アサルトリリィ×仮面ライダー GrandPrix of ヘルヴォル   作:黒破リンク

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ヒュージとジャマトが同時に出現。ジャマーエリア展開及び学園の意向によって応援も来ない状況。
果たしてヘルヴォルは、仮面ライダーはどうなってゆくのか。


邂逅VI:「あなたは何も守れない〜ラスボスの出現と缶蹴りpart2〜」

allvision

 

ヒュージとジャマトが暴れ回り、民間人への被害が出始める。

 

ナッジスパロウ「一葉、もう、敵が──。」

 

ダイル「──!!

住民の安全を最優先とします!藍、瑤様、隼人様は私と一緒に敵戦力の殲滅を優先します!」

 

一同「了解!」

 

ボアー「まっかせてー。」

 

ダイル「リリィとしての誇りを胸に──ヘルヴォル出撃!!」

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道長vision

 

俺は1人、ラスボスに挑んでいた。

 

「チッ!!

デケェ上に、攻撃が、厄介だなっ!!!」

 

針の嵐を受けつつ、缶を蹴るために走る。

 

POISON CHARGE

 

俺は周りの雑魚を蹴散らすために、足でゾンビブレイカーのデッドリーポンプを上げる。

 

「邪魔だ、どけえっ!!!」

 

TACTICAL BREAK

 

「ウラァッ!!!」

 

周りの雑魚ジャマトを蹴散らす事は出来た。

でもすぐにまた集まってきやがった!!

 

「ブーストバックルさえあれば……!!!」

 

ないものねだりしても仕方ねぇ……雑魚片付けて、缶を蹴り飛ばす!!!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

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隼人vision

 

ボアー「これで、えーと!何体目だっけ!?

いーや、なんでも!もっともっと、もっと!!」

 

「おい藍!!突出しすぎだ!!」

 

ナッジスパロウ「マギが持たなくなる!」

 

ダイル「周囲を警戒!まだ敵が残っているかもしれない!」

 

すると通信機が鳴り響く。

 

ダイル「こちら一葉!皆様、状況は!?」

 

スタッブ『こちら千香瑠。住民のシェルターへの誘導!かなりの人数を避難できたわ。』

 

ダイル「了解!引き続き街の人々を捜索、シェルターへの避難誘導を──

恋花様──!」

 

ロポ『こっちは変わらず、高層建築より区域全体を観察してるよ。ヒュージとジャマトの数は大分減ったけど、まだ全部じゃない。逃げ遅れてる街の人々とヒュージ達が接近しそうな場所は──いや待って──!!』

 

ダイル「恋花様?」

 

ロポ『敵増援を確認!ミドル級複数体がスモール級の群れを引き連れてる!』

 

ファロン『わらわらわらと……一体どこから…!!!』

 

ダイル「っ……!!!」

 

ロポ『端末に位置データを送信する!届いた!?』

 

ダイル「位置情報届きました。

瑤様、隼人様、藍!新たな敵です!」

 

「だろうな!!」

 

ナッジスパロウ「──!!」

 

ボアー「いいよ。らん、もっともっと戦うよ!」

 

ナッジスパロウ「一葉、長くは戦えない。藍だけじゃなく、私たちも──。」

 

ダイル「限界は近い……か。」

 

「幸いなことに、ラスボスは出現位置から動いてないことだけだな。」

 

ダイル「ヘルヴォルよりエレンスゲ司令部。

応援はいつ到着するんですか!!」

 

司令部「エレンスゲ司令部よりヘルヴォルへ。あと1時間ほどで、エレンスゲレギオン5部隊が到着。」

 

ロポ『ちょっと待って!!1時間もあたしたちだけで抑えろって?この数を!?情報共有してるよね!?冗談で言ってんの!?』

 

司令部「無い袖は振れない。」

 

ロポ『くそっ!!』

 

ダイル「やるしかありません!

