アサルトリリィ×仮面ライダー GrandPrix of ヘルヴォル 作:黒破リンク
今回はその序章です!!!
一葉vision
暗闇……熱……煙の匂い……。
???「今、助けるから……!助けるから!お願い!生きてて…」
「どうして……泣いてるの。」
マディックの少女「ごめんね…ごめん。」
「謝らないで……。私を助けてくれた、お姉さん……。」
マディックの少女「させない……。これ以上は、させない……。もう誰ひとり、死なせない……。やれるやれないじゃない……。みんな守る……!私が守る!!」
お姉さんはそう言って、私を助けようと必死になっていた。
自らの命を楯として、弱き者を守る。
私のあこがれの存在──まさに楯の乙女にふさわしいお姉さん。
マディックの少女「誰のためでもない──それが私の正義だから!!」
あなたはいったいどんな気持ちで立ち向かって──どんな気持ちで、死んでいったのだろう……
そして私は、目を覚ました。
「……あぁ……。そうか、夢か……。」
私は、涙を流していることに気づいた。
「あ、涙……。
私、どうして泣いているんだろう……。」
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隼人vision──
あの日、俺は日の出町の惨劇に巻き込まれた。
その際、俺はヒュージの攻撃に遭い、瓦礫の下に埋められてしまった。
「……死にたく……ないっ……!!!」
死にたくない、か細い声で呟いた俺。けれど頭から血を流し、怪我を負った今の俺には、どうすることもできなかった。
そんな時、エレンスゲの制服を着た1人のリリィが、助けに来た。
??「必ず助けます…!!だから、死なないでください!!」
「リリ……ィ…?」
瓦礫をどうにか退かし、俺を救助して、さらに手当てまでして、安全な場所まで避難させてくれた。
??「ここなら大丈夫です。これ以上、被害は出させません。」
そう言って、彼女は再び戦場へと向かっていった。
そのまま俺は、気を失った。
目を覚まし、俺は助けてくれたリリィを探しに、ボロボロの身体を引きづって、町を彷徨った。
「どう……なってんだよ……。」
町へ出ると、そこは火の海になっていた。
瓦礫の山、溢れかえる民間人やリリィ達の遺体。
「探さ……ないと……。」
俺は探すも、見つからなかった。
後に聞いた話だが、そのリリィは俺を助けた後最後まで民間人を守ろうとして死んだらしい。
俺は、その少女の思いを継いで戦おうと、そう決めた。
「んんっ……?」
俺は布団で目を覚ます。見ていた光景が夢だということには、すぐに気づいた。
「なんで…またあの時の夢を見るんだよ……!!!」
自然と涙が零れた。俺は布団に拳を打ち付け、夢のことを忘れようとしていた。
何故かヘルヴォルに入ってからは、またこの夢を見ることが多くなった。
もちろん、なぜかは知らない。
でも変わらないものがある……
それは知らない間に叶っていた俺の願い────
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英寿vision──
俺は、コインを見つめて、過去のことを思い出していた。
『私のことは忘れて。それが幸せよ。』
「あんたは今何処にいるんだ。母さん。」
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祢音vision──
「こんにちは、祢音です!ピカリ!今私は、52戦中52敗。今回こそ、絶対に成功させるぞー!!」
今私は、家出作戦を決行していた。
いつもはお母様が車で送り迎えをするんだけど、もう子供じゃないから1人で行くって決めて、内緒で出ていた。
ジョン「お嬢様ー!!」
「きゃぁ!?」
私は思わず人の影に隠れた。
その人に手を掴まれ、見てみると──
ベン「捕まえましたわ。奥様が心配していますよ。帰りましょう。」
ベンが女装して待ち構えていた。
「なんつー根性!!
