FILE9 歓迎会
翌日。予定通り『真壁一騎歓迎会』が行われた。が一同はまたしても穏やかではなかった。
「真壁特尉と私達による変則トライアル演習!?」
それは昨夜の話。詳細を纏めたとのことで『香月夕呼』は『A-01』部隊の面々を集めた。
「はい。白銀少尉を除く『A-01』中隊と真壁特尉及び白銀少尉による分隊による実戦演習です。」
一同の反応を余所に『イリーナ・ピアティフ』中尉は淡々と説明を続ける。
「搭乗機体は普段皆さんが使用する『不知火』です。なお乗機を先の『甲21号作戦』で失った真壁特尉は白銀少尉の提案を採用し白銀少尉が搭乗していた『吹雪』に搭乗します」
「!?」
「装備は対演習用装備を使用。中隊及び分隊どちらかの全滅が演習終了の条件です。開始時刻は12:00から最長で3時間を想定しています。時間を迎えた場合は状況を総合的に精査し判定します。」
「真壁特尉は『吹雪』で大丈夫なのですか?」
「ギリギリまで調整をしていただいてます。本人も問題無いと言っているので無用な心配です」
「とことん舐めてくれるわねあの男」
「流石に私も納得いきません!こんなハンデを貰った演習」
「速瀬!涼宮!!口を慎め」
「彼、元『軌道降下兵団(オービットダイバー)』だからですか?だとしても大した自信ですね」
「宗像、貴様まで熱くなるな」
「でも随伴機が白銀少尉なら、案外面白い演習になるんじゃありませんか?」
「祷子?」
「だって先の戦いの白銀少尉の奮戦ぶりは凄まじかったではありませんか。もしかしたら小隊単位でならやられるかもしれませんよ?」
「なるほど・・・・・白銀少尉が保険とというわけか」
『宗像美冴』と『風間祷子』に視線を向けられ照れる『白銀武』。
「自惚れんじゃないわよ白銀!ボコボコにしてやるんだから」
「ちょっと速瀬中尉!それはあんまりですよ」
「はいはい、熱くなるのはわかるけどこれは真壁特尉に対するテストなのよ」
椅子で足を組み黙って聞いていた『香月夕呼』が立ち上がる。
「テスト?」
「この危機的状況だとしても瞬殺されてしまうようなら彼はもうこの部隊の居場所はないわ」
「!?」
「名声だけの素人なんてこの部隊に必要ないからね、それこそ風間の言う通り小隊規模くらいは倒してくれないと『軌道降下兵団(オービットダイバー)』の名が廃るってもんよ」
「・・・・・」
「それくらいのつもりでやっちゃいなさい」
乙女達を見る2人の目が鋭く変化する
「それと白銀と組ませたのは、特殊任務の関係上連携を少しでも高めて欲しいからよ」
「ということは、もし特殊任務と関係なかったら」
「えぇ、あんた達VS真壁特尉になってたわ」
「・・・・・」
「ということで『A-01』の底力見せてやんなさいよ~」
「了解!」
(皆凄まじい気迫だったな。少しでも気を緩めるとすぐにやられるだろうな)
「b-2悪いな巻き込んで」
「いえ、大丈夫ですよ。どうです機体は?」
「昨日のサポートのおかげかな、思ったよりしっくりきてるよ」
「それはよかったです。」
「背中は任せた」
「!?了解」
「これより演習名『真壁一騎歓迎会』を開始します」
『イリーナ・ピアティフ』中尉の号令のもと、各機が散開した。