ホロメンと悪魔の実   作:炎駒枸

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125話 心臓

 

「「ええええええええ⁉︎⁉︎⁉︎」」

 

 規格外の破壊力に傍観者の絶叫がサイトオブメモリアに響き渡った。

 

 いろははかちゃ、と納刀し切断した足を眺めながら落下する。

 

「って、足切ったら――‼︎」

 

 浜へ進んでいた巨兵は足の損失でバランスを崩し前の減りになる。

 浜へ落ちる影が濃くなっていく……。

 

「いろはのバカァあああ‼︎」

 

 巨兵の転倒を予測して皆一斉に2方向へ駆け出した。

 しかし――

 

「――あれ……止まった……?」

 

 不意にロボットの動きが停止した。

 微妙な角度のままその体勢を保っていて不自然だ。

 一斉にロボットを見やる。

 

「ぇ…………」

 

「やっぱり――」

 

 ロボットの足が繋ぎ直されていた。

 今さっきまでツルツルの断面図が見えていた脚が、何事もなかった様にくっ付いて両足で立っている。

 

 いろははその瞬間を見ていた。

 切断された足へ断面を寄せた時、まるで電磁力が働いたように再接合される瞬間を。

 悍ましい力だが疑念の余地はない。

 いろはのよく知る能力だ。

 

 いろはが木々の上を伝って戻って来た。

 

「いろはお前――マジですごいな‼︎」

「そんな事よりあれ、ロボ子さんの能力でござるよ」

「接合能力ってやつだな」

 

 騒動の最中に全員浜へ降りた様で、砂浜に再び一同が介した。

 いろはの分析にポルカが能力詳細を思い起こしながら呟く。

 

「あれじゃ幾ら斬ってもすぐ元通り」

「マジ……⁉︎」

「なら操縦者を引っ張り出すしかないですね……」

 

 あの巨体が自立型だとは思えない。

 いろはやポルカなどロボ子の才を知るものですらそう考えた。

 例え遠隔だろうと、誰かが操作しているはず。

 そっちを叩くしか無い。

 

「調べたいのは頭、胸、腹ですかね。操縦席の定位置ですし」

「――?」

「なんだよ定位置って」

「え? お決まりじゃない?」

「いやお決まりって…………ああ、そういう事か」

 

 ロボットアニメなどから操縦席の位置を推測するマリンに皆疑問の眼差しを向けた。

 この世界ではこの手のロボットはまず存在しない。

 いろはやポルカもアルマで人間サイズを見たのが最大値。

 操縦席があると定義しての会話進行について行けないのだ。

 

 だが一味はマリンの出身を思い出して納得する。

 それ以上は追求せずマリンの意向に従う事とした。

 

「トワが電波で探る。顔、胸、腹のへんまで連れてってくれ」

「マジで言ってんの?」

「マジなのらよ。シオンちゃんも手伝って」

「――――」

 

 宝鐘の一味についての知識が浅いシオンは懐疑的だ。

 ルーナの言葉には不満げに頷いたが。

 

 ぐががががががっ……。

 

「ヤベェまた来た‼︎」

 

 巨兵が再稼働し大地が揺れる。

 作戦会議の時間が殆どない。

 

 だが無鉄砲に突撃しても叩きのめされるだけ。

 そもそもあの巨体の腹部まで接近することすら困難。

 

「兎に角ひと固まりになるな! 散れ!」

 

 浜で巨兵の進撃を待つのは愚か。

 ぼたんの指示で全員が示し合わせもなく散り散りに。

 

 解散後、砂浜を駆けて巨兵を見上げるおかゆ。

 

「おかゆ、どうかした?」

「……いや、多分気のせい」

「――?」

 

 ある記憶からの発想を邪念と決めつけて振り払うと、おかゆは目の前の事態に専念した。

 

「ミオちゃん! 僕たちも出来ることを!」

「うん!」

 

 ある程度砂浜を走ると森に入り込んで巨兵へと特攻した。

 

