「さっきは助かったよ、ありがとう」
楽園からの脱出のついでに横浜基地を案内する『白銀武』。
「いや〜俺としても男1人肩身の狭い思いしてたんで、助かりますよ真壁特尉」
「無理して階級呼びしなくていいよ、俺も呼び慣れてなくてなんかムズ痒いから」
「そうですか、でもきっと真壁さんって固くなりますよ?」
「君がそれで呼びやすいならそれでいいよ白銀くん」
「あの〜聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「『ファフナー』…………どこに行ったんですか?」
「……………」
「多分。佐渡ヶ島ハイヴを破壊したあの機動兵器が『ファフナー』なんですよね?あの機体突然姿を消して消息経ちっぱなしなんですよ」
「……………」
「どこやったんですか?」
「直にわかるさ」
「……………」
「ダメかな?」
「なにかマズいんですか?」
「まだこの世界が『ファフナー』を受け入れたとは思わない。だからその時まで『ファフナー』は使わない」
(まだってことはどこかに隠しているのは間違いなさそうだな)
「ってことでダメかな?」
「いえ、その意見には同意します」
(そもそも箝口令が敷かれてて『ファフナー』の存在自体ごく一部の人間しか把握してないし、知ってる人の大半も存在自体に懐疑的だ。下手に姿を見せるのは危険なのは間違い無い)
「悪いな、隠し事ばかりで」
「いや、この世界で隠し事なんてありふれてますから、実際先程の『A-01』部隊で『鑑 純夏(かがみ すみか)』の存在を知るのはあの部屋にいた人間と基地司令と・・・・伊隅大尉もさっきの作戦で知ったのかな?ってくらい秘匿されてますから」
「あの娘は君の恋人なのか?」
「・・・・・まさか相手は機械ですよ、そんな訳」
「モデルになった女の子が君の恋人なんじゃないか?」
「・・・・・。」
「・・・・・ごめん。踏み込み過ぎた」
「いえ、気にしないでください。そうです俺のこの世で一番大切な存在です。」
「そうか。悪い変なこと聞いて。・・・・・・凄いな君は」
「えっ?」
「ところで明日の演習ってのは俺どうすればいいんだ?」
「どうするって『ファフナー』でって・・・・・あっ!そうか」
(夕呼先生はここで『ファフナー』の存在を公にするつもりなのか?でもそんなことしたら真壁さんの懸念通りの状況に、今はまだその時じゃないのか?)
「真壁さん、格納庫行きませんか?」
「?」
「俺の使っていた戦術機使ってください」
「いいのかい?」
「訓練兵時代の機体なので今欠番なんですよ」
「そうか・・・・なら案内してもらおうかな」
「はい」
(うん?武と真壁特尉・・・・特殊任務のはずではなかったのか?)
シュミレーター訓練を終えた『御剣冥夜』は戦術機の格納庫で話し合う『白銀武』と『真壁一騎』を目撃した。
「どうしたの御剣?」
「榊、いやあそこで武達が話しているのが気になってな」
「あ~本当だ武さんと真壁特尉だ」
「彼等は特殊任務中なんでしょ?こんなところに・・・・・」
「珠瀬も目撃しておるから、違いないとは思うのだが」
「あ~本当だ~武~真壁特尉~なにしてるの~」
『鎧衣 美琴(よろい みこと)』が一目散に駆け寄る。
「ちょっと鎧衣!もう」
「向こうにバレた。これは行くしかない」
「おい彩峰!」
「行っちゃいましたね2人とも」
「折角のタイミングだ。真壁特尉に挨拶しようではないか」
「そうですね~」
「ハァ」
「なんだ美琴!彩峰!!どうしたんだよ?」
「それはこっちのセリフだよ~なにやってんのさ」
「・・・・・どうして『吹雪』の前で?」
「んぁ。明日の演習さ真壁特尉が乗る戦術機ないだろ?なら俺達が『不知火』から乗り換えて余った『吹雪』なら丁度いいんじゃないかと思ってよ。案内してたんだよ」
「それ隊長や副司令の許可取ったの?」
「委員長!・・・・まだだ」
「良い案だとは思うが、順序を守らねばな武」
「・・・・・面目無い」
「・・・・・・」
「あっすみません特尉。こいつらも『A-01』部隊の一員で、眼鏡かけてるのが『榊 千鶴(さかき ちずる)』少尉。後ろに髪を束ねているのが『御剣冥夜(みつるぎ めいや)』少尉。小さいのが『珠瀬 壬姫(たませ みき)』少尉。このボーイッシュなのが『鎧衣 美琴(よろい みこと)』少尉。そしてこの不思議系の女が『彩峰 慧(あやみね けい)』少尉です。こいつら俺の同期なんです」
「ちょっと白銀!なにその簡単な紹介は」
「うむ。もう少し丁寧に人は紹介すべきであるな」
「小さいって武さん酷いです~みき気にしてるのに~」
「ボーイッシュって何?武」
「・・・・・不思議系の称号はあんたに譲るよ白銀」
「だ~うるせーこう見えて特殊任務中だっての」
「同期か・・・・・いいな」
「特尉?」
「真壁一騎です。皆よろしくな」
「敬礼!」
『榊千鶴』の号令と共に敬礼を返す一同。『真壁一騎』は戸惑いながらも敬礼を返し一同と交流したあと、再び『吹雪』と向き合うことにした。