向けていただけだ。

 

(あの場にイドラがおらんでよかったなあ。)

(あの場にいたら、あの場で初恋が一つ終るのか。)

(下手したら、もう少し、終戦が早まった可能性もあるのか。)

 

なんてことを柱間達は各々で、自分たちの決別であった河原での思い出を思い返していた。

 

まあ、なんて事実はもちろんないが。それはそれとして、それに何よりも突っ込む扉間自身が不在ならば何の問題もない。

ただ、扉間の名誉的なものが削れるだけだが。

その場でそれに対して突っ込めそうな彼の息子は、訂正しても無駄であるし、意味も、得もないために沈黙を保った。

そんなものである。

 

 

 

「ごっはんでーす!」

「お米、たくさん炊きましたよー。」

 

そう言って持ってこられた食事は居間に当たる部屋の大机に置かれた。マダラはそれに対して、適当な席に着く。普段ならば上座など考えるが、身内の家で、そう言った差も微妙なのだから深く考えることはなかった。

 

(にしても、未だに慣れん。)

 

うちはでは食事と言えば、膳を使って食べていたのだが、千手では大机を皆で囲む。その理由というのも。

 

「はーい、昨日の残り物とか、色々ありますから。」

 

煮物だとか、乾物だとか、汁物だとか。

大皿に乗っかったおかずと、そうして、イドラが昔話ご飯と名付けた山盛りの白米。

なみなみといれられた味噌汁。

 

「いっつも見るけど。」

「・・・すごいな。」

 

自分たちが食べる量の数倍が並んでいる。

 

 

(・・・・おお。)

 

扉間の目の前に豪勢な食事が並んでいる。炊きたての白米に、汁物、納豆に煮物、そうして、山盛りの焼き魚だ。

 

「それでは。」

いただきまーす!

 

るんるんのかけ声と共に皆が箸を取った。

 

 

千手は食事を大机に皆で着いて食べる。

何故かって?

膳に少しずつ装って食べるなんてしゃらくせえ事出来ないからだ。

 

「母上、おかわり!」

「はいはーい!」

「母上、佃煮ってもうないの?」

「今日、作っときますねー」

「イドラ、俺もくれ。」

「はいはーい。」

「おれも・・・」

「はーい!」

 

山盛りの昔話ご飯はみるみるうちに無くなり、千手の血を引く男達はそれらを胃に収めていく。

 

(・・・見てるだけでお腹がよくなる。)

 

イズナは自分には少なめに盛られた米を見て情けなく思いながら、それでも無理はすることなく米を口にした。

 

千手は基本的にうちはの三倍は食べる。

元より、忍なんて体力勝負に加えて身体能力に特化した千手の消費カロリーはえげつないのだ。

そのため、大皿に乗せた食事を奪い合うように食べるし、基本的に米なんて朝方に炊いたものを一日かけて食べるのが当たり前だというのに、千手では毎食炊いていると言えばその食べる量も察せられるだろう。

 

(・・・アカリの奴が、嫁いできたとき、珍しく騒いでたな。)

 

え、米ってこんなに少なくて。え、釜、もう一つ分は炊かなくては。

いいんですね!?本当ですね!?なら、おかずもこれだけですけど、あとで足りないと言われるとかまいはしませんが時間が・・・

本当にいいんですね!?

 

何回も聞かれながら米を炊いていたが、結局、それが十分に足りたときは驚いていた。

 

か、釜一つ分で一日持つなんてあり得るのか!?

 

おかげでアカリは驚くほど、家事の量が少なくなったと感じているようだ。まあ、作る食事の料理が少なくなったのだから当然だが。

 

ただ、千手の食いっぷりを見ればわかる。

柱間でさえも平然と丼飯をかっ込んでいる。本人曰く、この頃は食べれんでなあと言うが、下手すればうちはの若い奴らよりも食ってる可能性がある。

おそらく、うちはならば一日持つだろう、おひつは、千手の人間たちによって食い尽くされていく。

といっても、それも当然だ。

何と言っても、この場にはそんなに食う千手で、人間で一番に飯を食う年頃の、男子が二人いるのだ。

もう、目の前に並んだ大皿の料理はすでに空だ。

 

そんなことを考えながら、マダラは家にいるときよりも濃いと感じる妹の料理をもむもむと食べた。

 

 

 

扉間はもむもむと米を食べる。正直言って、朝食にしてはあまりにも豪華だ。普通ならば、漬物と汁物程度だったはずだが。

 

(千手とうちはの同盟、なるほど、勢力はなかなかにあるようだな。)

 