あら、スカートが破けてますわよ。」
ベン「NOォォォ!!」
「逃げろー!!!」
すると、ジャマーエリアが広がって、ベンとジョンはその壁の向こうに取り残された。
「ジャマト!?いきなり始まるなんて聞いてないよ!!」
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ジャマーエリア──
allvision
ツムリ「緊急事態です!!仮面ライダーの皆様、今すぐジャマーエリアに向かってください!」
ツムリはメロンパンを食べながらアナウンスをしていた。
隼人「食いながらアナウンスするなよ……。」
隼人は街に出てジャマトを見つける。
すぐさまドライバーを腰に巻いた。
隼人「いよいよラスボスって訳か。」
『SET』
隼人は、拳を胸の前で打ち付け、左手を前に出すファイティングポーズを取り、右手でバックルを操作する。
隼人「変身!!」
『ZOMBIE』
『READY FIGHT』
そのままゾンビブレイカーを持って走り出す。
一方別の場所では、英寿がいた。
英寿「この世界も、終わりが近い。」
英寿はバックルをセットし、指パッチンをする。
『SET』
英寿「変身!」
『MAGNUM』
『READY FIGHT』
英寿は駆け出し、ジャマトにインファイトを仕掛ける。射撃を織り交ぜ、ジャマトにダメージを与えていく。
祢音「へーんしん!」
『ARMED CLAW』
『READY FIGHT』
祢音は、先程の通学路の物陰で変身し、ジャマトのいる方まで走っていく。
ナーゴ「にゃッ!!!」
レイズクローでジャマトを斬り、人々を逃がす。
景和 千香瑠「「変身!」」
『ARMED ARROW』
『MAGNUM』
『『READY FIGHT』』
2人は、建物の上へと上がり、ジャマトを狙撃する。
ツムリ「事前にお呼び出し出来なかったのは、今回のジャマトがラスボスだからです。」
タイクーン「ラスボスって……最後のボスってことか。」
スタッブ「気を抜かずに。景和。」
タイクーン「うん。いつも以上に集中してやろう…!!」
2人は同時に1体ずつ倒す。
すると、ピンクミッションボックスが落ちる。
『SECRET MISSION CLEAR』
タイクーン「ブーストバックルゲット!!千香瑠姉、使う?」
スタッブ「大丈夫。それは景和が使って?」
タイクーン「わかった!!」
仮伝「一葉、藍、準備はいい?」
一葉「はい!!」
藍「だいじょーぶ!」
3人「「「変身!!」」」
『MAGNUM』
『ARMED ARROW』
『ARMED HAMMER』
『『『READY FIGHT』』』
3人はジャマトに奇襲を仕掛けつつ、一葉と仮伝は市民を避難させる。
ダイル「ここは危険です!!」
ファロン「皆さん、早く!!」
ボアー「ラスボス、藍が倒す!」
ファロン「まだ出てないとはいえ、このジャマトの量。ここにヒュージも来たら犠牲者が出るわ。」
恋花 瑤「「変身!!」」
『ARMED WATER』
『MAGNUM』
ロポ「はぁっ!!」
ナッジスパロウ「ふっ!!」
2人はジャマトを退けながら、先へと進んで行く。
ツムリ「これより、缶蹴りゲームを始めます。」
道長「……。」
先に缶のある場所に着いていた道長は変身し、無言で缶のある方向を見つめる。
『ZOMBIE』
『READY FIGHT』
バッファ「ふん、あんなチビがラスボスとはな!」
道長は物陰から走り出し、ラスボスである、『サボテンナイトジャマト』を倒そうとする。
バッファ「秒殺だ!!」
道長はゾンビブレイカーを構え攻撃しようとするが、ナイトジャマトはサボテンの針を道長に放つ。
それを斬っていた道長は、一瞬ナイトジャマトを見失う。その隙をついて、ナイトジャマトはパンチの連打を浴びせる。
バッファ「がっ!!ぐっ!あぁぁぁぁッ!!!」
そのまま吹き飛ばされ、柱に衝突する道長。