皆様、街の人々の命は私たちに預けられています。全てを守る戦いを、今こそ──!!」

 

街への侵入を食い止めるために戦い続ける俺達。

 

ダイル「はぁぁぁあ!!」

 

ミドル級をブルトガングとレイズアローを駆使して倒す一葉。

 

ダイル「まだ……まだ……私は……戦える!」

 

マグナムシューターを使い、ミドル級やジャマトを撃破する瑤。

 

ナッジスパロウ「ほんとに、ヒュージとジャマトが次から次に──!」

 

「こうなりゃ……!!

ゲキワザ、来来獣!ゲキウルフッ!!!」

 

藍「あはは!楽しいー!どんどんあふれてくる!」

 

藍がルナティックトランサーを使いながらヒュージとジャマトを倒し、俺はゲキウルフを使って一掃する。

 

ロポ『敵増援、撃ち漏らしたのが街の中に入ってきてる!』

 

ダイル「はぁ……はぁ……!」

 

スタッブ『ヒュージとジャマトの数が多くなってきた!捜索範囲を狭めて、シェルター周辺を守るわ!』

 

ナーゴ『でも、どんどん増えてきてます!!』

 

タイクーン『このままじゃ、シェルターまで来そうです!!』

 

ナッジスパロウ「一葉、私たちも戻ろう。シェルター周辺を固めて、避難した人たちだけでも──」

 

ダイル「ダメです……到底、街の人々全てが、シェルターに避難出来たとは思えません……。

ここが最前線です!私たちが撤退すれば、避難できなかった人々が犠牲になります!!

ヘルヴォルよりエレンスゲ司令部!!応援はあとどれくらいで到着しますか!?」

 

司令部「あと20分だ。」

 

ダイル「20……!」

 

ナッジスパロウ「気が遠くなる、数字……。」

 

「ジャマーエリアが展開されている以上、どっちにしても俺たちしか……戦えるやつが居ない……!!」

 

ボアー「ふぅ……ふぅ……らん、まだ戦えるよ……!!」

 

そう言って藍は戦い続ける。

 

ダイル「藍……。」

 

ファロン『無茶させすぎよ、一葉!!ヒュージとジャマトの数は十分減らせた。シェルター前で落ち合って、シェルター周辺の敵を排除するしかないわよ!!!』

 

ロポ『……ウソでしょ……』

 

通信機の向こうで、恋花と祢音が異変を見た。

 

ダイル「どうしたんですか?」

 

ロポ『ラージ級……3体……確認。』

 

ナーゴ『ラスボスも……侵攻してきてる……。』

 

ダイル「え……?」

 

ロポ『瑤!一葉!藍!隼人!シェルターに移動して!』

 

ファロン『ラージ級はまっすぐそっちに向かっているわ!!私たちも可能な限り援護するから、シェルターに撤退を──』

 

ダイル「こちらは大丈夫です!仮伝さんたちは持ち場を離れないで!」

 

ファロン『バカ言わないでちょうだい!!状況把握に戦力を割いてる場合じゃない!このままだと被害が拡がっていくだけよ!!』

 

スタッブ『一葉ちゃん!こっちにも人が欲しい!悔しいけど、3人だけじゃ守りきれない!!』

 

ダイル「……!!」

 

ギーツ『ここでお前が逃げる選択肢を取れば、人々は犠牲になる。それでもいいのか?相澤一葉。』

 

ダイル「……っ。」

 

ナッジスパロウ「一葉、どうする?」

 

ギーツ『さぁ、どうする?相澤一葉。お前は、お前自身の信念から背くのか?』

 

ダイル「……瑤様、藍、隼人様、シェルターまで撤退してください。」

 

ボアー「まだ、らんは戦える!」

 

「どうするつもりだ。」

 

ダイル「ここでラージ級とラスボスを止めます。」

 

ロポ『バカ言うな!ラージ級3体とでかくなったラスボス相手に1人で何ができるっつーのよ!初戦の時とは条件が違いすぎる!!』

 

ダイル「それでもやるしかないんです!

