(神宮司軍曹・・・・・見ていてください。必ず俺達『桜花作戦』を成功させます。・・・・・・柏木、宗像中尉と風間少尉を軍曹と一緒に追い返して、そっちに行かないようにしてくれよ)
『白銀武』は早朝、英霊達の眠る桜の木の前に立っていた。
「白銀少尉」
桜の木を眺める『白銀武』に1人声をかける。
「・・・・・真壁特尉。どうしたんですか?」
「君を探していた」
「俺を?」
「なかなか、君と話したかったけど話す機会が無くて。香月副指令に聞いたら丁度1人でここにいるって聞いたから」
「そう・・・・なんですか」
「この木には何かあるのか?」
「・・・・・ここには俺の大切な人達・・・・いやこの戦いで日本の・・・世界の明日の為に命を捧げた人達が眠ってるんです」
「・・・・・お墓か」
「そうですね。そんな感じです」
『真壁一騎』は桜の木の前に立つと瞳を閉じた。
「真壁特尉・・・・・」
「・・・・・確かに感じる」
「そう・・・・なんですね」
(真壁さんの素性を知っててその言葉を聞くと、俺達は気持ちを落ち着かせる一種のリラクゼーションみたいな感じだけど、本当に宿ってるのかなって思っちまうよ)
「真壁特尉。特尉は【この世界】に来た時のこと覚えてます?」
「・・・・・どうしたんだい?突然」
「いや、夕呼先生とは特尉が【元の世界】に帰れる方法を探す為に協力して貰っているのに、なんにも出来てないなとふと思ったんです」
「俺のことは、この作戦が終わってからでいいよ」
「・・・・・じゃあ俺の為と思って聞かせてください」
「白銀少尉の為?」
「夕呼先生が話した通り、俺も元は【この世界】の人間じゃないんです。お互いが【この世界】に来た時の状況とか分かれば、なにか手がかりになるんじゃないかって思うんですよ」
「・・・・・・帰りたいのか?」
「・・・・・・」
「君からそんな感情は感じ取れない、むしろ【この世界】で生きていく決意を固めているように思えるんだけど」
「・・・・・俺のせいで【壊れた世界】があるんです」
「【壊れた世界】?」
「【この世界】がBETAに勝利し俺の我儘で壊れてしまったその世界を修復する原因がわかるまで【この世界】で戦い続ける。そのつもりです。でもいつかは【元の世界】に帰りたいと思います」
「・・・・・なるほどな」
「どうです?」
「そうだね。じゃあ教えてくれよ?白銀少尉が【この世界】に来た時のこと」
「まぁ、普通は言い出しっぺからですよね・・・・俺は2か月前に・・・・・」
『白銀武』は『真壁一騎』が【この世界】に来るまで起きた出来事を説明した。
「・・・・・ってまあ、こんな感じです。」
「そうか、大分苦労したんだな」
「えぇ、まぁ・・・・・真壁特尉は純夏に呼ばれたって以前言ってましたよね?」
「そうだよ」
「どうやって来たんですか?」
「俺は、仲間と旅をしていたんだ」
「旅・・・・・ですか?」
「『フェストゥム』と争う必要の無くなった世界で、俺とその仲間は新しい役割を求めて旅に出たんだ」
『真壁一騎』は自分が【この世界】に来た経緯を語った。