「他人は敵」
僕は他人が嫌いだ。
何が嫌いかなんて話、考えてもろくなことが無いからすべきじゃない。
だけどこれは僕の過ち、僕への戒めだ。だから、簡潔にまとめよう。
小学校二年生の頃、僕は既に遠巻きにされていた。
入学式の日のトラブル、それから一年間続くあれこれ。
あの後藤、と言えば学校中で通じるくらいには悪名が響いていた。
と言っても、僕はあまり気にしていなかった。
当時から周囲に関心が薄かった僕は、むしろ人に合わせる必要が無くなった、
これで好きなように本を読める、と喜んですらいた。
それ以上に考えが及ばないほど、あの頃の僕は馬鹿だった。
自分の過ちを理解したのは二年生になってすぐ、ひとりの入学式の日だった。
幼稚園でまったく友達が出来なかったあの子は、心機一転してこの機会に頑張ろうとした。
実際に頑張って、勇気を出して、同級生に声をかけようとした。
そして、その同級生の親にそれは阻まれた。
「駄目よ。あの子、あの後藤君の妹なんでしょ」
最初は意味が分からなかった。
なんで僕の妹であるだけで、ひとりが避けられてしまうのか。
困惑した。怒りもした。でも、最後には納得してしまった。
僕の評判は最悪だった。それこそ、魔王だなんて大真面目に言われるくらいに。
そんな子の妹、関わりたいと思うだろうか。関わらせたいと思うだろうか。
僕だって思わない。それが答えだった。
失敗に終わった入学式。それでもまだひとりは諦めてなかった。
僕も僕で、ひとりのために自分の評判を変えようと挑戦し始めた。
だけどそれからもずっと、僕は魔王で、ひとりの勇気を受け取ってくれる子はいなかった。
ひとりに友達が出来なかったのも、度を超えたコミュ障になったのも、僕のせいだ。
まだまともだったひとりから、友達を作る機会を奪ってしまった。
コミュニケーション能力を磨く機会を潰してしまった。全て僕の責任だ。
僕がちゃんとしていれば、あの子はきっともっと、楽しい学校生活を送ることが出来た。
だからこの十年間、僕はひとりが友達を作れるようにずっと努力してきた。
結局、ひとりは自分でちゃんと友達を作れて、僕の力なんて必要なかったけれど。
僕は、僕が嫌いだ。
ひとりのことをちゃんと見もせずに、僕を通じて拒絶した他人が嫌いだ。
自分だってこんな偏見で、関係のない他人を見ている。
それなのに僕は、身勝手な嫌悪と怒りを今も抱き続けている。
演奏が始まってすぐに気づいた。
ひとりの調子がよくない。音が固い、迷っている、怖がっている。
思えば家以外でひとりの演奏を聴くのは初めてだ。
結束バンドに入った時に、人前で、誰かと一緒だとダメダメだとは言っていた。
それでも、まさかここまで落差があるとは考えていなかった。
そして僕も、ひとりのことを言えるほど余裕はない。
最近練習していたと言っても、ひとりと比べればお遊びに近い。
間違えないように、気持ちを出さないようにするのに精一杯だ。
そんなひとりと僕がいながら、なんとかライブが成り立っているのは廣井さんのおかげだ。
不安定な僕達を支えるように、時にスコア通りに、時にアドリブを入れてベースを弾く。
今までひとりの勉強のため、いくつかライブに行ったことがある。
その全てと比較しても、廣井さんのベースはずば抜けたものだった。
天才という自称も、今となっては信じられる。
斜め後ろに立つひとりの様子を見る。俯き、目を閉じながら演奏している。
開始前廣井さんが言っていた、人目が怖いなら目をつむればいい、という助言を実践していた。
ひとりはよく押入れで演奏している。ほぼ真っ暗で視界が無いのは今と同じ。
それなのにここまで酷くなっているのは、人目が怖いから。
一緒に演奏している僕達と目が、心が合っていないから。
ひとりの代わりをするように、僕は周囲を確認した。
足を止めて聴いているのは十人くらい。あとはちらりと見て通り過ぎて行くだけ。
少ないけれどこの路上ライブは、あくまでチケットを二枚売るためのものだ。