 

「――! 攻撃きてるぞ! 気をつけろ!」

 

 ポルカは森林の中を走りながら脳内演算を進める。

 だが考える事が多く中々思考が纏まらない。

 トワを送り届ける事を優先とするが、個々の能力をどう活用すれば成功するのかが見えない。

 みこやAZKiが居れば浮遊で1発だったが、生憎2人ともマーキングを付けていない。

 

 ミオ、フレアに付けていたマーキングはどちらも出航前に外し、現在はルーナとマリンの2人をマークしている。もう一つはいつも通り空白だ。

 

『ポルカ! トワ思いついたんだけどさ! あのデケェ拳でこっち狙わせて、地面に落ちた隙に腕伝って登るってのはどうだ⁉︎』

 

 ポルカと並走してトワはテレパシーで語りかけた。

 脳内演算を止めてポルカは一考する。

 

『すぐに振り払われるだろ。もし無理やり抑えるにしても、結構距離あっから到着に時間がかかる!』

『マリンがいるから時間はかからん! 周りの奴ら使って腕固定できるか⁉︎』

『――なるほど! うっし分かった。やってみる!』

 

「頼むぞ!」

「上手くやれよ!」

 

 トワはマリンを探す為別行動を取る。

 気付けば巨兵の拳が間近に迫っており、森林が更に暗くなっていた。

 

「風月斬り‼︎」

裂傷波(パールス)‼︎」

 

 2方向から放たれる攻撃。

 いろはとシオンが落下して来る拳を破壊した。

 随分細かく砕けたが、腕の付け根から順に素早く再接合される。

 そして勢いを戻して再びハエを叩き潰す様に拳を振り下ろす。

 

「――‼︎」

 

 ラミィがまだ攻撃範囲内にいた。

 このままでは潰される。

 

「風靡一閃」

 

 いろはが加えてもう一撃、斬撃を飛ばすがロボットには傷一つつかない。

 あのいろはが空振り――と思いきや――

 

 ガンっ、とロボの鉄拳が空中で不可視の壁と激突して停止する。

 空中で爆発が起きたように風が巻き起こる。

 

「――あいつ今、何切った⁉︎」

 

 規格外を重ねて体現するいろはにポルカはまたしても驚愕した。

 短い付き合いながらも直感できる。コイツは所謂――最強ってやつ。

 

「って、違ぇ――」

 

 無駄な思考を切り捨ててポルカは周囲にぼたんを探す。

 するとルーナが視界に入ったのでそちらへ。

 案の定ちょことぼたんが側に居た。

 

 ラミィが攻撃範囲から逃げた所でロボの腕が再稼働し、地面に落下――凄まじい衝撃が島を襲う。

 

「どわったた――」

 

 大地震で転倒しながらポルカはぼたん達の元へ到着。

 

「うおっ、だいじょぶか?」

「ヘーキだ。それより獅白、アレ捕まえろ!」

「はあ⁉︎」

 

 引き気味にぼたんが心配してくれた。

 だがポルカは立ち上がると泥も払わずぼたんに顔を突き合わせて声を荒げた。

 

「麺伸ばして捕まえろ!」

「いや、んなの無理って」

「いいからやれって!」

「だああもう! 分かったよ‼︎」

 

 ぼたんはポルカの指示の通り、ヤケクソ気味に麺を伸ばした。

 指先から射出された麺は地面に激突した巨兵の腕に巻き付く。

 4周ほど太い腕に巻き付けると、ぐっと麺を引いてキツく固定する。

 

「で‼︎ どうすんだ‼︎」

「あの腕伝ってマリンとトワ様が肩まで登る! それまで維持させろ!」

「これで押さえ切れるかよ! すぐ千切れる!」

「いや、行けるのらよ。ちょこ先生」

「――はい!」

 

 早速鉄腕が引かれてぼたんの身体が滑り出す。

 ポルカがぼたんに触れて複製している間にちょことルーナも各々動く。

 