……来た!」

 

ナッジスパロウ「一葉……あなたを1人には──」

 

ダイル「ダメです!シェルター防衛に戦力が必要です!行ってください!」

 

タイクーン『逃げてください一葉さん!!1人で戦えるわけ無いですよ!!』

 

ダイル「戦うんじゃありません!囮です!敵を引き付けながら逃げます!」

 

ファロン『囮なんか出来るわけないわよ!!ラスボスだけならなんとかなるかもしれないけど、ラージ級3体もいるのに無理よ!!あっという間に殺されるわよ!!』

 

ダイル「逃げ遅れた人々を守るなっていうんですか!?」

 

ロポ『前提が違う!もう守れなかったんだ!過去形で考えなきゃダメなんだよ!逃げ遅れた人たちは!!』

 

ダイル「かこ……けい……。」

 

恋花の言葉に動揺を見せる一葉。

 

ダイル「言い争ってる暇はないんです!このままじゃ何も出来ずにみんな死にます!!」

 

ロポ『…………!!』

 

ナッジスパロウ「一葉。」

 

ボアー「やだ!らんも戦う!!」

 

「お前1人置いて──」

 

ダイル「行きなさい!!

これはリーダー命令です。」

 

「……!!」

 

ボアー「え……。」

 

ロポ『それは……!くそっ……!!ばっかやろう……!!

恋花、シェルターまで撤退する!』

 

ボアー「一葉……どうしたの、怖い顔……。」

 

ナッジスパロウ「行こう、藍。」

 

ボアー「あとで、会えるよね……一葉……。」

 

ダイル「ええ、もちろん。」

 

ナッジスパロウ「一葉……生きて帰って。」

 

ダイル「はい。……瑤様も。」

 

一葉に、とある人の面影を感じた。

俺を助けてくれた、あのリリィと同じ面影を。

 

「っ……!!!」

 

あの人はもうこの世には居ないはず……なのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一葉、どうしてお前は『あの人』と同じ事を口にしてるんだ……?

 

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一葉vision

 

私は1人、ラージ級とラスボスを誘導するための囮になっていた。

 

「こっちよ、ヒュージ!!ついてきなさい!!

やぁぁぁぁぁ!!」

 

レイズアローで撃ち、ヒュージ達を煽る。

 

「私はこっちよ!どうしたの!ヒュージが寄ってたかって、私1人倒せないの!?」

 

私をターゲットにし、ヒュージは攻撃をする。

避けきれず、攻撃を喰らってしまう。

 

「ぐっ……!!」

 

すると突然、道長様がこちらへ吹き飛んで来る。

 

バッファ「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「……道長様!?」

 

バッファ「この……野郎……っ……!!!」

 

道長様に気を取られていた私は、脇からもう一体のヒュージの攻撃を食らってしまう。

 

「……もう一体、脇から──!!」

 

そのあと、ラージ級ヒュージとラスボスの攻撃を防ぎきれなかった私と道長様は、そのまま変身が解けてしまう。

 

あぁ、もう……。

 

「ぐ……まだ、まだ!こっちよ!こっちに来なさい!」

 

ここで、私は終わりなんだ……。

誰も、誰も守れず……。

 

「せめて、少しでも長く、時間を──!!」

 

私は膝をつき、ブルトガングを支えにしていた。

 

「……はぁ、はぁ…。まだ、ダメ。倒れるわけには……。」

 

道長「俺は……勝つんだ……!!!俺は……生きて……理想の世界を……叶えるんだ……っ!!!」

 

私と道長様は立ち向かうも攻撃は当たらなかった。

 

「まだ、私は……。」

 

??「一葉!!道長!!」

 

私を呼ぶ声と共に、射撃音が鳴り響いた。

 

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英寿vision

 

ナッジスパロウ「一葉!!」

 

一葉「え……。」

 

「生きてるか?相澤一葉。バッファ。」

 

