マブラヴ·オルタネイティヴ〜蒼穹の彼方〜   作:naomi

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FILE41 読取

(まさか…………純夏がBETAとコミュニケーションを取ってるのか?)

 

『社霞』の異変にある可能性を推察する『白銀武』。

 

「存在の、証明、認識し、記録、持っている、正しい形式、照合、情報を転送………」

 

(純夏が読み取ったBETAの意志が霞を通じて声になっているのか?……………手詰りの状況だ。試す価値はある…………か)

 

「存在の証明を認識した、記録を持っている、正しい形式を照合、情報を転送…………」

 

一呼吸し気持ちを整え、『白銀武』は問いただす。

 

「お前は何者だ?」

 

「…………固有の上位存在であり…………個ではない」

 

(なにを…………言っているんだ?)

 

「存在の証明を認識した、上位の存在は記録を持っている、正しい形式を照合し情報を転送せよ」

 

(どうやら上位の存在っていうのが『あ号標的』の事らしいな)

 

「おい、お前は上位存在なのか!!」

 

「肯定する。おまえ・・・・・認識」

 

(よし!行けるぞ!!)

 

「おまえはなぜ地球を侵略するんだ!なぜ俺達と戦う!?」

 

「地球・・・・・該当ない、俺・・・・・該当ない」

 

「地球はこの惑星の事だ!なぜ人類と戦う!?」

 

「地球・・・・・認識、侵略・・・・該当ない、戦う・・・・該当ない、人類・・・・・該当ない」

 

(何だこいつ!?ふざけているのか!?)

 

「お前は地球を攻撃しに来たんだろ?!今だって俺と戦ったじゃねぇか!!」

 

「攻撃・・・・・該当ない、俺・・・・認識、戦った・・・・・暫定認識」

 

(こいつ馬鹿なんじゃねーか?!)

 

「お前がさっきから俺達にしてることが攻撃だ!俺がその前にお前にしたことも攻撃・・・・・そのふたつを合わせて戦いだよ!!」

 

「戦い・・・・・暫定認識、攻撃・・・・・該当ない、上位存在は存在に対して重大災害の防衛策を実施した、存在は存在の一部を高速で分離し上位存在の一部に接触した」

 

「上位存在も高速で接触したろ!?それが攻撃なんだよ!」

 

(早くしないとエネルギーが持ってかれる!)

 

「攻撃・・・・・認識、上位存在の攻撃は重大災害の防止に必要、戦いは重大災害の防止に必要」

 

「なにが重大災害の防止だ!侵略者め!!お前の一部を接触させるな!!!」

 

「否定する、重大災害は未然に防ぐ規定、侵略者・・・・・・該当ない」

 

「侵略者ってのはお前のことだよ!この星の俺達人類を殺しただろ!!だから存在達と戦争になったんだ!!!」

 

「殺す・・・・・該当ない、人類・・・・・認識、戦争・・・・該当ない」

 

「殺すってのは生命を奪う事だ。戦争は戦いを長い期間やる事だ!」

 

「殺す・・・・・認識、戦争・・・・認識、上位存在が地球で殺すを行った事実はない」

 

(そうだ・・・・・BETAは人類を生命体だって思ってないんだった・・・・・!!・・・・・もっと冷静になれ!リーディングは思考を読んでいるんだ・・・・嘘はつけないはずだろ!)

 

『凄乃皇·四型』の機能が徐々に停止に追い込まれて行く。

 

(質問のやり方を良く考えるんだ・・・・・!!上手くいけば・・・・何かこの状況を打開する手がかりが掴めるかも知れないんだ・・・・!とにかく、もっと単純で簡潔に質問するんだ!ひとつひとつ順番に!)

 

「・・・・・お前は何の目的で地球に来た?」

 

「上位存在の目的は資源の回収」

 

「資源を回収してどうする?」

 

「上位存在を送り出した惑星に送る」

 

(それが不定期に打ち上げられているものの正体なのか?)

 

「目的はそれだけか?」

 

「肯定する」

 

(資源目的の侵略なんて・・・・・恒星間遠征をしてまでやる価値があるのか?)

 

「目的遂行に邪魔だから人類を攻撃するのか?!」

 

「否定する」

 

「じゃあお前が人類を攻撃する理由は何だ?!」

 

「上位存在及び存在に危機をもたらす重大災害への対処」

 

(あくまでソレかよ・・・・・夕呼先生の例えが現実味を帯びてきたぜ・・・・・)

 

「じゃあ・・・・お前は人類をなんだと認識してるんだ?!」

 

「上位存在と同等の被創造物であり、再利用すべき資源」

 

(BETAと人類が・・・・・同じ?じゃあBETAは自分達も生命体だって認識してないって事かよ!?しかも被創造物って・・・・BETAのくせに妙に宗教的なニュアンスだな?!)

 

「被創造物ってなんだ?」

 

「他星系からの資源回収を目的に設計された存在の一部」

 

(存在の一部・・・・・?火星や月にもBETAはいる。でもその戦力の総数は誰も知らないよな)

 

「お前以外にその存在はどの位いる?」

 

「計算上では10の37乗」

 

(10の37乗!?この宇宙にオリジナルハイヴがそんなに!?しかも・・・・今も増え続けてるんだろ!?・・・・・たった1つのオリジナルハイヴに全人類がこれだけの犠牲を払っているのに・・・・・10の37乗って・・・・・!?)

