アサルトリリィ×仮面ライダー GrandPrix of ヘルヴォル 作:黒破リンク
よっしゃぁ!!燃えてきた!」
エレンスゲ女学園──
優珂「………。」
教導官「……。松村優珂さん、一体どういうつもりですか?」
優珂「……なんのことでしょうか?」
教導官「序列80位の牧野美岳の、クエレブレの加入よ。
あなたにもわかってるでしょう?クエレブレは、ヘルヴォルと並ぶ学園の顔となるレギオン。つまり全てのエレンスゲリリィが目標とするべき、エレンスゲ女学園というガーデンの模範となるべきレギオン。そのレギオンに、出戻りの不名誉なリリィが加わったとなれば、上を目指すリリィたちやマディックたちはどう思う?
あなたのやろうとしていることは、エレンスゲ女学園の序列制度そのものを揺るがすような行為、ということよ。」
優珂「………。
美岳様の序列の理由に難色を示しているのなら、『元・8位』という点で充分ではありませんか。
それに、こちらから聞きますけど、そういう体裁を守ることで、レギオンとリリィはヒュージの攻撃から一体何を守れると言うんです?」
ユウキ「確かに、肩書きの煌びやかさは戦線を鼓舞するかもしれませんが、所詮はその程度。ヒュージを撃滅するための確かな戦力は、より大切なものだと、私と優珂は思うんですよねー。
ねー?優珂。」
ユウキは教導官の近くに詰め寄ってそう話す。
優珂「ユウキ様の言う通りです。」
教導官「むぅっ……。
ですが、あなたのやっていることは、学園の秩序を乱すことでもあって──」
ユウキ「でもさ、教導官。
序列1位、相澤一葉のヘルヴォルメンバー選出の際、序列84位である芹沢千香瑠の加入に対してはあまり文句言ってないですよね?
あ、もしかして、あなたたちってなにか秘密を持ってたりするんですかねぇ…?」
教導官「度が過ぎるぞ、獅子ユウキ。」
ユウキ「そう言って責任から逃げるんだ。
卑怯者だねぇ。」
優珂「ユウキ様。そこまでにしてください。」
ユウキ「ちぇーっ。リーダーに言われちゃあ、止めないとねー。」
優珂「実戦第一のこの学園で必要なのは、『ヒュージ打倒の意志の強さ』。これこそが、ひいては学園の秩序を形作るものですよね?」
ユウキ「それに、エレンスゲの裏切り者、なんか言って美岳を糾弾するなら、教導官が中心になって指導してるリリィの歴々が美岳よりも高いパフォーマンスを出してからの話だし。」
優珂「そもそも、美岳様をクエレブレに加入させたのは、この私、クエレブレのシャナ、松村優珂の意向です。
よって……誰にも文句は言わせません!」
教導官「……くっ……。」
ユウキ「(え、弱。この人ら多分レスバ挑んだら負けるタイプの人じゃない?)」
優珂「それでは、失礼します。」
ユウキ「じゃーねー。」
控え室へ戻る途中、優珂は竜胆からの連絡を受ける。
優珂「(誰にも文句なんて言わせないわ……)
……竜胆様。」
竜胆『おめでとう、優珂。
ようやくあなたの想い人が加入し、これでクエレブレは揃ったわけね。』
優珂「……お、想い人などでは、ありません。」
そう頬を赤くして反論する優珂。
竜胆『そうなの?美岳は、あなたがシャナになって真っ先にクエレブレにと、指名しようとしてたリリィでしょう?残念ながら当時は想い届かず、美岳はルド女へと行ってしまったけれど──今、こうしてクエレブレに加入できたわけね。』
優珂「認めようとしない人達が大勢いそうですけど……。」
ユウキ「まぁ、先は長そうだね。」
竜胆『ふっ、誰であれシャナの意向を無下にすることは出来ない。言いたいやつに言わせておけばいいのよ。』
優珂「いろいろとありがとうございます、竜胆様。
それと……長い間、クエレブレのサポートに入って頂き、本当に──」
竜胆『水くさいこと言わないで、優珂。
確かに、レギオンを掛け持ちするというのは大変だったけれど、学びも数多く得られた、素晴らしい時間だったわ。』
優珂「本当に、感謝しています。」
竜胆『えぇ、それじゃ、クエレブレの新しい門出を祝して。』
優珂「はい……これからも、よろしくお願いします。」
そう言って優珂は竜胆との通信を切る。
