こちら魔法界ホームセンター   作:そこら辺に転がってる石

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オリジナル呪文出ます。ご注意を。

何だか色々書いてるけど大丈夫かなぁ...先輩がどんどん人外になっていく...



レコードの針売ってるの⁉︎

 後日談である。いくら何でもあの状況で深い話はできないからね。

 ルシウス君だが、先輩が到着しどっちが飛ばしたかわからない変身術と禁じられた呪文合戦が数分続いた後、無傷で店内に入ってきた先輩に恐れ慄く形で姿くらましをして去っていった。私にはわかる。演技とかではなくガチな動きであったと。

 

 先輩にはお礼を言って、ついでに何かしら品物を渡そうと思ったのだが拒否された。大好きな場所で安全に出店してもらうのが一番いいとか、すでに死の秘宝周りで協力してくれてるから何とかかんとか。

 まぁ本人が遠慮しているなら無理やり押し付ける気はないけど...まぁ今度何かしらでお礼をしようと思う。

 

年齢が年齢だから死ぬまでに返せるか若干不安だが、齢百歳前後には見えない若々しい見た目とパワフルな行動からすぐ死ぬことはないだろう。私あの人から永遠の命を得ていたと聞いても驚かない自信がある。むしろそうであってくれ。

 

 少し話が逸れたが、しっかりと話を戻して。

 現在いる場所はいわゆる貴族の館、マルフォイ家のお屋敷である。さっきも言ったがあの状況では碌な会話はできないので、安全で人に情報が漏れなさそうな場所を選んだ結果こうなったのだ。

 事前に打ち合わせていたわけではないが、万が一もあるので多少の変装をして訪れている。なんでルシウス君が変装した私を把握し招き入れたかは、まぁ...変装したのが先輩だったからかもしれない。なお許可は得ている。変装をといたらあからさまにホッとしていたし。

 

「さて、本題に入ろうか。いくつか聞きたいことはあるんだけど、何故私あの場面でゔぉる君に求められたんだ?」

 

 屋敷しもべ妖精が用意した紅茶を手に取って尋ねる。うーむ...銘柄はわかんないな。そもそも茶葉とかのこだわりがないせいで美味い以外によくわかんない。美味いな。

 余裕でお茶を飲みながら尋ねる私に対し、ルシウス君は少し緊張した面持ちでゆっくりと口を開いた。もうちょっと余裕を持った方がいいと思うぞ。

 

「...少し、話が長くなります。先日」

「あ、長い話いいや。命令された言葉だけ教えて」

 

 怪訝そうな顔で見られた。何故だ。長い話は長いんだぞ。

 冗談はさておき、話そうとした内容を大体知ってるからパスしたのだ。きっとあれだろ?マルフォイ家をルシウス君がついで、純血の一族たる者云々で死喰い人になって、それでうんたらかんたら。

 正直その辺は興味がないんだ。死喰い人になろうとならなかろうと個人の自由だし、私は英雄でも救世主でも、闇払いでも自警団でもなんでもない。ただの雑貨屋で教員な私が聞いたところでどうしようもないのよ。

 

「...あの方からは、貴方一人を連れてこいと。手段は問わぬと、それきり」

「ふむ...?あの子が私に固執するのなんかあるかなぁ。マグル知識は唾飛ばすほど嫌いだったはずだし、かと言ってそこまで魔法に精通してるわけでもないし」

「そこは、何とも。私はただ命令を受けたので」

 

 純粋に疑問だ。名指しで誘拐するほどの価値を向こうが認めているようだけど、私自身その資格はない。できるかはさておきアルバス君や先輩を誘拐した方がよっぽど有意義だ。

 とはいえ、命令された人ですら知らないのなら手の施しようがない。一応疑問解決の方法は一つだけあるけど、あるからと言ってやる気は起きない。気が向いたらやるかもしれないけれど。

 

 となると、ひとまずその疑問は置いておく。置いておくとして、どっちかといえば問題はもう一つの方だろう。

 

「あと、何でルシウス君は私に交渉を?」

 

