長くなりそうだったので切りの良いとこで切りました。
Twitterの方で、原作の黒幕がマダラじゃなくて広間だった場合の小ネタが爆誕したので、清書してあげたいと思ってます。
その二人は誰なのか。
そんな疑問が浮んだとき、物の見事に皆の視線は千手扉間に向かった。
「・・・なんだ、その目は!」
「父上、また、何かされたのですか?」
「広間、貴様ワシがこんな意味のわからん忍術を作っとらんと知っておろうが!」
「・・・・目の前のお二方が、父上と叔父上なら、あちらが起点になっている可能性もありますし。なら、ここは一つ。」
千手広間はやはりぱんと手を打ち鳴らした。それに警戒するように千手兄弟が体を強ばらせた。
「お茶にしましょうか?」
「お茶請けのおせんべいでーす!甘めとしょっぱいのでーす。」
「甘めがいい!」
「しょっぱい方が。」
「湯飲み足りねえから借りてきたぞ。」
「追加のお茶っ葉!」
「追加のお湯出来たぞ!」
「んなぐらぐらのお湯で飲めるか!差し水いれろ!」
迷い込んだ千手扉間、現在は本来の道筋として二代目とする、は何だこの光景はと頭を抱えたくなった。
広間というそれがお茶にすると言えば、周りの人間がざわつく。
「あほか!何を暢気なことを!」
扉間の怒鳴り声に初代と二代目は同じように頷いた。
ここで何を言うのかと思えば、暢気なそれに何を思う。それに、広間はけろりとした顔で時計を見た。
「でも、もう、おやつの時間ですよ?」
その言葉と共に、ぐううううううと間抜けな、腹の鳴る音がした。音の方を見ると、先ほどまで獣のように冷たい瞳をしていたうちはの少女からだった。
それは特別恥ずかしがる様子もなく、あっけらかんと言ってのける。
「そう言えば、お腹が減ったな!!」
元気いっぱいのそれに広間の隣にいた扉間は頭を抱え、うちはマダラは呆れたようにため息を吐き、そうして、うちはイズナと千手柱間はけらけらと笑った。
広間はそれに初代と二代目に近づき、二人のことを上目遣いに見た。媚びるような仕草であったが、そのまったりとした空気のせいか猫が足にすり寄る甘えのような仕草に見えた。
「尋問のように暗いところで話をするよりもお茶をしながらの方が、柱間の叔父上は嬉しいでしょうし。」
「お前は、どうしてそう暢気な。」
「でも、お二人からは敵意はあれど悪意は感じませんもの。」
だから父上も問答無用に拘束されなかったんでしょう?
のんびりとしたそれに扉間は思うところがあってなのか口を噤む。それに娘を抱っこしていたうちはイドラが立ち上がる。
「じゃあ、お茶の用意しますねー。」
よくわからんが茶をご所望かとイドラは娘をうちはカザリに預けて、てとてとと奥に消えていく。
それに周りの両氏族の人間がわらわらと動き始める。
「机出しますか?」
「この人数ならやかんが足りんぞ。」
「湯飲みもですよー。」
「適当なとっから借りてこいよ。」
「あ、よくわからんけど二人とも、ちょっとどいてください。」
「あ、すまん・・・」
今までの空気など忘れたようにうちはの人間も、千手の人間も勝手知ったるやと家の中に散っていく。
それに扉間ははあとため息を吐きながら、縁側に向かいどっかりとその場に座る。柱間やマダラ、そうしてイズナも縁側に腰掛けて部屋に上がる準備をする。
初代と二代目は放置され、困惑しながら部屋を見回す。そこに、声がかけられた。
「なあ。」
視線を向けると、大分下の方に艶々とした黒い髪が見えた。
「机置くから、叔父様たち、そこにいたら邪魔だよ。こっち来て!」
そういって、何のためらいもなしに少女は初代の手を掴んで縁側の方に近づいた。
「お、おお!?」
何というか、あまりにも気安いその仕草に柱間は動揺する。
うちは一族は里に属しているが、そうは言っても警戒心が高い。秘密主義で有り、血継限界を持った彼らは里の端に住居を構えていることもあるため、彼らは人を寄せ付けない。
柱間も、里の長と言っても、特に子どもには警戒心を持たれて距離を置かれる。
けれど、その少女は何のためらいもなく柱間に近づき、そうしてその手に何のためらいもなく触れる。
忍者にとって、それがどれほど信頼を持っての行動か理解できた。
扉間も、その気安い仕草に目を見開いた。
そうして、向かった先で扉間は白目を剥きそうになった。
「ほら、スズラン、こっちに来い!」
そこには、這いつくばってカザリに抱っこされたスズランへでんでん太鼓を叩きながらにじり寄る扉間の姿があった。
「やあ!」
「くうううう!何故だ、スズラン!父上だぞ!?」
「やあ!」
断固拒否の姿勢でスズランは従兄のカザリの胸に顔を埋めている。それに扉間はうなだれるようにでんでん太鼓を叩き続けている。
「・・・・何をしておる?」
扉間はその己の情けない姿に口元をひくつかせながら見下ろした。それに、うなだれていた扉間は起き上がり、恨みがましそうに二代目を見た。
