長くなりそうだったので切りの良いとこで切りました。
Twitter始めましたので、良ければ見てみてください。
小ネタとか、話に関係ないキャラの話とかをしております。
(あれ?????)
その日、千手イドラは特別なこともなく過ごしていた。ただ、その日はうずまきの里に義姉のうちはアカリが出かけており、上の甥を預かること以外は特に変わったことは無い。一番下の、件のオビトはうちはの奥方たちに預けられている。そのせいか、うちはの人間が比較的にるんるんしている。
丁度、アカデミーを卒業した、イドラの息子の広間と姪のうちはカグラは任務がないと休日で、上の甥であるカザリも何もないと庭に面した部屋でくつろいでいた。
そんな中、イドラは待望の娘のスズランを連れて家の用事をしていた。
「愛しい子、可愛い子、お月さんが見ているよー。」
「よりゅの、とばりー、そのなーかで。」
「おねむりなさいー、だーれも、それを、さまたげなーい。」
「わたしがーまーもーるーかーらー。」
洗濯物をたたみ、その隣で、スズランがゴロゴロと転がっている。互いにうちはの子守歌を合唱してご機嫌だ。
「はーうえ、きょうはちちうえ、かえってくる?」
「今日は遅くなるそうですよー。」
「そっかあ。」
まだ舌っ足らずな所のある娘の返事にイドラはそうだと考える。
(・・・でも、どれぐらいに仕事が終るんでしょうか?お夜食とか持っていくぐらい遅くなられるのかな?)
うーんと思いながら、夕飯を何にするかと考える。そんなとき、息子達のいる方の居室がやけに騒がしい。イドラははてりと首を傾げた。
何をそんなに騒いでいるのかと、部屋に向かったわけだが。
目の前には夫の千手扉間が冷たい目で自分を見ている。誰の家だと、おかしな事を言ってくる。己の家に何を言ってるんだろうか?
けれど、その目にイドラは固まった。
だって、その目は、いつかに戦場で見た男にそっくりで。
(あ、これ、ダメな奴・・・・)
己を掴んだ手の力に怯えたその瞬間、後ろから夫の声がしてきた。
(え?)
そうして、己の頭上から何かが発射された。
(あれ、天泣では!?)
イドラはそう思うと同時に、何かすごい力で後方に吹っ飛ばされる。
「みいいいいいいいいいいいい!?」
訳もわからずに放り出されはしても、腐っても忍。妙な形で放り投げられてもそれはくるりと見事な仕草でその場に下りたって見せた。
畳の上で、それはやんのかとステップを踏むように四本足でたんと跳ねる。
「何!?なになになに!!??」
大混乱で己に背を向けた扉間に視線を向ける。
それにイドラはびくりと震えた。尻尾や耳があれば、ぺたんと伏せて、ぶわりと毛が逆立っていただろう。
いいや、その場にいた、子どもや千手とうちはの人間が固まった。
(((ま、マジギレしてる!)))
「貴様・・・・」
扉間は己の目の前で自分を庇った千手柱間を見た。
「兄者!庇うな!」
「そんなことを言ってる場合か!扉間よ、先ほどの術は天泣か!?」
「・・・・・この状況で暢気なことだ。」
柱間の言葉を遮るようにその偽物は口を開く。それに扉間は返事をした。
「貴様こそ、ワシに化けて何を目的にしている?」
「それはこちらの言葉だ!」
ぎゃんと鳴いた偽物はわなわなと震えながら叫んだ。
「貴様こそ、イドラに何のようだ!?勝手に人の物に触れよって!イドラ!」
「うええええええええええ!私、何も知らないですよ!?」
「貴様がまた、変な物を引っかけた方がまだ信じられるわ!前も、滝隠れの忍を拾ってきた前科を忘れたか!?」
「あれはあ、そのお、色々と訳があ・・・・・」
「貴様は、無駄に人の間をふらふらしおってからに。」
「私が尻軽みたいじゃないですか!?」
イドラと呼ばれたそれは全てから遠ざかるように蹲るように丸まった。それに今まで大勢の中にいた、それこそ、己にも、瓦間にも似た少年が慌てて女に近づいていった。
そうして、慰めるようにその背を撫でた。
それを忌々しそうに眺めた後、偽物は扉間の方を向く。
扉間と柱間は何というか、目を点にしていた。
いやいやと、二人は脳内に手を振った。目の前のそれは、言っては何だが、扉間そのものだった。
仕草だとか、口調だとか、兄弟だからこそ理解している何か。そうだ、互いに、ある意味で連理の比翼のように、この戦場を生き抜いてきたからこそ、それがまさしく千手扉間そのものだと思えた。
けれど、何だろうか、その男から飛び出すその嫉妬丸出しのそれ。
ギリギリと己に向けられる目は、自分ではあり得ないように敵意と怒りに満ちている。
それ故に柱間と扉間は、何だろうか。鏡を見ていて、ふと、確かに感じる違和感に気分が悪くなるようなそんな、感覚を持った。
それは確かに千手扉間であるのに、けれど、それは何かが違う。
(動くか?)
