迷宮都市にて咲く菖蒲   作:にがりって…美味しいよね。

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ファッ!?赤バー!?
皆々様、高評価、ありがとうございます!

そして、啓蒙系男子さん、誤字報告ありがとうございました。





接敵(エンゲージ)

 

 

 

 

 

 

驚いたのだが、この身体は睡眠を必要としないらしい。

目を閉じても一向に眠気が来ず、剣を振ったり、詠唱を途中で破棄したり、書庫で過ごしたりした。

だが…スキルに()()()()()()()体質。

やはりあの空欄は…

 

 

 

 

「ルリス〜!迷宮(ダンジョン)に行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

へ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

団長(アリーゼ)によると、だ。

昨日のパーティーの時点でファミリア内にステイタスの共有は済ませていたため、それを加味して議論された結果ゴーサインが出たという訳なんだそうだ。

 

 

が、どうにもきな臭い。勿論団長達を疑っているのでは無い。

しかし、正義と秩序を司り都市の憲兵(ガネーシャ・ファミリア)と同じく慕われるのがアストレア・ファミリアだ。

今や都市安定に必要な組織の殆どの人員が迷宮(地下)に降りる…

しかも隠れてはいないが、逆に目立つ行動もしていない。

 

 

こういうの(暗躍)はどこぞの【勇者(ブレイバー)】の指示なのだろうから、あまり心配はしていないが…

全員が第2級冒険者なアストレア・ファミリアを差し向ける…

闇派閥の中でも有力者が襲来すると見ていいだろう。

殺帝(アラクニア)】か、【白色鬼(ヴェンデッタ)】か、それとも未知の幹部か…

何れにしろ、気をつけるに越したことはない。

 

 

そうして、アストレア・ファミリア一行はバベルに到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一層。目の前に現れたのは小さな体躯、緑の肌、鋭い牙を持ち涎を垂らす怪物(モンスター)

RPG御用達、“ゴブリン”。

 

 

それが6体。しかし、なんだろうか()()()()()()

一呼吸して武装を呼び出し、構える。

 

 

神器聖骸(ドラグマ・スティズム)

このスキルの“登録武装の存在化”とは云わば原型も質量すらも霧散した状態から武器を取り出すものだ。

かなり珍しい部類のようで、他の神々には秘匿すべきというのが我がファミリアの統一見解だった。

原作中のベル(主人公)のように美の女神(フレイヤ)にでも目をつけられたらたまったものでは無い。自分の魂が綺麗だなどとは全く思っていないが。

 

 

 

それはそれとして、()るか。

 

 

 

 

「狭間より現れ出る富を嗤う。」

 

 

 

 

詠唱を開始しつつ、大剣を取り出(召喚)してこちらに気づいたまま呆けた一体を袈裟斬りにする。

 

 

 

 

「踊り踊らされ、狂い狂わされるは人の業。」

 

 

 

 

灰になった死体は無視。更に追加で盾を呼び出して正面にそのまま突撃(シールドバッシュ)

左から迫る3体目の頭にそのまま円形の盾を“突き刺した”。いや、無理矢理押し込んで頭部が歪んだだけか。

 

 

 

 

「叫びを糧として…」

 

 

 

 

4体目を串刺しにして切り払う。

 

 

 

 

「閉ざされし大地に今芽吹きを。ーストラテジー・ドラグマ。そして、【神罰(パニッシュメント)】。」

 

 

 

 

雷撃を刃に蓄積(チャージ)。全身の動きを連動、加速させる。

 

 

 

 

あぁ…こういう感覚だったんだな…

 

 

 

 

5体目を上段斬りで、一歩踏み込み、6体目を斬り上げで殺した。

 

 

納刀し、死体から魔石を回収する。

更に、召喚を解除するとドッと疲労が来た。

しかし倒れるほどでは無い。これより酷い痛みも苦しみも知っている。大丈夫。

 

 

振り向いて皆さんの方へ戻ると、皆なんとも言えない顔をしていた。流石に独断専行はマズかったかと思い謝ると団長が再起動して場の空気を戻してくれた。

 

 

その後は後列に回り、【白骸(アルバスセイント)】でのバフを行ったりしながらアストレア・ファミリアは18層、【地中の楽園(アンダーリゾート)】を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めは、正直半信半疑だった。

明け方だった、アストレア様に呼び止められたのは。

 

 

 

 

「輝夜、今日からの“闇派閥(イヴィルス)への網張り”*1…ルリスも同行させて欲しいの。」

 

 

 

 

「申し上げたいことは幾つかありますが、まず一つ。何故、私に?」

 

 

 

 

そこは、先ず団長(アリーゼ)を先に懐柔して…まさか。

 

 

 

 

「アリーゼには既に説明したわ。今は皆に説明して回っているはずよ。」

 

 

 

 

「フルルドリスはまだLv.1です。団長殿が考え無しだとは申しません。何故でしょうか。」

 

 

 

 

「あの子、寝てないのよ。」

 

 

 

 

「…!それなら尚更…」

 

 

 

 

自己管理すらできない者を連れていくなど…

 

 

 

 

「それは、あの子自身にも開示してないスキルの効果のせい。根本的に睡眠が必要ないの。元々の体質なんだけれどね。」

 

 

 

 

そうか、不自然なステイタスの空欄はそれか。しかし本人にも教えないのは…()()()()()()()()()()からか…?

