「本日付けで国連『G元素』研究機関『Alvis』に出向しました。日本帝国斯衛軍装備実験部隊『白き牙(White Fangs)中隊』所属、篁唯依大尉です。」
『Alvis』に出向した『篁唯依』は早速『Alvis』の責任者『香月夕呼』と面会した。
「へぇ〜貴女が。『Alvis』責任者の『香月夕呼』よ。よろしくね」
「よろしくお願い致します。香月殿」
「いいわよ何かしらの肩書をつけようとしなくて、そういう堅苦しいの嫌いだから」
「…………善処します」
「まぁいいわ。『XFJ計画』で培ったノウハウに期待してるから」
「ハッ!期待に応えられるよう全力を尽くします。」
「その制服は懐かしい?」
「えっ、まぁ、そうですね」
「ここにいる連中も割と緩めだから、まぁリラックスして任務に臨んで頂戴」
「了解しました」
「まずは一通り施設内を案内するから、その後貴女にお願いしたい内容を伝えるわ。…………鎧衣、珠瀬」
数十秒後、2人の女性が施設内の案内役として執務室に到着した。
「国連『G元素』研究機関『Alvis』所属の珠瀬壬姫少尉です。」
「同じく鎧衣美琴少尉です。」
「御二人は軍人なのですか?」
「ここにいるスタッフは全員私が以前進めた計画の関係者だからね。殆が元横浜基地所属の軍人よ」
「そうでしたか。日本帝国斯衛軍装備実験部隊『白き牙(White Fangs)中隊』所属、篁唯依大尉です。よろしくお願い致します。」
「じゃあ鎧衣、珠瀬。案内頼むわよ」
「了解!」
施設内を見て回る3人。暫くすると、とある場所で訓練をする戦術機郡を見つけた。
(UNカラーの『94式戦術歩行戦闘機 (TSF-TYPE94):不知火』………もしやここの人員は横浜基地にあったとされる『オルタネイティブⅣ』の特殊部隊のメンバーか?!)
「どうしました?篁大尉。」
「いや、申し訳ない。少々あの訓練が気になってな」
「あ~あの実機訓練ですか?確か試作中の新型動力源を試してるっていってました。」
「そうなのか・・・・・」
(新型の動力源・・・・・【戦術機での『G元素』運用】・・・・・まさか動力源として『G元素』を!?)
「確か、武の機体がその動力源を搭載した『不知火』なんだよね?」
「そうですね。伊隅大尉、速瀬中尉、榊少尉のチームと白銀少尉、御剣少尉、彩峰少尉のチームで演習中です。」
「訓練終了。各機所定の位置に戻ってください」
『涼宮遥』の一声で演習が終わる。
「丁度。演習も終わったみたいです」
「篁大尉。宜しければそのまま挨拶されますか?」
「そうですね。是非」
「いや~凄いわあの動力源・・・・白銀と組ませたら敵なしでデーターと取りようがないんじゃありませんか?」
両手を頭に『速瀬水月』は嬉しそうに感想を述べる。
「うむ。『XM3』搭載機を優に超えるのは魅力的だが、機体が付いていけて無いように感じるな。どうなんだ白銀?」
『伊隅みちる』は顎に右手を添えて感じた疑問を搭乗衛士に尋ねる。
「そうですね。『不知火』自体の性能が飛躍的に上がったとは思えませんね。むしろ息苦しいです」
「息苦しい?どういう意味だ?」
「なんというか・・・・・起動した時点で機体が余剰エネルギーを放出しようとするっていいますか、よりピーキーになった感じです。」
「それで、演習の始めそなたらしく無い挙動だったわけか」
「・・・・・機体にかなり振り回されてた。」
「暴走気味の『不知火』を白銀が抑え込んでた印象でしたね」
『白銀武』の僚機として参加していた『御剣冥夜』と『彩峰慧』、敵機として見ていた『榊千鶴』も感想を述べる。
「成程な・・・・・元々『不知火』は極めて困難な要求仕様を実現するため、量産機としては異例なほど突き詰めた設計がなされており、通常は考慮される発展性のための構造的余裕についても極限までそぎ落とされている。だから『不知火』をベースに改良を加えようにも、それ以上の発展を見込めないというわけか・・・・・」
「無理言って御剣に『武御雷』を要請して貰いますか?」
「馬鹿言え、『桜花作戦』で我々は作戦を成功させたとはいえ、帝国から預かった『武御雷』を全機失っているんだ。再びそんな要望をしたところで門前払いが関の山だ。」
「伊隅大尉~」
「うん?鎧衣、珠瀬。そちらの方は?」
「以前お話に上がった斯衛軍の技術士官の方です」
「日本帝国斯衛軍装備実験部隊『白き牙(White Fangs)中隊』所属、篁唯依大尉です。」
全員が『篁唯依』に対し敬礼をする。
「これは、篁大尉。遠路遥々ありがとうございます。国連『G元素』研究機関『Alvis』直属警備部隊『A-01』部隊長。伊隅みちる大尉です。これからよろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「どうです?御覧になられた感想は?」
「えっ」
「先程の演習、御覧になられたのでは?」
「そうですね・・・・・皆さんの私見の通り。異常な機動力を魅せていた『TSF-TYPE94』はオーバーロード寸前。いつ機体が自爆してもおかしくないと思われます」
「よかったわね~白銀。自爆しなくて」
「笑い事じゃありませんよ!速瀬中尉!!」
「しかも、現存する機体で同じ試みをすれば起動直後にオーバーロードによる自爆は必然と言えます。先程お話にも上がった『TSF-TYPE00』もやってみる価値はありますが、あの機体は『TSF-TYPE94』より更に突き詰めています故結果は同じだと推測します」
「やはりそうですか・・・・・ご意見ありがとう御座います」
「いえ、初見で見た感想を述べたまでですので」
「そう謙遜されずに、『XFJ計画』で培われた技能。期待しております」
「八ッ!全力を尽くします」
「『A-01』部隊はブリーフィングルームでのミーティングを30分後に、篁大尉は香月博士がお呼びです。執務室までいらしてください」
『涼宮遥』のアナウンスが響き渡る。
「では、私はこれで」
「これからよろしくお願い致します」
『伊隅みちる』と握手を交わした『篁唯依』は急ぎ『香月夕呼』の執務室に足を運んだ。