死灰を纏う旅人   作:灰の旅路

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灰と二人の少女

 

日は跨いで翌日。

 

少し元気になった二人の少女に、クラウンは名を聞く事にした。

 

「思えば名前を聞いてなくてな、あるか?」

 

すると、痩せ細っていない少女が答える。

 

「わ、私は…フレン…って言います…こっちの子は…確か…ミーヤです」

 

「…ミーヤ、なのか?」

 

少しは元気になったとは言え、痩せ細っている為に横になったままのもう一人の少女は、浅く頷く

 

「…なるほど、フレンにミーヤか」

 

「…あの、私からも質問、いいですか?」

 

「いいぞ」

 

そう返答すれば、フレンは恐る恐る問いかけた。

 

「あの…この船って飲み物はいっぱいあっても、食料が最低限で食器類も少ないんですけど…どうやって過ごしてるんですか?」

 

「ん?…ああ」

 

そう聞かれたクラウンは立ち上がって答える。

 

「食料は見ての通り、海にも空にもある。後は捕まえる手段があれば良いだけだ」

 

そう言って、クラウンは能力で槍を作る。

そのまま適当に海に投げ込むと、魚が複数浮かんで来る。

 

それを適当に拾うと自前のナイフで腹を裂いて内臓を取り出し、灰で作られた器に乗せる。

そのまま器が燃え出せば、すぐに焼き魚の完成である。

 

目の前で起きた不可思議な事に、フレンとミーヤの二人は目を丸くしていた。

 

「ああ、悪魔の実の能力者でな。見ての通り汎用性が高いから買う必要が少ないんだ」

 

「…灰って人の形になったり…槍になったり器になったり、突然発火する物でしたっけ?」

 

「……悪魔の実の能力は常識的に測れないものだぞ」

 

「…それもそうでした」

 

一人納得するフレンと困惑したままのミーヤ

 

そんな二人を置いてけぼりにして、クラウンは焼き魚を頬張った。

 

 

 

 

 

 

 

食事を済ませた三人は、そのまま小舟が進むままに任せていた。

 

フレンとミーヤは室内で眠り、クラウンは一人外で水平線を見ていた。

 

「……はぁ」

 

自分達が居るのは東の海だ。

ゴロツキ程度とは言え、海賊も多い。

 

そもそも、クラウンは旅をしている身だ。

 

本人としては偉大なる航路(グランドライン)の先へいきたいが、特注とは言え小舟では荒波を越える事すらままならない。

 

何処かで船を調達する必要があるものの、海賊船では海賊と間違えられてしまう。

そもそも三人の少人数な為に大き過ぎても困るのだ。

 

「……とりあえず、どこかの島で船を探すか」

 

そのままクラウンは地図を広げる。

 

近場に船を売ってそうな島一つ見つかった。

 

「……船の墓島ねぇ…」

 

不吉な名前ではあるものの、地図には船がたくさんあると明記されている為、クラウンはそこを目指す事にした。

 

クラウンは知らないが、船の墓島…というのは海流によって船が捕らえられ、出ようにも出られないという海賊泣かせの島だ。

 

しかもその海流の出口を知るのは島で船の建造をしている職人達のみであり、しかも全員腕が立つので立ち寄った海賊は皆ボコボコにされて小舟に乗せられて流されていた。

 

そんな島だとは知らずに、クラウンは目指す。

新しい船を得るために

 

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