今日は天気が良い日だ。
こんな日は昼寝するに限るんだけどな…
『そんな暇なんてあるわけないじゃないですか』
「ですよね…」
現在俺は、デュエルアカデミア入学試験会場にいる。
ここにいるということは、受験を受けに来ているということ。なのだが、俺はあまり乗り気じゃあない。
ぶっちゃけると俺は転生者だ。それ以外はただの一般人だった。
いつも通りに過ごしていたはずだが、気が付けば赤ん坊になっていた。
死に際の記憶は無く、前世の記憶もほとんど覚えていない。だけど好きだった遊戯王カードのことは覚えていた。
まあ、マスターデュエルからの復活勢だったが。
小学校時代、友達に誘われて訪れたカードショップで遊戯王の世界だと気づき、真面目にデッキを組んだ。
好きだった遊戯王の世界。エンジョイしたかったのだ。
けどすぐに止めた。やりすぎて友達も減ってしまったのだ。
何せ前世のOCGレベルは、融合しかないこの時代のレベルに比べて高すぎるのだ。
シンクロ、エクシーズ、ペンデュラム、リンク。
それら無い時代は高速化が始まっておらず、決着にはそこそこかかる。
まあ、とある大会は40分くらいかかったらしいけど。
『マスター!もうすぐ出番が回ってきますよ!』
「まあ頑張るんだけど、どのデッキでいこうか?」
『私たちです!』『俺たちだ!』『わたくしたちです!』
俺の周りで3人が我こそは!と、挙手してくる。
彼女たちはデュエルモンスターズの精霊達だ。
気がついたらいつの間にか居た。
右からドラゴンメイド・ハスキー、ダイノルフィア・ケントレギナ、白銀の城のラビュリンスだ。
「じゃあダイノルフィアで」
『っしゃあ!』
『『そんな…』』
「合格したら頼りするからさ」
選ばれなかった彼女たちの機嫌を取りながら、デッキをデュエルディスクに入れる。
「受験番号54番、
『呼ばれたぜ旦那!さあ行こうぜ!』
「―すぅ、はい、行けます」
呼ばれたので会場内のデュエルコートへ向かう俺たち。
この試験の勝敗が合否に関わるというのは結構厳しい。
けれどそれがプロ育成学校なのだから当たり前だろう。
…融合テーマとはいえ未来のカテゴリーで挑む俺ってどうなんだろう。
「では54番、先行は君からだ」
「…わかりました」
「デュエル!!」「デュエル…」
試験官/LP4000 才華 葵/LP4000
まずは先行ドロー…ルールが違うからたまにやらかすんだよな
「ドロー。まずは、『ダイノルフィア・テリジア』を召喚」
《ダイノルフィア・テリジア》ATK/1500 DFE/0
ソリッドビジョンシステムにより、デュエルディスクに置かれたカードを読み込み、モンスターが立体映像として現れた。
このデュエルディスク、まあまあな重さでここまででの機能が積み込まれているのは凄いと思ってる。
「『テリジア』の召喚成功時、効果発動。デッキから『ダイノルフィア』罠カードを一枚選んでセットします」
「召喚と同時に罠カードセットだと!?」
この程度で驚かれると、この後がめんどいな。
「デッキから『ダイノルフィア・ドメイン』をセットします。さらに手札から二枚セットしてターンエンドです」
「私のターン!ドロー!」
気合入っているなあ。そこまで力強く引いてカード痛まないかな?
「私は魔法カード『大嵐』を発動!お互いの魔法・罠カードを全て破壊する!」
「うげ。ならカウンター罠『ダイノルフィア・ソニック』を発動」
突如、フィールドに近未来的な戦闘機が飛んできてそのまま、通り過ぎていった。
音速で飛んでいた戦闘機はソニックブームを起こしており、その余波で『大嵐』のカードを破壊していった。
「自分のフィールドに『ダイノルフィア』モンスターが存在し、相手が魔法・罠カードを発動した時、LPを半分払って発動します。その発動を無効にして破壊です」
才華 葵/LP4000→LP2000
「テーマ限定の『神の宣告』だと!」
「その後、『ダイノルフィア』モンスターを一体破壊します。『ダイノルフィア・テリジア』を破壊」
『ダイノルフィア』テーマは、大体死にかけからがスタートだ。
どの罠カードにもコストとしてLPを半分払う。
前世ではこのテーマを説明する時、『女の子がリストカットするデッキ』というと納得されたとか。
「だが君のモンスターは居なくなったぞ。私は『ブラッド・ヴォルス』を召喚!そして装備魔法『デーモンの斧』を『ブラッド・ヴォルス』に装備する!」
《ブラッド・ヴォルス》ATK/1900→ATK/2900 DEF/1200
「試験官のモンスターの攻撃力が、かの『青眼の白龍』に迫ったぞ!」「あいつの場にモンスターいないし、終わったな」「流石に無理だな」
会場の観客はどよめいていた。
まあこれが決まれば俺は終わりだ。
と、思うじゃん。
「罠カード発動。『ダイノルフィア・ドメイン』」
「モンスター効果でセットされたカードか」
「メインフェイズにLPを半分払って発動できます。手札、デッキ、フィールドから『ダイノルフィア』融合モンスターによって決められた素材を墓地に送り、融合召喚します。俺はデッキの『ダイノルフィア・テリジア』と『ダイノルフィア・ディプロス』で融合です」
才華 葵/LP2000→LP1000
「デッキ融合だと!?」
ほら驚いた。
まあ、デッキ融合は流石に珍しいか。
「出番だよ『ダイノルフィア・ケントレギナ』を融合召喚」
『やってやるぜ!』
《ダイノルフィア・ケントレギナ》ATK/4000 DEF/0
「攻撃力4000だと!?」「『青眼の白龍』よりも強い!?」「何なんだあのモンスターは!?」
