【カオ転三次】お前頭ガイアかよぉ!   作:闇の転生者

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十六話:★メガテンシリーズ原作について語るスレPart88

 ★メガテンシリーズ原作について語るスレPart88

 

 

 

1355:名無しの転生者:ID:okr

つまり、この世界はメガテン世界と思わせておいてメガテンシリーズやペルソナシリーズ

そしてその他外伝作品世界までもが混在しているカオスなごちゃ混ぜ世界だったんだよ!!

 

1356:名無しの転生者:ID:mob

な、なんだってー!

いやまぁそれはそうやねって言う

 

1357:名無しの転生者:ID:lol

しらそん。何それ怖い(震え声

つまりどういう事だってばよ!!

 

1358:名無しの転生者:ID:egt

知らんのか。俺たちにも分からん

とりあえずもう原作は殆ど当てに出来ないって事は分かる

 

1359:名無しの転生者:ID:dal

せやかて工藤。俺たちが動き始めるかなり前から原作なんて完全にブレイク済みじゃないか?

主にメシアのせいでな!

 

1360:名無しの転生者:ID:tyb

せやろか?時系列的にこれから原作の出来事が起きる可能性は結構あると思うが

 

1361:名無しの転生者:ID:dko

そもそも女神転生シリーズって言っても外伝とかスピンオフとかはパラレルだってほぼ明言されてるのもあるのにそれらもごちゃ混ぜになってるとか

カオスにならない訳がないんだよなぁ??

 

1362:名無しの転生者:ID:net

それはそう。互いに干渉し合ってバタフライエフェクト起きちゃーう!

……むしろ、干渉して何処かしらで大爆発してないのが不思議なくらいでもあるよね?

本当にこの世界線大丈夫??

 

1363:名無しの転生者:ID:aru

何かあった時に備える為の我らがガイア連合ですし……

この戦力で足りなかったらもうどーしようもないとしか

 

1364:名無しの転生者:ID:msu

何かが起こる前に事前に何とか――も、出来やしねぇ!

そもそも日本各地とガイア連合の安定化で割といっぱいいっぱいよ?

 

1365:名無しの転生者:ID:lol

つまり現地のぽっと出主人公を待つしかない……ってコト!?

 

1366:名無しの転生者:ID:hkr

ほらここに転生オリ主が沢山居るじゃん?

 

1367:名無しの転生者:ID:smr

主人公補正皆無のメガテンはっじまっるよ――!!

うーんがめおべらの予感しかしない

 

1368:名無しの転生者:ID:mob

俺たちが主人公とかそういうのは誰も望んでないのでNG

 

1369:名無しの転生者:ID:dal

せやせや

 

1370:名無しの転生者:ID:nnn

それはそう

でも、頼れる(?)主人公っぽい原作キャラは居たり居なかったり確認できなかったりなんですよね

むしろ何人かは確認出来てるだけマシなのかもしれないけど

 

1371:名無しの転生者:ID:ndk

原作キャラ(?)の人等も大抵未覚醒なので……有事になれば覚醒するだろうとは思いたいですけども

むしろ現時点の戦力と言う意味では海外に目を向けた方が建設的ですよね

 

1372:名無しの転生者:ID:okr

海外はメシアンが暴れ散らかしてるからなー

今でも日本とガイア連合の各所で悲鳴が上がってるのに手を出す余裕があるのかと

ただでさえ日本霊能死にかけててそれを何とかするのにリソース使っているというこの時にー

 

1373:名無しの転生者:ID:edo

まぁそうなるな

 

所でぇ、そんな斜陽の日本オカルト業界に彗星の如く現れ国を救ったまるで主人公の様な組織があるらしいんですけどぉ

そう、【ガイア連合】って言ってね?

 

1374:名無しの転生者:ID:tyb

アーアーキコエナーイ

俺らはただのモブ連合員、イイネ?

 

1375:名無しの転生者:ID:lol

(組織の規模と勢力的に)無理があろうと思いますが??

 

1376:名無しの転生者:ID:mob

世界に覇を唱えられるレベルじゃないので俺らはまだ普通!

むしろスレ的にも原作キャラ的にもハム姐とかそういうのが主人公やってくれるべきでは??