ツムリ「油断しないでください。世界を滅ぼす力を持つ、強力な相手です。まともに戦ってはいけません!」
ナイトジャマトは逃げ遅れた市民を見つけ、謎の花を使って人の生命力を吸い取る。
ツムリ「ラスボスは、捕まえた人々から生命力を吸収して巨大化します。デザグラ史上、最も犠牲者を出したジャマトですが、一つだけ弱点があります。」
ナイトジャマトが吸収したエネルギーが、缶に変わった。
ツムリ「足元にある缶です。」
ナーゴ「缶!?」
ロポ「余裕じゃん!?」
ツムリ「缶を蹴れば、吸収された生命力を取り返し、ラスボスを枯らすことが出来ます!」
タイクーン「つまり、缶を蹴った人間が……!!」
ファロン「ゲームの勝者。」
英寿と仮伝は別の物陰から缶を狙って狙撃する。
他のメンバーは缶目掛けて走り出す。
他「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
蹴られることに気づいたナイトジャマトは、缶を開け、中の生命力を飲み始める。
そして巨大化し、他のメンバーに攻撃する。そのままワープしてどこかへ消えていった。
ツムリ「ただし、一箇所に留まらず、人間を探して移動します。もし、誰も缶を蹴れずに捕まってしまったら……ゲームオーバーです。」
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サロン──
景和「捕まってしまった人々ってまだ救えるんですよね!?」
ギロリ「ゲームを攻略出来れば。」
一葉「ゲームが終われば元通りになるんですよね?」
一葉はそう問いかける。
英寿は、その答えを示した。
英寿「ライダーが全滅すればゲームオーバー。犠牲になった人たちは救えない。」
一葉「そんな…!!」
隼人「っ……!!」
隼人は拳を握り締めて、腿に叩きつける。
英寿「かつてライダーが1人残らず倒され、幕を閉じたデザイアグランプリがあった。そのゲームのラスボスは、ジャマーエリア内の人々を遺伝子にして姿を消した。」
恋花「それって…もしかして…。」
ギロリ「はい。今回と同じ、缶蹴りゲームのジャマトです。」
仮伝「その悲劇は、人々の記憶から消えた。全てを忘れて、幸せに生きられるように。」
千香瑠「……っ。」
英寿「まぁ、俺が参加し始める前の話だけどな。」
瑤「ねぇ、英寿と仮伝ってデサグラのこと詳しいみたいだけど、いつから参加してるの?」
英寿「西暦元年。」
仮伝「私は3年前。」
恋花「真面目に聞いてるんだけど?」
恋花は若干の怒りを見せる。
英寿「信じないなら聞くな。」
道長「そもそも願いを叶えてスターになったのに、なんでまだ参加してんだ。デザイアカードになんて書いた。」
道長は立ち上がり、英寿に問う。
道長「今度はどんなふざけた願いを叶えようとしてんだ?」
英寿「ひとつ言えるのは、世界平和でもなければ、愛でもない。ましてや仮面ライダーをぶっ潰すことでも。」
英寿は振り返り、言う。
英寿「答えは叶えてからのお楽しみだ。」
道長「おい、お前のブーストバックルを寄越せ。」
道長は景和にブーストを渡せと詰め寄る。
景和「えっ?」
道長「ブーストバックルのスピードなら、ラスボスに見つかる前に缶を蹴れる。それ以外に攻略法はない。」
景和「渡さないよ。今度こそ俺が使うから。」
道長「しくじれば大勢の人間が犠牲になる。世界を守る覚悟がお前にあるのか?」
千香瑠「ちょっと、道長さん…。」
景和「あるに決まってるだろ!!」
ギロリ「そこまでです。」
一触即発の2人を、ギロリが制止する。
ギロリ「今日は1度、ご帰宅されては?ラスボスが現れたら、お呼び出しがありますので。」
恋花「それじゃ、戻ろっか。」
次々とメンバーが出ていく中、祢音は英寿を呼び止めた。
祢音「英寿様。」
英寿「……?」
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英寿vision
