マブラヴ·オルタネイティヴ〜蒼穹の彼方〜   作:naomi

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FILE28 開示

『白銀武』は『速瀬水月』と共に『武御雷』の件を報告する為に『香月夕呼』を探していた。

 

(まさかあの部屋に速瀬中尉と一緒でいいから来いなんて………夕呼先生。速瀬中尉にも話すつもりなのか?)

 

「へぇーこの基地に、こんな場所があったんだ」

 

「はい」

 

「ここがあんたが関わってる特殊任務の?」

 

「そうですよ」

 

「ふーん」

 

部屋を開けるとこれまで見なかった3人もそこにいた。

 

「伊隅大尉に」

 

「遥も呼ばれたんだ?」

 

「なんだ貴様達も呼ばれたのか?」

 

「はい。まあ俺の場合ここが特殊任務の部屋ってこともありますけどね。あっ真壁特尉も呼ばれたんですか?」

 

「あぁ」

 

「……………」

 

「速瀬………中尉?」

 

「あの時はどうも」

 

(あの時?)

 

『速瀬水月』は『真壁一騎』に対して不信感を拭えないでいた。

 

「もー水月。真壁特尉に助けられたのは事実なんだから、そんな態度しないの」

 

「……ふん」

 

「アレ?」

 

「なんだ白銀?」

 

(先生がいないのはわかるけど、純夏と霞もいないのか?)

 

「いえ、呼び出した本人がいないと思いまして」

 

「皆揃った?悪いわね」

 

噂をすると『香月夕呼』が『鑑純夏』と『社霞』を連れてやってきた。

 

「副指令。この部屋はなんですか?」

 

早々に『伊隅みちる』は自分の感じた疑問を尋ねる。

 

「ここは『00ユニット』・・・・・つまり鑑純夏のメンテナンスルームよ」

 

「何故。私達をここに?」

 

「ここまであんた達には教えてなかったことを偶発的にあんた達は知ってしまったからね。この際説明しておこうと思って・・・・・とその前に、白銀。鑑を休ませて」

 

「・・・・・了解」

 

「武ちゃん?」

 

「どうした純夏?」

 

「私。もう休む必要ないよ」

 

「えっ、どういう事だよそれ」

 

「・・・・・まあいいわ。鑑そこに座ってなさい」

 

「はい」

 

(先生?)

 

「それじゃ、気を取り直して。あんた達に必要と思われることを話しておくわ」

 

『香月夕呼』は『オルタナティブ計画』特に『オルタナティブⅣ』を重点的にそして『00ユニット』について一通り説明をした。

 

「・・・・・ここまではOK?」

 

「はい」

 

「大丈夫です」

 

「まあ大雑把に概要は理解出来ました」

 

「助かるわ、白銀に説明した時の半分の時間で済んで」

 

「まあ白銀ってこういう話苦手そうだもんね」

 

「速瀬中尉。人のこと言えないんじゃ・・・・・」

 

「なんか言った?」

 

「いえ、何も」

 

「副指令。質問いいですか?」

 

「何?涼宮」

 

「白銀少尉がこの計画に関係する点がわからないんですけど?」

 

「うん?それは白銀が鑑の想い人だからじゃないのか?話を聞く限り人格形成に白銀の存在は無くてはならないみたいだしな」

 

「でも大尉。白銀少尉がこの基地に着任したのって、『00ユニット』である鑑純夏さんが完成する前ですよね?完成後ならまだしも完成前にこの計画に特殊な背景の無い白銀少尉が深く関わっていることが、なんだか腑に落ちないんですよ」

 

「あら?涼宮いいとこ突くじゃない。そうね確かにただの『白銀武』ならこんな所に入れはしないわ」

 

「ただの?」

 

「そうよ。そして今あんた達が見ている『白銀武』を説明する上で話を簡単にしてくれる存在が『真壁一騎』なのよ」

 

「真壁特尉が?真壁特尉は『00ユニット』の試作機では無いのですか?」

 

「伊隅。それは彼を『A-01』に配属する為の建前………嘘よ」

 

「あっ、そうでしたか………」

 

『伊隅みちる』はその言葉に素直に納得した。彼女が建前を使うのはいつもの事だと。

 

「それで真壁特尉の本当の経歴はいったいなんだと仰るんですか?」

 

「彼ね…………別の時空から来た人間なの」

 

「……………はい?」

 

『伊隅みちる』、『速瀬水月』、『涼宮遥』の3人は『香月夕呼』の時々出るとんでもない発言に慣れている自負があった。彼女の想像の遥か上を行く言動には散々付き合ってきたからである。

 

だが、この発言に流石の3人も疑いの目を向けた。

 

