「ここは?」
「今から対面してもらう装置の部屋よ。その装置を私達は『00ユニット』と呼んでるわ」
『真壁一騎』は装置に対して【対面】という表現を使う『香月 夕呼』の意図がわからなかったが、すぐに理解することとなった。
部屋にはツインテールの少女と椅子に座り眠る少女。扉の開いた音に反応しツインテールの少女が振り向く。
「よう霞(かすみ)!。純夏の調子どうだ?」
『白銀武』は気分を紛らわそうと真っ先に声をかける。
「副指令に白銀さん・・・・・それに・・・・・!?」
ツインテールの少女は『香月 夕呼』の顔を見る。『香月 夕呼』は首を縦に振るとツインテールの少女は目を閉じた。
「彼女は社 霞(やしろ かすみ)。彼女も『オルタネイティヴIV』の関係者で役割は主に・・・・『00ユニット』の世話がかりってところかしら」
目を瞑っていた『社 霞(やしろ かすみ)』が目を開ける。
「目覚めます。」
『社 霞(やしろ かすみ)』がつぶやくと、椅子で眠っていた少女が目を覚ました。
「純夏!!」
『白銀武』はすぐに少女の前で屈む。
「たける・・・・ちゃん?ここは?」
「いつもの部屋だ。俺がわかるか純夏?」
「うん。わかるよ。たけるちゃんがここにいることわかるよ」
「純夏!」
力強く抱きしめる『白銀武』。
「痛いよ、たけるちゃん」
「ごっ、ごめん」
「香月さん。この方が?」
「そうよ。これが『00ユニット』名称『鑑 純夏(かがみ すみか)』。」
「人の形をした装置ということですか?」
「人間だった頃の姿を精密に再現した肉体と並列化された量子電導脳を持つ00ユニット(生体反応ゼロ、生物学的根拠ゼロの非炭素系疑似生体ユニット)。それが彼女なの。」
「君が俺を?」
「やっぱり」
「間違いなくこの娘の声でした」
「えっ、純夏が真壁さんを?」
「そうなると貴方がこの世界に紛れ込んでしまった原因は『オルタネイティヴIV』と関係がありそうね」
「貴方来てくれたんだ」
『鑑 純夏』が『真壁一騎』に気が付き声をかける。
「あぁ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ありがとう」
「純夏!?」
「大丈夫。眠っただけだ」
「!?」
「貴方もしかして。社」
「はい。真壁一騎さんは『リーディング』と『プロジェクション』が出来ます」
「まじかよ・・・・・」
「?」
「あんた純夏と言葉を交わさずにやり取り出来るのか?」
「あぁ。『フェストゥム』は『読心能力』って人の心を読むことが出来たんだ。『エレメント』になって完全ではないけど身に付いたんだと思う。」
(人の心を読む・・・・・戦争初期の人類側は相当悲惨な結果だったんでしょうね)
「じゃあ!BETAの思考とかもわかったんじゃ・・・・・」
「それはわからなかった。」
「えっ」
「俺の力不足かもしれないが、あの群れには【意思】を感じなかった」
「【意思】が無い?」
「えぇ」
「そうなの・・・・・・まあいいわ。ますます貴方を手放すのは惜しいわね。真壁一騎、改めて『オルタネイティヴIV』に協力して頂戴」
「・・・・・・」
「『オルタネイティヴIV』に協力することで貴方が【もといた世界】に帰る手がかりをつかめるかもしれないし、協力してくれるなら全面的にバックアップ・・・・支援することを約束するわ」
「それは助かります。俺はまだやり残したことがあるので」
(やり残したこと?)
「よろしくお願いします香月さん」
「交渉成立。よろしく真壁一騎」
手を酌み交わす両者。こうして『オルタネイティヴIV』に新たな仲間が加わった。