 

1377:名無しの転生者:ID:kao

いや、ハムさんに原作沿い主人公されたらそれはそれでめっちゃ困るんだけど!?

オリ主ならオリ主らしく原作よりも良いルートを選ばないと

 

1378:★ハム子:ID:hmk

あの、そもそも原作の仲間が仲間(ペルソナ使い)になってないんですけど

原作より良いルートどころか原作沿いにすら達してないんですけど???

 

1379:名無しの転生者:ID:net

あっはい

 

1380:名無しの転生者:ID:edo

神主と技術部で何とかならないか研究開発を進めてる所だから

それまで頑張ってもろて……

 

1381:名無しの転生者:ID:hkr

いつもの

 

1382:名無しの転生者:ID:kao

しゃーないガイア連合の技術力にも限界はある

今はね!

 

1383:名無しの転生者:ID:okr

ガイア連合の技術力は世界一ィィ!!!

は、さておき。まぁ気持ちは分かるけど結局原作案件を私らが片付ける必要が出てくるのはまぁ仕方ないよねって

ここはゲームじゃなくて現実だからねぇ

 

1384:名無しの転生者:ID:sna

現実とか言う最低最悪のクソゲーよ

歴史の修正力とかそういうのはないんですかねー?

 

1385:名無しの転生者:ID:dal

>>1384 ガイア連合で観測している限りではありそうななさそうな

仮にあったとしてもごちゃ混ぜカオスな影響力の方が圧倒的に強い程度

 

1386:名無しの転生者:ID:nnn

歴史の修正力とか言う都合の良い様に使われる割に肝心な時に役に立たない概念

普通に嫌いだよ

 

1387:名無しの転生者:ID:smr

そもそも原作案件どころかよく分からん新規の滅亡案件があったりする今世のはちゃめちゃ感

海外案件とか何も知らねーのよ!!

 

1388:名無しの転生者:ID:msu

流石に海外案件に手を出す余力はない定期

まぁそんな事関係なく滅亡案件に進化する事もあるんですけどね(絶望

海外の英雄達にエールを送るしかない奴

 

1389:名無しの転生者:ID:mob

まだこの世界が滅んでないからヨシ!!!!!!!

 

1390:名無しの転生者:ID:egt

何を見てヨシって言ったんですか???(戦闘員並感

 

1391:名無しの転生者:ID:ndk

戦闘班の人本当にお疲れですよねって

現実化した女神転生とかちょっと所では無く無理があり過ぎません??

 

1392:名無しの転生者:ID:pty

まずリアルタイム戦闘と言う時点で無理過ぎる

 

1393:名無しの転生者:ID:tyb

ここがアレだよ現実版女神転生

フレンドリファイア!容赦なく後衛狙いやら逃走からの不意打ちやら!足場、地形!!!

 

1394:名無しの転生者:ID:hkr

悪魔の個体毎の個体差が大きすぎるしスキル外やゲームシステム外の行動も容赦なくしてくるよ!

何なら秘匿原作Wikiに全く情報の無い未知のスキル的な事もしてくるし

HPが1でも残っていれば万全の行動が出来るなんて訳がある筈もないほぼ死に掛けだから皆は食いしばりの乱用は辞めようね!

 

1395:名無しの転生者:ID:dko

地形とか足場が本当殺しに来てる。異界は人が暮らす為の環境ではないって事がよく分かる

悪意マシマシ殺意マシマシなオーラがバシバシ知覚出来るぜ!

 

1396:名無しの転生者:ID:hmk

プレスターンバトルどころかターン制ですらないルール無用のリアルタイムバトルが皆を待ってるゾ☆

コンマ秒の判断の迷い行動の躊躇いが生死を分ける緊張感溢れるバトルが出来るよ!

 

1397:名無しの転生者:ID:mnm

敵味方問わず戦闘参加数に制限はないし確り契約しないと平気な顔してこっちを騙してくる!

あと原作にない属性とか弱点とかもあったりなかったり!

 

1398:名無しの転生者:ID:msu

うーんこの……って言いたいけどこうして聞いてると割と俺たちも好き勝手してるな??