この十人、その内誰か二人の心を動かすだけでいい。
だけどそんなこと、そんなことが本当に出来るんだろうか。
お面のおかげか、観客は誰も怯えていないようだ。
だけど隙間から見る限り、夢中で聞いているようでもない。
もの珍しさに足を止めた、というのが一番近いと思う。
繰り返しになるけど、今の僕達の演奏は酷いものだ。
ひとりの不安定な旋律に僕の無感動な音。
廣井さんは上手いけど、あくまでも僕達のサポートに徹しているから目立たない。
僕達が勝手にここで始めて、勝手に動揺して、勝手に不安になっているだけ。
今この人達はただ聞いているだけ。何も悪いことなんてしていない。
していないのに、僕はまた八つ当たりを、この状況に理不尽な苛立ちを覚えつつある。
そんな自分に更なる苛立ちを感じていると、声が届いた。
「が、がんばれー!」
驚きで指が止まりそうになった。急いで心を閉ざす。感情を止める。
理性と感覚だけで体を動かすようにした。
ありえないものを聞いた。がんばれ。ひとりにむけられたもの。
見ず知らずの人が、こんなものを聞いて、どうして。
お面越しに声の方を向くと、浴衣を着た女の人が二人いた。
「ちょっとあんた、何言ってんの?」
「だって、ギターの人なんか不安そうだったから、つい……」
長い髪のお姉さんが、短い髪のお姉さんに問いかけていた。
ひとりを見つめるその表情に嘘はない。さっきの言葉にも嘘の響きは無かった。
この人は、本当にひとりのことを心配している。
気がつくと、ひとりの音が安定していた。
俯いていた顔を上げ、閉じていた目も、片方だけ開けている。
半分の光で、他人を、観客たちを見ていた。
分からない。どうして、どうしてひとりが今急に安定したのか。
どうして、あのお姉さんがひとりのことを心配してくれたのか。
他人なのに、何も知らないのに、あの子を心配する理由なんて、何一つないのに。
なんで、どうして、分からない。何も思い浮かばない。頭が疑問で埋め尽くされる。
不意に、ベースの音が強く響いた。楽譜に無い不協和音。
廣井さんが間違えた? 違う、そんな訳が無い。ここまでの演奏で分かる。
あの人は絶対に、こんな単純なミスなんてしない。
思わず振り向くと、彼女は僕を見つめていた。それで分かった。
今のはきっと、僕に声をかけるためだ。
『敵を見誤るなよ』
演奏を始める前、あの言葉を伝えた時と同じ目をしている。
同じ目をして、今もう一度僕に問いかけている。
あの時、僕は分かってると答えた。他人は敵だって。
でも僕は本当に、また同じことを言えるのだろうか。
思えばここに立つまで、多くの人達に助けてもらった。
今日だけでも、お巡りさんに岩下さんに廣井さん。
あの人達がいなければ、こうして路上ライブなんて出来なかった。
そもそも、こうしてひとりがライブなんて出来るのも、皆のおかげだ。
ひとりを見つけ出して結束バンドに、今の全てに連れ出してくれた伊地知さん。
個性を、ひとりを認めて、受け入れてくれた山田さん。
ひとりの勇気を受け取って、結束バンドに入ってくれた喜多さん。
皆のことを、結束バンドのことを、他人だから敵だなんて、僕は吐き捨てられるんだろうか。
そんなこと出来ない。考えるまでもなかった。僕はもう、皆のことを好きになり始めている。
そう思った時、視界が広がった。お面が外れた。お祭り用だし、作りが甘かった。
演奏中だから、抑えることも掴むことも出来ない。そのままひらひらと地面に落ちる。
そもそも僕は、そんなことしようとも思えていなかった。目の前の光景に気を取られていた。
さっきまで見えなかったものが、よく見える。足を止めた人、観客の姿、表情。
お姉さんのように心配する人、何かに感心する人、ただはしゃいでいる人。
色んな表情があった。だけど、そこに僕らを否定するような、拒絶や侮蔑の色はなかった。
そうだ、僕の答えは変わらない。僕は他人が嫌いだ。