 ちょこがぼたんの伸ばした麺を掴んで、ルーナはそれを睨む。

 ポルカは複製した偽ぼたんをマリンの下へ向かわせ、ちょこ同様に麺を握った。

 

「全員集まれェェェっ‼︎」

 

 ポルカの絶叫と共にルーナとちょこが能力を発動。

 覚醒したちょこが千切れやすい麺に硬度を付与。鉄をも越える硬さを得た麺は簡単には千切れない。

 

「っしゃ! 引けェッ‼︎」

 

 3人で麺を引き腕を地面に止めようとするがまだまだ力不足。

 ポルカの声を聞きつけてラミィ、ノエル、いろはが駆け付けた。

 

「どしたんポルカ!」

「これ引けェ!」

「あい!」「了解」「よく分からんけど!」

 

 パワーの高い3人の参戦。

 それでもまだ足りない。

 更にシオン、おかゆ、ミオも集まり勢揃い。

 漸く力が拮抗し、腕の動きが止まる。

 

 

 ――――。

 

 

 マリンとトワ、そして偽ぼたんがマリンの生成した小型船に乗り込む。

 

「行きますよ!」

「「おう‼︎」」

「出航ー‼︎」

 

 燃料の無い船がエンジンを吹いて発進。

 海上を進むように大地に波を立てて走る。

 その船は土を撒き散らして前進し、ぼたん達が引き止める巨兵の腕を駆け上っていく。

 

「よし! 行けるぞ!」

「向こうも上手くやって――どぅおおお! あっちにもぼたんさんがおるぅ⁉︎」

 

 複製体と知らずに接していたマリンは遠目にぼたんの存在を確認して目を飛び出させていた。

 すぐにポルカの能力だと分かるが、それでもやっぱりビックリはする。

 

 小型船はみるみる高度を上げ、遂に二の腕付近まで。

 その時、ががが、とロボットの巨体が震えた。

 

「おわわわわっ……」

 

 周囲を警戒すると、対面にある左腕が持ち上がっていた。

 当然だ。敵の行動を安易に見逃すはずもない。

 

「アレ、下狙いか」

「だろうな。急ごう」

 

 マリン達の船が鬱陶しいだろうが、ハエ叩き気分で自身を殴れば間違いなく粉砕する。

 接合がどこまで有効かは不明だが、この状況で自ら破壊はしないと予測。

 2人は下側の心配などせず間近に迫るロボットの頭を睨んだ。

 

「所でこちらのぼたんさんは何故同乗しておられるのでしょ〜か」

「トワ達の足場はロボットの肩だけだ。肩からじゃ胸と腹を探れない。その為だろうよ」

「ほっほう。ターザンするのね」

「ああ。っちゅうわけだ、頼む」

「あい」

 

 船は難なく肩に到着。

 

 丁度その時、左腕が仲間の下へ振り下ろされていた。

 が――またしても空中で壁と衝突していた。

 

「まず腹!」

「いってらしゃーい」

 

 トワの腰とロボットの首を麺で繋げると、トワは右肩から斜めに勢いをつけて飛び降りる。

 

「――――――」

 

 ロボットの首を軸とした振り子のように腹部を通過。

 能力で近くの脳内回線を探りながら通過するも、電波は一切掠めない。

 ハズレだ。

 振り子の往復時、偽ぼたんは麺を若干縮めトワが胸部を通過できるように長さを調節。そしてトワが振り子のように戻ってきた。

 

「――――――」

 

 今回も電波を受信できず。

 残るは頭だけ。

 麺を収縮させてトワを引き上げると、ロボットの首元でトワが再び能力で電波を探る――

 

「――――」

 

 トワの顔色が変わらない。

 

「どうだったトワ様。どこに居た?」

「……いねえ」

「――?」

「どこにも人の気配がねぇ……」

 

 ヒューっと冷たい風が吹いた。

 

「え……」

「このロボット……完全に自立してやがるぞ」

 

 ロボットの左拳が地面に激突して衝撃が響く。

 

