パーティーを追放され、『攻略本』を手に入れた剣士は世界を救う 作:キラトマト
「いらっしゃい」
店の敷居を跨ぐと、無愛想な奴隷商人が顔を出した。
「っと、これはこれは剣士様じゃありませんか〜」
しかし相手があの勇者パーティーの一員だと知るや否や、態度を露骨に変えてくる。
「初めてなんすけど、どのくらいの値段で買えますかね……?」
「ほほぅ、剣士様はこういうところは初めてでありましたか〜。剣士様のお手持ちはどれくらいで?」
「一応……このくらいは」
「ほぅ……100000ゴールドですか……これでは戦闘用というより、愛玩用のモノしか買えないですねぇ」
「へぇ!? ま、まじで!? すかぁ……」
(でもまぁ、戦いに関して言えばこの本でどうとでもなるし……そう考えりゃ見せかけでも仲間がいりゃ別にいいのか……)
「して、剣士様はそれでいいのですかな?」
「え、あ、はい!! それでいいっすよ!!」
「ではこちらへ……」
トウマは店の奥の商品が置いてある場所まで案内された。
(思ったよりも綺麗だな……)
奴隷たちが置かれている環境も顔色もそれなりによい。
(どれにしようかな……)
「あ!!」
「ヒッ!?」
奥の方に進んでいくと、傷だらけの少女が見えた。それに加えて獣の様な耳と体毛が生えている。
(この耳って獣人だよな!? しかもこの傷って戦いで出来た奴か!? ってことはつえぇんじゃねぇか!? それに加えてこの値段!? まじかよ! )
10000ゴールドと、他の者よりも何倍も安い、まさに破格であった。
「店員さん!! この子でお願いします!」
「……う〜む」
奴隷商人は深く考え込んだ。このような粗悪品をあろうことか剣士様に提供していいのだろうかと。
「本当にいいのですか?」
「はい!! むしろこの子がいいです!!」
奴隷商人は、剣士様の性癖とはそういうものなのだろうと1人で納得し、金銭を受け取った。
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心機一転、新たな仲間を手に入れたトウマは伝説の聖剣を手に入れるための旅へと出かけた。
「君、名前は?」
「……エレナって言います」
「よしエレナか!! これからよろしくな!!」
「……あ、あの……ひとつ、聞いてもいいですか?」
「ん? なんだ?」
「なんで私なんかを、買ってくれたんですか?」
「そりゃ……だって獣人で強そうだし!! それにその傷って戦いで負った傷だろう?」
「いや……この傷はその……」
「!? まずいモンスターだぁ!!」
古い屋敷への道中であった。
「ひぃっ!? な、なんで!! もう嫌だァ!! 死にたくなぁい!!」
(まずいな……この慌て方尋常じゃない……まさか本当に……値段相応ってことなのか?)
「一旦逃げよう!! エレナ!! おいエレナ!! ……クソ、気絶してる。仕方ねぇ!! 漢見せる時だよなぁ!! 今が!! アースディフェンド!!」
トウマはエレナを背負い、土魔法で一旦障壁を作った。
「エレナ! エレナ!!」
「……ん? アレ、ご、主人様……?」
「なんだよご主人様って……。と、とにかく! 君はモンスターと戦ったことなんてないんだな!?」
「……え? ま、まぁ……はい……」
(あれは俺の勘違いだったか……なら……!)
「だったらもう君を戦わせようとなんてしない!! 極力戦闘に巻き込むなんてこともしない!! 万が一でも俺が守る! だから安心しろ!!」
「……え?」
これまでの主から半ばモンスターからの肉壁として扱われていたためであろう、トウマの言葉に驚きを隠せないようだ。
「この程度の奴なら簡単に倒せる! 君はここで待ってて!!」
「……は、はい! わかりました!」
「ファイアスラァッシュ
剣に炎を纏わせた攻撃、この属性がゴアウルフには一番効くのである。
「よし、これで一応は終わりだな」
「あ……あの……ご主人、様……?」
「もう大丈夫だよ、エレナ。それよりもご主人っていうの……ちょと変な感じするからさ、トウマって呼んでくれないかな?」
「……? べ、別にいいですけど……」
そんなふうに和やかな空気で2人は話していた。しかし……。
「危ないですトウマ様!!」
「え?」