いつだって好き勝手に噂して、上辺や偏見で決めつけて否定する。
だけど今目の前にいる人達は、皆は、そうだ、きっと敵じゃない。
演奏を通じて、今こうして僕達のことをちゃんと見てくれている。
僕は一歩下がって、ひとりの横に並んだ。今もひとりは片目で演奏している。
もったいないな、って思った。だから、触れる程度に背中を軽く押す。
この程度なら、ひとりの演奏は揺るがない。
驚いて目を見開いたひとりがこっちを向いた。
反射的にもう片方の目も開いている。よし、上手くいった。
成功したことに笑みをこぼすと、ひとりは微かにむっとして僕を睨んだ。
珍しい表情だからいつまでも見ていたい。だけど、今ひとりが見るべきは僕じゃない。
僕は、正面を向くようひとりに促した。
一瞬不満げだったひとりも、すぐにそれを忘れた。
観客の浮かべる表情が変わっていた。心配も感心も、全てひとりの演奏が興奮に変えていた。
今だってひとりの演奏は、ギターヒーローの時とは程遠い。
それでも、さっきまで失っていた力、心を揺り動かす不思議な魅力に満ちていた。
ひとりがギターをかき鳴らす度、その魅力は増していく。
その力に導かれるまま演奏を続け、僕達は最後の音を切った。
「結束バンドで、あのバンド、です。ありがとうございました」
演奏を終えると、観客から拍手が起こった。たった十人程度。
それでもその拍手は、称賛は、笑顔は、僕達の心に響いた。
ひとりと一緒に、なんとなくその拍手にぺこぺこと頭を下げてしまう。
廣井さんはドヤ顔だった。流石現役のバンドマンだ。歓声に慣れている。
頭を下げていると、遠くで僕達を見ていたお巡りさんと目が合った。
声には出さず、口の動きのみで問いかけてくる。もういいか、と。
さっきの演奏を思い出す。きっと今日はあれ以上に出来ない。僕は頷きで答えを返した。
「おーい、ここでの演奏はやめてくださーい」
「ぅぇっ!?」
棒読みだった。もうちょっと演技してほしい。
それでもひとりには衝撃だったみたいで、胃がひっくり返ったような声を出している。
補導も逮捕もされないから、そんなに驚かなくても大丈夫なのに。
「ねー、許可証あるから平気って言ってなかった?」
「重いです。あれはビラ配り用だから、駄目だったみたいです」
「そっかぁ、じゃ、しょうがないねー」
座っていたはずの廣井さんが、のしかかりながら聞いてくる。
二人を交番に預けた時に、お巡りさんに路上ライブをしていいか聞いたけど、駄目と言われた。
ただ、一曲くらいなら止められないかもなぁ、ともわざとらしく言っていた。
今回はその優しさに甘えさせてもらった。
「あのー」
お面をつけてた怖い男、それに絡む酔っ払い、震え続けるピンクジャージ女子。
そんなヘンテコ三人組に声をかけてきたのは、あの浴衣のお姉さん二人組だった。
ここに来てから作った、チケット販売を知らせる貼り紙を持っている。
いつの間にか剥がれ落ちていたらしい。これを持ってきてくれるということは。
「すみません、このチケットってまだありますか?」
「二枚下さい!」
「えっあぇ」
「はい、どうどう」
治まりかけていたひとりの振動がまた強くなった。
今度は喜びだと思うけど、一見さんには分からないだろう。
肩に手を乗せてなだめる。どうどう。
「一枚千五百円でーす! はい、まいどー!」
いつの間に抜き取ったのか、廣井さんがお姉さん達と、チケットとお金を交換していた。
手癖が悪いけど、助かったから何も言えない。
「ありがとうございましたー! ほらほら二人も!」
「お買い上げありがとうございます」
「あっはい、あ、あっありがとう、ございます!」
廣井さんに促され、僕とひとりもお礼を告げる。
噛みまくりのひとりのお礼も、彼女たちは微笑ましく見守るだけだった。
「路上ライブ、初めてだったけどよかったです!」
「次のライブも期待してます!」
そんな期待の言葉も、ひとりと僕にかけてくれた。あれ、ひとりと僕に?
