サボりすぎた落第騎士の英雄譚~リメイク~   作:舞耶

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落第騎士と天才騎士Ⅱ

その日、破軍学園に激震が走った。

 

オルフェン・イグニール、ステラ・ヴァーミリオンに不貞行動!?

第三演習場で決闘騒ぎに!

 

学園に残っていた在校生の一人がどこからか聞きだしてきたのだろう。その噂が学園中に響き渡るのにそう時間はかからなかった。「あいつまたなんかやらかしたらしいぞ」「今度こそ死ぬんじゃねーの?」と様々なことを言われているところを見ると学園での彼の扱いがよくわかるわね、とステラは思った。

 

第三演習場にはすでに何人もの学生騎士がこの勝敗を見物しに来ていた。

この学園一の変人と名高い男と、この学園で今最も注目されている騎士の激突は、否応なしに注目の的にされる。

それは、両者には共通点が存在しているからだ。

 

―――――――Aランク(規格外) それこそが彼と彼女を結ぶ共通点の名前だった。

 

この域に達している学生自体、この国にはそう多く()()()()。だが数多いる伐刀者の頂点に数えられるに値する魔力量は珍しいものだ。それが自分たちの前で激突するとなってはその他の学生は興味が尽きない事だろう。

 

『でもさぁ、相手はあの「紅蓮の皇女」だぜ?さすがのあの変態でも無理だろ?』

 

『だよなぁ。確か魔力量が平均の三十倍って話なんだろ?才能の壁は高いよなぁ。』

 

『それでいて、あの美貌。ほんっと神様って残酷だよね。』

 

『俺たちじゃ、どんなに努力しても届かないってわかっちまうんから嫌になるぜ。』

 

向かう途中、様々な言葉がステラに向けて言葉をかけられる。実際には陰で聴かれないようにと思っているようだがステラの耳にはしっかりと届いていた。思わず周りの生徒たちに憤りを感じてしまうのは彼女自身がその言葉のほとんどが事実じゃないという事を知っている。

 

誰もが彼女の事を才能の塊、天才と持て囃す。ステラはそんなことを言う周りが嫌いだった。

何もかも「才能」のたった一言で済まされてしまい、自身の評価なんてものは一切ない。

 

ステラ自身、最初からこの溢れる出る力を十全に使えているわけではなかった。小さい頃は使いこなすことは疎か固有霊装を発現させるだけで全身を炎に包むこともあった。だがヴァーミリオンはどちらかと言われれば小国というものに位置する。

 

果ての第二次世界大戦の際、周りを海に囲まれた島国でもあるこの日本という小国が戦勝国としてその名前を世界に刻めたのは大英雄と呼ばれている伐刀者「サムライ・リョーマ」の戦果が大きいと言える。それはつまり大国と渡り合うには強力な魔導騎士という存在が必要不可欠というのを証明したのだ。

 

―――――――だからこそ、成らなければならない。

祖国を護り、敵国には一切の容赦なく燃やし尽くす。そんな伐刀者に。

 

だからこそ努力してきた。才能なんてものには縋らない。

その才能を使いつぶす勢いで周りの反対を押し切ってでも強くなろうと修行を重ねた。正解なんてわからない。そんなものあるのかどうかもわからない。我武者羅に走るしかない。

 

そんな暗闇をただただ彷徨い続けるステラの目の前に現れたのが・・・・・。

 

 

 

――――――――――――オルフェン・イグニールだった。

 


 

 

「全く、貴様のその身勝手さにはほとほと呆れ果てるぞ。イグニール。」

 

第三演習場の、これからステラと剣を交えようとしているその場所でタブレット端末を操作しながら、黒乃はオルフェンに対してそうボヤいた。そういえば最近煙草を吸う本数が増えていたがまさか原因はボク・・・・・?と考えてしまい少し申し訳なくなるオルフェン。

 

「あはは・・・・・いつもごめんね黒乃さん。」

 