一葉「瑤、様?英寿様まで…。」

 

道長「なんの、つもりだ…ギーツ…」

 

ナッジスパロウ「生きてるね……良かった。」

 

『SECRET MISSION CLEAR』

『ラスボスの攻撃から挑戦者を守る』

 

このミッションを達成した俺たちの前に、2つのミッションボックスが現れる。

俺は新たなバックル、『ニンジャレイズバックル』をボックスから取り出す。

 

「このゲームの攻略に本当に必要なアイテムだ。

ラスボスに見つかってくれて、サンキュー。」

 

道長「ギーツ……お前………っ!!!」

 

一葉「……私をその気にさせたのは……っ。それを手に入れるため……!?」

 

「ふっ、化かされたな。」

 

一葉「そんなに……ゲームが楽しいんですか……!?世界や……人々がピンチになってるこんな時に…!!」

 

「世界は守る。

……理想の世界を、叶えるついでにな。」

 

ナッジスパロウ「一葉は、休んでて。」

 

一葉「よう……さま……!」

 

そのまま相澤一葉とバッファは気絶した。

 

「行くぞ、ナッジスパロウ。」

 

ナッジスパロウ「うん。」

 

SET

SET

 

「変身。」

 

ナッジスパロウ「変身!」

 

BOOST

NINJA

 

ナッジスパロウはブーストフォーム、俺はニンジャフォームとなり、ラスボス達と対峙する。

 

『『READY FIGHT』』

 

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allvision

 

ギーツ「さぁ、ハイライトだ。」

 

英寿たちは左右に別れ、ラスボスとヒュージの攻撃を避ける。

英寿は忍術を駆使してラスボスを撹乱させることに成功、瑤はブーストの加速力を使って攻撃を避けつつ、ラージ級にダメージを与えていく。

 

ギーツ「ふっ!!はっ!はっ!!はぁっ!!」

 

ラスボスの攻撃を避けながらチャンスを伺う英寿。

瑤は、ヒュージの攻撃とラスボスの攻撃の両方に被弾してしまう。

 

ナッジスパロウ「……!?

うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

瑤は攻撃を受けつつも立ち上がる。

 

ナッジスパロウ「生きて……帰る。一葉にそう言ったんだ…私がやらない……わけにはいかない……!!」

 

ギーツ「その意気だな。」

 

英寿は空中で分身し、ニンジャデュアラーのディスクを回す。

 

ROUND1・2・3

FEVER

 

ギーツ「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

TACTICAL FINISH

 

ギーツ「はぁっ!!!」

 

英寿はラスボスにタクティカルフィニッシュを当てる。

 

ギーツ「今だ!!ナッジスパロウ!!!」

 

ナッジスパロウ「わかった……!!」

 

『REVOLVE ON』

 

瑤はリボルブオンし、ブーストバックルのハンドルを1度だけ回した。

 

BOOST STORIKE

 

そのまま缶を蹴り飛ばす瑤。しかしラスボスが手を伸ばすが……

 

ギーツ「させるか。」

 

『REVOLVE ON』

 

英寿はリボルブオンして飛び上がり、ニンジャバックルのニンジャスターターを引く。

 

NINJA STORIKE

 

ギーツ「はぁっ!!!」

 

英寿は缶を蹴り、そのままジャマーエリアの外へと弾き飛ばしていく。

飛んで行った瞬間、ラスボスは転移してしまった。

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仮伝vision

 

私は瑤様と英寿の後を追って、ラスボスたちのいる場所までカブトゼクターレイズバックルを使い、クロックアップを駆使してたどり着き、道長と一葉を連れて避難させた。

即座にメディックバックルへと切り替え、2人を治療した。

治療している間に、缶が飛んでいくのが見えた。

 

祢音「これで終わり?」

 

「いいえ、まだよ。」

 

2人の治療を終えると、バイクの音が近くまで来た。

見ると英寿が瑤様を抱えていた。

 

「瑤様!!」

 

英寿「ファロン、ナッジスパロウを頼んだ。」

 

「わかったわ。」

 

瑤様……かなり重症…!?