僕は次のライブ、というかこれからライブはしないけど。
「すみません、僕は結束バンドじゃないので、ライブには出ません」
「えっそうなんですか?」
「でも、僕よりずっと素敵な子が出るので、よければその子も応援してあげてください」
喜多さんの姿を思い浮かべる。
厳しいことを言うと、喜多さんは歌もギターもまだまだだ。
それでもあの華やかさは、きっと彼女たちを惹きつけるだろう。
僕の言葉にひとりが首を傾げている。喜多さんのこと知ってるのかなって顔だ。
そういえば、結局結束バンドメンバーとの関係は、色々あって何も話してない。
情けない話になるけど、いつかは話さないと。でも今日は疲れたし、今度でいいや。
「廣井さん、なんでそんな勢いよくお酒飲んでるんですか?」
「ヤケ酒だよぉ!!」
「えぇ……」
二人組のお姉さんたちを見送って、片付けを進めていると廣井さんがお酒に溺れていた。
路上ライブもチケット販売も大成功に終わったから、やけになる理由は無いと思う。
無いのに浴びるようにお酒を啜る彼女に、僕もひとりも引いていた。
「二人ともライブ中にぐっと成長して、私は嬉しいけど、その若さが眩しすぎるんだよ……」
二人とも。ひとりは分かるけど、僕も。僕も何か、成長できたのかな。
分からないけど、廣井さんがそう言うなら、きっとそうなんだろう。
さっきのライブを通じて、僕は彼女のことを信じつつあった。
このしおしおの姿を見ると、信じていいかちょっと迷いが出てくるけど。
「ねぇ、ひとりちゃんのチケット、もうないの?」
片付けを終えた頃、廣井さんに問いかけられた。
ノルマは一人五枚。父母僕とさっきのお姉さん達で五枚。
ひとりが調子に乗って、十枚くらい余裕、とか引き受けてなければチケットはもう無い。
「あっ、ご、ごめんなさい。さっきので最後です」
「そっか、残念。当日買うしかないかー」
「えっ、き、来てくれるんですか?」
「もちろん! 私、もう二人のこと好きになっちゃったからさ」
へらへらと笑いながら、廣井さんは恥ずかしいことを言っていた。
それは置いといて、ライブに来てくれるのは嬉しい。
だけどこのまま帰して、廣井さんは果たして当日ライブに来れるんだろうか。
お酒で行き倒れるような人だ。日にちと時間と場所、どれかを忘れそう。
「廣井さん、僕のチケット買いますか?」
「えっいいのー?」
「………………ぇ」
「はい、いいです。ひとりはその顔やめてね」
死人が出そうな顔をしているひとりを置いといて、僕は廣井さんにチケットを売った。
やっぱりライブに行くのをやめた、という訳じゃない。
そうじゃないから、その顔は本当にやめてほしい。怖い。
「悪いけど今度スターリーに行った時に、僕の分はまたもらってきてくれる?」
「……あっ、うん。分かった」
まだライブまで日にちはある。その間に僕の分は改めてもらえばいい。
そう伝えると、ひとりの顔は元に戻った。よかった。死ぬかと思った。
「あと、ロイン交換してくれますか?」
「なんか急にぐいぐい来るね。もしかしてー、お姉さんのこと、好きになっちゃった?」
「十段階中四くらいです」
「微妙だ!?」
チケットを持っていてもなお忘れそうだから、連絡先も教えてもらった。
ただ、連絡先を交換した本当の理由は別にある。訃報用だ。
これで廣井さんに何か不幸があっても、僕にも連絡が来るようになった。