「・・・・・年上には敬語を使えと何度言えばわかるんだ、全く。」

 

「いやぁ、ボクあんまり敬語って得意じゃなくて・・・・・それよりこれはまた凄いことになったよねぇ。」

 

辺りを見渡せば何人かの生徒が今か今かと試合の開始を待ち望んでいる。中身を見ず外見だけを見てしまえば世界でも珍しいAランク騎士の激突だ。自分事じゃなければ確かにお祭り騒ぎで両手にポップコーンとコーラを持参して見学してみたいものなのは確かなんだが・・・・・。

 

「(自分から誘ったとはいえ、しょーじきあんまり乗り気じゃないんだよなぁ。)」

 

伐刀者は例外なくどこか血の気の多い者たちが多い。一輝やステラもその気質はあるのだが彼にはその性質が極端に小さい。戦う事を好まず、のんびりと女の子と絡んで過ごしたい。それがオルフェン・イグニールという男の人間性なのだ。

 

だが、今回の件はさすがにオルフェンの心にも響いた。子供のころから知っている彼女の泣き顔はどうにも強く出れない。そんなこんなもあってか憂さ晴らしの意味も込めてこの試合を吹っ掛けた。

 

「――――――――あの日の約束、どれだけできるようになったのか。」

 

「ん、何か言ったか?イグニール。」

 

「んにゃ、なんも。

それより、黒乃さんそろそろ準備はいいよ。どうせ壊れちゃうし適度な感じで。足りないところはボクが補強させておくから。」

 

だから早く、降りた方がいいよ。と入場口の一つに視線を向けながらそう口にする。先ほどから燃えるような殺気がそちらの方からひしひしと感じていた。会場が弛緩し始めている。

周りの生徒の浮かれていた空気が引き締まる音を文字通り()()()()

 

「うん、いい緊張感だ。コンディションは良さそうだね。ステラちゃん」

 

「そういうオルさんこそ、斬られる覚悟。決めてきたんでしょうね?」

 

お互いに軽口を叩きつつも、その気配には一切の隙はない。既に二人とも臨戦態勢は整っているようだ。開始線の位置に立ち黒乃に目配せをするオルフェン。準備はまだ終わってないのだが・・・と不満を思案するが、今更どんなことを言っても二人は、特にステラは止まらないだろう。

 

「はぁ、ではこれより模擬戦を開始する。各自、幻想形態で固有霊装を展開しろ。」

 

その瞬間に魔力が迸る。一方は赤色に。そしてもう一方は漆黒に。

魔力は徐々に揺らめくものから硬く硬質的なものに織りなっていく。さまざまなものが存在する物の中で彼らの魂の形が、魔力を扱う杖となって顕現される。

 

(かしず)きなさい、《妃竜の罪剣(レーヴァテイン)》」

 

()せろ、《残夢(ざんむ)》」

 

固有霊装には人間に対して物理的なダメージを与えず、体力を直接削り取り、致命傷を受けた場合は意識をブラックアウトさせる「幻想形態」というものが存在している。その性質上模擬戦などで広く使われるこの形態だが、今回もこれを使って試合が行われる。

 

「よし、それでは・・・試合開始だ(LET's GO AHEAD)!」

 

こうしてAランク同士の斬り合いが始まった。

その瞬間のことだった。刀を握ったオルフェンの姿が一瞬でその場から消え、ステラの背後に回った。

 

 


 

 

「「「「「・・・・・はっ??????」」」」」

 

突如消えた、いや正確に言えばステラの背後に回ったオルフェンに対して、観客の声が重なった。開幕と同時に数メートルも離れてる場所からほんの数瞬で移動した?何らかの伐刀絶技であることは確かだが、その速度があまりにも早すぎる。

背後から振り下ろされる凶刃。それをステラは読んでいたかのように大剣を背後に流し、オルフェンの刀を受け流す。そのまま地に流れていく刀は流れに任せて訓練場のフィールドに突き刺さる

 

――――――はずだった。

 