ナーゴに呼ばれた俺は、ショッピングモールに来ていた。
恋花「おーい。一葉、こっちだよー。」
祢音「英寿様も早くー!」
2人の声を聞いて、俺と相澤一葉は辿り着けた。
一葉「す、すみません!皆様!ちょっとその、道に迷ってしまって!」
恋花「はいはい、うちらのリーダーはわりと平気で遅刻してくる人だってよく知ってるからだいじょーぶだいじょーぶ。」
一葉「う!」
景和「英寿さん、珍しいですね。」
タイクーンが俺に言ってくる。
「相澤一葉に着いて行ったらこうなっただけだ。」
隼人「これでいいのか?ヘルヴォルのリーダーは……。」
仮伝「さぁ。」
千香瑠「これで作戦行動のときは一切遅れない、迷わないというのはどうなってるのかしら。」
一葉「うぅ!」
藍「きっと戦うことで頭がいっぱいなんだね。戦うの楽しいもんね。」
隼人「それは絶対にないだろ。」
一葉「うぅぅ!!藍まで!」
道長「図星突かれすぎてボロボロだな。」
瑤「みんな、もう、やめて。本当のことを言われるのは、誰だってつらいものだから……。」
一葉「よ、瑤様……!!」
「トドメ刺してやるなよ。」
隼人「ほんとに大丈夫なのか?このレギオン。」
仮伝「一葉のカリスマ性があるから成り立ってるまであるわね。」
恋花「あははは、瑤の言葉が一番突き刺さってる。」
瑤「あ、ごめん……。でも大丈夫、人間誰しも、欠点のひとつくらいあるものだから……。」
仮伝「どっかの誰かさんは欠点がないように見えるけど。」
「誰のこと言ってんだ。」
道長「お前だよ。腹立つけどな。」
一葉「優しさが痛いです、瑤様!」
恋花「でも、珍しいじゃんか、一葉が『休みましょう!』とか言ってくるの。」
一葉「それは──ここのところ、激しい戦いが続いていましたし──。効率のいい訓練や戦闘での十全な働きのためにも、リフレッシュは絶対必要ですから!」
景和「でも、CHARMとドライバー持ってる時点で、休みの気分ではないですけど……。」
祢音「でも、みんなでこうして楽しめるのいいよね!」
道長「俺はお断りだ。なんでお前らなんかと。」
「いいのか?俺の弱点見つけなくて。」
俺はバッファを煽る。
道長「あ?喧嘩売ってんのか?」
「仮面ライダーをぶっ潰すって言う割に、甘いな?」
道長「言わせておけばなんのつもりだ!ギーツ!!」
お。挑発に乗ったな、バッファ。
景和「まぁまぁ、やめましょうって…。」
仮伝「2人とも、そこまでよ。」
道長「チッ。」
バツが悪そうにバッファはファロンに捕まえられていた。
俺もだが。
千香瑠「皆でお買い物、楽しんじゃいましょう?」
藍「らん、欲しいものないよ。」
隼人「藍、このあたりに美味いたい焼き屋があるんだけど、どうだ?」
藍「みんな、のんびりしてる場合じゃないよ。いこー。」
恋花「うーわ。現金。」
祢音「隼人さん、藍ちゃんの扱いに慣れてる……。」
藍「ヘルヴォル、しゅつげーき。」
一同「おーーーー!!」
道長「……。」
「おー。
……ファロン、いい加減離してくれないか?」
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そして買い物が始まった。
恋花「わー。っ、見てあの服!マジ可愛い!」
千香瑠「ふふっ、恋花さんにすごく似合いそう。」
恋花「でっしょー!どうすっかな。買っちゃうかなー!?」
千香瑠「一葉ちゃんは、欲しい服とかないの?こんなのがいいな、とか。」
一葉「そうですね。あまり華やかですと、いざというときに戦いづらいということはありそうですし──。」
仮伝「服選ぶ基準どうなってるのよ…。」
恋花「え?服選ぶ基準が、戦いやすいかどうかなの?」
一葉「動きやすさや、利便性などを考えると、ジャージが一番ですよね!」
隼人「ファッションセンス0か。」
一葉「でも、ジャージなら結構持ってますから大丈夫です!」
隼人「誇るな…。」
瑤「……一葉、なんだかかわいそう……。」
一葉「え?」
