ウルトラマンオタクと怪獣使いの居候:Re 作:ボルメテウスさん
前作の続きを楽しみにしていた方、本当に申し訳ございません。
放送終了し、設定もある程度分かった事もあり、後書きで主人公の設定や、活動報告でVOICEドラマ風のネタを募集しています。
皆様、これから、よろしくお願いします。
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四畳半の部屋。
人が1人住むには十分過ぎる程の広さである。
最近、物価が高い中で、こうした落ち着ける空間で、さらには家賃がかなり安い部屋を見つける事ができたのはかなりの幸運である。
それが、俺こと、朝倉陸にとっての最初の幸運だっただろう。
大学生活の終わりが近づき、様々な悲しい出来事を乗り越えていない俺は、就活を間近に控えていた。
だが、その活動的な大学生活だが、本日はそれ程やる事もない休日。
なので、俺は備え付けられているキッチンで軽い朝ご飯を作る。
昨日の帰り道のスーパーにて、特売で売られていた卵を無事に買う事ができた。
それもあってか、今朝は卵料理にしようと決めているのだ。
フライパンの上に油を引いて熱し、卵を割り入れる。
そして醤油をかけて味付けを行い、火を止めるとそのまま放置しておく。
その間に食パンを取り出し、トースターの中に入れて焼く。
そして目玉焼きが出来上がる前に、コーヒーメーカーからカップへと注ぎ込む。
朝食の準備を終えたところで、丁度よく卵の方もいい感じに仕上がってきたようだ。
後は盛り付ければ完成だな。
そうして、考えていると、物音がする。
この四畳間に横に敷かれている敷き布団。
既に俺の分は俺が起きている為、布団は既に綺麗になっている。
「あれ、起きました?」
その言葉と共に布団から起き上がった女性。
安売りされたジャージを身に纏っている。
彼女はムジナという。
ムジナは寝ぼけ眼のまま、こちらを見つめてくる。
「おはようございます。丁度、朝ご飯ができましたが、食べますか?」
「……食べる」
そう、俺の言葉を聞くとムジナは立ち上がり、部屋の中を歩き始める。
俺はそんな彼女を見て、苦笑してしまう。
まぁ、いつもの事なので気にせず調理を続ける事にした。
「さてと、今日は何を作ろうかなっと」
冷蔵庫の中から取り出したのは昨日買ったばかりの豆腐。
それに味噌汁を作りながら、卵焼きも作っていこう。
まずは豆腐を切る。
それを鍋に入れて火をかける。
その間にネギを取り出した。
ネギを切り終えると今度は油揚げを取り出す。
油揚げを一口大に切っておく。
油揚げの中に刻んだネギを入れておいた。
最後にフライパンを取りだして、コンロの上に置く。
そしてガスコンロのつまみを捻る。
炎が出てき始めたのを確認すると、油揚げを入れた。
じゅわーっといい音を立て始める。
そして、そのまま放置しておくことにした。
暫くしてから油揚げを取り出す。
こんがりとした狐色になっていた。
そこに醤油をかけて味を整えていく。
焦げ目がつき始めてきたところで火を止める。
皿に移してから、フライパンに残ったタレをかけた。
「よし、完成!」
できた料理を持っていく。
するとそこには既に座っているムジナの姿があった。
彼女は寝ぼけ眼のまま箸を手に取る。
そして一心不乱に食べていた。
その様子はとても嬉しそうなものだ。
その様子を見ながら、ふと疑問に思った事を尋ねる。
「そう言えば、5000年前の食事よりも、そんなに美味しいの?」
彼女、ムジナは自称5000年前から復活したらしい。
なぜ、そんな事を言うのか、よく分からないが、命の恩人であるムジナに対して僕はそう言った。
すると、彼女は、そのままどこかを見つめるように視線を宙に浮かせながら呟いた。
「昔の料理は全部雑だった。
だから、今、こうして陸のご飯を食べられるのは幸せ」
「そうなのか。
そうか」
そう言われると、少し嬉しい気分になる。何だか自分が褒められているような気持になってくるからだ。
「どうした? 急に嬉しそうな顔をして」
「えっ!? いやぁ……別に何でもないですけど……」
そんなに顔に出ていただろうか。
……まあ良い。
そんな考えをしていた時だった。
ふと、ムジナは何かに気づいたように、携帯を見る。
それを見ると、先程までの少し楽しそうな表情から一変し、無表情へと変わる。
「ムジナ?」
「……少し、出掛けてくる」
そう言うと、身に纏っていたジャージを急に脱ぎ出す。
「えっちょっ!?」
ムジナは、こういう人前で平気で着替えるのは、少し控えて欲しい。
俺は思わず目をすぐに逸らす。
そうしている内にごそごそと着替える様子が聞こえる。
そして、また俺に声をかけてくる。
「……あぁ。着替え終わったよ」
そう、ようやく俺の態度を見て、思い出したように言う。
見ると、先程までの青いジャージではなく、白い軍服を思わせる格好だった。
「いつも思っていたけど、その格好って、一体何?」
「さぁ、5000年前に着るように言われたから」
未だに謎の多いムジナの5000年前という単語。僕は少し興味を持ち始めた。
「ねぇ、それって……どういうこと? ムジナはいつ頃からこの時代にいるんだい?」
僕の質問に対して、ムジナは一瞬だけ表情を曇らせた気がした。
しかしそれは本当に一瞬で、気付けば元の無邪気な笑顔に戻っていた。
「さぁね、私も最近、生き返ったばかりだから」
それだけ言うと、ムジナはそのまま部屋から出て行こうとする。
すると、何かを思ったのか、ムジナはその場を少し止まる。
「陸はさ」
「んっ」
「もしも、私が、全人類を殺す為に戦っていると言ったら、どうする?」
「急にどうしたの?」
そう、彼女の言葉に少し疑問に思う。しかし、彼女は続けて言う。
「……いや、ちょっと気になっただけだよ。ほら、もし私が人を殺したとしても、陸は何も言わないんだろうなって思ってね」
「えっと、それは、まぁ、うん」
確かに、僕はその言葉を否定できない。
彼女が、何を思って、それをやるのか分からない。
何よりも、俺は。
「ごめん、急に変な事を言って。
帰りは少し遅くなるから」
「あっ」
俺はすぐに言おうとしたが、その時には、既にムジナの姿はなかった。
「……はぁ、俺って、あの時から変わっていないな、本当に」
そう言いながら、俺はそのまま床に倒れ、天井を見る。
「香乃は、どう思うんだろうな」
そう、未だに拭えないトラウマと共に、俺はそう呟いた。
朝倉陸
どこにでもいる平凡な大学生。
卒業を控え、既に就職を決めないといけない人物。
そんな四畳半の部屋にて、少し前から居候する事になったムジナと生活する事になる。
友人以上、恋人未満の関係をムジナと続けている。
しかし、彼自身は高校時代に出来た恋人であった南香乃に関するトラウマがあったのか、無意識に恋人関係に踏み込もうとしない。
同時に香乃の面影のあるムジナの事をどこか放っておけない所もあった。