「誰のせいだと思っている!?貴様のせいで娘がワシのことを怖がって近寄らなくなったんだぞ!?」
扉間は悲惨な顔を手で覆った。それに初代は、見たこともないような様子に天変地異の前触れかとそわそわする。何よりも、扉間は千手の二番手で有り、そうして、里の中心にいる存在だ。
そんな姿はあまりにも示しが付かない。けれど、周りの人間は、ある意味で見慣れた様子と特別に気にしていない。
基本的に、千手の人間は恐ろしい姉貴分のおかげで情けないのがデフォルトなのである。
「貴様にわかるか!?連日の仕事のせいで家に帰れず!ようやっと帰れて娘に会えば、おじさん誰と言われるワシの気持ちが!ようやく、父であると覚えさせて、とてとてと歩み寄ってくるのを楽しみにしておったのに!」
「あー。広間、大変だったでしょ?」
「・・・・まあ、父上に化けて、まねをして、スズランにようやくすり込んだと思っていたんですけどねえ。まあ、どうせ少ししたら怖かったことも忘れるでしょう。母様にそっくりなので。」
「扉の叔父上、あのとき、めちゃくちゃ落ち込んでたものなあ。」
「知るか!大体、あの程度で怯えていてどうする!?大体、娘、などと・・・・貴様、結婚しているのか!?」
改めてのそれに扉間はうろんな目で二代目を見た。
「しておるわ。貴様は、いや、大体貴様らはどこから来たんだ?」
それに扉間は、自分たちがここにいる経緯を話した。
「ん?まて、その棚の、それは・・・」
「それって、飛雷神の術の改良版ではないですか?」
二人の会話に割って入ったのは、足を洗う水を汲みに行っていた広間だった。
「・・・飛雷神の術の?」
どこか居心地が悪そうに丁度、柱間の後ろの辺りに座っていた初代がそう言えば広間は立ち上がり淡く微笑んだ。
「ええ。確か、マーキングの代わりに、個々人の肉体情報に紐付けをしたものを作りませんでしたっけ?」
それに扉間と二代目はああと頷いた。
「・・・そうだ、確か作りはしたが。」
「わざわざ肉体情報を手に入れた時点で、マーキングをされているだろうとお蔵入りさせたものだったな。」
「これは、仮説ですが。確か、父上、初期設定の情報をご自分にされていませんでしたか?そうであるのなら。移動させる存在が、術を発動させたために何か齟齬が産まれたのでは?」
その言葉に扉間と二代目は互いに顔を見合わせて、確かにと考え込み始める。それを見ていた初代は恐る恐ると声をかけた。
「すまん、その、お前さんは誰だろうか?扉間によく似ているが。」
それに柱間はああ、そうかと思い口を開いた。
「そちらの扉間は結婚しておらんのか?」
「ということは。」
「そうだ。先ほど話したのが広間。マダラの妹君と扉間の長男ぞ。」
それに初代と二代目の目が見開かれた。
それに柱間が順々に紹介していく。
「そうして、そこの白髪の子が末のスズラン。スズランを抱っこしておるのがマダラと、姉上の長男でカザリ。イズナの隣におるのが蔵間。そうして、そっちの俺を連れてきたのがマダラの長女のカグラぞ。」
丁度、カグラと紹介された少女は足を洗い終わったのを確認し、マダラの脇に頭を突っ込むと男の膝の上に体を滑り込ませた。
「父様!お仕事はいいんですか?」
「ホラ貝が聞こえたから急いできたんだろう?まあ、急ぎの物は今のところは無いが。」
カグラはゴロゴロと喉を鳴らす猫のようにマダラの首に手を回して頭をこすりつける。
「もう、カグラ、兄さんの膝の上で甘える年じゃないでしょう?」
イズナの叱責にカグラはふくれっ面になってマダラに甘えるように見上げた。
「父様、ダメですか?」
それにマダラは苦笑交じりでカグラの頭を撫でて首を軽く振る。
「まあ、今はいいだろう。」
「やった!えへへへへへ・・・」
カグラはゆるゆると微笑みながらマダラに甘える。
「もう、娘には甘いんだから。」
「いいだろう?どうせ、すぐに大きくなってしまうんだから。」
マダラはそう言って、初代が見たことがないような穏やかな笑みで娘の話をうんうんと頷いている。
それにイズナは仕方が無いなあと淡く微笑んだ。
(・・・マダラは、あんな顔をするのか。)
ぼんやりと、柱間が思い出すのは自分に背を向けて、そうして里を出て行ったマダラの姿だった。
(・・・マダラよ、お前はどこに。)
そんな後ろ姿を見ていた初代はびくりと体を震わせた。何故って、庭に立ったままの広間の目が赤く、巴の柄が浮んでいたのだ。
反射のように立ち上がろうとした柱間の肩を誰かが掴んだ。
「柱間の叔父上。」
「お前、カザリか?」
「広間のことならばお気になさらず。」
「い、いや、だが写輪眼が。」
声を潜めた柱間にカザリは楽しそうに目を細めた。その顔立ちは、幼い頃にあったうちはタジマを思い出させて少しだけ落ち着かない気分になる。
「あれはただ単に姉様の姿を記録しているだけですよ。後で幻術で見返すだけですから。」
なんで?????