「よっと!」

 

オルフェンは刀をそのままにフィールドを斬り、止まることはなく体を捻ることで姿勢を低く保ちバックステップで距離を取った。

 

「おっとっと、危ない危ない・・・・・

にしても初撃で決めるつもりだったんだけどなぁ。腕を上げたねステラちゃん」

 

「はっ!冗談!こんなのオルさんと手合わせしたことのある人だったら誰だって知ってる常套手段じゃない!現状オルさんにしか出来ない魔力での()()歩法。・・・確か「瞬歩」って言ったかしら?」

 

「よく覚えてたね。やっぱりあんまり使いすぎるのも良くないなぁ・・・・・。」

 

《瞬歩》

足元に魔力を集中させて残像が残るほどの速度で移動するオルフェンの伐刀絶技。原理自体は簡単な技だ。それを使えるのが現状オルフェンしかいないというだけでこの技の習得難度がよくわかる。

 

「(でも、さすがに早いわね・・・・・。知らなかったらオルさんの言う通り一撃で終わってた)」

 

ステラも先ほどの初撃は過去のオルフェンがそういう手段を取っていたという朧げな記憶を元に編み出された確信のない予測だった。彼は人を傷つけることを何よりも嫌う。魔導騎士として破格といってもいい魔力量を誇る彼が連盟での任務を一切受けてないことがそれを物語っている。

 

「(オルさんが真面目にやり始める前に、一気に片を付ける!)」

 

妃竜の罪剣の炎を放ち、そこで生まれた推進力で一気に加速、前方に薙ぎ払いつつ「妃竜の息吹(ドラゴンブレス)」を放つ。

ステラの炎「妃竜の息吹(ドラゴンブレス)」の温度は摂氏三千度までに上りまともに受けてしまえば間違いなく無事には済まない火力を誇る文字通りの破壊の権化。

それが伐刀者平均の三十倍の魔力量が合わさることでその破壊はさらに広がっていく。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

舞い上がる爆炎が刀を悠然と構えていたオルフェンを包み、その姿は目視できなくする。

そこへさらに追い打ちを掛けるかのように二度、三度と炎弾が放ち爆炎を更に広げていく。先手を取られた失態を取り戻す勢いで繰り出された攻撃は苛烈を極めた。

 

『お、おいおいっ!?なんだよこれっ!』

 

『イグニールの奴、死んでねぇだろうな!?』

 

『化け物かよっ、紅蓮の皇女!』

 

ステラが放った爆炎はその衝撃を観客席にまで届かせ、周囲の生徒から悲鳴にも似た声が響かせる。実際に食らっているのは自分ではなく、あそこにいた男だとはいえその光景を見ている視覚に届く光景は、「見ている自分も焼かれている」と思わせるほどの鬼気迫りさ。

 

もう勝負は決まった。この勝負を見ているほとんどの人間がそう感じただろう。

 

だが、この紅蓮の光景を作り出した張本人でもあるステラだけは、苦虫を嚙み潰したような表情に移り変わる。

 

「・・・・・こんのっ、ほんとうにメチャクチャよね、オルさんって。」

 

爆炎が煙に変わり、内側からオルフェンが固有霊装を一振りし煙を晴らした。その姿は先ほどとそこまで変わらず、煙で服が若干汚れた程度に留まっている。

――――――――――――――魔力防御のみで防がれた。

 

その事実がステラの背に重く圧し掛かる。それなりに経験も積んできた。炎の火力も前にオルフェンと剣を交えてもらったときよりもはるかに上がった。それなのに、ここまで通用しないものなのか・・・・・っ!