ショタおじ謹製の術の数々とか転生者のPT+それぞれの専用シキガミで囲んでタコ殴りとか

 

1399:名無しの転生者:ID:pkm

有利な物はとことん利用する。当然だよなぁ?

 

1400:名無しの転生者:ID:mob

それでも十分戦闘班はヤバい定期

 

1401:名無しの転生者:ID:lol

本当にそれ

そういえばふと思ったけど、>>1396 プレスターン製じゃないリアルタイムバトルだと一部スキルとかってどうなっているんだろう?

ターンカウント系とか【龍の眼光】みたいなスキルとか。まともに機能しない、という訳ではないよね?

 

1402:名無しの転生者:ID:net

>>1401 そこはこう、ふんわり良い感じに現実さんが処理してくれるというか

何ならスキルだけじゃなくて弱点や耐性を受けた/与えた時のプレスターンアイコン何処問題とか

いや詳しくは知らんけど

 

1403:名無しの転生者:ID:hkr

>>1401 >>1402 検証班によるとカウント系は基本的に時間換算(一定ではない)

【眼光】みたいな追加行動は、基本的には超高速行動(例外あり)だね

 

1404:名無しの転生者:ID:dko

>>1402 弱点とか耐性は、なんて言うか実際のダメージ増加/軽減だけに留まらず何か概念的な影響とか干渉力が増減している感じがするな

例えば【火炎弱点】であればダメージの増加とは別に“とても燃えやすい”、耐性であればその逆

酷い時は炎上の状態異常(ない)みたいになって継続追加ダメージ……的な?

 

1405:名無しの転生者:ID:sna

>>1403 なるほど、分からん。例外とは一体……

基本的には加速装置!的な事なのか?

 

1406:名無しの転生者:ID:mnm

追加行動系はね、割と一つにまとめられないからね

超加速(物理)、超加速(特殊)、時間干渉、その他とか色々あってね!

 

1407:名無しの転生者:ID:kao

ゲーム原作程の自由度はないのが多いのが救いだよね

普通に現実の思考力の悪魔が自由に追加行動してきたら詰めるからね!

まぁ、時間系の権能の場合普通に自由に行動できるんだけどね?

 

1408:名無しの転生者:ID:okr

むしろその辺り(時の権能)の検証ってもう済んでいたのか……恐ろしあガイア連合

 

1409:名無しの転生者:ID:hmk

自由度が高い権能とかはその分消耗が激しいからまぁ多少はね?

ちなみに肉体を超加速させるタイプは物理系行動のみ、思考を超加速させるタイプは魔法系行動のみとかの制限もあるぞ!

 

1410:名無しの転生者:ID:dal

>>1408 そこらほら、ガイア連合の転生者とショタおじは基本法外の怪物だから

敵専用だった筈の【眼光】スキル持ちも普通に居るんだゾ♪

 

1411:名無しの転生者:ID:smr

何なら修行に付き合ってくれてる神主の仲魔達(【キンキ】【スイキ】【フウキ】)も【眼光】持ちっていう

本気で戦ったら対処できないとフルボッコだドン!!!

 

1412:名無しの転生者:ID:ndk

うーん、遠い世界のお話だぁ……

 

1413:名無しの転生者:ID:sna

あの世界(戦闘班)に近付くのは即ち人外への誘いなのでは?

こわいなーとづまりすとこ

 

1414:名無しの転生者:ID:aru

そんな戦闘班達でも実力も手も足りてないのがこの世界の霊能業界なんだよねぇ

 

1415:名無しの転生者:ID:hmk

本当にいっぱいいっぱいだから

原作案件が無事に終わる様に、そしてこれ以上ヤバい案件が増えません様にってお祈りしなきゃね!

 

1416:名無しの転生者:ID:mob

この世界に碌な(悪魔)は居ないんだから祈っても無意味なのでは?

 

1417:名無しの転生者:ID:hkr

だからガイア連合が頑張っているんですね!

皆も覚醒してレベル上げの日々を送るのだ……!