 

「お前達は誰に作られたんだ?!」

 

「創造主」

 

「創造主って・・・・・何だよ?!」

 

「生命体」

 

「!?お前は・・・・・生命体じゃないのか?!」

 

「肯定する。上位存在は生命体ではない」

 

(やっぱりそうなのか!?BETAは資源を採掘するだけの『機械』だって事なのか?!)

 

「じゃあ…………お前達が認識している生命体って何なんだ?!」

 

「珪素を基質とし、自己形成、自己増殖する散逸構造」

 

(珪素って………シリコンの事か!?そんなものから生命体が生まれるのかよ!?異星起源ってだけでも異質なのに、基質から違うんじゃ………概念や思考は………そうだ!こいつらに人類が生命体だって理解させることが出来れば、地球や月、火星のBETAとこれ以上戦わなくて済むんじゃないか!?)

 

「お前達が生命体じゃないことは理解した。」

 

「肯定する」

 

「だけど、俺達人類は知的生命体なんだ!」

 

「否定する、炭素を基質とした生命体は宇宙に存在し得ない、炭素は安易に化合し変化する、知的生命体まで進化する事はあり得ない」

 

「地球ではそういう生命体が生まれたんだよ!!お前達の言い方で言うなら、炭素を基質とした自己形成、自己増殖する散逸構造なんだ!」

 

「否定する、人類は異星起源の被創造物と推定、最大根拠、上位存在の目的遂行は生命体が存在しない惑星に限定」

 

「えっ………」

 

「上位存在は創造主の絶対則に違反不可能、従って上位存在が活動可能な地球に生命体は存在しない」

 

「お前ら人類を調べたんだろ!?」

 

「肯定する、調査は現在も継続中」

 

「多くの生命を奪っておいて、それでもわからないのかよ!?」

 

「否定する、人類が生命体である証拠は存在しない、従って【命を奪う】という表現は不適切」

 

「ふざけるな、人類はお前達のような作り物じゃない!」

 

「上位存在は俺に問う」

 

(BETAが質問だと?!)

 

「人類が自然発生した生命体であるという根拠の提示を求む」

 

「なんだと・・・・・?!」

 

「根拠の提示を求む」

 

「・・・・・・」

 

「根拠の提示が無い以上人類が生命体であるという認識は否定」

 

「・・・・・クソッ」

 

「他の俺に問う」

 

(他の俺・・・・・誰のことだ?)

 

「ぐぁぁぁぁぁ」

 

「冥夜!?」

 

「なに!?なんなのこの感じ!?」

 

「委員長!?」

 

「うわぁぁぁぁ」

 

(なんだ!?何が起きている!?)

 

『凄乃皇·四型』の脱出艇の中で行く末を見守っていた皆の悲鳴が響き渡る。

 

「白・・・・・銀」

 

「大尉!?なにが起きてるんですか?!」

 

「それは・・・・・こちらの・・・・・セリフだ・・・・・なに・・・・・が起き・・・・て・・・・・いる」

 

「純夏がBETAとコンタクトを取って、霞を通してBETAとやり取りをしていたんです!そしたら【他の俺】に聞くとか訳のわからないことを言い出して…………」

 

「今すぐ………『A-04』に接触している………触手を切断しろ…………ぐっぐぁぁぁぁ」

 

「大尉!どうしたんですか?!大尉!!」

 

(脱出艇でなにが…………!?)

 

「なっなんだよ…………なんだよこれは!?」

 

脱出艇内には無数の触手が張り巡らされ『伊隅ヴァルキリーズ』の面々に取り憑いていた。

 

「てめぇー!なにしてやがる!?」

 

「人類が自然発生した生命体であるという根拠の提示を他の俺に求めている」

 

「なっ!?今みたいに霞を通して聞けばいいだろうが!?」

 

「このように接触出来るのは俺に対してだけ、よって上位存在が取りゆる最良の方法で問うている」

 

(俺が答えられなかったからなのか?!………)

 

「やめろ!!苦しんでるだろ!?この状態じゃあお前の求めている問いは得られなねーよ!!」

 

「否定する、上位存在が接触することで最短で最適な問いを求めることが出来る」

 

(埒が開かない。なんとかして『凄乃皇·四型』に取り憑いた触手を切り離さいと!)

 

「……………クソッ!どうすればいいんだ!?」

 

あらゆる手を尽くしても、『凄乃皇·四型』が制御を受け付けないことに焦る『白銀武』。

 

(既に動かすだけのエネルギーすら残ってない。このままじゃ………全滅だ)

 

思考を張り巡らそうにも、皆の悲鳴がそれを妨げる。

 

(俺にはもう打つ手はないのか…………)

 

 

諦めるな

 

 

(なんだ、今の声は…………真壁さん!?)

 

『真壁一騎』がいつの間にか『凄乃皇·四型』の外に出ていた。

 

「真壁さん!なにやってるんですか!?」

 

「俺が時間を稼ぐ。その隙に脱出しろ」

 

『真壁一騎』の足元に見た事の無い独特のフィールドが現れる。その足元からあの機体が出現する。

 

「マーク…………アレス!?」

 

(あの機体を真壁さんは自由に出現させることが出来るのか)

 

『真壁一騎』が消えると『 Mk.Alles(マークアレス)』の青い目元が発光する。

 

「…………!?白銀…………さん」

 

「霞!?大丈夫か?!」

 

「『あ号標的』のリーディングが突如途切れました」

 

「どういうことだ…………!?」

 

『凄乃皇·四型』に取り憑いていた触手が離れそれは『 Mk.Alles(マークアレス)』へ取り付こうとする

 

「真壁さん!?」

 

『 Mk.Alles(マークアレス)』の右腕のブレードから放たれた光線がその触手を粉々にした。

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