アラートが鳴り響き、他のメンバーは準備に入る。
緋紅「しゃぁっ!行くか!」
蒔菜「出撃、出撃〜!」
プリンス「荒れるぞ〜!」
優珂「張り切っているところ悪いけど、八雲先生からの命令は出ていないわ。
よって、クエレブレは待機よ。」
蒔菜「えー!」
緋紅「はぁ!?マジかよ……。」
プリンス「荒れたかった……。」
露骨にテンションの下がる3人を、ユウキは諌める。
ユウキ「まぁまぁ、3人とも。」
美岳「待機……?」
緋紅「……そう、待機だとよ、新入り。校長直属のレギオンというのは、たま〜に純重でさ。こっちは、スカッと、ヒュージをぶっ飛ばしたいってのに。」
美岳「………。
直属として、何かしらの政治的な理由もあるのだろうが──一番の理由としては、私が加入したばかりのクエレブレは、レギオンとしての練度が低いから……といったところか。」
伊織「……別に誰も練度が低いなんて言ってねぇぞ。」
緋紅「はは、真面目で察しが良いところは変わらないな〜。」
ユウキ「そうだね、ちょっと安心したよ。」
蒔菜「緋紅姉さん、ユウキ先輩、美岳先輩のこと知ってるんですか?」
ユウキ「中等部からの付き合いだよ。
ルド女行っちゃった後は流石に知らないけど。」
結爾「そうだったんですね。」
プリンス「知らなかったです……。」
美岳「自分の置かれている状況くらいは、把握している。
が、『新入り』はやめてもらいたいわね。」
伊織「正論だな。」
緋紅「なんでだよ?新入りで間違ってねーだろ?」
美岳「……緋紅も相変わらずね。」
と、少し呆れながら言う美岳。
それに対し緋紅は……
緋紅「変わってなくて安心したか?」
と、笑いながら返す緋紅。
プリンス「緋紅姉さん、こういう人なんで許してやってください。
でも、悪い人じゃないっすよ。」
緋紅「お前はあたしのなんなんだよ?」
と、少し呆れて言う緋紅。
結爾「美岳様のような真面目でしっかりした方が入ってくれて良かったです。
このクエレブレは、周りを見ない方々が多いですし。」
伊織「確かに、結爾の言う通りだな。」
大智「けれど、僕もそこに含まれていそうなのは心外だね。」
伊織「そういう俺も、含まれていそうなのがな。」
蒔菜「結爾がそれ言う〜?」
プリンス「しばらく待機だそうですし、我慢しますか……。」
緋紅「だけどよ、いくらヘルヴォルがトップレギオンだからって、いつまでも連中にでかい顔させねーからな!」
蒔菜「あったりまえじゃん!」
結爾「同感です。」
プリンス「負けっぱなしは嫌ですからね!!」
伊織「……。」
ヘルヴォルというワードを聞いて顔を顰める伊織。
そこに、ユウキが反応した。
ユウキ「どしたの、伊織。」
伊織「……別に。なんでもねぇよ。」
ユウキ「ふーん、そっか。」
伊織「……なんだよ。」
ユウキ「なーんでもなーい。」
美岳「………。」
優珂「……確かに、美岳様の加入に難色を示している何も分かっていない輩は少なからずいます。ですが、それは、学園内でヘルヴォルと凌ぎを削るクエレブレが、大きな期待をかけられていることの裏返しでもあります。
学園の方針に反発しつつも、大きな成果を上げるヘルヴォルは、一部のリリィ達にその姿勢をもてはやされていますが……。」
伊織「学園を代表して規律を重視するクエレブレに対しても大きな期待が内外からかけられてるのは事実。なんだろ、優珂。」
優珂「はい。
よって、今後の戦いでしっかり結果を出すことで、私たちクエレブレの強さと正しさを、証明してみせる!
クエレブレは、万が一の出撃命令に備えて待機しつつ……警戒態勢が解除され次第、直ぐに訓練を開始するわよ!」
ユウキ「おー、やる気だねぇ!
私も、今回ばっかりは本気でいかないとね!」
伊織「いつも本気でやれ。」
大智「まぁ、いいじゃないか。面白くなりそうでさ。」
伊織「……面白くなるかわかんねぇけどな。」
そして、訓練を開始するクエレブレ一行。
その際、ユウキはデザイアドライバーとレイズバックルを大智と伊織に渡す。
ユウキ「はい、これ。」
大智「これは、僕たちのIDコアとドライバー?
何故君がこれを?」
ユウキ「ん?
