ウルトラマンオタクと怪獣使いの居候:Re 作:ボルメテウスさん
日雇いのバイトは数多い。
その中で、その日は深夜。
交通整備のバイトを行っている。
深夜の工事。
それは、少し前に起きた怪獣による被害で起きて、その為の工事だ。
「それにしても、まさかこんな事が、本当に現実に起きるとはねぇ」
そう、俺は目の前から来る車を整備しながら、後ろにある壊れた建物を見る。
まるで災害が起きたようなボロボロの状態。
それが現実に起きているのだから。
「ガウマさんは、どう、このバイトは慣れた」
俺はそう言いながら、今日は一緒に交通整備をしているガウマさんに聞く。
「えっと、なんとか。
都会は、結構、慣れない感じはしますが」
そう言いながら、俺に返答してくれた新人のガウマさんが答えてくれた。
先日、いきなりバイトに入る事になったガウマさん。
見た目はかなり凶暴そうで、不良に見えるが、実際には礼儀正しい人だ。
年齢は聞くと21歳と、わりと俺と近い年齢だと言う事で驚きを隠せなかった。
「そっか、ガウマさんはこっちに来る前は確か田舎に住んでいたっけ?」
「まぁ、田舎と言ったら、田舎ですかね。
何にもない所でしたから」
「それじゃ、なんでここに?
やりたい事があったからとか?」
「まぁ、人捜しですね」
「人捜しか~」
「はい、大切な人なので」
「そっか、大切な人か」
その言葉を聞くと、俺はふと思い出すのは、恋人だったあの人だ。
「先輩はいるんですか?」
「……いたかな。
今は、もぅ」
「あっ、その、すみません」
「あー、気にしないでいいよ。
今はいないけど、昔にはちゃんといたんだからさ」
そう言って俺は笑いながら言う。
実際、もういないのだ。
でも、その事は話さない方がいいだろう。
ガウマさんに心配をかける訳にもいかないしね。
それに、あまり思い出したい過去じゃない。
「けど、先輩だったら良い人は見つかると思いますよ。
こんなに優しい人なんだから」
「そんな事ないって、普通だよ普通」
そう言って笑う。
「いやいや、俺がこのバイトに入る時、結構この見た目で苦労したんですよ。
それを結構気軽に話しかけるのは、本当に良い人ですから」
「あはははぁ、やっぱり自覚していたんだ」
「まぁ、色々あったので」
ガウマさん自身、自分の見た目が凶悪だと言う事は自覚しているようだった。
それでも、僅かに話している限りでも絶対に悪人ではない事は解る。
だから、少しだけ安心している。
「……先輩は、その」
「んっ?」
「もしも、死んだかもしれない。
けど、もう一度会いたい人と会えるかもしれないと聞いたら、どうします」
「突然、どうしたの」
「いえ、なんとなく」
そう、ガウマさんは言った。
その表情はとても真剣で、何か考えがあるような感じだった。
だからだろうか、思わず答えてしまった。
「会ってみたいかな。
会って、もう一度話したい。
どんなに言葉を濁しても、間違っていると分かっていても。
それが人間だから」
「それは、何故ですか」
「だってさ、もしもう一度会えたら。
きっとその時、また違った関係になれると思うんだよ。
友達とか、家族とか。
そういう風に、なるんじゃないかなって思うんだよね」
ガウマさんの瞳の奥には、強い意志があった。
まるで、何かを決意したように。
「そうですね。
だったら、俺も諦める訳にはいかないですね」
そう、ガウマさんが何か小さく呟いた気がした。
「なんでもないです。
先輩、ありがとうございます!!」
そう、ガウマさんは深々とおじきをしてきた。そして、
「今日は本当にありがとうございました」
なんて言いながら、もう一度頭を下げたのだ。
「いやいや、まだバイト中だからね、ガウマさん!!」