迷宮都市にて咲く菖蒲 作:にがりって…美味しいよね。
…書き上げた瞬間、調子に乗って投稿してしまいました。
大変、申し訳ありませんでした。
異形が襲い来る。それを、腰に差した三本の
何も知らずにこの異形達が数刻前までただの人だったと言われて信じる者はいないだろう。
だが、彼女達には分かる。
コレらが自分達の守りたかった無辜の民だと、思い知らされる。
だが、止まれない。斬って、斬り続ける。
“彼女”なら何を思って刀を振るったのか、私には分からない。
けれど、私はこの先の結末を知ってなお、剣を振るった。
その切っ先は寸分も過たず敵の首魁にしてかつての主君。……その“偽物”を斬り裂いた。
「はぁ…っ……っ!」
目が、覚めた。
夢を見ていたらしい。
場面としては儀式魔法“
【
【
恐らく、使えば使うほど精神を乱される。
が、まぁ…
使えばハードウェアに重大なエラーが発生しかねない。
「でも、止まれないし、止まるつもりもない。」
やれる所までとことん、だ。
「アストレア様と団長に起きたのを報告しないとな…」
私は腕に入った“赤い筋”を無視して部屋から出た。
「各ファミリア代表揃ったな。それでは定例の
ロイマンの罵声が会議室に響く。相当にご立腹のようだ。
「さっさと害虫を駆逐してえなら、闇派閥も追って、
「し、仕方なかろう!
「
「アレン、止めよう。話が進まない。僕らが率先していがみ合う理由はないはずだ。」
「その口で俺の名を呼ぶんじゃねぇ、
今率先して場を荒らして回ってるのは都市二大派閥の片割れ。フレイヤ・ファミリアのLv.5“アレン”。二つ名は【
言葉通りなら疲れてるはずなのだが、他人に噛み付くだけの元気は残っているらしい。
となると、疲れているのは彼の部下か…?
にしても【
などと考える間に話は進んでいた。
「意思の疎通さえできない眷属の態度、神フレイヤの品性が疑われるな。」
「殺されてぇのか、羽虫。」
「もう既に帰りたい…なんで初っ端から殺気で満ちてるんですか、この会議…」
「ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアの険悪さはいつも通りでございますから、気にするだけ無駄かと〜」
「そもそもなんで派閥会議に
ヘルメス・ファミリアの【
「ロイマンを庇う訳ではないが、先の襲撃を食い止められなかったのは儂の責任だ。詫びのしようもないわ。そこの娘っ子がいなければ倍は被害が出ておった。」
周囲の視線がこちらに集まる。
【
「では、話を戻すが…白昼堂々、しかも往来の中心での凶行など、予想出来ていたとしても止められる物ではない。ましてや【殺帝】の仕業ともなれば。フィンや
「……先頃の工業区襲撃…そしてそれに伴う『撃鉄装置』の奪取は、爆弾製造のためだった考えていた…違いますか、【
口を開いた私にまたも視線が集まるが、二度目だ。もう慣れた。
「いや、君の推測通りだ。」
「
「だからこそ我々も警戒していたのだが、山が外れたか。」
【勇者】、【九魔姫】、【象神の杖】が言葉を繋いだ。
「或いは、まだ切り時ではないと溜め込んでいるのか、だ。」
「で、しょうね。【殺帝】の言動から考えて先日の凶行は“前座”。何事か用意していると見て間違いない、と私は考えています。」
と話を締めた。
「なるほど…理解いたしました。どうせならもっと早く共有して欲しかったのですが。我々も先日の襲撃の後に
「君達の内情までは関わっていないが……あくまで予想に過ぎなかったというのが一点、もう一点は警備を厳重にするあまり敵の動きを誘いにくくしたくなかった。」
「勇者様の中ではあの襲撃さえ予定調和であったと?犠牲者の数を
「被害の規模までは読めなかった。と言っても言い訳にしか聞こえないだろうが、おかげで敵の本隊を叩く事ができた。」
「大した勇者がいたもんだな。」
ホント…為政者向きで…英雄には不向きな思考形態をしてるよ。【
「全くだ。常に選択を迫られる今の状況と、それを覆せない自分がつくづく嫌になる。」
空気は暗くなったが、この場にはこういう時の特効薬がいるので好きにやらせてもらった。
「ーーはい!この話題ヤメヤメ!私こんな不景気な話題聞きたくないわ!嫌な気持ちになってお菓子をヤケ食いしてしまいそう!」
「アリーゼ・ローヴェル…貴女という人は…」
「だってそうじゃない!みんな都市を守るために最善を尽くしているのに、それを責め合うなんておかしいわ!
