貴方の故郷は何処ですか?   作:リト氏

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短めなので初投稿です。


俺の過去が知りたい物好きなんているのか?

ネイバー、異次元からの侵略者

 

人間とは似つかないデザインをした、この世界の兵器が全く効かないヤツら。

バチバチと音を立てる黒い穴から出てきて、人を攫ったり食べたりする。

 

 

ボーダー、界境防衛機関

 

摩訶不思議な技術を使い、不定期に現れる黒い穴、そしてネイバーから市民を守る正義の味方。

 

 

 

この構図が大衆意識になって大体4年半か

 

大体の人間はその時初めてあっち側とこっち側が接したなんて思ってるんだろうな。

遠い世界……なんて感じるだろう。

そりゃ行こうと思っても行けないし、ましてや帰ってくるなんてほぼ不可能だから仕方ない。

 

だが、実際は違う。

 

あっちは、案外こっちと近い。

 

ーー例えば、本当のネイバーは俺達と変わらない人間だったり。

ーー例えば、あっちにも沢山の国や文化があったり。

ーー例えば、冷徹なネイバーばかりでなく優しいネイバーがいたり。

 

 

 

 

 

 

俺が初めてあっち側を知ったのは6歳の時だ。

友達と隠れんぼして遊んでいた時だった。

 

俺は田舎住みで、よく山で木と木の間を駆けずり回って遊んでたんだ。

 

山から家まではかなり距離があった。ざっと2キロくらいだ。

 

そんな年齢で離れた場所に行っちゃダメだろって?山の管理してたじっちゃんばっちゃんと仲良かったんだよ。

 

で、いつも通りどこに隠れようかなと歩いてたら、バクっとヘンテコなヤツに飲み込まれて気がついたら攫われてたって訳だ。

全く、懐かしいな?全部、全部鮮明に思い出せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーだーーじゃあーー」

「しかしーーーー」

 

誰かの言い争いの声で目を覚ます。

重い瞼を擦り身体を起こしてみる。

 

辺りを見渡すと、質素だが綺麗に管理されている部屋が目に入る。その1面には黒い棒が並んで貼られていた。

 

どうやらここは知らない場所のようだ。

 

少しワクワクするような、それでいて不安になる様な気持ちに支配される。

 

「……?ここはどこ?」

 

純粋な疑問

 

黒い棒の外側で話す2人にぶつけてみる。

 

2人ともこっちを見てくれた。

 

「気がついたか……体に違和感はないか?」

「うん」

 

片方は、お顔がなんだか怖い……おじさん?お兄さん?かっこいい服を着てる人。

 

「ふぅむ……もう少し歳をとった人の方が良かったんだがねぇ……君、名前はなんだい?」

「ぼくのなまえは、くろみね ゆうじ、です!」

 

お名前は元気よく言いましょう。

 

幼稚園での言いつけ通り元気いっぱいに答える。

 

名前を聞いてきたもう片方の人は女の人、眼鏡に白くて長い上着を羽織ってる。

 

「で、だ。お前が勝手に拉致してきたこの子供、一体どうするつもりだ」

「どうしようかねぇ」

 

顔を突き合わせ、また喧嘩に戻りそうな2人に置いていかれ、しばらくぽかんとする。

 

「返すにも莫大なトリオンと設備がかかる、それをどうするんだ」

「じゃあここで生活させればいいんじゃぁないかい?」

「勝手に拉致しておいてその言い草はなんだ!」

 

…………つまり…………

 

「……おうち、かえれないの?」

 

何となく聞こえてきた単語、幼いながらもそれらを必死に拾い集め、何とか理解しようと頑張る。

 

「そういう事になるねぇ……」

「じゃあ……おとうさんとおかあさんは……?」

「……恐らく、二度と会うことは不可能だろうな」

「……もう……あえない……うっ……ひっく……うわぁぁぁ!!!」

 

もう会えない、その言葉を理解すると同時に、どうしようも泣く悲しくって、寂しくって、目から自然と涙が零れる。

 

こんなに大声をあげて泣くのはかっこ悪い

 

そう思いどうにか止めようとするが、どうやっても止める事が出来ない。

頑張っても、漏れるのが嗚咽としゃくりあげになるだけだ。

 

「…………とにかく連絡は入れてある。国王様の決定を待つしかあるまい」

「そうだねぇ……それにトリオンの高い人間を攫うプログラムしてあったんだ、国にとって損になる事はないと思うよ」

 

泣く事しか出来ない僕を置いて難しい話が進んでいく。

 

「俺はこれから訓練がある。様子はお前が見ておけ、攫った責任だ」

 

そう言い残すと怖い顔のお兄さんは歩いて行ってしまった。

 

「……あのおじさんはああ言ってたけど、絶対帰れない訳じゃないよ」

 

ぐすぐすと泣きべそをかく僕をじっと見つめて、お姉さんはそう言った。

 

「君がちゃんといい子にして、お姉さん達に協力してくれたら……そしたら、もしかしたら帰れるかもしれないよ」

 

あやふやで確定性のない優しい嘘。

だけど僕はその言葉に縋るしか無かった。

 

「うん、いい子だねぇ……じゃあ、少し物を取ってくるよ」

 

涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔をぐしぐしと袖で拭う。

 

いい子にしていれば、ちゃんと言う事を聞けばきっと帰れると信じて。




最初なので少し暗いですが、ここからどんどん明るくしていく所存ですので……読んでいただけると嬉しいです。
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