失礼な話だけど、彼女はお酒とか事故とかで知らない内に亡くなってそうだ。
ここまでお世話になったのだから、せめてお線香くらいはあげたい。
あとは、まあ、うん。何かあったら連絡があるかなって。
困ったことがあったら、こう、連絡してもらえれば、ね、何かお手伝い出来るかなって。
ちなみにひとりは、僕の四点評価に驚きすぎて変なポーズをしていた。肩痛めそう。
家族以外は一律0点以下ってことを知ってるからね。
今は、そうじゃない人達がいることにも気づけたけど。これもその内話そう。
「じゃあひとりちゃん兄妹、またねー!」
チケットを売って、ロインを交換して、今度こそ廣井さんと別れた。
とんでもなく変で、困った人だった。酔ってるし、吐くし、絡んでくるし。
「変な人だったね」
「……うん。でも、格好良かった」
「そうだね。僕も、そう思っちゃった」
それ以上に格好いい人だった。不覚にもそう思った。
それに、大事なことも教わってしまった。
敵を見誤るな。何もかも敵視してしまう僕にとって、今日一番の収穫だ。
ライブ中も思ったけど、今日だけで色んな人に、他人にお世話になってしまった。
廣井さんに岩下さん、お巡りさん、浴衣のお姉さん達、観客の方々。
他人は敵だ、とかなんとか言っておきながらこれだ。自分に呆れる。
でも、不思議と悪い気はしなかった。廣井さんの言う通り、成長出来たのかもしれない。
今日を振り返って感慨にふけっていると、廣井さんが何故か引き返してきた。
忘れ物か何かかな。それとも機材が重いから手伝ってほしいとか。
それくらいなら、僕も喜んで手伝おう。
「チケット代で電車賃無くなりました。貸してください……」
「……ライブの日、返してくださいね」
やっぱりこの人尊敬するのやめようかな。
帰り道、ひとりと並んで歩く。お祭りの会場とは逆方向だから、人通りもほとんどない。
祭りの喧騒を遠く感じながら、のんびりと歩いていた。
慣れないことを多くした疲労感がある。そしてそれ以上の達成感があった。
ひとりもそんな感じだ。疲れてはいるけど、嬉しさを隠せていない。
路上ライブの成功、チケットを売りさばけたこと、色んな喜びを噛み締めている。
喜び過ぎて、あんまりふらふらするから、途中からは手を繋ぐことにした。
手を繋いでからは、僕が引き止めるからふらふらはしなくなった。
代わりに、手を気持ち振り回してはしゃいでいる。
もっと小さかった頃、小学生の頃を思い出す。
「よかったね、ひとり」
「うん!」
声をかけてもニコニコしたままだ。
これなら、聞けるかな。今なら素直な感想を聞かせてくれそう。
楽しそうなところに水を差してしまうかもしれない。だけど聞かずにはいられない。
「今日の僕の演奏、どうだった?」
途中、我を見失いそうになった。
誰も気絶してないから、なんとか持ち直せたとは思う。
だけど、もしかしたらひとりに気づかれてしまったかもしれない。
僕があんな汚い悪意を持っていることを、この子には知られたくなかった。
珍しく顔を上げて歩いていたひとりは、僕の質問を聞いて振り向いた。
「凄く楽しい、嬉しいって、伝わったよ」
そう答えるひとりは、あの頃のような屈託のない笑顔をしていた。
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