 

「いやぁ、これでも結構危なかったんだよ?魔力防御に何割か裂かれたのは久しぶりだったよ。」

 

「普通にやってたら、魔力防御で耐えれるものじゃないん・・・ですけどねっ!」

 

足裏に魔力を回し、爆発させて姿勢を低く保ちながら推進力を加算していく。ステラの固有霊装でもある「妃竜の罪剣(レーヴァテイン)」は大剣型のデバイスだ。魔力で強化された膂力で振り下ろされるソレは簡単な防御なんてものを無意味にして来る。

そしてそれに上乗せされるように振るわれるヴァーミリオン皇国の剣技「皇室剣技(インペリアル・アーツ)」は日輪の軌道を描き回避不能の一撃を見舞っていく。

 

「(っ!・・・・全く、ただの大振りでこの威力なんだから、参っちゃうねほんと。)」

 

自身の魔力による四肢の強化をしていても、デバイスから伝わってくる衝撃に思わず冷や汗をかく。これは彼女が自身の異能にかまけずに武術の鍛錬を収めてきた証拠なのだろう。剣を交えていくことで彼女が今日この日までどれだけの血の滲むような努力をしてきたのかが伝わってくる。

魔導騎士に武術や武道を収めている者は少ない。伐刀者は自身の異能を磨くことこそが重要だと考えており、武術を極めている時間なんてものに労力を割きたくないのだ。

 

・・・・・だがそれは魔導騎士の大半を占める半端者の考えだ。

 

己の力の探求を辞めない一部の魔導騎士は自身の異能以外の強くなるための糧を得るために武術も修める。ステラ・ヴァーミリオンはまさにそういう女だった。

 

「確か、ヴァーミリオン皇国の剣技大会にも優勝したんだっけ?凄いじゃんステラちゃん。」

 

「話してるとかっ随分とっ余裕ですねっ!」

 

「まぁ、歳の候ってやつさ。」

 

一瞬、オルフェンの身体がブレると大上段に構えられた残夢が、一直線に振り下ろされる。素直に受けてしまってはマズいという警報が鳴り響き、後ろに下がろうと身構える。

―――――――だが、そんな行動を取った自分にはっ、と思い出した。

 

私の、私が育ったヴァーミリオンの剣は、前に進み続けるための剣だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()っっっ!!!

 

「っ!こんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

下段からの魔力を込めた振り上げ、彼女自身の膂力もありその威力は必殺を誇る火力を得る。そんなものを反射で放たなければならないほど今のステラの神経は鋭く研ぎ澄まされた。打ち合わされる二つの剣。轟音を鳴り響かせフィールド内を駆け巡るオルフェンとステラ。

見物をしている一部の生徒はまるで理解できていない剣戟の応酬がそこにはあった。

 

防御が全くの意味をなさないステラの剣を何故こうもオルフェンが受けとめきれているのか、彼の膂力が彼女のソレを上回っているからか?確かにそう見ることもできるが、実際には彼の膂力は彼女のソレを上回っていない。

 

ならば何故か?その違和感を彼女自身は感じ取っていた。

 

「(膝関節の抜き方、一歩一歩の踏み込みの深さ、力の受け流し。アタシの剣を技で躱してる!?

オルさんってこんなに技が上手かったかしら――――――――――――――――ッ!)」

 

昔の彼は確かに技も上手かった記憶はある。だがそれも年相応と言えるレベルだったはずだ。それがたった数年だけでステラ自身も完全に見切れない程の剣の達人になったのか?そんなにも彼とアタシには差がついていたのか?

 

「――――――――――――――――――ふざけるな。」

 

まるで自分の努力は足りなかったのだとわからされた様に思えて、自身への怒りから魔力が溢れ出し、剣を交えていたオルフェンが不意と突かれ吹き飛ばされる。幼いころに誓い祖国のために戦うのだと、そう誓ったからこそ力を貸してくれた目の前の青年に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がために頑張ってきた。

 

「―――――――ちょっと、これはヤバい感じ?」

 

猛々しく燃え盛る炎に包まれたステラに対してこの戦闘で初めて警戒心を強めた。彼女の魔力は自然干渉系「炎」だ。純粋な火力でいえばその魔力量もあり、全世界でもトップクラスのもの。それをもし十全に扱うことが出来たのであればもはや敵なしなのでは?と過去に教えたことがあった。