メディックバックルの治療にも限界がある…。

 

「死んじゃダメです、瑤様……!!!」

 

何とか傷や出血を止めた私は、変身を解いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

allvision

 

??「ヒュージの全滅を確認。」

 

??「住民の死傷者は現在──名。確認を続けています。」

 

??「3人の意識は?」

 

??「戻ってません。」

 

??「あぁ、瑤……瑤!なんで、こんなことに……!」

 

一葉「う……あ……。

(目覚めて最初に見たものは、倒れた無数のヒュージとジャマト。あたりに飛び散った真っ赤な血──ジャマーエリアが消えたあとに応援に駆けつけたリリィたち。それから──)」

 

恋花「お願い……!!お願い、目を覚まして、瑤!!」

 

仮伝「最大限……出来るだけの治療はしました。恋花様。」

 

一葉「(取り乱した様子の恋花様と──その手の中で、目を閉じたまま動かない。大きな怪我を負った瑤様だった。)」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1週間後──

一葉vision

 

「あの戦いから、1週間が経ちましたね……。ようやく面会許可が出たので、お見舞いにきました。瑤様……。

瑤様と英寿様が、私を庇ってくれたこと。意識を失った私と道長様の代わりにラージ級とラスボスと戦ったこと。全部聞きました。ありがとうございます……それから……。」

 

私は意識のない瑤様に謝罪をする。

 

「ごめんなさい……。

……全て……私の力不足が招いたことです。

起きてくれると嬉しいです。待って……ますから。」

 

(涙は、出なかった。泣く資格は、私にはない……)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

仮伝vision

 

無言のままレギオンルームへ戻ってきた一葉。

 

恋花「……一葉、か。」

 

一葉「あ、恋花様……どうして……。」

 

恋花「……いちゃ、悪い?」

 

一葉「いえ……。」

 

「……瑤様は、どうだった?」

 

一葉「静かに、眠っていました。大きな怪我を負っているということで、お医者様は、起きるかどうか分からないと──。」

 

恋花「……本来だったら、家族だって面会できないところを、一葉はできるんだ。

さすが、序列1位。誇りあるヘルヴォルのリーダー。特権階級だね。羨ましい。」

 

そう、自嘲するように言う恋花様。

 

一葉「………。」

 

恋花「あたしはあの戦い以来、顔を見ることさえ許して貰えてない。

笑えるよ。瑤はずっと、命を預けて戦ってきた。

あたしの大切な──大切な……。」

 

一葉「はい。」

 

恋花「はいじゃ、ないだろ……。」

 

恋花様は一葉の返事に怒りを露わにする。

 

恋花「はい、じゃないだろ!

何が、全部守るだよ!!ラージ級3体とラスボスにたった1人で……奇跡でも起こると思ったの!?時間稼ぎにもなってなかったじゃんか!ラージ級が出てきた時点で、逃げ遅れた人たちを助けられないことは確定してた!なのにあんたは自分の理想を振りかざして、そのおかげで──!!その……おかげで……。

……瑤は、まだ、目覚めない……。」

 

「恋花様……。」

 

私は、怒る恋花様を止めれなかった。恋花様の言ったことが正しいからだ。

 

恋花「もうずっと目覚めないかもしれない!これからずっと眠ったままかもしれないなんて──!!