恋花「よし、今日は一葉におしゃれなお洋服を選ぼう!みんなで、全力で!」
一葉「ええ!?」
祢音「いいですね!!」
藍「一葉……。」
一葉「ら、藍まで、なに?」
藍「カワイイはせいぎ。せいぎをつらぬけ。」
一葉「いったい誰に吹き込まれたの!?」
恋花「そんじゃ、状況開始ー。」
一同「おー。」
道長「何やってんだ、こいつら。」
「さぁ。」
一葉「私のことはいいんですってば!」
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瑤「はぁ……ぬいぐるみがいっぱい……!まるで、夢のよう……!」
「ナッジスパロウのテンションがいつも高いな。」
瑤「瑤はアニマルグッズ収集が趣味だからね。超かわいいもの好きあの子。」
藍「みてみて、瑤。なんか千香瑠と祢音に着せられた。これなにー?」
瑤「か、かわいい……!!」
千香瑠「うふふ、私もそう思うわ。」
祢音「可愛いですよね!!」
藍「えへへへー。ほめられたー。」
瑤「部屋に……部屋にもって、帰りたい!」
道長「事案だな。」
「やめろ。」
恋花「どうどう、野獣の目になってるぞ、瑤。」
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千香瑠「んー、どうしようかしら……。」
隼人「買えなくはないんだがな……。」
瑤「千香瑠と隼人は、何に迷っているの?」
隼人「料理道具を新しくしようとしててな。」
千香瑠「この包丁を買うかどうかですごく迷っていて。」
恋花「包丁1本くらいスパッと買えば──
って、高!!この包丁たっか!!」
景和「だから千香瑠姉、さっきからずっと唸ってるんだ。」
祢音「え、安くない?この金額。」
「ナーゴ、金銭感覚がおかしいぞ。」
隼人「最新科学と刀匠の業を掛け合わせた業もので、最高の切れ味と噂されててな。なにしろ、ブロックの肉も力を入れずにすーっと切れるとか。」
千香瑠「料理が趣味の人間としては、やっぱり欲しくなっちゃうなーって。」
一葉「……なるほど、新型CHARM開発の参考になるかもしれませんね……。」
恋花「一葉、やめれ。なんでも戦いに結びつけんな。」
藍「みんな、こっちでたい焼き売ってる。美味しいたい焼きってこれ?」
道長「はやくしろ。うりきれっぞ。」
千香瑠「ぴんぽんぴんぽん。大当たりー。」
景和「道長さん、さらっと食べてる。」
「たい焼きを食べながら休憩にしよう。」
藍「だーいさーんせー。みんな、こっちだよー。」
そのまま走って行くボアー。
瑤「ふふ、引っ張らなくても、いくから。さぁ、千香瑠も。」
千香瑠「あぁ、でも包丁──。
まぁ、今度でいいかしら!待って、2人とも!」
そんな3人を見て、相澤一葉は笑う。
一葉「ふふ……。」
恋花「なーに、にやにやしてんのよ、気持ち悪い。」
一葉「ああいえ、ヘルヴォルのメンバーが皆様で良かったなと。」
恋花「……うん、そうだね。とても上手くやれてるよ。」
一葉「はい!ありがとうございます。」
「だがそれも……今のところは、だけどな。」
一葉「え?」
「ラスボスが迫ってる。デザ神になるには、蹴落とし合わないといけない。」
俺がそういった後、ロポが相澤一葉にこう言う。
恋花「……ね、一葉。黙ってようとも思ってたんだけど、やっぱ言うわ。
……一葉のやり方は、大分危ういよ。」
一葉「危うい……ですか?」
恋花「一葉の戦い方は、理想が高すぎる。
リリィも街の人も、みんな守って、仲間の気持ちも大切にして──。それは言葉だけ聞けばキレイだし。ついていきたくなるよ?でもさ──
あたしたちがやってるのは、いつ命を落とすかわからない戦いなんだ。なにかを諦めなくちゃいけない時もある。
この間のラージ級との戦い。ラージ級の速さがこっちの予想を上回ってるってわかった時点で撤退させるべきだった。一歩間違えれば、千香瑠は死んでた。」
「その通り、だな。」