柱間の頭の上にはたくさんのはてなマークが浮ぶ。
疑問は多くあったが、思わず口に出したのは一つだけ。
「い、いいのか、写輪眼が・・・」
「まあ、よくあることじゃないですか?まあ、良いことではないですが。どうも、気が緩んだり、高ぶったりすると無意識になってしまうのは気をつけなければいけませんが。」
なんてことを言った。それに、柱間は自分がどんな顔をすれば良いのかわからなくなる。
ちらりと、自分の方を見た。
そこには、何の憂いもなくマダラと話をしている自分がいる。そうして、彼の娘であるという可愛らしい少女にもじゃれつかれて、和気藹々と話をしている自分。
「おーい、机これ使って良いですか?」
「ああ、それを使え!」
「何個出す?」
「おーい!机出し終わったらうちはの人間は手伝ってくれ!」
庭には、七輪を幾つか持ち寄り、そうしてやかんだとかを抱えたうちはと千手の人間が見えた。
「ここでやるのか?」
「この人数だと庭で直接湧かした方が早いでしょ?」
「マダラ様、火種くださーい!」
「うちはの火遁を火種にするな!」
なんだか和やかだ。今まで散々争いあったことなど、なかったかのようで。
それは、自分たちの里には無い物だ。
そこで、てとてとと、大柄な男達の中から、華奢で小さな何かがぽんと飛び出してくる。
それは、最初にあったスズランを連れたうちはの女だった。
「皆さん、おやつ何にしますかあ?」
間延びして、のんびりとした声音はなんだかひどくうちはらしくない。くるくるとよく変わる表情はまるで少女のように愛らしい。
「何って何があるの?」
「おせんべいと、あと、お腹減ってるならご飯のこりがあるので焼きおにぎりができますよ?」
「おにぎり!」
「僕もおにぎりがいいなあ。」
食べ盛りの子どもたちは焼きおにぎりを所望する。
「兄様はどうされますか?」
「俺は茶だけでいい。」
それに柱間は改めてその少女がマダラの妹で有り、そうして、扉間の妻であることを理解した。
「ええっと、柱間、様は?」
「・・・いいや、俺も茶だけで構わんよ?」
「?はーい。わかりましたあ。」
てとてとと間抜けな音を立てて、女は去って行く。それに初代はその後ろ姿を見送った。どんな顔をしていいのだろうか。
声が聞こえる。
がやがやと、千手とうちはの人間達が楽しそうに茶の準備をしている。
それは、自分たちの里ではけしてありえない風景だった。
(・・・おい。)
扉間は息子の仮定について考えていると、目の前の、もう一人の自分の存在がこれ以上無いほどに険しい顔をしている。
本当を言うのならば、扉間は目の前のそれが自分と同位体であると理解していた。
感知タイプである彼は、男のチャクラが自分と同じであることも、初代のチャクラも又兄と同じであることも理解していた。
けれど、それだけでは信用できない。そのために煽るようなことを言って出方をうかがっていたのだ。
それでも、こうやって茶をするなどとしたのは、少なくとも初代の価値観はどうやら勝手知ったる兄と同じであるようだ。
ならば、子どもがいる場で二代目が何かをやらかそうとすれば、絶対的に初代が止めにかかるだろう。
(何よりも。)
初代の、マダラとイズナへの態度も気になった。
相手の状態を知るために、多くの情報を得るためにその場にいる人間と、そうして状況を少しだけ変えることにしただけだ。
相手を動揺させるには、相手にとって予想の出来ない状況に引き込むのが一番だ。
それは、自分が散々に嵌まった術中だ。何と言っても、それで人生の墓場に突っ込まれた自分が誰よりも自覚している。
(貴様、どういうことだ!?)
(何だ?)
(なぜ、うちはの女を妻にした?あの一族がどういった存在か、わからないわけではないだろう?あれを身内に取り込む事の意味が?)
んなもん、とんでもない美人局にあったからだよと叫びたかったが、そんなことを言える立場ではない。というか、そんなことを言えば痛い目に会うのは自分である。
それ故に、扉間はため息を吐いた。
(・・・・色々あったのだ。)
(何がだ!?)
風評被害であるとは言え、誤魔化すには時間が足らず。かといって、伝わっている事実を伝える訳にもいかず。
扉間は全力で話を明後日の方向に向けるのであった。
扉間は
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女の子が欲しいが、息子しか産まれない
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女の子がすぐに産まれる
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女の子が欲しくて、末っ子に産まれる
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どっちでもいい