命を懸けた戦いなんだ!死んだって、こんなはずじゃなかったなんて言う気はない!でも!瑤は違う!定石通りの作戦ならこんなことにはなってない!割り切れないんだよ!!」

 

一葉「………。」

 

恋花「もし……このまま瑤がずっと起きなかったら。

あたしはあんたを許さない。…………絶対に許さないから。」

 

そう言って、恋花様は去っていった。

 

「一葉。」

 

一葉「はい。」

 

「私は、あなたを擁護することなんてできない。恋花様の言ってることが正しいから。

自分の行動と責任を、しっかり考える事ね。」

 

私はそう言って、部屋を出ていった。

 

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一葉vision

 

「………間違ってたのかな……。

私は、何か、間違えてしまったのかな……。

でも……。でも、私は……。」

 

私は、1人、部屋で呟いていた。

 

「瑤様……ごめんなさい。ごめんなさい。瑤様……!」

 

部屋をノックする音が聞こえる。

声をかけてくれたのは、千香瑠様だった。

 

千香瑠「千香瑠よ。」

 

藍「らんもいるよ。」

 

景和「景和もいます。」

 

私はドアの向こうから聞こえる千香瑠様たちの声を聞いていた。

 

千香瑠「あの……瑤さんの様子……メッセージくれてありがとう。」

 

藍「うん、ありがとう。」

 

景和「なんて……言ったらいいか……。こんな状況で、何を言っても無責任に聞こえるかもしれないですけど……俺は、一葉さんのせいじゃないと思う。」

 

千香瑠「私も同じよ。

……未来を見通せる人なんていない。何が正解かなんて、あの時誰にも分からなかった。あの時、一葉ちゃんは一葉ちゃんの最善を尽くした。それは、私も、みんなも、瑤さんだって──きっとわかってる事だから。」

 

景和「あまり自分を責めないでください。一葉さん。」

 

「……。」

 

千香瑠「クッキー焼いたの。良かったら食べて。ドアの前に置いておくから。」

 

藍「一葉……。

瑤は、ちょっとお寝坊さんなだけだよ。ちゃんと起きるから……。

だから……元気だして、ね?」

 

千香瑠「じゃあ、行くわね。

一葉ちゃん、私達、待ってるから。」

 

藍「一葉、また来るね。」

 

景和「絶対、戻ってきてください。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私は1人、避難施設に来ていた。

 

「あの……ここが避難施設の受付でしょうか?」

 

職員「はい……こちらが受付になります。名前を……。

あなたは……あの時戦ってた、リリィ?」

 

「……はい……。」

 

住民A「おい、あんた……あのときの……。」

 

「はい、力及ばず、申し訳ありませんでした。」

 

住民A「申し訳、ありませんでした?どれだけの被害が出たと思ってる!それを……!!ふざけるな!」

 

住民B「娘を、娘を返して!!」

 

住民C「リリィは簡単に、俺たちのことを見捨てるんだな!」

 

住民D「守ってくれると約束したじゃない!」

 

「…………。」

 

私は、心無い言葉を浴びせられ続けた。

何も言い返すつもりは無い。

……私が悪いことだから。

 

女の子「あの……。」

 

「……。」

 

女の子「この間、戦ってくれたリリィさん、ですよね。」

 

「はい……。」

 

女の子「これ、あげる。」

 

「これは……おに、ぎり?」

 

私の元まで来た女の子は、私におにぎりをくれる。

 

女の子「元気がなさそうだから。お腹すいたのかなって。」

 

「でも、これを貰う資格は……私には……。」

 

女の子「リリィのお姉さんとお兄さんが、私を助けてくれて、シェルターまで送ってくれたの。だから、そのお礼。

それから、その……。お母さんがあの時からどこかに行っちゃって、会えてないの。もし見かけたら、教えてね。

それじゃ……あの……ありがとうございました。」

 

「あ……………。」

 

私は、貰ったおにぎりを食べた。

 

「……美味しい……。」

 

自然と、涙がこぼれた。

雨が降りしきる中、私は1人、泣いていた。

 

「うう……!!」

 

涙が止まらない……なんで……こんなことに……

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

どうして私は……こんなにも無力なんだ!!

 

……To be continued




意識の戻らない瑤。そして、一葉の涙。
わだかまりが残るまま、デザイアグランプリは……戦いは続く。

次回、邂逅VII:「楯の乙女〜最後の戦い(前編)〜」
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