反省する所はする、いい所は称え合う。子供にだってわかるわ!」
「くっくっく…ハッハッハッ!相変わらず物怖じしない娘よ!しかし、その通りだ!」
「チッ…正論ばかりほざきやがって…」
「反論できないのなら悪態をつくのは控えておけ、彼女の正論こそ今において最も建設的であり、有意義な提案だ。」
ほら、明るくなった…のはいいんだけど…
「清く正しい私の前に第一級冒険者さえもひれ伏したわ!フフーン!さっすが私!!」
確実に
「団長、頼むからこの場でふざけるのは止めてくれ…」
「ふふ……明るい話は生憎ないが、彼女の言う通り建設的な話をしよう。」
「まず、シャクティ達が制圧した『
踊る会議は終わり、歩を進めていく。
「今日までにあった事件、及び伝達事項はこれくらいかな。誰か、他に共有しておきたい情報はあるかい?」
数刻経ち、【勇者】が会議を締めにかかった。
そこで【猛者】…都市最強にして現状唯一のLv.6が口を開く。
「闇派閥側に最低でも一人、手練れがいる。恐らく生粋の戦士。」
「あ、例の
「確認する必要もないほど離れ業だった。それだけだ。少なくとも闇派閥の幹部共ができる芸当じゃねぇ。」
「精査する情報は少ないだろうが、オッタル。敵の
「Lv.6以上…未満は有り得ん。」
「なっ…!【猛者】と同じ…?」
「我々も『倉庫』制圧の際、素性不明の女と接触した。魔導士、或いは魔法剣士だと思われる。
直接の被害はなかったものの私を含めた総勢三十人の団員が手玉に取られた。」
「【ガネーシャ・ファミリア】を一人でだと…どこ所属の魔導士だ…」
「
「後者はともかく前者の戦士が闇派閥に与している可能性は高い。各派閥。独断行動は避けるようにしてくれ。」
各派閥、代表が頷く。
「最後になるが…『本題』に入る。
……【ヘルメス・ファミリア】の偵察で闇派閥の新たな拠点が見つかった。」
「廃棄された施設を利用しているようです。これまでと異なりかなりの規模…それも3つ。内部までは探れませんでしたが、一般人を装った見張りの数から言っても相当に『臭う』。恐らくは『本拠地』と言っても過言ではないでしょう。」
「そこで、この3つの拠点を同時に叩く。」
「一つは【アストレア・ファミリア】が行くわ!」
「僕はまだ何も言ってないよ?」
「本拠地に突撃する【ファミリア】を募るんでしょう?
なら一つを受け持つわ!機動力なら負けはしないもの!」
「フィン、
二派閥の長の言葉を受けて【勇者】も了承。
輝夜の指摘した“罠の可能性”は作戦に直接は参加しない【ファミリア】に警戒を依頼することになった。その連絡、指示をギルドに依頼。ロイマンも渋々了承していた。
更に、【ヘルメス・ファミリア】が迅速な連絡を行い。大規模な連携を可能にする。
「さて、察しの通りこれは大規模な『掃討作戦』になる。拠点が発覚した今、放置の選択肢はない。こちらから打って出る。
敵に気取られないよう、細心の注意を払ってくれーーここで戦局を決定付ける。」
各派閥が決意を固めた所で、会議は解散となった。
だが、嫌な予感がする。
何時だって、絶望は知らぬ間に忍び寄り、こちらの寝首を搔くものだ。
私は拳を強く握った。
伏線ってムズいですね…
そして発覚した【
使う度精神を乱され、最終的には…
フィンは今回の一件でルリスの存在を認知しました。狙いを見抜き、歩調を揃えたルリスには高評価です。
次回はこのまま『大抗争』まで行きます。
私の文章力だと寄り道した瞬間筆が折れそうなので、何卒ご容赦ください。
それでは最後に、
どうだったでしょうか?
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(日本書紀)