 

1418:名無しの転生者:ID:lol

いいえ。私は遠慮しておきます(真顔

ゆるゆる修行で何とかなったらいいなぁ

 

1419:名無しの転生者:ID:srz

私達のごく普通の日常は何処へ行ってしまったんでしょうねぇ

 

1420:名無しの転生者:ID:kao

勝ち取れ、さすれば与えられん……ってね

まぁ、普通の平和な日常何て原作メガテンシリーズにだってないから、ごちゃ混ぜのこの世界にないのもむべなるかな

 

1421:名無しの転生者:ID:sna

なんて世界だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深夜0時をそこそこに過ぎた真夜中の真っ最中。

 もう少しで丑三つ時にも差し掛からんとするそんな時に……自分は独り、夜闇に包まれた田舎の街並みを散策していた。

 自分が歩く音と夜風が吹く音以外何も聞こえない、静かな夜。

 現代人的には少し不可思議な雰囲気を感じ取れるであろう、そんな神秘的な風景の中を歩いている。

 

「――うん。やっぱりこっちの方が少し気が楽、だよねぇ」

 

 

 気ままに、思うが儘にそんな事を呟きながら歩みを進める。

 ちなみに、実際は近頃は全国的に物騒なので人口の少ない田舎町であればこの様に静かな夜を過ごせる所も増えてきているんだとか。

 まぁ、その物騒なのは霊地活性化で異界から顕現してきた悪魔関連の騒動のカバーストーリーだったりするのだけども。

 

 ――ガイア連合の活動は順調だ。日本各地に支部を作り、数多の異界を平定し、幾多もの悲劇を覆し人々を救っている。

 最近は表舞台にも様々な方法で手を伸ばし、海外にまでその影響力を拡大させんと壮大な計画が立てられていると聞く。

 まだその組織が出来上がってから二年と少し。そう考えれば驚異的な有望株だと言えるだろう。

 

 ……だが、そんなガイア連合ですら、世界的な霊的危機である霊地活性化の根本的な解決の糸口は全く掴めていない。

 段階的な顕現悪魔の強化、凶悪化。異界発生頻度の増加。強力な悪魔降臨の難易度の緩和。

 世界的な霊地活性化によるGPの増加を止められねば、遠くない未来で大破壊……【終末】は避けられないと思う。

 ガイア連合が出来る前の日本の霊能業界がそうであった様に、時が経てば海外でも許容量を越えていくだろう。

 あるいは、大暴れしている【メシア教】の発奮により更に事態が変化するかもしれない。

 

 ……が、まぁそれらは【ガイア連合】を含む各霊能組織の上層部が考える事であり、一般の平戦闘員である自分が考える事ではないのかもしれない。

 自分は今日も地方の(いつもの)依頼を請け現地に駆け付け、速攻で解決して、こうして余暇を満喫しているのが性に合っているという物だ。

 ……いや、それは大いに嘘を吐いた。別に性に合っている訳でも無ければ余暇を満喫しているという程でもなかった。

 

「夜風が気持ち良い……って程でも、ないしね!」

 

 ちなみにそんな夜の風景には絶賛全体的に霧が掛かっていて何かうざったい感じである。実に気分が良くない。

 だがそれはそれ、心頭滅却すれば火もまた涼しと言う様に。

 少し気持ちを入れ精神集中……瞑想すればほら、気にもならないという物だ。

 これもまた覚醒者の特権だろう。

 ずくん、ずくん

 気分を落ち着かせ、開放感に浸りながら夜道を歩く。

 思えば、此処まで完全に一人で行動しているのは中々に久しぶりな気がする。

 <ステラ>、そして<ルナ>が生まれてからは【ガイア連合】の外に出る時はどの様な時でも行動を共にしていた。

 勿論、自室でも常に同室している為、一人になる事は無かった。そこまで昔では無い筈なのに、それ以前の事を思えば懐かしい気持ちがする。

 ……まぁ、それ以前でも碌な事はしてなかったような気がするけども!

 殆どが食事と睡眠、そして内職(アイテム作成)情報収集(掲示板巡り)と多少の準備と言うだけで済む程だ。

 まぁぼっちな自分には丁度良いくらいだろう。それで何か問題があった訳でも無し。

 

「……だから、これはぼっちの宿痾なのかもねぇ。うーん」

 

 そんな珍しい状況だからか、独り言がやけに多くなる。

 元から独り言が多い気質では無かった筈なのだけど、気持ちが浮ついているのかもしれない。

 ともあれ、こんな開放感を味わうのは久しくなかったのだから。

 そんな時も欲しい、と<ステラ>と<ルナ>に拝み倒して手に入れた得難い時間なのだ。矢張り、しっかりと味わうべきだろう。

 ……ぼっちの感傷を味わうとはこれ如何に?