 

そして彼女が考えていた伐刀絶技(ノウブルアーツ)にこんなものは存在していない。

つまり今からくるこの技は、オルフェンが去った後に考えて生まれたものだという事。

 

ステラの炎は摂氏三千度。その温度は魔力が太陽の温度以上に熱されているという事実になる。そしてその炎を身に纏うのならばその破壊力は想像を絶する。

ここが、戦闘用に作られた空間でよかった。そうでなければ周りの生徒も巻き添えを食らってるところだった。

 

妃竜の羽衣・陽日紅焱(エンプレスドレス・グレイテスト・サン)

 

洋風な甲冑に身を包んだステラがオルフェンを見通す。これはさすがに不味いと思ったオルフェンは魔力による防御壁を自身の肌に合わせて展開させる。不定形な夜のような黒い魔力が外套として纏われる

 

「(これなら何とか触れるギリギリまで体が燃えることはない・・・・・って言えるといいんだけど正直気休め程度で考えておくしかないかな。それに()()()()のステラちゃんと接近戦でやり合うのは正直無謀かな。)」

 

そしてオルフェンは察した。"煽られている"と。こちらも手のうちを晒したのだから、そちらも一手ぐらいは出してもらおうと目の前の炎纏う王者は言っているのだ。

その堂々とした佇まいには心の中での称賛を送るとして、さてどうしたものかと考える。

 

彼の思考はもはや、どうやってこの戦いを終わらせるかではなく、()()()()()()()()()というより直接的なものにシフトし始めていた。オルフェン自身もこの戦いに関しては生易しいことを言ってられなくなってしまったと後悔し始めたからだ。

 

「そうくるのであれば、こっちも()()()にならなきゃね――――――――――」

 

《残夢》を構えて、オルフェンも魔力を開放する。防護壁に魔力を割きつつコレを展開しつづけるのはキツイんだけどなぁと考えつつも現状ではこれ以外に手はないとオルフェンも魔力を高めていく。その魔力は中心となって渦を巻き、魔力が彼自身のデバイスを包み込んだ瞬間に、光を放ってその形を為していく。

 

出刃包丁のような形状。その巨大な刀身の先端は鋭角な形状になっており、オルフェンの身長に迫る大きさの大刀。《残夢》がそのような大刀に変わったことで周りの生徒はどよめきを覚えるが、そこからさらに彼らは驚くことになると一輝と黒乃は感じていた。

 

「――――――――魅せろ《残夢》」

 

オルフェンが纏っていた外套も袴のようなものに形を変えていく。それ自体が幾重にも折り重なった魔力で構成された戦闘衣(バトルクロス)。その防御力は先ほどまで纏っていた外套よりも強固になっている現状のオルフェンが使用できる最硬度の伐刀絶技(ノウブルアーツ)

 

それを見た一輝はため息をつきながらも感服するように呟く。

 

「―――――――――――――――――――――死覇装(しはくしょう)斬魄刀(ざんぱくとう)

久しぶりに見ましたよ。オルフェンの、魔術特性無しの魔力だけでゴリ押す伐刀絶技(ノウブルアーツ)。アレを使われたらもう大変なんですよね。」

 

「あの二つの能力は単純な身体能力強化と射程の強化、だったか?」

 

「はい。ただそれが世界最多の魔力量っで強化されるんですから、嫌になりますよ。」

 

身体能力強化。それは全ての魔導騎士が共通して使用できるものだ。それを単純な魔力による強化だけではなく防御にも転用して、半永続的に展開するのは彼だからこそできることだろうと一輝は納得している。

そしてこれを出したという事は、彼は()()で勝負を決める気なのだろう。

 

「・・・・・さぁ、第二ラウンドといこうか?ステラちゃん。」

 

「・・・・・えぇ、滅茶苦茶にしてあげるわね?オルさん」

 

ここに二人の竜が激突し始める。

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