ゲームマスターから許可貰ってドライバーを貰ってきたの。
今ゲーム始まってないし、それにエントリーさせないことを条件に、一式渡してもらうって交渉したもん。」
伊織「……ありがたく使わせてもらうぞ。」
2人はドライバーを手に取る。
緋紅「オラオラァ!」
訓練が始まり、緋紅は真っ先に突っ込んでいく。
プリンス「あー!緋紅姉さんずるい!!」
プリンスは、ポケットから『ゴッドクワガタ獣電池』を取り出し、ブレイブを注入する。
プリンス「ブレイブ・イン!」
右手に持った『キングガブリカリバー』の口のスロットに獣電池を差し込み、掛け声とともにスロットを閉じる。
プリンス「キョウリュウチェンジ!」
『ガブリンチョ!』
するとメロディーが流れ始めてプリンスは踊り出す。
プリンス「ファイヤー!!」
キングガブリカリバーのポンプトリガーをスライドさせ、剣を上に掲げる。
『You are the KING, You are the KING, You are the KING!キングキョウリュウレッド!』
レッド「よっしゃぁ!!行くぜぇ!!」
そのまま緋紅とともに突っ込んでいくプリンス。
その姿を見て美岳は叫んだ。
美岳「そんな戦い方では、戦線が広がってしまうぞ!」
緋紅「テスタメントを使っていくんだから、広げてなんぼだろうが!」
美岳「効果的だけど危険過ぎる!ケアに入れるのも限度があるんだぞ──」
緋紅「お世話してほしかったらちゃんと言うからよ!
今は……手助け無用っ!」
レッド「大丈夫っす!!そんなにヤワじゃないんで!!」
そう言ってバッサバッサと倒していく2人。
蒔菜「緋紅姉さんの言う通り!ここは前に突っ張って、ヒュージの展開へ事前に釘刺しとく場面っしょ!」
美岳「そんな、何もかも理想通りに運ぶわけではないんだぞ!」
ユウキ「大丈夫!!私らがカバーするから!!」
伊織は『ニンジャレイズバックル』を、大智は『マグナムレイズバックル』を、ユウキは『ゾンビレイズバックル』をそれぞれドライバーに装填する。
『SET』
『SET』
『SET』
3人「「「変身!」」」
『NINJA』
『MAGNUM』
『ZOMBIE』
『『『READY FIGHT』』』
3人は突っ張る緋紅とプリンスのカバーに入る。
結爾「わたしが理想通りに運ばせますから、心配は無用です。」
美岳「いや、例えファンタズムと言えど、そこまで万能ではないでしょう?」
そのまま訓練は続いていく。
美岳の元に、優珂が様子を聞きに来る。
優珂「どうですか?」
美岳「………。
……自由過ぎるな。ヘルヴォル以上に、スタンドプレー傾向が強い。
優珂「……美岳様の言う通りです。
今はまだいいですが、密な連携を必須とするレベルの敵との戦闘を強いられたとき、このままでは、窮地に陥る可能性は高い……。」
美岳「個々の能力が高いからこそ、そこに気づきにくい、か。」
優珂「はい……。それに、これまでは竜胆様が戦術周りのフォローをしてくださっていました。そのおかげで上手くいっています部分も多いんです。」
仮想空間が消え、メンバー全員が話し合う。
優珂「……もう少し、連携を心がけてください。
ユウキ様や伊織様がカバーに入るとはいえど、限界がありますよ。」
緋紅「連携が大事だってのはわかってる。
だけど、相手のことを意識して動くってのが、どうにも性に合わねーんだよな……。」
蒔菜「全く緋紅姉さんはなんでも力押しなんだから!
その点、蒔菜と結爾はちゃーんと連携してるもんね〜。」
伊織「蒔菜と結爾の2人だけで連携をとって、できているなんて思うなよ。」
蒔菜「ええ〜。」
結爾「規定時間内にターゲットを撃破できていますし、戦線拡大による防衛戦の冗長化も防いでいます。問題ないのでは?」
プリンス「確かに!」
緋紅「安心しろ優珂。誰かがヤバそうになったら、あたしがしっかりとフォローしてやるからさ。」
ユウキ「それに、私もいるし大丈夫だって!」
優珂「その点は頼りにしていますが、クエレブレが正式に揃ったんですから、よりレギオンとしての連携を強化する必要があります。」
大智「確かに、クエレブレにしかない強みを活かすためにも、連携は大切だろうね。
そうだろう、伊織。」
伊織「……こっち見んな。ちゃんと話は聞いてるぞ。」
美岳「強み……。」
優珂「…………。」
すると、通信機が鳴り響く。
優珂「了解。直ちに。
……訓練は中断、八雲先生からの出撃命令よ。」
緋紅「いいねぇ!」
蒔菜「やっぱり慣らしは実戦でなくちゃ!」
プリンス「よーし!今度こそ荒れるぞ〜!!」
