お楽しみください。
洩矢の国と大和の問題も完全に解決し、争いの前の日常に戻りつつあった。
一つ変わったことといえば、神奈子様が社に住み始め、守矢神社として神社を開いた事だろうか。
ここも安定して来たし、そろそろ幻想郷を探す旅を再開しなければならない。
「洩矢さん」
「なんだい?」
「そろそろ僕、ここを出ようと思ってるんです。」
「えっ」
「君が出てったら一体どうやって家事や料理をすればいいんだい!?」
「そこは大丈夫です。今度神奈子様が巫女さんを探すらしいですから。」
「だけど…何で突然。」
幻想郷はまだ存在していない。この事はまだ言えないな…
「ここに遭難してきて、今までここの外に出たことが無かったんですよ。
なので、もっと外の世界を楽しんできたいんです。」
洩矢さんは少し困ったような顔をした後、口を開いた。
「分かった。だけど、いつかここに帰ってくるんだよ。
君はもうここの一員だから。」
「分かりました。いつか必ずここに戻って来ましょう。」
正直言ってこの時、引き止められるとは思わなかった。
任せられた事以外はそこまでやってないつもりだったので、
少し意外だったのと、やはり嬉しかった。
前世でこういう親友などはあまり出来た事は無かったからだ。
自分でも言ったのだし、いつかここをまた訪れよう。
◇◆◇◆
最初、私は宮薙の事を変わった格好をした遭難者としか思っていなかった。
だが、家事や料理を頼んでみて、いざしてもらい、話し相手になってもらえた事で
宮薙への見方が変わった。
どんな話も聞いて、意見を返してくれて、祟り神である自分に畏れを抱かずに
接してくれた。
私は、宮薙の事を家族の様に思っていた。
諏訪大戦の時の食いつき様は少し異常だと思ったが、
私が一騎討ちで負けて落ちてしまった時、一番に駆けつけてくれたのは宮薙だった。
私は、宮薙の事を好いていた。
だから、なるべく早く戻って来るんだよ。宮薙。
◇◆◇◆
洩矢の国を出て歩いてみると、昔より栄えているのが目に見えて分かった。
少し市場で情報収集しよう。
〜青年情報収集中〜
現在の都は飛鳥京、今の所でいう奈良県にあるみたいだ。
とすると今は飛鳥時代?
豊聡耳神子さん居るのかな?
居るとしたら、会いに行きたいな…偉人だし。
道中妖怪に出会った。
長い金髪に整った顔立ち。
服装は、黒い服にネクタイ?が付いている。
これはあれか。EXルー…何だっけ。
「私に大人しく喰われなさい。」
確かめちゃ強かった筈だ。
旅路で疲れてるのに更に命の危機まで背負わされるのは嫌なので、
刀で適当に片足ぐらい切ってやり過ごそう。
ルー…何とかが頭を潰しに上からかかってくる。
それをしゃがんで足に標準を定め、足を叩き斬れ…無かった
やばい、人の形しているから斬れると思ったが、思ったより硬かった。後一割…完全に斬れなかった
これはもう超逃げるしかない。
「ヤバイッ」
「あ、待たないか」
後ろで引き止められているが、そんなの関係ない。
命の危機である。これが前世なら戦うだろうが、
今は生きたいのである。
しばらく走っただろうか、走っていたらいつの間にか飛鳥京に着いていた。
身体に異常は無し…武器も、麻酔銃が有る。
…刀が無ぇ
これは致命的なミス過ぎる。
これからどうすればいいんだ。
麻酔銃無双するしか無くなってしまう。
……後で考えよう。
取り敢えず豊聡耳神子さん探そう。
しばらく飛鳥京の中を歩いていたが、
なかなかそれらしき人は見当たらなかった。今日は
洩矢さんからもらったお金で今日は寝泊まりできるかな…
泊まらせてもらえそうな人を探していると、人だかりを見つけた。
見てみると、真ん中で男性が仏教の教えを説いていた。
僕は仏教の話はよく分からないが、熱意だけは感じられた。
どうやらこの世界でも仏教はしっかり存在しているみたいだ。
今日は疲れたので、もう休もう。
