マブラヴ·オルタネイティヴ〜蒼穹の彼方〜   作:naomi

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FILE3  邂逅

「えっ」

 

『A-01』部隊の一員である『白銀 武(しろがね たける)』は直接『香月 夕呼』から言い渡された指示に戸惑いを隠せないでいた。

 

「なによ?簡単でしょ?対象にコンタクトを取るのよ」

 

「…………」

 

「国連宇宙総軍艦隊の衛星が捉えた生命体に接触するのよ」

 

「それはわかりますけど…………」

 

「なにが不満な訳?」

 

「BETAに蹂躙された土地…………ましてやハイヴのあった場所にBETA以外の生命体がいるなんて…………ありえるんですか?」

 

「それを調査するんじゃない。貴方にも見せたでしょ?衛生写真」

 

「確かになにか写ってましたけど」

 

「しかも人の形をした生命体よ!!調査しない訳にはいかないじゃない」

 

国連宇宙総軍艦隊より提供された画像データには佐渡ヶ島ハイヴ跡にポツンとそこにいる生命体の画像だった。

 

高揚している『香月 夕呼』に『白銀 武』は上官とはいえ彼女らしくないその姿を冷たくあしらう。

 

「この生命体が先生は『オルタネイティヴⅣ』に関係あると思ってるんですか?」

 

「…………なによ冷めるわね。関係ある訳無いでしょ?」

 

「じゃあ、この生命体との接触は無意味じゃないんですか?」

 

「あのね、突如現れた未知の機動兵器。突如消えその跡に現れた生命体…………これに因果関係が無いと思う?」

 

「あの機動兵器の手掛かりがこの生命体と?」

 

「まず間違い無いでしょうね」

 

「どうしてそう言い切れるんですか?」

 

「あの生命体はあんたと似て非なる存在よ白銀」

 

「えっ、俺と似た存在!?」

 

「あんな機動兵器。私達に創ることなんて出来る訳無いわ。ただ他の連中とは違う可能性を私達は考える事が出来る」

 

「…………俺のように違う時空の存在ってことですか?」

 

「正確には少し違うんだけどね。恐らくあの機動兵器は私達のいるどの時空にも存在しないし、逆にあの生命体のいるどの時空にも私達は存在しない」

 

「えっ、それってどういうことですか?」

 

「そうね…………別時空って言えばいいのかしら?」

 

「別時空?」

 

「恐らくあの生命体と私達は地球という揺り籠の中で全く異なる歴史を歩んでいるわ」

 

「!?そんなことありえるんですか?」

 

「あのね、他の連中からしたら貴方だって十分あり得ない存在なんだけど」

 

「それは………そうですね。」

 

「それを明確にする為のコンタクトよ。しっかり結果を出してきて頂戴。」

 

「わかりました。」

 

 

 

「ける……武!」

 

気がつくと『御剣 冥夜(みつるぎ めいや)』に声をかけられていた。

 

「どうした冥夜?」

 

「どうしたもあるか、こちらの呼び掛けにも答えないで」

 

「ワリー。考え事してた。」

 

「…………なにかあったのか?」

 

「別になんもねーよ。ほんと考え事してただけだから」

 

「そうか。聞いていたか?速瀬中尉の指示」

 

「あっ、なんか言ってたのか速瀬中尉?」

 

「まもなく佐渡ヶ島に入るから警戒を怠るなとのことだ」

 

「そうか、わかった。」

 

「白銀〜。あたしの指示を聞いてなかったのか?」

 

「いっいえ中尉!そんなことは…………」

 

「帰ったら腕立て200回!」

 

「…………了解」

 

「どんまい、白銀」

 

『彩峰 慧(あやみね けい)』は不敵な笑みを『白銀武』に向ける。

 

荒れ果てた大地に再び足を降ろす4機の94式『不知火(しらぬい)』。

 

「思ったより早く再びこの地にやってくることになったな」

 

「…………」

 

「柏木(かしわぎ)の」

 

「!?」

 

「柏木の生きた証をなにか持ち帰ることは出来ないのでしょうか?」

 

(冥夜…………)

 

「御剣、任務に集中しろ。他の2人も完全消滅を確認してるからって、気を抜くんじゃないぞ!」

 

「了解!」

 

(データリンクの情報通りなら対象は動いてない…………)

 

佐渡ヶ島ハイヴ跡に近付く4機の『不知火』

 

「ヴァルキリー2。対象を視認した。どうだ?」

 

「ヴァルキリー10。確認」

 

「ヴァルキリー11。確認」

 

「ヴァルキリー12。確認」

 

「ヴァルキリーマムよりB小隊。対象に接触せよ」

 

「ヴァルキリー2。了解」

 

「ここまで接近して微動だにしないのかよ?」

 

「本当に人の姿をしている………」

 

「でも熱探知が反応しない」

 

「何者なのよコイツ」

 

4方から完全包囲する『不知火』。対象の人型生命体は周囲の状況を気にも止めず、重金属雲晴れぬ空を見上げていた。

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