 

 とは言え、シキガミの二人には後で謝っておくべきだろう。

 提案した時にもかなり反対されたのだから、然もあらん。

 勿論、二人が心配する様な事は起きない。

 むしろ、自分程の実力の持ち主を容易く害せる悪魔が居るのであれば依頼を受けた一帯は多分滅びている。

 その程度の実力はあると自負しているし、二人だって納得もしているであろうから。

 

 勿論、霊視や探査の術で万が一が無いか気を配っているのでそんな万が一すらも無いだろうとも思う。

 そもそも二人には【読心(限定)】もあるのだ。心配は要らない、という事は分かっていると思う……多分ね。

 それでも、二人は主である自分の精神の安楽の為に送り出してくれたのだ。

 日頃から色々しているが、戻ったら何か労いでもした方が良いのかもしれない……

 

 そんな事を考えながら、内心の抑圧した感情が示すままに、適当に歩みを続ける。

 当然の如く人っ子一人も居やしない、この霧が立ち込める夜の田舎の街並みの中を。

 

 

 

 この【マヨナカテレビ】の世界の中を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 シキガミ達は知らないだろう。自分が今こんな所に居るという事なんて。

 それも致し方ない。自分達はつい数時間前までその地の霊能騒ぎを解決し、万難を排し周囲の安全を確認した。

 それ故に今回の自分の気分転換を認められたのは間違いないだろう。

 

 だが、通常異界と認知世界由来の異界はその性質が全く違う。

 霊装なども専用の物を作らねば正常に動作しない事も少なくなく……そして、それは当然ガイア連合最先端技術の塊であるシキガミであっても例外は無い。

 未だに認知世界由来の異界に対応したシキガミの作成は成功しておらず、自分のシキガミ達もその()()については無知だったと言う事だ。

 自分はやる夫さんの資料からかなり広がってきているというかの異界の範囲について知る事が出来た。

 本来はシキガミどころかガイア連合の転生者であっても極僅かな人員以外は知った所で殆ど関係のない所だ。あるとしても一般の被害想定程度だろう。

 ……その実、自分は関係がある側だった、というだけの話なのだが。

 

 シキガミ達は知らないだろう。自分がそんな事を計画していたという事なんて。

 それも当然だ。瞑想による閉心術なんて適性があればそう難しい物でもない。

 常日頃から行っている、内心の感情(████)を制御する事よりも幾段と簡単だ。

 むしろ、内心でのそれらの精神統一は実質的には概ね殆ど同じ物だ。ついでにとすら考えずに行っていた物だ。

 

 それは、シキガミ達が出来るその前から、それこそ覚醒した当初から行って来た物だ。

 然もあらん。自分の中の████を暴走させる訳にも行かないし、霊能業界の情勢も不安定であるのだから防御は行っておくに越した事はない。

 神主にも推奨され、霊能修行の一環として常に行って来た瞑想は自分の適性もあり、最早完全にモノにした……とは流石に言い過ぎかもしれないが。

 それでも、十分に自信が持てる域に達しているのは間違いなく、それがシキガミにも十分通用したのだろう。

 もっとも、準備は万全に整えてあるし、悪い事でも危険な事でもないと言う認識もあって読心を躱せていたとの面もあるかもしれないが……

 

 この濃い霧の中を歩いていると、幾度となく歩き回った【山の異界】の事を思い出す。

 霧とは科学的には極小の浮遊する水滴の集合であるが、神話上、霊能の世界ではそれだけでは済まない。

 視界を、即ち視える世界を遮り現実感を失わせ、時には遭遇した人々に様々な悪影響を及ぼす事もある災禍の一つでもある。

 一帯を覆い尽くす濃霧は見通せぬ闇と同様に不安と恐怖を煽り、それと同時に視えもしないその先に神秘性を見出される事も少なくない。

 龍神信仰と同一視される事も多い山岳信仰においても霧は重要な存在であり、神域とされる山岳の上部を包み隠す霧に神性を思わせるのも不思議では無いと言う事だ。

 

