「お疲れさま~」
「あ、お疲れ様です」
「んも~まったく、なに考えてるのあの子たち」
「どうかしたんですか?」
「どうもなにも、今日二百階に登ってきた子たちがね」
「ゴン選手とキルア選手ですか?」
「そうその二人!受付で二百階のルールを説明してたんだけど、かわいげが無いのなんの」
「かわいげが無い?」
「ほら、ここに来る人って、最上階のフロアマスターと、バトルオリンピアを目指してやって来るでしょ?」
「ええ、まぁ」
「それなのにあの子たちったら、そんなの興味ないって言うのよ!?す~っごい名誉なのによ!?まだ十二歳なのによ!?いったいなに食べて生きたらあんなにひねくれちゃうのかしらね~」
「はは……」
「ゴン君はまだいいんだけどね。ちょっと天然っぽいところがありそうだし、素直だしね。でもキルア君の方はね~、最上階の秘密分かったからどうでもいい!とかバトルオリンピアのことをそんなこととか!確かに変わってる人が多いところだけど、子どもなんだからもうちょっとかわいげのある反応が欲しかったわ」
「あれでも、ゴン選手は早速試合が組まれてませんでしたっけ?」
「ええ、早く戦ってみたいって言ってたら、フロア初心者を狙ってる選手に目をつけられちゃったわけ。ちょっと心配だな~」
「彼ら、ヒソカ選手にも目をつけられてるみたいですよ」
「え!?あの休みがちの死神に?」
「ええ、上がってきた二人の案内に出たんですけど、そこでヒソカ選手が出てきて知り合いだったみたいで。なんだかただ事じゃない雰囲気だったんですけど、メガネをかけた男の人が場を収めてくれたんです」
「そういえば、ゴン君も目的はヒソカ選手と戦うことって言ってたっけ」
「なんだか、変だったんですよね。何もない通路だったのに、二人とも汗まみれになって進むのが辛そうで。ヒソカ選手は二人には二百階で戦うのはまだ早いって言ったり、メガネの人はねん?がどうとかって」
「二百階の選手は不思議な試合が多いからね。あれでも、それならなんで受付に来れたんだろう?」
「あの後また通った時には、もうヒソカ選手もいませんでした」
「いない隙にこっそり来たのかな。でも珍しいね。ヒソカ選手が特定の選手に執着するなんて。あの人いつも、次は強い相手を頼むよって言うわりに、顔はつまんなそうなのよね。あの人もよく分からないんだよな~。不戦敗でもう三敗してるでしょ?次負けたら失格ですよって言ったら、それもいいねだって。何で来なかったのか聞いたら、つまらない相手と戦ってもしょうがないから、買い物してたんですって」
「まぁ変わった人ですし。今日も音もなく私の背後に立ってて」
「そういえば聞いた?カストロ選手が最後の一勝はヒソカ選手から取ってフロアマスターになるって噂」
「ええ、聞きました」
「すごいわよね~カストロ選手。その頂点を目指す姿勢!あれこそ天空闘技場闘士のあるべき姿よね。私、カストロ選手を一番応援してるんだから!」
「あ、そろそろ零時ですね」
「今日の仕事も終わりか~。う~ん、あの二人のせいでモヤモヤする~!なによ!標高三千七百メートルの家って~!高さだけが全てじゃないんだから~!」