「白銀が別の世界の人間…………」
『香月夕呼』の発言に3人は沈黙する。
「白銀が真壁一騎と違う点は、白銀が【この世界から分岐した世界】の人間って点ね」
「【分岐した世界】………ですか?」
「そうよ。真壁一騎の本来いるべき世界は恐らく、私達の知る歴史とは全く違う歴史を歩んでいるわ、ここにいる人間が存在していない可能性もある」
「…………」
「一方の白銀は、私達の知る歴史と限りなく近い歴史を歩んでいるはずよ。ある点で分岐した歴史を歩んでいる可能性はあるけど」
「というと?」
「例えば………BETAがいない世界なんて言えばイメージしやすいかしら?」
「つまりここにいる白銀は【並行同位体】であると?」
「流石は伊隅。理解が早いわね。」
「【並行同位体】?」
「【もしも○○だったら】という可能性世界。私達の知りえないでもあるかもしれない世界の人間ということだ。つまり、貴様達が想像しやすいように置き換えると、【速瀬と想い人が結ばれる世界】や【涼宮と想い人が結ばれる世界】もっと言えば【貴様達の想い人が共にいる世界】といった具合だ…………白銀はそういった【もしもの世界】の人間ということだ。」
「…………」
「なっなるほどね〜アハハハ…………」
(大尉………その例え以外に無かったんですか………)
「そう言うことですよね副司令?」
「えぇ、そうよ」
「でも、そんな人物の実在が可能なんですか?」
「普通じゃ無理でしょうね。同一人物が同じ世界に2人以上いる時、彼等は本物が自分であることを証明する為にもう一方を消すことを考えるって言うし」
「じゃあ【この世界】の白銀は既に…………」
「死んでいるわ。」
「…………」
「何故、今ここにいる白銀がこの世界で活動出来るのかはまだわからないけど仮説は一つある」
「仮説?」
「【この世界】の白銀が死亡した時は本来彼が死亡する時ではないイレギュラーだった。そのイレギュラーを補完する為にここにいる白銀が【この世界】に連れて来られた」
「…………」
「あくまで仮説よ、鵜呑みにしないで頂戴。………これが『オルタネイティブⅣ』がここまで来れた真実ってところかしらね」
「何故、我等にそれを?」
「一つは貴女達が他の人間と比べ、真壁一騎に疑念を抱かざる負えない状況になった点、二つ目にその彼に命を救われている点、三つ目は…………まだやめておきましょう。今は目の前の作戦に集中すべきね」
(夕呼先生。あくまで可能性世界の話しで留めて、俺がタイムリープしていることは伏せておくんだな…………)
「さてと、白銀。あたしを探していたって聞いたけど?」
「えっ、あっ実は………」
唐突に終わった『オルタネイティブⅣ』の裏事情の話。なんとも言えない雰囲気の中『白銀武』は『武御雷』の件を『香月夕呼』に報告した。