マブラヴ·オルタネイティヴ〜蒼穹の彼方〜   作:naomi

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FILE11 悪夢

「HQ(ヘットクォーター)より報告。町田の地表に突如旅団規模のBETAが出現。当基地へ進攻してくる模様」

 

「なんだと!?」

 

突如発令された警告音は横浜基地を震撼させた。

 

「何故そこまで侵入を許して気がつかなかった!?」

 

「恐らく地下を進んできたと思われます。帝国軍も急遽対応にあたっているようですが、進攻阻止は不可能のようです」

 

(地下だと………最近、小規模の地震が度々観測されていたのと関連があるのか?)

 

「香月副司令、ここの撤収は任せた。」

 

「承知致しました。」

 

『パウル・ラダビノッド』が急ぎCPを離れる。

 

「ヴァルキリーズに演習中止を指示。ピアテフ中尉。急いで詳細を纏めて」

 

「了解」

 

「涼宮。ヴァルキリーズに実戦装備換装を急がせて、特に既にハンガーに戻った御剣、涼宮、彩峰は換装完了次第応戦させて」

 

「了解」

 

「副司令。既に町田は突破され先頭が町田方面から横浜基地約10km先まで進軍している模様…………目標は当演習場の可能性大」

 

「この基地の戦況は?」

 

「戦車部隊及び航空部隊による面制圧を実行中。ヴィクター大隊が第2防衛線より攻撃を開始。第7戦術機甲大隊が現在基地施設入口を中心に展開準備中です」

 

「ピアテフ、涼宮。直ちにHQまで戻るわよ、ヴァルキリーズの準備状況は?」

 

「随時ドックに入り換装中、ただ伊隅機が先の演習で機体に予定外のダメージを負った為直ぐには出撃出来ないとのこと」

 

「どういうこと?」

 

「なんでも真壁機との交戦中に砲撃を防いだ際機体の各部位が損傷を受けたとのことです。」

 

「…………伊隅に機体搬入後こちらに来るように言って、あと部隊編成を自分抜きで編成させるように」

 

「了解」

 

「あと涼宮、白銀のバイタルを注意して見ていて頂戴」

 

「りょ了解」

 

 

 

「…………ってことで悪いけど大尉の指示で今回は私がA-01を臨時に率いるわ、基本的に編成はさっきの演習と変えるつもりは無いけど私、榊、珠瀬、鎧でa小隊を。宗像を小隊長に風間と真壁特尉でb小隊、白銀が今先行した御剣、茜、彩峰を率いてc小隊を指揮しなさい」

 

「ヴァルキリー3。了解」

 

「…………」

 

「白銀!!聞いてるの?」

 

「…………えっ」

 

「えっ、じゃないわよ!?最優先で換装作業させんだから、早く終わらせて御剣達に合流してc小隊を指揮しなさい」

 

「りょ了解!」

 

「なんなのよ、アイツ」

 

通信を切り思わず愚痴を吐く『速瀬水月』。

 

「ヴァルキリーマムより、ヴァルキリー2」

 

「こちらヴァルキリー2。なに遥?秘匿回線なんて」

 

「水月。実は…………」

 

「えっ、それって克服したんじゃ」

 

「副司令はそうは考えてないみたい。念の為気にして」

 

「了解。………だからあの反応かマズイわね」

 

『香月夕呼』の懸念は的中していた。

 

(ハァーハァー………大丈夫だ。俺はやれる!さっきの戦いで囮役やれたんだ。あの時乗り越えたんだ。今度だってゼッテーに…………!?)

 

脳裏に蘇る恩師が目の前で敵に喰われる光景。

 

(まりも………ちゃん。糞!状況と場所が似てるだけだ!!あの時とは違う!!)

 

「3人とも!ワリーけど俺の指示に従ってもらうぜ。状況は?」

 

「前線の戦闘は目視で確認出来ている。私達はどうするのだ武?」

 

「敵はこっちに向かって来てるって情報もある。まだ中尉達の換装作業が続いているが、俺達は先に前線に飛び込んで他部隊の援護だ」

 

「いいの?」

 

「時間稼ぎだ。他の奴らの換装が終わり次第そっちに合流する」

 

「了解」

 

爆炎に向い進むc小隊。

 

「武。大丈夫か?」

 

「なんだよ冥夜。秘匿回線で」

 

「いや、少しそなたの様子が気になってな」

 

「………問題ねーよ。足引っ張んなよ」

 

「ふん。その意気なら杞憂か」

 

「兵士級。戦車級。突撃級。要撃級確認!」

 

「うぉっし!c小隊蹴散らすぞ!!」

 

「了解」

 

『白銀武』を先頭に戦場を突っ切るc小隊。

 

「ウォォォー」

 

「ハァァァー」

 

「この!この!!」

 

「邪魔」

 

「おい!制圧射撃してるんだ!突っ込んだら危険だ!」

 

「俺達に構わず続けろ!こっちで避ける」

 

乱れ舞う銃弾の中を暴れ回る4機の『不知火』。

 

「要塞級8体確認!」

 

「っ!あの右端のヤツから1体3分!」

 

「なっ!白銀!!そんな無茶………」

 