 ――その霧を司りし日本神、国津神の一柱こそが天之狭霧神……アメノサギリ、と言う。

 

 

 

 

「ふむ……ここが良い感じ、かな?」

 

 歩き続けて、辿り着いたのは巨大なデパートだ。

 人の気配もなければ電気も全くつきそうにない。

 稼働していないのかと思えば商品は陳列されてたりする。大丈夫なのだろうか、大丈夫に思えないが。多分、認知世界由来の何かしらだろう。

 

 だがまぁ、そんな事はどうでも良い。手早くデパートの中央部分に行き周囲の物を軽く退けて空間を作る。

 儀式しやすい空間を、だ。

 

 十分な空間を確保出来たら、集中(瞑想)しながら懐から取り出した小瓶より赤い液体を出し、MAGを込めながら床に陣を描く。

 

 異界形成の術はある程度の実力があればガイア連合の転生者であれば普通に習得する事が可能だ。

 当然その異界に様々な特性や指向性を付与する事も。

 作成する異界に己の特性を上乗せし、自分の都合が良い異界を作るのは強力な霊的適性、特性を持つ転生者のみならず悪魔であっても変わらない。

 勿論、自分もそれに倣うつもりだ。

 

 ――瞑想する。【瞑想】する。

 霊能力者としての基本中の基本。目を閉じ五感を閉じ、精神に心に自らの意識を集中させて。

 脳では無く精神と魂で思考し、心の中の自らと向き合い、内界へ更にその奥へと心を沈める。

 瞑想を続ける。瞑想を続ける。――【瞑想】を続ける。その最奥(心の海)まで。

 現実世界では、流石に無理だ。少なくとも今の自分の実力では。

 しかし、()()により近いこの異界であれば。それに特化した自分の霊能特性があれば……

 

 陣を中心に空間が、世界が歪む。

 異界が出来る手応えがしっかりと伝わって来る。

 更にその外側に赤い液体やその他の触媒を配し、陣に二重にしてより特性を効果を強力に、そして指向性を強くする。

 

 この世界全体に立ち込める()が一際強く反応する様に感じた。

 それはそうだろう。何せ、触媒の中にはこの異界……この世界の【マヨナカテレビ】に最も強く大きく関わっている人物、即ちやる夫さんの血が多分に含まれているのだから。

 嘗てやる夫さんのアクセサリーを作った時に貰った物の余りだ。悪い事に使うつもりはないから許してくれると思いたい。

 ……それは流石に無理筋か。

 

 どの道計画を、儀式を止めるつもりはない。

 更に陣を重ねる。瞬間、込められたMAGが全方位に広がる。

 広がるMAGは立ち込める霧を晴らし、随分とこの世界の見通しを良くしてくれた。

 ――この世界に数多居るシャドウを抑圧する霧を、一時的にでも晴らしたのだ。

 大きなものが、多くのものが動き出す気配がする。

 心の海より汲み取られた名も顔も知れぬ何処かの誰かの影だ。そのシャドウ達は一直線にこの異界を目指してくる。

 やる夫さんの血は呼び水として最適だ。そうでなくては困るという物だ。

 後は――

 

 

「……来い。僕の仮面、僕の内心。僕の████」

 

 陣の、異界の中央にて瞑想の内より、自らの心の中からそれを喚び起こす。

 この世界に来てから内心の中で煩い程蠢き出していたもう一人の醜い自分を。

 転生者である自分達ならばゲームの様な無様を晒しはしない。自分の霊能特性があれば尚更と言う物だ。

 

 現れた異形の存在(████)を作り出した異界に括り付けて……準備は完了する。

 自分の████を核に異界は内外共に急速に膨れ上がり、このデパートを含む周囲一帯を呑み込み、『ダンジョン』あるいは『パレス』と言う存在になる。

 その先は――

 

「……上手く行くにしろ行かないにしろ、丸一日は掛からない筈。それじゃ、頑張ろうかな」

 

 最後にそう呟き、自分自身も異界の内部に取り込まれた。

 異界を制御し、自らの目的を達成する為に。

 

 自らの計画の第一歩の為に。

 





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