体力勝負なのだから、食事にはある程度費用は割かねばならない。

けれど、別に味に頓着しなくてもいいのだ。

扉間の食べている食事は明らかに味にも気を遣っている。食事に金をかけられるのは、それ相応の余裕がある人間だけだ。

 

(広間が子どもの頃を思いだすのお。)

(ほっぺたぷっくぷくですねえ。)

(・・・・父様がいないなら、私が化けて、案件の決裁だけ伯父上たちに見て貰うのがいいですね。)

(頬袋ぱんぱんにして・・・)

(ちっちゃい頃は可愛かったんだな。)

 

なんてことを三者三様に考えていると、隣に座って配膳をしながら自分の分を食べていたイドラは扉間の方に視線を向ける。

 

可愛いなあとにこにこしながら扉間の食事風景を見ていたが、それはそれとして邪魔をしないと眺めていたが、ずいっと扉間に顔を寄せる。

それに気づいた扉間が驚き、思わず目をつぶる。そうして、何か、己の口元を柔らかい何かがかすめたような感覚がした。

 

(な、何を!?)

 

目を開けると、そこには人差し指の先に米粒を付け、それを口に含む女の姿があった。

 

「ほっぺたにおべんとつけてましたよ?」

 

ゆるりと口に弧を描き、甘やかな流し目をこちらに向ける女は、文句なしに妙な色香を纏っていた。それに、扉間は固まった。

あの、子どものような女が浮かべるにはあまりにも不釣り合いなものだった。

 

「そう言えば、母上、落ち着いたね。さっきまでどうしようって言ってたのに。」

「ふっふっふ、蔵間よ。よく聞いてくれました!」

 

そういって、イドラは扉間のことを抱き上げて、膝の上に置いた。突然のそれに、扉間は茶碗と箸を持った状態で固まる。

 

「この頃、扉間様はとてもお忙しかったです。いえ、それも仕方が無いこと。他の氏族の子どもたちの指導もありましたし。ですが、よくよく考えればこの状態の扉間様はお暇で、誰にも取られずに済むということなのです!」

 

思わず見上げたその先で、女が笑っていた。

 

まるで、子犬のような、いっそのこと賢くさえもないのだと思っていた。

ぱやぱやで、泣いていたかと思えば、笑って。

いっそのこと、息子と言った男よりも幼いのだと。

 

なのに、その女は、愛らしく、まん丸な瞳を細めて、女として笑っていた。

愛らしいと感じていた顔立ちに、艶やかな表情を浮かべていた。

そうだ、朝、起きたときは驚いて、警戒して、逃げ出しはしたのだ。

けれど、今、腹も良くなって、現実を理解して初めて、自分の体に押しつけられる柔らかくて、いい匂いのする体を自覚する。

ばくばくと、心臓がなる気がした。

 

そうして、イドラは何を思ったのか、扉間に顔を近づける。そうだ、その、柔らかそうな唇が自分に迫ってくることを理解して、扉間は固く目をつぶった。

そうして、訪れた感触は、額に何かがこすり合わさるような感触、そうして、鼻先に何かが触れる感触。

 

「えへへへへ、なので、扉間様のお世話は私がするんです!」

「まあ、手が空いてるのはそうだしな。」

「姉上にも頼んでおこう。」

「・・・・私は、伯父上たちと父上に化けて参りますので。蔵間。」

「へいへい。」

「お前は、父様の研究室で軽く術について調べてくれ。禁って書いてるのには触らずに。」「了解した。」

「スズラン、お前はこのまま・・・」

 

遠くで聞こえるそれに、扉間は目を見開いた。そこには、鼻と額を自分にこすりつけるイドラの姿があった。

そうして、イドラはそっと扉間の耳元で囁いた。

 

(ふふふふ、チューは大人になってからです。許可も無く、そんなことしませんよ?)

 

いたずらが成功したかのようなイドラはくすくすと笑った。「それ」に、扉間は自分がからかわれたことを理解して、膝の上から立ち上がる。

 

「お前みたいな、ブス、誰が結婚なんてするものか!」

 

バクバクとなる心臓を押さえて、羞恥と怒り、そうして、少しだけのがっかり感に扉間は顔を真っ赤にして怒鳴ったのだ。

 





広間
体格のいい家系に産まれ、栄養状態のいいまますくすく育った結果、見事に伯父とかの身長を抜いた。180ぐらいあるし、これからも伸びて最終的に190になる。
この世界でも変わること無く、冬虫夏草の術は使える。

扉間は

  • 女の子が欲しいが、息子しか産まれない
  • 女の子がすぐに産まれる
  • 女の子が欲しくて、末っ子に産まれる
  • どっちでもいい
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