「なんだ涼宮。俺から突撃前衛(ストーム・バンガード)の座を奪いたかったら小隊で動くんだ、これくらいこなせなきゃ当分奪えないぜ」

 

「3分も時間があるのか?」

 

「御剣!?」

 

「………余裕」

 

「彩峰!?」

 

「お前ら、上出来だ」

 

「あ〜もう!知らない!!」

 

周囲のBATAをヴィクター大隊に任せ、要塞級狩りに切り替えるc小隊。

 

「マジかよ………要塞級をあのペースで」

 

「噂に聞く香月副司令お抱えの部隊…………スゲー」

 

「ボサッとするな!ここでコイツら食い止めんだよ」

 

「うっし!要撃級掃討完了」

 

「武!5km先に要塞級12体だ」

 

「なっ!行こうにもこんだけウジャウジャいちゃあ…………」

 

ピピピピ!ピピピピ!

 

「光線級警戒だと!?」

 

「あっ!」

 

空を制していた航空部隊が次々に落とされていく。

 

「白銀!こっちは全機換装が終わった。どうだ戦況は?」

 

「速瀬中尉!ダメです。光線級を確認しましたが、その前に2万近いBETAで近づけません」

 

「後退しろ、第1第2滑走路は放棄する」

 

「えっ!でも」

 

「HQからの指示だ。直に帝国海軍からその一帯に艦砲射撃が放たれる。ヴィクター大隊と共にデータで送った防衛ラインまで撤退してこちらに合流しろ」

 

「………了解。…………c小隊。最終防衛ラインまで撤退し中隊と合流するぞ」

 

「クッ、進撃を留めきれ無かったか」

 

「光線級の前にこんなにいたんじゃ『光線級吶喊(レーザーヤークト)』敢行は厳しい」

 

「ここまで引かないといけないの?」

 

「愚痴は後だ。部隊と合流するぞ」

 

「了解」

 

順調に撤退を進めるc小隊、しかし・・・・・

 

「マズいよ白銀。ヴィクター大隊の撤退が遅れてる」

 

「なんでだよ!?」

 

「生存者を救助しながら撤退しているようだ」

 

「ハァ!?もうすぐ艦砲射撃が始まるんだぞ」

 

「しかし、生存者が多いに越したことはない」

 

「馬鹿言うな、それで動ける衛士と戦術機を失ったら意味ないだろ」

 

「止めるにしてもあの様子誰かがフォローせねば・・・・」

 

「おい!冥夜!!涼宮、彩峰先に撤退してくれ」

 

「白銀!?」

 

「冥夜を連れ戻す」

 

「わかった」

 

小隊は2手に別れた。

 

 

「クソ!主脚をやられた」

 

「ギャンブル2~~~ちっくしょう」

 

「よせ、ギャンブル4。撤退が最優先だ」

 

「でも隊長!ギャンブル2が」

 

「お前まで巻き沿いを喰らうぞ!!」

 

「ギャンブル隊撤退しろ」

 

「トマホーク3か」

 

「俺の小隊はもう俺だけだ・・・・殿は俺が」

 

「ぐわぁぁぁぁー---隊長!隊長!!」

 

「ギャンブル2~~~」

 

「・・・・・マズい!!」

 

立ち尽くすギャンブル4を庇い、要撃級の前に立つギャンブル1

 

要撃級を貫く銃弾。

 

「そなた達。もうすぐここ一帯は艦砲射撃が始まるんだ急げ!」

 

「!?すまない」

 

殿を変わったヴァルキリー11。『XM3』の機動を活かし徐々に後退する。

 

「貴様らなぞにやられんぞ!」

 

「馬鹿やろー---」

 

ヴァルキリー10が加勢に入る。

 

「武!」

 

「早く引くぞ」

 

「ダメだ。あの者達が安全圏に撤退するまではここで」

 

「・・・・・さっさと蹴散らすぞ」

 

「武・・・・すまぬ」

 

「ったく、とんだじゃじゃ馬が生まれちまったもんだ」

 

迫りくるBATAを抑え込む2機。

 

「白銀、御剣。残存のヴィクター大隊の撤退が完了した。あんた達も早く戻りなさい」

 

『速瀬水月』より通信が入る。

 

「了解!・・・・冥夜!!」

 

ヴァルキリー11の死角から接近した要撃級に気が付き74式近接戦闘長刀を投げるヴァルキリー10。74式近接戦闘長刀は要撃級の胴体に突き刺さり寸前のところで活動停止させた。

 

「すまん武・・・・武!!」

 

「なっ!しまった」

 

安堵したもつかの間後方から迫りくる突撃級。いつもの『白銀武』なら対処出来る距離・・・・・しかし

 

ドクン、ドクン

 

(弾切れ!嘘だろ弾数は全然・・・・・違う身体が動かない!嘘だろ・・・・・こんな時になにビビってるんだよ俺!!あぁ、やられる・・・・・純夏・・・・・)

 

ダンダン!!

 

突撃級の横から弾丸が貫き活動が止まる。

 

「たっ、助かった?」

 

「そこの『不知火』なにをしているか!」

 

「あっ、あれは・・・・」

 

「月詠・・・・・中尉」

 

視線の先に立っていたのは赤と白の『TSF-TYPE00 武御雷(たけみかづち)』であった。

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