 

 

 

 

「あのスキルは、ルリスに残酷な道を歩ませることになる。私が下界で見た凡ゆるスキルと比較しても“異端にして異質”。だからこそあのスキルに頼らなくても済むように、あの子を強くして欲しい。」

 

 

 

 

「それは…」

 

 

 

それほど、なのか…?

しかし…

 

 

 

 

「戦力としてなら問題ないわ。あの子は現時点でLv.2並の身体性能がある。武の心得もある。少なくとも、足手まといにはならないはずよ。」

 

 

 

 

 

ここまで強引なアストレア様は初めて見た。

ならば…

 

 

 

 

 

「わかりました。納得します。」

 

 

 

 

 

この時点では不満もあった。

神命ならばと無理矢理納得して、そして、迷宮(ダンジョン)で驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し、いただきます。」

 

 

 

 

そう言った独断専行阿呆(フルルドリス)は無手で六体のゴブリンへ突撃。

何が武の心得だ…そう思った瞬間、ゴブリンが死んでいた。

奴の手には大剣が握られていた。

昨日のパーティー。その初めに団員達の前で奴が召喚してみせたソレだ。

 

 

ソレで、()()()()()()()()()()()()()()()()()

要は一歩目で助走。二歩目で踏み込み、ゴブリンはもとより、我々の認識からも外れたのだ。

 

 

ゴブリンは目で追えなくなったが故に、私は、いや私達は虚を衝かれた故に。

想像ができなかったのだ。

ランクアップどころかステイタスを得て間もないにも関わらずLv.2に匹敵するLv.1など。

 

 

武の心得を母親の胎の中に置いてきたような荒業。

しかも、並行詠唱までこなしている。

 

 

詠唱しながら、荒業でゴブリンを屠っていく。

そして詠唱が完成した瞬間、奴は閃雷となった。

 

 

初撃からの四体撃破とは全く違う“武人の踏み込み”。

少し不格好ではあったが、確かにソレは剣技だった。

 

 

迅雷一閃。ゴブリンは焼け焦げて、灰に還った。

その後、納刀して魔石を回収した瞬間、一瞬フラついたのを私は見逃さなかった。どうやらペース配分を考えずにかっ飛ばしたらしい。

 

 

その後ペコペコと謝り倒したルリス(バカ)を団長殿は許した。その後も私に度々バフを掛けそのお陰で我々は予定より早く安全階層(セーフティポイント)である18層に到着できた。

 

 

三人一組でリヴィラの街各所に散らばり、網を張っていく。

 

 

しかし、ふとした瞬間考えてしまうのだ。

上層とはいえ、怪物(モンスター)の知覚を振り切る速度を持ち、バフを扱い、剣技の心得もあり、代価は必要だが瞬間火力はまだ底に至らない。

 

 

 

 

 

奴は…

 

 

 

 

 

 

瞬間、遠くで冒険者達の怒号が聞こえた。

私達が一番近い…

 

 

アリーゼ、ライラと頷き合い、声が聞こえた方へと疾走する。

最も敏捷の基礎アビリティが高い私が前に出ると、彼方には闇派閥に襲われる冒険者達が見える。

 

 

 

 

「……と言うのなら…せめて私を血の宴で楽しませていただきたいッ!」

 

 

 

 

「させるか、阿呆。」

 

 

 

 

敵の首魁、その視覚の外から斬り掛かる…が防がれた。

 

 

 

 

「まーた当たったぜフィンの読み!どうなってんだアイツの頭!マジで結婚してやってもいいぜ!一族の勇者様ぁ!」

 

 

 

 

 

「超絶無理に決まっています、貴女のような狡い小人族(パゥルム)などと…夢と現実の区別は付けて下さいまし。――あとうるさいから黙れ。」

 

 

 

 

 

「はて…?あなた方は…?」

 

 

 

 

「非道の行いを見逃す訳が無い、正義の味方よ!」

 

 

 

 

無駄な考えをしている暇はない。

今日も今日とて地上も地下(迷宮)も関係なく、“正義”と“悪”は対峙する。

ここでもまた、その幕が上がる。

*1
この前日、リューとエリーゼがアストレア・レコード最重要神物の一柱、神“エレン”との遭遇した後ロキ・ファミリア団長“フィン・ディムナ”より依頼されたもの。





あれ〜?フルルドリスから身の上話をさせるとグダりそうだぞ…?

どちらかと言うとフルルドリス改めてルリス視点より輝夜視点の方が多い今回でしたが、どうだったでしょうか?
(にしては輝夜の性格・言動の解像度低くね?)

最後はそれっぽく締めましたが、無理があったかもしれません。

そして、戦闘描写、ムズいです。


等々と、言いたい事だけ書き連ねました。


よろしければ、評価、感想よろしくお願いします。
(乞食)

自分で13話を読み返してこの先の展開に繋げるにしても、この締まり方では気持ち悪いと思ったため13話書き直しの可否を確認します。50票ぐらい集まったら締め切ります。

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