めちゃくそ好みの美少女を教師に、
魔術を学ぶ日々を過ごす中を記す。
多分、そんな感じの雰囲気をお届け。

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天啓が降りたので書きました。
続くか未定。まあいつも通りだね!




フィールドワークの合間にて

 

 

目蓋の裏に、光がちらついている。

それが鬱陶しくて眼を開ければ、どアップのご尊顔。

納得の金髪美少女。俺の魔術の教師こと、メイネ・アルカイル先生である。

 

寝息とと共に循環する魔力が、砂金のような長い髪をキラリと耀かせる。

俺が毎朝毎晩整えている自慢の神、いや髪だ。

先生は魔術儀式の材料と魔力貯蔵庫として自分の髪を利用するためとはいえ、

伸ばし放題、切り放題、痛め放題と女子力どこ行った状態だったそれを、

ここまで再生させた我が情熱を推して知るべしであろう。

 

まじまじと好みど直球のご尊顔や、二つに纏められた黄金ロングを眺めてニヤニヤしていると、

なにやら自身の視点がおかしいことに今さら気がついた。

目をちらちらと焼くのは木漏れ日。

投げ出された四肢。

大樹の下で寝息をたてる我が先生とその更に下の俺。

そして、後頭部に当たる魅力的な柔らかさと肌の匂い。

 

間違いない。膝枕である。

しかも、多分、記憶している限り、フィールドワーク用の黒タイツ+スポーツスカートという絶対魅力装備*1である。

 

 

 

風が大樹の葉を揺らし、木漏れ日は影絵に新たな星を生む。

ささやかな吐息が熱を放ち、布擦れの音が俺を包む。

 

もう思い残すことはなかった。俺の(性癖)たる先生の膝枕。

ああ、ここでしぬか______

 

 

「死なないでください。」

 

 

気がつけば、蒼き宝玉が俺を見つめていた。

素晴らしきかな碧眼よ。金髪碧眼美少女とかもうこれ最高芸術じゃね

 

 

「だーれーがー芸術作品でーすーかー!!!」

 

「わーっぷっ!」

 

 

膝枕から転げ落とされる。おもいっきり草原に顔を埋めることになった。草苦い。

 

先生の魔眼機能の一つ、『思考観測』は結構高性能だ。

まあ俺の場合、先生の観測に限って精神防壁をノンアクティブにしているのもあるが。

前はちょびちょび「ちゃんと魔術防壁は展開しておきなさい。悪い魔術師に操られても知りませんよ!」と怒られていたが、この頃はそんなこともなくなった。慣れって怖いね。

 

 

「なんで貴方私に対してそう開けっぴろんなんですか...理解しがたい...もう慣れましたけど.....。」

 

 

そりゃあまあ先生だし、我が命だし。美少女だし。大好きだし。

実験に失敗してぶっ飛び気絶したであろう俺を探索&治療&膝枕してくれるような聖人だし。は?天使か?結婚しよう。

 

 

「(赤面)(涙目)(混乱)(頭脳沸騰)(暴力行使実行)(杖召喚)」

 

 

あ、やめて流石にその杖の殴打は死ねるやめて封印状態でもそれ立派な殴殺武器だからァーッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、遥か彼方の放浪島。

様々な霊的資源と、

未だ薄れることのない神秘に包まれたその島で、

とある、先生だった魔術師が教え、

とある、生徒だった人類種が学ぶ、

そんな魔術の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「反省してください。」

 

ふぁ()い。」

 

 

ダメージは無い。ちょっと表情筋が治療魔術の副作用で痙ってるだけである。流石打撃+ゼロレンジ治療。

潰れかけた顔面が、一瞬で治療される。

痛みはあれど怪我は結果的にゼロ。

 

先生の殴打が気持ちよくなってきた今日この頃であった。

 

「......。」

 

言葉は無くとも伝わる、絶対零度。

蒼い瞳が凍りついている。

 

背筋がゾクゾクする感覚に浸りつつ、少し反省。

我ながらいつもよりハイテンションなことに疑問を持つ。睡眠時間の不足だろうか。生活要らずの先生についているとどうしてもこういうことが起こりやすくなるのが困りものだ。

 

こういうときは....