「…………」

 

 マリンはロボの頭を見上げ、トワは仲間達の様子を高所から見下ろす。

 

「――兎に角一旦降りてみんなに伝えよう」

「……そうですね」

 

 2人は顔を見合わせ、偽ぼたんに視線を向けた。

 流石にロボットの腕はもう地を離れている。

 

「……所でトワ様。どうやって降りるんですか?」

「今やってみせたろ」

「……バンジーは怖いんですけど」

「んじゃ頼むぞ」

「あい」

「無視〜? 無視ですかぁ〜? トワ様〜?」

 

 マリンの言葉には耳を貸さずぼたんに麺を出してもらう。

 ロボットの首とトワの腹を括るとトワは絶壁に立ち、下を確認した。

 

「待ってトワ様! 置いてかないで!――置いてくなぁ! 船長命令なんだが⁉︎ 聞いてんのかぁ⁉︎」

「――ちょっとエンジン点火」

「――おーぃ――っひゃ‼︎」

 

 フルシカトされて罵声を浴びせるマリンの腰に手を回し、ひょいと担いだ。

 乙女チックな声が漏れてマリンは赤面する。

 

「目ぇ瞑ってろよ」

「ぇや、ちょ――おぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー‼︎」

 

 マリンを肩に担いだトワが麺を掴んで、バンジーにチャレンジ。

 マリンの絶叫が空高くから響き渡り皆の注目を浴びた。

 

 ずざーーーーーーーっと足を巨兵の胴に這わせて絶妙な勢いを保ちつつ落下。

 軈て巨兵の股付近にまで到達し摩擦を生む壁が無くなった時――がっ、とトワの腹部がキツく締まる。

 

「ぐぇっ!」

 

 麺の伸長が突如停止してトワとマリンは巨兵の股下で宙ぶらりんな状態になった。

 

「トワ様だいじょぶ⁉︎」

「へーきだ。それより……マジィ」

 

 恐らく、限界まで麺が伸び切ったのだろう。

 この場に長時間滞在していられない。

 しかも下手したら――

 

 ぷつん――

 

「「ぉあああああああああ‼︎」」

 

 麺が千切れた。

 危ぶんだ事態が状態把握の前に発生して、悲鳴を上げることしか出来ない。

 だが事前に発したマリンの絶叫が注目を集めた事で、周囲からのサポートが迅速に行われた。

 

 2本の剣がトワの足下に飛来して小さな足場を形成。

 落下する2人分の体重を支え切る事は出来ないが、その上に立つ事で反発を生み徐々に勢いを殺す。

 

 地面まであと少し。

 ぼたんが地面に柔らかい麺のクッションを引いて待機。

 

 だがロボットも2人と落下地点を纏めて狙う。

 

「威風堂刀!」

高速裂傷波(ジェットパールス)!」

 

 その巨腕へ放たれる2つの攻撃。

 遠距離攻撃はお手のもの――いろはとシオン。

 先程よりも深く激しく腕を破壊して時間を稼ぐ。

 

 その隙にトワが剣から麺のクッションへ飛び込んだ。

 剣のアシストで勢いは十分軽減され、麺のクッションのお陰で怪我ひとつなく着地。

 

「ふぅー…………」

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 トワは一息ついてマリンを下す。

 マリンは股を押さえて震えていた。

 

「漏れそう」

「じゃあ漏らしてこいよ」

「誰が漏らすかい」

 

 2人は軽口を叩き合いながらロボから距離を置く。

 そこへ主要メンバーが集まる。

 

「どうだった⁉︎」

 

 ロボットから遠ざかりつつ結果を求めるが……トワの顔は浮かない。

 

「人は乗ってない」

「――⁉︎」

「アレは完全自立型のロボットだ」

「……マジかよ」

 

 振り返って聳え立つロボットを見上げた。

 先よりも圧迫感がある。

 

 散り散りになっていた者たちが次なる作戦を求めて集った。

 

「ラミィさ、アレ止められん?」

「サイズが大きすぎるから無理」

「あークッソ! どうすりゃいんだ」

 

 最早手詰まり。

 敵のカラクリも分からないまま時が流れていく。

 消耗戦となれば圧倒的に一味側が不利。

 早急に仕組みを解明してケリをつけたいのに――!