一葉「でも、結果として千香瑠様の大きな前進に繋がって──。」
「あくまでそれは結果論だ。」
恋花「そう、それが怖い。今まではたまたま上手くいってただけなのかもしれない。そしてその成功が、もっと大胆な行動に繋がって、理想ばっかり膨れ上がって、最後には──破滅する。」
一葉「……何を言ってるんですか?」
「いざとなったら何を切り捨てるのか。リーダーとして、その覚悟は持っておけ。ロポの話はこういうことだろ?」
恋花「英寿の言う通り。そういうこと。」
一葉「……それは……どういう……。」
相澤一葉は少し考え、こう言った。
一葉「教導官のようなことを、言うんですね。」
恋花「『外征』はともかく、序列や作戦の立て方についてはね。あたしは最初から、学園の割り切ったやり方もひとつの正義だって思ってるよ。
ケンカしたいわけじゃない。でも、命はひとつだから。
一葉の理想に付き合って死ぬ事は出来ない。それだけは言っておこうって思って。」
藍「おーい!一葉、英寿、恋花ー!たい焼き、なに食べるのー!」
景和「早くしないと、こっちで決めちゃいますよー!」
恋花「んー!?ちょっと待って、すぐ行くー!」
ロポは2人に返事をして、相澤一葉に一言言った。
恋花「なんとなくでも、考えといてよ。」
一葉「は、はい……でも──!」
恋花「じゃ、ほら!先行ってるよ!」
そう言ってロポは走ってたい焼き屋の方へ行った。
一葉「でも……。これまで上手く行ってるんです。それなら、このままでいいじゃないですか……。」
『GATHER ROUND』
その瞬間、ヒュージ出現と、デザイアグランプリからのお呼び出しが鳴った。
一葉「ん!?き、緊急出撃のアラート!ヒュージ出現!?場所は──!」
「ここか。」
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allvision
一葉「ヘルヴォルよりエレンスゲ司令部へ。状況の詳細を!」
司令部「エレンスゲ司令部よりヘルヴォルへ。ヒュージの群れが出現し、エリアディフェンス内に侵攻。」
瑤「また、ヒュージが……!」
恋花「まるで群発地震だね!」
司令部「これよりエレンスゲは、ヒュージの群れの殲滅にあたる。ヘルヴォルの状況は──。」
英寿「CHARMはある。いつでも行けるが?」
司令部「現地のヒュージ撃滅にあたれ。
これより敵の予想戦力を送る。」
ヘルヴォルメンバーに、予想戦力が届く。
瑤「予想戦力……待って!多すぎる……!」
祢音「こんな時にラスボス来たら……!!」
仮伝「民間人に犠牲が出るわ。」
隼人「……っ!!!」
千香瑠「これを……全部私たちだけで?」
景和「応援を要請できませんか!?」
司令部「受理した。しかし優先順位が低いため、応援の到着には数時間は必要だ。」
一葉「優先順位が低い!?ここは市街地ですよ!?」
司令部「戦績に結びつくヒュージが集まる区域への戦力投下が最優先となる。」
恋花「点数稼ぎ……ってこと……。」
千香瑠「そんな……。」
司令部「勘違いするな。この区域のヒュージを叩くことが、最も被害を抑えられるという分析も出ている。よって相対的に、君たちの地区の優先順位は低くなる。」
英寿「相変わらず、そのやり方を変えるつもりはないんだな。」
司令部「何が言いたい。」
英寿「こうしてお前たちが自分たちのことしか考えない結果、リリィや民間人に犠牲者が生まれる。そしてどんどんと学園の評価が下がっていく。負のスパイラルだな。」
司令部「これは命令だ。黙って従え。」
英寿「ふっ。どうなっても知らないからな。」
司令部「当該区域の敵戦力を速やかに殲滅し、優先区域での討伐に参加せよ。以上。」
一葉「……ヘルヴォル……了解。」
道長「……。」
……To be continued
一葉の見た夢、そして隼人が願おうとした理想とは……
次回、邂逅VII:「あなたは何も守れない〜ラスボスの出現と缶蹴りpart2」