 

「今日の夕御飯、何がいいですか?」

 

「......オムライス。」

 

思考を観測できる瞳を半目にして、一つため息。

その呼気にすら含まれる濃密な魔力は、

先生が、人間じゃないことをまざまざと見せつけられる。

 

食事はいらない。風呂洗濯などいらない。

睡眠も同じく。糞尿など出るものか。

実際のところ感情も無かった。自己も無かった。

全てはゼロとイチだったとも聞いた。

 

それが先生。

何処までも超自然的作用術式に特化できるよう調整された、

有機生物の上をゆく概念存在。

旧くは精霊、中期では魔女。現在では、魔素情報集積装置Ⅱ型に分類される星内管理機構、

 

らしい。よく知らないが。

 

なんせ旧き時代の文献なぞ災害獣やら神罰やら局地的破滅やらでとうの昔に吹き飛んでいるのが殆ど、歴史なんてものは図書館*2か世界記憶庫*3か、長生きのレベルを越えた上位者の口伝のみだ。

 

そういうわけな、知り合いの本狂いから聞いた真偽不明の情報であれど、見当違いというわけでもないのだろう。なんせそこらへんのキーワードについて考えていると露骨に先生が不機嫌になる。思考観測されてるかどうかの判定は唐突な下ネタだ。一発で御尊顔が沸騰する様子を観測できる。かわうい。なお狂暴性と暴力性が数ランクアップするおまけ付きだ。色々ネタを教え込んだかいg________殺気ッ!

 

 

料理しながらそんなことを考えているから気づくのに遅れた。

突き刺さる冷気。キッチンのシンクに汗が流れていく。

先生のことだ。作りかけの食材は無駄にはしまい。

つまり_____このフライパンを置いてからオシオキが飛んでくる、はず。

 

手と連動しカタカタと震えるフライパンをそっとコンロに置き、意を決して振り向くニ"ギャア"ァッ

 

必死の思考加速術式で、額を狙った魔弾を情けない声を出しながら躱す。だが、俺の背後にはお手製魔動高機能キッチン*4がある、ので、死ぬ気で防ぐ!!

 

来い孫の手!

 

ズボッとどこかの地面が隆起する音と、土まみれで飛んでくる愛剣。こいつまた土の中で眠ってやがったな。持ちてがジャリジャリするし雨降ってると滑りやすくなるからくっそやめてほしい。

まあ今は割愛。俺を刺し殺す勢いで飛翔する孫の手に高速念話による交渉開始。交渉成立。ここまでコンマ2秒。

俺の脇を通り過ぎようとする魔弾に向けて第二加速を提案。孫の手が承認。

誘爆すらさせない。魔弾の核ごと打ち砕け、孫の手!

 

スパンっと孫の手の美しい刀身が魔弾を撃ち落とす。

音かっっる。あれでも当たれば軽く死ねるやつ何だけど。

 

依頼完了。私は寝るとばかりに土に潜ろうとする孫の手を捕まえ、拝み倒し、2時間*5に及ぶ交渉の末、失言に対応するための道具を従える。今日は嫌に失言が多いからな。変な呪いでもかかってないか調べるまでの用心棒ならぬ用心剣である。

 

キッチンに立てかかったままうたた寝を始めた愛剣。

名は孫の手*6

金色と鋼色の刀身に青と翠色で装飾されたTHE・儀式剣的見た目の剣。何年か前に流行ったデコレーション武装(デコ剣)を少々質素にしたような、そんな見た目。

しかし能力が少しおかしい。

疑似人格搭載。超高速念話可能。

魔力放出門数十完備。魔力増強機能、魔力分解機能搭載。

変形機能、自律調律機能、対術式防壁、魔力貯蔵庫完備、

etc. etc....と、バカみたいに機能が盛り込まれたロマン剣。

 

遥か昔、鍛冶技法に狂っ(恋をし)た上位者が造った鉄屑らしい。

これで鉄屑ってマジ?ソイツが造ったモノホンの"剣"とか発見されちまったらこの星終わるぞ。

 

「No. 61300のことでしたら、もうライナが回収していますよ。最も懸念事項とされたNo. 208770も、この島のジェネレータに使用させて戴いています。」

 

わお、ここで知る驚愕の事実。剣の名前が番号とか愛着ねーな、まあ製造番号と考えるなら普通か?嫌でも察せられるその製造量からして。

 

「いえ、鍛冶に興味はあれど、出来上がった作品に興味はなかったらしく、ポイっと放棄された作品群を第361~412次旧人類種がそう呼称していただけです。恐るべき災害としてですね。」

 

あ、ふーん....(察し)

すげえな旧人類。この星が残ってるってことは対処できたんだ。やるーぅ。

 

「まさか。流石に大地の方が音を上げまして、私達の手で回収、または破壊しました。記録(ログ)に残る災害でしたよ。」

 

デスヨネー。元より上位者が造ったものを矮小な人類様が対処できるわけねーですよねー。浅はかでした。

 

「そ、それでも、なかなかに奮闘していましたよ? 特に第411次の時は、適合した作品で、落ちてきた作品を打ち払っていました。かすらずとも大地を消滅させる作品を打ち払う技量と能力には流石に驚きましたね。」

 

ほう、時期的に初代聖剣伝説時代か? まさかの歴史的関係。

それがルーツとするならば、懇意にしている聖剣術式...伝承補正をもう少し改良できそうだな。これ食べ終わったら詳しく教えてください先生。

 

「勿論いいですよ。貴方も聖剣使いなのですから先代のことは知っておくべきと私も考えます。」

 

聖剣使い? ()()()()使いではなく?