 そう、これ。どちらかといえば本題はこっちだ。

 

 確かに在学中、彼はどちらかといえば闇の魔術に興味があまりない、いわゆる一般的な魔法使いだった。ちょっと純血主義でちょっと商売関係の熱意が強かっただけのよくいるスリザリン生だった。

 ただ、それはそれとして現状は間違いなくゔぉる君の手先として死喰い人になっており、間違いなく私に敵対した存在。知り合いで交渉をしてきたから見逃したものの、あのままほっといて先輩に倒してもらうのもアリだった。

 

「貴方は、貴方自身の評価に興味がなさすぎるのです」

「あ、え、私?」

「えぇ。何を思ってあのお方が貴方を求めたのかは分かりません。しかし、手段が悪すぎる。貴方と敵対するという事実を軽んじているとしか思えない」

 

 何だ何だ、何がどうなってんだ。

 いや、確かに評価は興味ない。興味ないけど、なんでそんな恐れられてるんだ?そんなにバカなことをしたつもりはないんだけど。ただちょっと呪文を作って、ちょっとマグルの知識を広めただけなのに。

 

「...いえ、全てというわけではないのでしょう。先日の際にも、死喰い人が何人かがやられたのも貴方のいう先輩という方によるものだった。混同されている可能性があるでしょう」

「え、何それ詳しく知りたいんだけど」

「しかし、それを差し置いても貴方の存在は大きい。ダンブルドアの次に、貴方は魔法界になくてはならない存在なのです。おそらく、自覚はないのでしょうが」

「おぉ、意図的に無視したな。何でだ。話逸れそうだからいいけど。...そうかな。ただ旅をして好きなものを売っていただけなんだけど」

「祖父から、マグル生まれは増えたが、昔と比べ魔法界は良い方向に向かっていると聞いています。それを成したのは貴方だとも。...この歳になって、それを大いに実感しました」

「流石に気になってきた。私がイギリス魔法界に何をしたってのさ」

「大きくいえば、縁結びです。他の国との交流やマグル政府との協力関係を築けたのは、他でもない貴方の功績ですよ」

「聞いても全然わからんなぁ...」

 

 おそらくだけど、マグルも魔法族も両方に関係する異物の発見や、魔法界のものを魔力を消し安全にマグルに流通させる方法やその逆、あと旅先でやったいろんなことが積み重なったんだろうという予想はできる。ついでにマグルの理解を深めておいたから、魔法界でも色々受け入れるようになってーとかそんな感じだろうか。

 いやそんなこと言われても。好きなことしてただけだし。なんかホグワーツにいた時もアルバス君から似たような話された気がするな。あの時もよくわからなかった。

 

「その貴方をあの方のせいで失うのは魔法界にとって大きな損失です。気がついていましたか?先日の襲撃まで、貴方の店には何も襲撃がなかった」

「あぁ、まぁなかったけど」

「手を回していたのですよ。私の他にも、あなたを失うと手痛い損害を受ける者たちが死喰い人にいたのです」

「私のせいで内部分裂が...?」

 

 何だその状況怖いな。ゲラートの時に起きなかったのは影響力が少なかったからってこと?そういえばあいつも最初の頃私に目をつけてたりもしてたらしいし変にキーパーソンになってるっぽいな今。

 ふむ、まぁなんか納得はいかないけど大体読めてきた。

 

「交渉仕掛けたのは自分の不利益になるからか」

「えぇ。私はそもそも、最優先はマルフォイ家の運営です。しかし今、それがあの方によって脅かされようとしている」

「納得いかないけど私のせいでか。それで私に取引...ちなみにあそこで私が大人しくついてったらどうなったの?」

「そうなると私の手には負えないので、なるようになれと言った感じでしょうか」

「うーん雑ぅ」

 

 あー、どうしようかなこれ。とりあえずさっきまでお礼交渉をしていた私を通して先輩には情報を筒抜けで伝えてある。巻き込んだ以上事情を話さなければならないので。

 先輩は割と過激ではあるけど慈悲深くもあるのだ。事情があるなら禁じられた魔法を使う人だから、マルフォイ家の存続のためにゔぉる君に協力するルシウス君も、ギリ悪人認定ではないらしい。本当にギリギリ。

 

 なお先輩の所業を冤罪喰らってると伝えたら笑ってた。先輩テメェ!