「こんなモンスターがいたのか…」
「攻撃力は高いですけど、少し問題がありましてね」
《ダイノルフィア・ケントレギナ》ATK/4000→3000 DEF/0
「攻撃力が4000から3000に下がった?」
「『ケントレギナ』の攻撃力は自身の効果により、4000から残りLPを引いた数値になります」
「今、君のLPは1000だからそこから引いた数値で3000というわけか」
『ハッハッハッ!俺様の力はまだまだだぜ!』
リスキーな効果だからリストカットって言われんだよ。
「そしてLPを半分払い、墓地の『ダイノルフィア』通常罠カードを一枚除外して『ケントレギナ』の効果を発動します。除外するのは『ダイノルフィア・ドメイン』です」
「まだLPを削るのか!?」
才華 葵/LP1000→500
《ダイノルフィア・ケントレギナ》ATK/3000→3500
「『ケントレギナ』の効果は、除外した罠カードの発動時の効果と同じなります」
「なんだって!?」
「除外した『ダイノルフィア・ドメイン』の効果は融合効果。デッキの『テリジア』と『ディプロス』で融合」
「素材が同じ…『ケントレギナ』がもう一体か」
「違います。融合召喚『ダイノルフィア・ステルスべギア』」
《ダイノルフィア・ステルスべギア》ATK/0 DEF/2500
「同じ素材で別のモンスターが…」
「どちらも素材がカード名が異なる『ダイノルフィア』モンスター二体ですから」
「なるほど。だがデッキにはもう『テリジア』残ってないじゃあないか」
「そうですね。素材は残ってませんから、もうデッキ融合はできません」
「うむ。そうか」
(攻撃できるが、まだ伏せてる罠が少し気になる。おそらく『ダイノルフィア』罠は共通してLPを半分払うのがコストなのだろう。また使われて『ケントレギナ』の攻撃力が上がってしまうだろう。なら)
「私はカードを二枚伏せてターンエンドだ」
『旦那!俺たちのターンが回ってきたぜ!』
とはいえ、下級のモンスターは手札にいないし、とどめ行けるかな?
「俺のターンです。ドロー、…あっ」
「む?どうした?」
「いえ、問題有りません」
…まあいいか。
「手札から魔法カード『ハーピィの羽根箒』を発動です。相手の魔法罠ゾーンのカードを全て破壊します」
「させない!罠カード発動!『魔宮の賄賂』!『ハーピィの羽根箒』の発動を無効にし破壊する!」
「ですが代わりに一枚ドローさせてもらいます」
「ほう、ちゃんと効果を知っているのか」
「そのぐらいは当然かと。では罠カード発動、『ダイノルフィア・アラート』」
「最後の伏せカードはそれか。だがさらにLPが減って大丈夫か?」
「大丈夫です。『ステルスべギア』の効果でLPが2000以下である限り、俺は『ダイノルフィア』モンスターの効果及び、罠カードのLPコストは払う必要がなくなります」
「なんだと!?」
「よって『ダイノルフィア・アラート』のコストは必要なくなります」
さてと、ここから詰めていきますか
「続けます。『ダイノルフィア・アラート』の効果は、レベルの合計が8以下になるように墓地から『ダイノルフィア』モンスターを特殊召喚できます。出てこい『テリジア』『ディプロス』」
《ダイノルフィア・テリジア》ATK/1500 DEF/0
《ダイノルフィア・ディプロス》ATK/1000 DEF/0
「ただし、この効果で召喚したモンスターは攻撃できません」
「モンスターが四体も、だがこのままでは止めを刺せないぞ」
「問題ありません。『テリジア』の効果発動、それにチェーンして『ディプロス』の効果発動」
「私からは特にない」
「ならチェーン処理で『ディプロス』の効果、デッキから『ダイノルフィア』カードを墓地に送ります。さらにLPが2000以下の場合、相手に500Pのダメージを与えます」
「なに?なるほど、『ダイノルフィア』はLPが少なくなるほどアドバンテージができるのか」
「理解が早いですね。続けます、デッキから『ダイノルフィア・ブルート』を送り、あなたに500Pのダメージです」
「ぬうぅ...」
試験官/LP4000→LP3500
「そして『テリジア』の効果でデッキから『ダイノルフィア・ドメイン』をセットし、攻撃力を500アップします」
《ダイノルフィア・テリジア》ATK/1500→ATK/2000
「『テリジア』の追加効果か。だが攻撃出来ないならば、いくら攻撃力を上げようが意味がないだろう」
「確かに。でも問題ありません。手札から魔法カード『ダブル・サイクロン』を発動。自分の魔法・罠カード一枚と相手の魔法・罠カード一枚を対象に取り破壊します」
「なに!?」
「俺は今セットしたカードとあなたの伏せカードを破壊します」
「くぅ!私の『
やっぱり攻撃反射系だったか
「では『ケントレギナ』の効果発動。墓地の『ダイノルフィア・ドメイン』を除外して場の『テリジア』と『ディプロス』で融合。『ダイノルフィア・ケントレギナ』を召喚」
「うむ、見事だ」
「では、『ケントレギナ』二体で一斉攻撃」
試験官/LP3500→LP2900→LP0
Win 才華 葵
「あーーー終わったーーーー」
『気抜きすぎじゃねえか?』
「だってなあ」
弱い。
試験官がこの強さでいいのか?
まあ、他の受験生の試合を見ていてもそんなもんかと納得する。
「とりあえず帰るとするか」
『そうだな。ところで旦那はもう合格みたいなもんだけどもよ』
「どうした?』
『家にいるやつ全員つれていくのか?』
「…」
MDからの復帰勢なのでOCGの環境がわかってないですが、間違っていても気にしないでください。