マブラヴ·オルタネイティヴ〜蒼穹の彼方〜   作:naomi

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FILE34 地平線を越えた世界で

「一騎!」

 

『フェストゥム』との長きに渡る戦いが終わり変わろうとする世界で、『竜宮島』から旅立った『真壁一騎』は同じ『エレメント』である『春日井甲洋(かすがい こうよう)』と共に世界を見て周っていた。

 

「間に合うか?」

 

「問題ない」

 

その時、2人はとある難民キャンプに身を寄せていた。大きな鍋に入ったルーを入念に混ぜる『真壁一騎』。

 

「甲洋。まだなの?」

 

『春日井甲洋』の前にはお腹を空かせた人々が並んでいた。

 

「もう少し待ってて」

 

「出来た」

 

「皆さん。お待たせしました」

 

あっという間に鍋は空っぽになった。

 

「『一騎カレー』はどこに行っても好評だな」

 

「その呼称やめろよ」

 

「いいじゃん。結構しっくりきてるよ、一騎」

 

「・・・・・」

 

「わかったよ、別の呼称考えとく」

 

「・・・・・甲洋!?」

 

「感じた。近いな」

 

「行こう」

 

「あぁ」

 

2人は音を消して、難民キャンプから離れる。人気の無い山奥で2機の『ファフナー』を召喚した。

 

 

 

 

「消えろ!『フェストゥム』!!」

 

「この星にお前達の居場所はもうねーんだよ」

 

『フェストゥム』の群れを囲み、掃討しようとする『新国連』の『ファフナー』部隊。

 

「お前ら、実験もあるんだ。あまりやり過ぎるなよ」

 

「了解~」

 

「・・・・隊長マズい、奴らだ」

 

「チッ!?まだ実験も始めてないってのに」

 

『フェストゥム』の群れと『新国連』の『ファフナー』部隊の間に割って入る。2機の『ファフナー』

 

「よせ、彼らに敵意は無い」

 

「【逸れモノ】達をどうしようが、お前達には関係無い」

 

「彼等は、この地で俺達と共に歩む道を選んだ。それを尊重することを『新国連』も誓ったはずだ」

 

「それは明確な敵意を持たない個体に対してだ、その意思すら示さない個体に情けをかける必要はない。我々はそこの難民キャンプを守る義務がある。『新国連』の兵士として」

 

「不必要に敵意を向けたら、今世界が進もうとしている道を再び閉ざしてしまう」

 

「全ての人間がこいつらとの共存を望んでいると思うな人外が」

 

「マズい・・・・敵意に反応し始めている」

 

「俺がやる」

 

「一騎!」

 

「2人が導き切り開いた道を閉ざす訳にはいかない。彼等が敵意を学ぶ前に対処する必要がある」

 

「わかった・・・・・」

 

濃紺の機体が『新国連』の『ファフナー』部隊の前に立つ。

 

(『 Mk.Alles(マークアレス)』。数ある『ファフナー』の中でも最高戦力とされる『ザルヴァートル・モデル』の1機。その力は『べノン』の連中すら畏怖したらしい)

 

「そこをどけ!我々が争う必要は無い」

 

「こいつらに危害を加える危険性がある以上ここはどけない」

 

「あ~鬱陶しい」

 

「おい!」

 

『新国連』の『ファフナー』が『マークアレス』に発砲する。その弾丸は『マークアレス』の腕に装備さえたブレードに真っ二つにされる。その刹那

 

「いつの間に!?」

 

真後ろに周る『マークアレス』背中のアンカーが『新国連』の『ファフナー』に突き刺さる。

 

「俺はお前だ・・・・・お前は・・・・・俺だ」

 

「なっなんだ!あっうぁぁぁぁー」

 

「おい!・・・・・結晶化しただと!?」

 

「ばっ化け物めー」

 

『マークアレス』に一方的な集中砲火が飛ぶ、華麗に躱す『マークアレス』

 

1つは腕を切り落とされ、1つはブレードから放たれたビームに貫かれ機能停止し瞬く間にアンカーに捕まり結晶化した。

 

「おのれ・・・・俺の部下達を」

 

残った1機も抵抗を試みるも両脚腕部を破壊され無力化される。『マークアレス』に捕まる『新国連』のファフナー。

 

「もうよせ」

 

「くぅぅぅぅ」

 

 

フェンリル、スタート

 

 

「・・・・・」

 

「ぐぅっ、ぐぁぁぁぁ」

 

右腕に辛うじて残っていた胴体は結晶化しバラバラになった。

 

「一騎!」

 

「!?」

 

救った『フェストゥム』の群れに目を向けると『アバドン』が敵意にさらされていた。

 

「甲洋!」

 

「俺は大丈夫だ」

 

「・・・・・こいつらを無に還す」

 

「!?」

 

「このままこいつらを放っておいたら、恐らく・・・・・」

 

「・・・・・そうだね」

 

『マークアレス』が右腕を伸ばし手を開くと『フェストゥム』の群れの動きが止まる。

 

「・・・・・還りな、お前達のいるべき無へ」

 

一瞬にして【緑色の結晶】となりバラバラに消えた『フェストゥム』の群れ

 

「ごめんな・・・・・!?」

 

『真壁一騎』の身体が発光し始めた。

 

 

 

もといた山奥で機体を収容した2人。

 

「よかった。」

 

「『マークアレス』に乗れるのは一騎だけだろうから、そこまで心配はしてないけどね…………まだその代償は続くんだね」

 

「島の加護から離れているからか、急に力を使い過ぎたからだと思う」

 

「そっか」

 

「後は、頼む」

 

「あぁ、おやすみ一騎。」

 

『春日井甲洋』が言葉をかけると『真壁一騎』の身体は光の粒子となってその場から消え去った。

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