結爾「相変わらず、血の気の多い人達ですね──」
美岳「私にとって、このレギオンでは、初の実戦だが……抜かりはしない!」
戦場へと赴くと、ケイブからヒュージが現れる。
美岳「……ケイブ頻出地域、か……!」
優珂「これよりクエレブレは現地のマディック部隊と協力し、ヒュージを撃破しつつ、ケイブを破壊します。」
美岳「(八雲先生からの直々の出撃命令で、任務内容がそれだけとは考えにくいが……。)」
考え事をする美岳を見て、優珂は問いかける。
優珂「美岳様……?」
美岳「すまない、なんでもない。」
優珂「いえ──」
戦闘が始まり、美岳はレジスタを発動する。
優珂「この先に、ヒュージの迎撃を行っている戦線が展開されています。」
美岳「他のガーデンのリリィもいるようね──。」
優珂「クエレブレはマディック部隊と合流後、戦線における展開をサポートします。
それでは、作戦開始!」
伊織「ヒュージは俺がぶっ殺す。
……変身。」
『NINJA』
伊織は作戦開始と共にヒュージの元へと突撃しながらニンジャレイズバックルを装填して変身する。
マディックA「………。」
マディックはヒュージを前にウェポンで射撃をするも、ヒュージには効いておらず、ヒュージは攻撃を仕掛ける。
緋紅「あぶねえ!」
そこに緋紅が守りに入る。
緋紅「大丈夫か?頑張るのは結構だけどよ、無茶はするなよ!」
マディックA「……。」
緋紅「おい、聞いてるのか……?
まあ、あとはあたしらに任せな!」
マーリン「消えやがれ、クソヒュージが。」
ニンジャデュアラーのシングルブレードモードを突き立てながら上から刺す。
マディックA「……。」
しかしマディックはヒュージへと突っ込んでいく。
緋紅「馬鹿!なに突っ込んでんだ!死にたいのか!
……伊織!」
マーリン「わかってる。
……はぁっ!!!」
マディックA「………。」
マーリン「おい、さっきからお前、話聞いてんのか?」
マディックに緋紅と伊織は詰め寄る。
マディックA「……大丈夫です。問題ありません。ヒュージを、掃討、します。」
緋紅「お、おい……!?」
マディック隊長「部隊、前へ。」
マディックA「前進します。」
マディックB「こちらも前進。」
ヒュージからの攻撃を防ぎ、ヒュージを掃討していく。
美岳「迂闊だぞ!不用意に前に出るな!」
マディック隊長「………。」
蒔菜「……おーい、大丈夫か〜?」
マディックC「……。」
蒔菜「シカト!?」
マーリン「……おい。」
突然結爾はマディックを叩く。
蒔菜「ちょっ!いきなりマディック引っ叩いちゃダメでしょ!」
結爾「ヒュージの幻覚攻撃を受けているのかと……。」
マーリン「にしては生気を感じないが。」
マディックD「……。作戦、続行します。」
リバーシャー「幻覚攻撃は受けていないようだね。」
パンクジャック「だけど、なんなの……!?この子達まるでロボットみたい……!!」
レッド「ロボット!?なんなら今日びのメカの方がもっと感情豊かでしょ!」
優珂「ここは私たちが戦う!あなたたちは下がって!」
パンクジャック「マディックちゃん達!!どうしちゃったの!?シャキッとして!!」
リバーシャー「リリィがいるのに、リリィより前へ出ようとするとは、そんなに成果が欲しいのかい?!」
マディック隊長「……マディック隊、前進。」
覇気のない隊長の指令を皮切りに、マディックたちは動き始める。
マディックA「……了解、前進します。」
美岳「このマディック達の虚ろな感じは……?」
優珂「(八雲先生、こういうことだったんですね……。)
各員、マディック達の立ち回りに注意を払いつつ、ヒュージを撃破!突出し過ぎる子がいたら、結爾のように引っぱたいてでも阻止!絶対にマディックを死なせてはいけないわ!!」
緋紅「あったりめーだ!!あたしのいる戦場で死んだら、あたしがぶっ殺してやる!」
蒔菜「なんか言ってることおかしいですけど、気持ちはわかりますよ!」
レッド「死んでるのに追い討ちかけようとしないでくださいね、緋紅姉さん!!」
結爾「蒔菜、プリンス、わたしたちも行きましょう!」
蒔菜「おっけー!」
レッド「了解!!」
優珂「美岳様はケイブの位置確認をお願いします!確認できたら、即座に破壊へと移行してください!」
美岳「ああ、任せてくれ!」
優珂「この戦い、速攻でケリをつけるわ!」
……To be continued
美岳の参加によってクエレブレは全員が揃った。
そしてマディック達の異変……
次回、第3話:「クエレブレの決意〜実験と覚悟、伊織の決断〜」