パーティーを追放され、『攻略本』を手に入れた剣士は世界を救う 作:キラトマト
「今日はこの村に現れた植物のモンスター退治依頼か」
「名前はなんだっけ」
「確か……メラプラントだった気が……」
「ふぅん、まぁ倒すからいいんだけど」
「それよりもハロルド! まずは住民の避難だ」
「そうだったな。ったく、お前はいつでも人命優先だな」
「そりゃそうだろ。命に換わるものはないからな。皆さん!! 逃げてください!! 危険ですから!!」
「ま、まだあの家の中に親子が……身篭ってる人もいるんです!」
「なっ、なんですって!? ハロルド!! あの化け物の足を止めておいてくれ! 俺が残ってる人を助ける!!」
「了解した! マレーネは残ってる奴が怪我してるとまずいから、トウマにつけ!!」
「……っ、わかった!! 死なないでねハロルド!」
「安心しろ!! 俺は死なねぇ!」
3人は二手に分かれて行動した。
「大丈夫ですか?! 子供は! いた!! もうひとりは……!!」
転倒した食料を冷やすための入れ物が足の上に倒れて動けないみたいだ。
(くそっ!! 身重なんだろこの人!!)
「俺がこいつを起こす!! マレーネはこの人を出してやってくれ!!」
「わかった……!!」
彼女は女性の足に回復魔法をかけながら引きずり出す。
「……すみません……こんなこと聞くのもなんなんですが、お腹の赤ちゃんは……」
「助けていただいたのに……そんなことは言えませんよ……」
「マレーネ、なんとか蘇生させることは……」
「無理」
「……」
「ってことは無いけど……一か八かの賭けになると思う。それでも……いいの?」
「それでも! 命がひとつ救われるなら、やってくれないか?」
「そんな……自分の命まで助けていただいたのにそれ以上だなんて……」
「っ……」
「マレーネ」
「わかってる!」
結果、マレーネはMPの殆どを消費する魔法を使い、お腹の中の赤子を蘇生させることに成功した。下手をすれば母体の命すら危なかった状況だったが、それでも成功できたのは何より奇跡と言う他ないだろう。
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「ハロルド!! そっちは危険だっ!」
「わかってる!! ファイア!!」
植物型の魔物にハロルドと呼ばれた勇者は炎魔法を放つ。
「くっそ痛てぇ!!」
「キュアァ!!」
ハロルドを庇ったトウマは賢者マレーネに回復魔法を使用してもらい、傷を癒す。
「効いてないのか!? クソ! 火が効くもんだろう植物に対してはぁっ!!」
「一旦引くぞ! 対策を考える!!」
「引くものかよっ!!」
トウマの忠告を無視し、ハロルドは色々な属性の魔法を放っていく。
「育つだけよ!? 植物に魔法は!!」
「いいや!! 見てみろ! あの怪物、見るからに弱っていってる……水が弱点なんだろう」
「そゆことね……」
「だから俺も水を使う!!」
剣士であるトウマは水魔法を剣に纏わせ、その斬撃を食らわせる。
「っしゃぁああ!! ハロルド!!」
「やったなトウマ!! マレーネも補助ありがとな!!」
ハロルドのおかげでなんとか植物のモンスターを倒した彼らはパーティーの屋敷に戻り、いつものように過ごす……はずだった。
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「トウマ、今日でお前とはサヨナラだ」
突然だった。先程メラプラントを倒し、屋敷に戻ってすぐのことだ。
「は? な、何……言ってんだ?」
「お前は今日でこのパーティーはクビだっつってんだ」
「は? え? どういうこと……っておい!!」
トウマと呼ばれた青年は勇者ハロルドの転移魔法でパーティーの屋敷から追い出されてしまった。
「……意味わかんねぇよ。あいつ、おかしくなっちまったのか?」