◇◆◇◆
そして次の日、京の中を探索していると、二人組の女性を見つけた。
周りの人々とは違った、少し豪華な服装だ。
これは話しかけるしかなかろう。
多分貴族だから、丁寧に話そう。
「もし、そこのお嬢さん方、」
「ん?私達か?」
「あなた方は、蘇我屠自古様と、物部布都様であらせられますか?」
「ああ、私達h「そう!我らが屠自古と布都だぞ!」
「そうでしたか。ならば、豊聡耳神子様に会わせて頂くことはできるでしょうか?」
「何故で会いたいと?」
「私は旅人でして、高名な豊聡耳神子様に一度お目にかかりたいと思いまして。」
「それに、道教を信仰しているという噂を聞いていたので、それを確かめてみたく思いました。」
「なぜお主が 豊聡耳様が道教を信仰している事を知っているのじゃ!」
「さてはお主、間者か?」
「まさか、そんな訳ないじゃないですか。」
あれ、道教を信仰していることは秘密だったんだっけか。
そういえばここ、仏教が主に信仰されてたな。
「別に私は何かしようとは思っていません。それに、間者ならあなた方にお声を掛けず、直接忍んで行くでしょう。」
「む、それもそうか…」
「お願いします。一度だけお目にかかりたいと思っていたのです。」
どうだろう。
「そうですか。いいですよ。それに、なぜそのことを知っていたのか聞いてみたいですしね。」
「ちなみに、貴方のお名前は?」
「ああ、まだ名乗っていませんでしたね。僕の名前は宮薙途一。通りすがりの旅人です。」
そして、豊聡耳神子のいる部屋に連れてきてもらった。
「失礼します。太子様。お客様です。」
「そうですか。どうぞ。」
容姿は、教科書に乗っているやつの十倍は整った顔立ちをしている。
性別はもちろん男だ。
「はじめまして、豊聡耳様。私の名は宮薙途一。通りすがりの旅人でございます。
飛鳥京に来て貴方の事を耳にし、お伺いしたいと思い、あのお二方に声を掛けたのです。」
「そうなのですね。あぁ、そこまで畏まった言葉遣いはしなくても大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます。僕、そこまで敬語は得意ではなくて、少し不安だったのですよ。」
「では豊聡耳さん、実は少しお願いがありまして。」
「ほう。それはどのような?」
「実は道中で妖怪に出会い、その妖怪に剣を取られてしまったのですよ。
なので、短剣でも良いです。剣を下さいませんか?このままでは襲われたときに対処できませぬので。」
「それが私の所に来た理由ですか?私はてっきり道教についての話を聞かれるかと。」
「それはここに来るための口実に過ぎません。正直言って、豊聡耳さんに会って武器を確保すればここを出るつもりでしたし。」
「何故私に武器のことを?」
「知っている限り一番干渉しやすそうなのが貴方でしたからね。」
「あ、別に手に取りやすそうとかそういうことではないですからね。」
「それは分かっていますよ。じゃあ、これ、貴方にあげましょう。」
「それは宝剣か何かじゃないのですか?」
「いいえ。これは護身用です。割と切れ味もいいので、襲われたときに対処できるでしょう。」
「そうですか、ありがとうございます。」
そして、刀を付けていた所に剣を差し、そこを後にした。
◇◆◇◆
その夜眠ると、白い空間に自分がいて、目の前に自分をこの世界に連れてきた自称神様が居た。
「少し、頼み事があるんです。」
「妖怪の山にいる新人天魔を、少し痛めつけて来て欲しいんです。」
「ほんとにちょっとでいいですよ。ちょーっとだけ痛めつけて来て下さい。」
ここは冷静に返答しよう。
「仕事のし過ぎで頭イカれたんじゃないですか?自称神様。」
という訳でヒロインは多分諏訪子姉貴に決定です。
だけど宮薙は諏訪子のことを友達だと思っています。
すれ違わないといいですね。