「副司令。仰る意味がわかりません」

 

「だから、別の世界の人間なのよ」

 

「冗談にしては度が過ぎてますよ副司令」

 

「この状況で冗談なんて言うと思う?」

 

(この人ならやりかねないんだよな………)

 

「あんた達も見たんでしょ?彼の人間離れした行動。」

 

各々に思い当たる節があり黙り込む3人。

 

「そもそもなんだけど、彼は本来【彼のいるべき世界】でも異星生命体と戦ってたんだって」

 

「…………戦っていた?」

 

「俺達は『フェストゥム』と共存の道を歩もうとしています」

 

「!?」

 

「『フェストゥム』………それが異星生命体の名前ですか?」

 

「はい」

 

「そんなこと聞いたら、今まで半信半疑で従っていた『オルタネイティブ計画』もあながち間違いじゃないって思ったんじゃない?」

 

ニヤリと微笑む『香月夕呼』に3人は反論出来なかった。

 

「そっ、それで!仮に彼が別の時空から来た存在だとして………どう証明するんですか?」

 

「一つ、気になっていたことがあるんです」

 

『涼宮遥』は後ろめたそうに細々と尋ねる。

 

「真壁特尉。本当に人間なんですか?」

 

「何を言っている涼宮?」

 

『涼宮遥』の問いに疑問を持つ『伊隅みちる』。

 

「私を助けてくれたのは真壁特尉で間違いないです。でもその助け方が…………」

 

「どういうことです涼宮中尉?」

 

「突然、目の前に現れてBETAを粉々にしたんです」

 

「!?」

 

『涼宮遥』の発言には2人は勿論、『真壁一騎』の正体を把握している『白銀武』と『香月夕呼』すら驚いた。

 

「それってどういう事?」

 

「副司令?」

 

「そっそうですよ!だって真壁特尉は90番格納庫で伊隅大尉と一緒に…………」

 

「いや。彼は突然、姿を消している。『緊急脱出(ペイルアウト)』した姿を誰にも見られずにな」

 

「そんなことどうやって?」

 

「遥の言ってることは嘘じゃない。私も突然現れた彼に助けられたから…………佐渡ヶ島で大尉を助けた機体に乗って」

 

「なんだと!?」

 

其々に欠けていたピースが繋がっていく。

 

(私を助けたあの機体も確かに突然現れそして消えた…………)

 

「……………瞬間移動ってやつ?」

 

『香月夕呼』の見出した表現に誰もが納得の表情をする。

 

「……………」

 

「どうなの真壁一騎?」

 

「俺と関わりを持った人がいる場所にある程度の距離なら出来ます。出来たり出来なかったりしますが」

 

「マジかよ…………」

 

「副司令達もそれは知らなかったのですか?」

 

「俺達は身体が『フェストゥム』と同質の身体になったとまでしか聞いてなかったんです」

 

「どういうこと?」

 

「彼の人間としての身体は無くなっていて、身体は『フェストゥム』と同じ構成をしているらしいのよ」

 

「…………じゃあ、あの瞬間移動も」

 

「恐らく『フェストゥム』の力の一種なんでしょうね。」

 

「それで涼宮。BETAを粉々にしたって言うのは?」

 

「真壁特尉が『兵士級』に手の平を広げたら、『兵士級』が金縛りを受けたんです。それで…………」

 

「それで?」

 

「その『兵士級』は【緑色の結晶】になってバラバラに崩れました」

 

「それって『同化現象』じゃないですか!?」

 

「なんだ白銀?その『同化現象』というのは?」

 

「真壁特尉が言うには『フェストゥム』が行う対話の手段だそうです。相手を自分と同一化する行為…………ですよね真壁特尉」

 

「あぁ」

 

それを聞いた3人。は絶句する。

 

「本当にそれは対話と言えるのか?」

 

「一方的過ぎよ!」

 

「……………」

 

「はいはい。別にそんなことはどうでもいいわよ」

 

「副司令?」

 

「私達、人類にとっての対話の手段が【会話】なだけで異星生命体の対話の手段が必ずしも【会話】とは限らないでしょ?」

 

「というと?」

 

「言葉を使わずにテレパシーで話そうとする研究してみたり、あらゆる言語を交えた文字での交信を試したり………対話の手段なんて他にも色々あるわ。今大切なのはそれだけ真壁一騎が【この世界】にとってイレギュラーな存在だってことよ」

 

「…………」

 

「そして、それは白銀も同じ。でもだからこそ白銀は今まで『オルタネイティブ計画』に携わることが出来たのよ」

 

「ということわ、まさか白銀も?」

 

「そう。白銀も時空を超えた存在なのよ」

 

『白銀武』に3人の視線が集まった。

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