 

 駆けつけたミオは空気から結果を察した。

 だからある可能性を再浮上させる。

 

「おかゆ、さっき何か言いかけたよね!」

「「――?」」「え、いや……」

「何か、あるんじゃないの?」

 

 ミオに名指しされて注目が集まると萎縮して発言を拒んだ。

 

「おかにゃん。どんな些細な事でもいいんで――気づきが有れば!」

「…………」

 

 マリンの真摯な眼差しにおかゆの瞳が揺れる。

 心も揺れた。

 そして大地も再び揺れる。

 

 いろはとシオンが再三迫る巨兵の対処へ向かった。

 

「……小さい頃、ころさんが等身大の人形やマネキンを動かしてた」

「――⁉︎ それ、どうやって!」

「能力で生み出す心臓を植え付ける事で無生物がある程度自立する、って言ってたと思う……」

「それだ――‼︎」

 

 おかゆは記憶を手繰りながら答えたが、自信は無さそうだ。

 記憶が曖昧な上に、何より――

 

「でも、あんな巨体を動かしてる所は見た事がない……」

「そりゃあだって、あんな巨体は滅多に存在しねえからな」

「そんで、その擬似心臓は植え込む対象によって変化する?」

「んーん多分……共通で僕たちと同じサイズ、だと思うよ」

 

 見えた一縷の望み。

 しかし立ち塞がる壁はまだまだ大きい。

 

「因みに植え付ける場所は――」

「どこでもいい……と思う」

 

 一同が徐にロボットを見上げる。

 

「じゃあなんだ……あの巨体の中から直径数センチの核を探して、破壊しろってのかよ……」

「うん……」

「しかも、例え切ったとしても……心臓すら再生するかもしれないし」

「…………」

 

 そう。

 結局は接合能力を打破しない限り戦いが終わらない。

 打開策を求めて頭を悩ます一同。

 

「……もう! なんで心臓植えたら自立すんの。なんで脳じゃないの」

「キレるとこそこかい」

 

 理不尽な能力にマリンが嘆くが、能力に文句を言っても仕方がない。

 マリンのジョーク?が微妙な空気を呼んだ。

 

 そこへシオンが戻ってくる。

 

「ミオちゃんのレーザーでなんとかなるんじゃない」

 

 それだけ告げると巨兵の足止めに舞い戻る。

 

「……?」

 

 名指しされた当人は微塵も意図を汲み取れていなかった。

 自分が打開策になると思わず、ポカンと口を開けている。

 

「……そうか、レーザーなら破壊じゃなく焼失。液化若しくは気化してしまえばいくら接合でも再生できないのか」

「――シオンたん頭いいな」

「ふふん。当然なのらね」

 

 シオンへ向けた賞賛をルーナが拾って鼻高々に答えた。

 ちょことぼたんがこっそり苦笑する。

 

「よし。となれば決定打はミオさんに任せる」

「えっ、でも……」

「大丈夫! ミオさんは機を見てレーザー撃つだけ!」

「ええ……」

「ミオちゃん。出来るよ! ミオちゃんなら!」

「うぅ……ありがとおかゆ」

 

 残る問題は心臓の位置を探る事。

 人や電波を探す時とは要領が異なりトワの索敵に引っかからない。

 いろはやシオンに各部位を細々と破壊して強引に探すのも、敵の体積と味方の体力を考えると難しい。

 大まかな当てをつけてから仕掛けたい。

 

「一先ず散ろう。そして分析」

「ミオさんはいつでも撃てるように準備しといて」

「――わかった」

「っし! 散れ!」

 

 

 対ロボット戦は第二ラウンドへと移行する――。

 

 

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