だが、周りの状況、そうして、目の前の偽物が何を仕掛けてくるのかわからない。というよりも、今の、状況が把握しきれない。
(ならば、撤退が・・・・・)
扉間が術を仕掛けようとしたとき、大声が辺りに響き渡る。
「広間に、蔵間!今度はどうした!?」
「カグラ、お前又何かしたのか!?」
「姉さん、今度は何したの!?」
どたどたと駆けつけてくる音に庭が騒がしくなる。そうして、縁側に寄ってきていた両氏族を押しのけるように数人がやってくる。
その、光景に、その中の一人に。
扉間は目を見開いた。
悪夢のような光景だった。そうだ、趣味の悪い冗談?いいや、もっと、ひどいものだろう。
「うっわ、扉間二人、あれ、柱間さんももう一人いない!?」
うちはマダラの隣で、当たり前のように自分を見つめるうちはイズナ。自分が殺した男、うちはマダラの軋みの元凶。
ああ、ああ、なんて。
扉間はそれに怒りの言葉を吐こうとしたとき、己の隣に立つ兄から圧倒的な怒気が、いいや、屈服するようなチャクラが漏れ出す。
「それはなんだ?」
柱間のそれに皆が怯えるように体を縮める。柱間はまっすぐにうちはイズナを見つめる。その悪趣味さに、彼は憎悪さえ込めるようににらみ付けて。
「う、うええええええええええええええええ!!!」
そこで幼い少女の声が泣き声が響く。柱間はその悲鳴染みたそれに思わず殺気を収めた。そこには、白髪の少女がパニックになっているのか、兄の腕から逃れようとしていた。
それに、集まっていた両氏族の人間はおろおろと子どものことを見つめている。
なんというか、特に、その時のうちは一族は困り果てた顔をしている。
「スズラン、ほら、どうし・・・・」
それに偽物が駆け寄ろうとするが、少女は扉間の顔をしたそれを見て更にパニックになる。
「やあ!あっちいって!!」
それに、その偽物は、ぴきりと固まって、そうして、崩れ落ちた。それに扉間と柱間はまた目が点になる。
今までの殺気混じりの空気など忘れて、自分たちに背を向けて崩れ落ちる様が、なんというかあまりにも情けないというか、異常過ぎた。
いや、お前、化けるならもっとあるだろ?
いや、その前に、化けるというのならば今の現状が本当に謎すぎるのだ。
「あーあ・・・」
「止まったぞ。」
「あれは当分、続くぞ。」
先ほどまでの殺気も忘れて、崩れ落ちた扉間に柱間の偽物と、マダラは呆れた顔をしていた。
そうして、泣き叫んだ少女に、今まで蹲っていた女が立ち上がり、そうして駆けていく。
「スズラン?」
女は、今までの何というか、情けなさとか愚かさなんて拭い捨てられて柔らかな声で少女に話しかける。
「ほら、何を泣くのですか?」
「こわいいいいいい・・・・」
「怖くなどありませんよ、ほら、父上も、兄上も母もいますよ。何も、怖い事なんて起こりませんよ?柱間様は、少し、怒ってしまっただけで、お前に怒ってるわけではないですよ?」
「ほんと?」
「ええ、ええ、本当に。」
黒い髪の女は小柄な中、それよりもずっと小さな少女を抱えて、背中を叩く。そうすると、目に涙を溜めていた少女はきょとんとした顔をしたが、母親の体温に安心したのか、すんとしながら泣き止んだ。
それに周りから安堵のため息が出る。
「ほら、父上、そろそろ起きてください。」
「スズランが、あっちいけと・・・・!」
「あの子は母に似ておりますから、すぐに忘れますよ。」
「せっかく、ようやく、父という認識を持たれたというのに・・・」
「雑用なら請け負いますから、時間を作りましょう。今のところ、情勢は落ち着いておりますから。ほら、立ってください。」
その横で、崩れ落ちた男を広間が起き上がらせる。
それを広間はなんとか起き上がらせた。
「その、だなあ。悪気があったわけではないのだが?」
「というよりも、お主は何者だ?」
柱間がばつの悪そうにそう言えば、柱間の偽物が返事をする。それに柱間はうーんと首を傾げた。
「いや、俺は千手柱間だが?」
「いや、俺も千手柱間だが?」
それに二人の柱間は互いに首を傾げる。そのタイミングまでぴったりであった。
