マブラヴ·オルタネイティヴ〜蒼穹の彼方〜   作:naomi

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「無茶だ!あまりにも無謀だ!!」

 

復旧作業に追われている横浜基地。その司令部では基地司令『パウル・ラダビノッド』と副指令『香月夕呼』が議論を重ねていた。

 

「いえ、現状で選びうる、最良の選択ですわ」

 

「しかし・・・・・」

 

「言葉を飾り過ぎましたわね。言い方を変えましょう」

 

「ウウン?」

 

「私達にはもう、この手しか残ってないということですわ」

 

「・・・・・」

 

「『00ユニット』のリーディングデータ、基地の被害状況、そして、先程判明した真相・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「全ての要素から判断すれば、これが最後の機会です。次はありません」

 

「・・・・・こちらはよいとして、そのような大規模戦力の動員が、この短時間に可能なのかね?」

 

「既に組み込まれている作戦のスケジュールを繰り上げるだけの事です。・・・・それに彼らに大陸中央部のハイヴを攻めろと要求しているのではありません。最前線を押し上げるだけです。もし仮に、各国の準備が7割に届いていなければ、それは意図的なサポタージュでしょう」

 

「7割か、その場合の作戦成功率は・・・・・」

 

「成功率?この作戦だけを見た数字にはなんの意味もありませんわ。この機を逃せば次は無いと申し上げたはずです。0%かそれ以外の2択しかあり得ません」

 

「ぬぅ~」

 

「準備が不十分なのは認めます。その影響によって多くの・・・・数万単位の将兵が命を落とすことになるでしょう」

 

「・・・・・・」

 

「この惑星の未来に、その将兵の死を嘆き悲しむ者を残すか、あるいは1人も残さないのか・・・・そのどちらかを選ぶということです」

 

「ウム・・・・・・」

 

司令部はある決断を下そうとしていた。

 

 

 

「お前達!機体はどうだ?」

 

15分後。『伊隅みちる』を交え集まった『白銀武』達。

 

「戦闘は無理です。基本動作も場合によっては出来ません」

 

『榊千鶴』がバツの悪そうに答える。

 

「センサー類の再調整と関節の交換が必要だと言われました」

 

『珠瀬 壬姫(たませ みき)』も恐る恐る報告する。

 

「自分の機体は主脚が酷く装甲もかなりダメージがあると言われました」

 

『鎧衣美琴』は俯き気味に報告する。

 

「私の機体は、最低でも主腕と装甲の全交換が必要とのことです。彩峰、そなたの機体も同様ではないか?」

 

「うん。長刀振り回してたのもそうだし、斬った時の衝撃は馬鹿にならないからね」

 

「・・・・・各々程度の差はあれど、とても出撃出来るじょうたいじゃない・・・・・か、白銀。貴様の機体は?」

 

「装甲から駆動系まで深刻なダメージで・・・・・スクラップ同然とのことです。」

 

「そうか・・・・・」

 

「整備班長にこの状態じゃ乗せられないと言われました。」

 

(白銀の機動と戦闘であれば致し方ないか。ましてや単機で敵中突破もこなしたわけだしな)

 

「ヴァルキリーズで実戦可能な機体は私の『不知火』と真壁特尉の『吹雪』だけか・・・・・」

 

「そういえば、真壁特尉はどちらに?」

 

「わからん。依然行方知れずだ。」

 

「国連軍部隊の余剰機は使えないのでしょうか?衛士よりも機体の方が多いと聞きましたが?」

 

「この戦いでほとんど失っているから、恐らく無理だ」

 

「えっ」

 

「俺もさっき班長に聞きました。戦闘中に機体を放棄した衛士が余剰機で再出撃を繰り返したとか」

 

「そうなんですね・・・・・皆で戦って、皆で守ったんですね」

 

「・・・・・・」

 

「21時からブリーフィングがある。先程ピアティフ中尉から連絡があった。」

 

「!?地下施設の通信設備もう復旧したんですか?」

 

「あぁ、生き残った者達が総出で復旧作業をしているからな。ブリーフィングまで3時間以上ある。不測の事態に備えて今のうちにを休んでおけ」

 

「・・・・・了解」

 

「では、解散・・・・・白銀」

 

解散直後に『伊隅みちる』に呼び止められた『白銀武』

 

「はい。」

 

「無理を言って、復旧作業の支援の許可は取りつけてある」

 

「大尉!?」

 

「どうするかは、貴様達で相談して決めろ」

 

「大尉は?」

 

「副指令に呼ばれているからな、そちらに行く」

 

(大尉・・・・・皆の気持ちを察して事前に・・・・・)

 

「了解しました。大尉ありがとう御座います」

 

「頼んだ」

 

『伊隅みちる』が『香月夕呼』の下へ向かう。

 

「・・・・・どうするよこの時間」

 

「どうするもなにも、身体をやすめるんでしょ?」

 

「っても、さっきまで寝てたし疲れてねーんだよなー俺。・・・・なんか作業手伝おうかな」

 

「!?武そなた!!」

 

「なんだよ冥夜?」

 

「伊隅大尉から先程休めと命令が・・・・」

 

「休まればいいんだろ?」

 

「?」

 

「このままボーっとしてたら逆に疲れるし、周りが基地の為に動き回ってるのに俺だけのんびりしてたら精神衛生上もよくねーよ」

 

「武・・・・・」

 

「そうなんだよねー僕もなんか落ち着かなくてさ~」

 

「鎧衣?!」

 

「今、休むのストレス。ちっとも身体の為にならない」

 

「彩峰?!」

 

「な~に、集合した時にリフレッシュした表情出来てれば十分休めたってことなんだよきっと」

 

「まったく」

 

「そなた達は」

 

「・・・・でも皆考えてたことは同じみたいですね~」

 

「・・・・・うし!じゃあ~なにやろうか?」

 

「え~武考えてないの~」

 

「武さん~折角カッコよかったのに~台無しだよ~」

 

「白銀行き当たりばったり・・・・上官失格」

 

「なんだよ!俺だってさっき大尉にそう助言されたんだから、考えてるわけねーだろ」

 

「!?」

 

「大尉が俺達のやるせない表情をみて察してくれたんだよ。きっと」

 

「責任転嫁」

 

「なにぅぉ~」

 

「まあまあ、皆で考えればよいではないか」

 

「私達で出来る身近な作業を考えましょう」

 

「了解!」

 

『白銀武』達は自分達に出来る事を探し始めた。

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