 

「一応聞こう。どういう対処を望む?正直私は正義の味方ではないから、君を闇払いに引き渡したりはしない。ただゔぉる君は敵対したし、その仲間を続けるならどうなろうと知ったこっちゃない」

「ゔぉるくん...ンンッ。えぇ、存じてます。私としても命は惜しく、手を出したいとは思いません。しかし...」

 

 ルシウス君が腕をまくる。そこにあったのは、髑髏と蛇の妙なタトゥー。

 ちょっとした呪文がかかってるみたいだ。盗聴とかそういうのではなさそうだから今は安心だけど、タダで消すのは難しいだろう。

 

「あの方に顔を覚えられ、これがある限り私は死喰い人です。そうなってしまった。ですから、交渉をしたいのです」

「ふむ、とりあえず言ってみ」

「私は彼らとかの方の情報を流します。その代わり、いつかあの方が失脚したら、私は無罪だと主張していただきたい」

「死喰い人として活動していた内容を否定しろと」

「完全に否定は難しいでしょう。ですので、服従の呪文で操られたと証言します。貴方にはその証言の後押しをしてほしい」

 

 少し考える。別に嘘をつくのは全然構わない。

 敵対はしてるが今は話し合いができる程度に友好的。そもそも実害はあってないようなもので、命令を下したのもゔぉる君だ。ゔぉる君と敵対している以上、攻める気はあんまないとはいえ情報は少しでもほしい。

 

 では逆に、デメリットなんだろう。ヘイトを買うかもしれないが、すでにゔぉる君から狙われているから考えなくていい。死喰い人に味方したと言われるかもしれないが、まぁそうなったら速攻でゔぉる君を倒せば解決。先輩も喜んでついてきてくれるだろう。

 

 強いていうなら、そうだなぁ。この関係がバレて、ルシウス君が死ぬとちょっと悲しいかな。

 

「よし、その条件を呑もう。ただ一つ懸念点が。君死なないかい?大丈夫?」

「うまく立ち回るつもりではありますが...どうでしょう」

「んじゃあちょっとした実験に付き合っちゃくれないかな。最近一個思いついた呪文があるんだけど」

 

 杖を向ける。ルシウス君は少し体をはねらせた後、不安そうな顔でこちらを見る。

 

「...どういうものか聞いても?」

「強いていうなら、ど忘れ呪文(レコーボ)?」

 

 忘却呪文とは別の魔法が、ルシウス君を包み込む。

 はてさて、使うの初めてだけどどうなるだろうか。




以下余談と補足

大体の呪文はラテン語が起源らしい
ど忘れで検索したらレコードっぽい言葉が出てきたのでちょい改変してこうなりました。文字だとRecoboなんだけど、これは直訳で回復するって意味らしい。ダブルミーミングだ!

原作でもルシウスは一に家族で二に自分、3、4飛ばして5に忠誠心らしいから、多少のマグル知識を植え付けられたルシウス君は原作よりも早く見限っててもおかしくはないかなと。ついでに主人公の持ち込むマグル製品の中には魔法を追加することで別の商品として売り出せるものがいくつかあるので、金のなる木と考えてる節があったりします。うーんスリザリン。

主人公は気ままに動いてるだけですが、魔法界的に歴史的価値のある物体の発見やマグル製品持ち込むためにてを回したあれそれを作り出しており、それを基盤とした外部交流や協力関係を魔法省は築いたりしてます。ちょっと政治を齧ったら基礎を作った偉大な人物として出されるのが主人公。本人に自覚はない。
ついでに先輩と交流する機会が多いせいでいくつかの悪人討伐は主人公がやったと勘違いされてます。ただ同行しただけなのにね...

敵対したのにルシウスに優しいって?
ほら、スリザリンって身内に優しいからさ
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