なんとも間抜けな仕草に、これ、けっきょくどうすんのという空気が流れる。
「ええい、兄者、そんなことを言っている場合か!?」
「いや、だが、俺から見ても俺だしなあ。」
「あちらが偽物で、兄者が本物に決まっておるだろうが!大体、この場はおかしなことばかりだ!」
「だが、幻術にかかっているわけでもないだろう?」
「だが、なぜあれがここに!」
「あのお・・・・」
喧嘩をしている柱間と扉間に声がかかる。二人がそちらを見ると、そこには、扉間にも瓦間にも似たあの少年だ。
彼は扉間の偽物を支えながらおずおずと口にした。
「広間!勝手に口を利くな。」
「ですが、このままだとどうしようもないですし。それに、大丈夫だと思いますよ?」
「何を根拠に・・・・」
それに広間と呼ばれたそれは、少し悩んだ後、おっとりと微笑んだ。
「父上が守ってくださいますでしょう。」
なんとも気が抜けるというか、扉間という存在への信頼感を表したあどけない微笑みに、皆が気が抜けるような感覚がした。
扉間と柱間は、その顔でありながら、ほんわかした空気感を放ちながら、場の空気さえも巻き込むふにゃふにゃとしたそれに気が抜ける心地がした。
「ええっと、そちらの方が柱間様であると仮定できるのなら、木遁は使えますか?使えるのなら、証拠を見せていただけませんか?」
その言葉に柱間は確かにそれは証明になると、近くにあった適当な柱に手を添えた。そうすれば、柱から若枝が一本茂った。
それに周りの人間からざわめきが立つ。
だって、そうだろう。
木遁、それを使える人間がどれだけ限られているのか。そんなこと、千手とうちはの人間であるのならば誰だって知っている。
「うーん、これは困りましたねえ。柱間様は、柱間様であられるようですねえ。」
皆が驚いている中、広間はのんびりとそう言った。それに、隣に立った男だけが同意するように目を細めた。
「・・・そうですね、ここで奇跡が起きて、木遁使いがまだおられた可能性があるので。もう一つ、ご質問を?」
広間はのんびりと、落ち着き払ったそのままに口を開いた。
「柱間様、あなたが天啓を授かったのは、おいくつの時でしたか?」
それに、扉間は目を見開いた。
天啓を得た。
そんな表現を、兄である千手柱間は自分にだけ漏らしたことがある。
いくら同盟を組んだとはいえ、兄とマダラが昔会っており、そうして、共に夢を語った事なんて話せるはずがない。
そのため、周囲は柱間とマダラの親しさに、どこかで会っていたことは予想されても、具体的な時期なんて知らされてはいない。
何よりも、天啓なんて表現、自分にしか漏らしたことはないはずだ。
扉間は、ある意味で、千手柱間が柱間たるかを証明する質問としてこれ以上のことはないだろうと理解する。
いいや、広間というそれは、その事情を汲んで質問をしたということだ。
天啓、その表現さえも自分や、そうして彼の妻しか知らないだろう。
柱間に、それに、じっとマダラを見た。そうして、口を開く。
それは、柱間がマダラにあった齢だった。
それに、ぱんと拍手の音が一回。
「それならば、そちらの柱間様は柱間様ですし。おそらく、その隣の、弟君も本物でしょう。本物の柱間様が二人おられるよりも、どちらも本物である方が整合性も取れますでしょうし。ですが、さて。」
広間は不思議そうに首を傾げた。
「これは、いったいどういうことなのでしょうかねえ?」
それに応えられるものなどいるはずもなく、互いに目を見合わせた。
扉間は
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女の子が欲しいが、息子しか産まれない
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女の子がすぐに産まれる
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女の子が欲しくて、末っ子に産まれる
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どっちでもいい