 

「え、まさか、ですねこれは。なんという......」

 

なにいってんだコイツ。

 

「......。(何かに指をさすジェスチャー)」

 

 

珍しくリアクションオーバーな先生を傍目に、視線をずらす。

そこには寝相が悪いのか凄い勢いで振り子運動をする我が孫の手。

 

で、なに?

 

「珍しく察しが悪いですね。今日は嫌に性能が落ちてますよ。今日は早めに休眠することを推奨します。」

 

さっき自分で言っていたでしょうに、と先生は眉を潜めた。可愛い。

照れ隠し一つ、始まる解説。

 

「あの剣は貴方が言ったように鉄屑....つまり作品の一つです。そして、初代聖剣は落ちてきた作品が人類種と適合、契約して新生した()()*7霊装。つまり貴方の孫の手?は聖剣ですよ。本物の。」

 

マジ?モノホン? 売ったらカネに___殺気ッ!

本能による緊急アラート。鼻先をかする金色。断たれた多重防衛術式。

垂れる鼻血。紅滴が大地を静かに鳴らし_____

 

か・か・っ・こ・い・や・ぁ!!

 

威嚇するように震える孫の手AKA(もしくは)屑鉄聖剣。

いい機会だ。どっちが『『『(ウエ)』』』かきっちり教えてヤラァッ!!

 

先生の呆れた目線を一片に、俺は孫の手目掛けて飛びかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

話をしよう。

 

遥か、遠い遥か、未だ一桁代目の人類が生まれた、そんな昔。

 

 

『ヒトは愚かであり、

救いようのない生命体だ。

その意見に全面的に肯定しよう。

そして、"けれど"と、

胸を張って続けよう。

泥の中で咲く花のように、

嵐の内にて輝る星のように、

ヒトは原初の希望を宿す、

最愛たるものだ。』

 

そう高らかに謳う、上位者がいた。

()()()()()()()()()()()()()()、全滅しても全滅してもまたどこかで発生する人類がいた。

 

上位者の認識は、世界を挫く強力な現実改変だ。

 

その奇跡あるいは呪いによって、数百年単位、生物種単位で復活できる無限残機と言えど、ただ生き長らえるだけの力には、敵を退ける力は無かった。

 

けれど______人類は、遠いいつか、奇跡と称す希望の欠片を産み出してきた。

ジャイアントキリング。敵うはずのないヒトを嫌う上位者、敵対する上位者への対抗。

 

踏んづけても踏んづけても何処からか湧いてくるアリがヒトを噛むような、そんなこと。

その不可能であるはずの所業に、星に刻まれし有り様に、その上位者は歓喜した。

 

これぞヒトよ! 我が愛し、信ずるヒトよ!

 

最早信仰。ヒーローを目のあたりにしたような激情を浴びて、

 

そうしてヒトは復活した。

そうしてヒトは全滅した。

そうしてヒトは復活した。

そうして人類は__________現在に至るまで約1300回ほど繰り返し続けている。

 

流石にヒトを全滅させることに面倒を感じた敵対上位者の一時の心変わり、その数千年の安らぎの猶予。

これは、その時代で暮らす、そんな先生と生徒の物語だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

イタタタタタタ.......

 

「徒手空拳並びに生身で、インテリジェンスウェポンに挑んだ人は久しぶりですよ。」

 

いや普通に勝てそうだったじゃん!

 

「対抗術式に、早速聖剣概念を用いたのは大変良い判断でしたが、指向性が杜撰でした。術式形成は相変わらず天才的ですが、それでは意味が薄いです。肉体強化には最低でも『刃引き』は必須ですよ。可能であれば貫通属性に対抗するための『未観測』も必要でした。身の熟しに関しては専門外ですが、なかなか動けていましたよ。」

 

まーた練り直しかー。さっきので結構貯蔵術式砕かれちゃったし。アイツ手加減知らねーのか?

....自分で受けてみて実感したわ、聖剣ではアイツ。

なんかスゴくね?

 

「.....ええ、凄いですよ。なにせ、

 

 

この星で唯一の、ヒトのために在ろうとした武器ですから。」

 

 

*1
性癖を可能な限り盛り込んだデザイン性と機能性、着心地の良さを極限まで両立させ、着渋る先生を黙らせた究極の一品。作成期間65年。(時間停止領域の利用を含む) 原型概念大権(アーキタイプダイアグラム)すらも利用して造られている。やだ.....本気すぎ?

*2
魔導書が沢山保存された場所。数多の神秘と思念が渦巻く有数の危険地帯。

*3
所謂アカシックレコード。根源情報帯。全知を授かれる。

*4
高密度魔素充塞環境であるこの島では既製品は動かなかった。

*5
高速念話上での体感時間。実質ゼロ秒

*6
非公式

*7
超常的存在が言う超常ってナニ...?





設定的に、別の作品と繋がりがあったりなかったりします。
あまり気にしなくて大丈夫です。

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