こちら魔法界ホームセンター 作:そこら辺に転がってる石
お久しぶりです。強く生きております
なんか文章思いつかなくて書いたり消したり忘れたりしていたらこんな期間が空いた...すげぇや...すみません...
時間が空いた分もしかしたら書き方が変わっている可能性がありますのでご注意下さい。
列車が止まる。ローブへと着替えた際に一応心配だから、とグラップとゴイルの元へ向かったドラコとは別行動となり、俺達は上級生とともに列車を降りる。
流石とも言うべきか、ホグワーツは寮は四つしかないものの通っている人数はとても多い。簡素だがある程度の人が立てるはずのホグズミード駅はあっという間にローブを着た生徒達で溢れかえっていた。
「すごいな」
「確か一年生だけ上級生と行く先が違ったはずだ。確か...」
列車に乗ったことのない俺と違って、一度経験した記憶のあるトムが何かを探すように見渡す。上級生は森の方に向かっているがそちらではないらしい。
俺も何となく辺りを見渡すと、一人妙に目立つ色を見つけた。
「へーい一年生諸君!迷子になりたくなきゃこちらへおいで!」
トムと顔を合わせる。聞いたか?いや聞いてないよなそうだよな。そのうち会うとは思っていたがここからとは聞いていない。なんでシユウが案内人をしているんだ?と言うかあれどのシユウだ?
とはいえついていく以外の選択肢は存在していないので大人しく向かう。人混みも多くその人物の身長も相まって大変そうだが、俺たちに気がついたのか軽く笑みを浮かべた。
「さて揃ったかね一年生。まぁ揃ったとしようか。聞きたい事はあるだろうけど未だここはホグワーツではないし公共機関の真っ只中だ。若干距離もあるし早速移動を始めよう。迷子にならないようにねー」
どうやら空気を読んでいるらしいアイツはこちらに話しかける事なく早々に歩き始め、周りにいた一年生は慌ててそれを追いかけ始める。
駅を降りて歩き始めた先はだいぶ険しく細い道だ。自然と一列になりながらゆっくりと進んでいく。生徒の中で何人かが躓き、暗くなってきた空に恐怖したのか鼻を啜る。
「えー、ここか。お、ホグワーツ見えてきたぞー」
自信なさげな案内人が角を曲がってすぐに発した言葉に、雪崩れ込むように生徒達は曲がっていく。
どうやら開けた場所に出たらしい。既に陽は落ちていたようで、満点の星空を背景に大きな山と、その天辺にある大小様々な塔のたった大きな城が見えた。
何度も言うが俺は前でさえ列車を利用したことがなく、中に入った後は分身として永住している状態だ。景色の美しさや壮大さを写真や話で聞いてはいたものの、生で見るのは初めてだ。
体に精神が引っ張られているのか、学校生活をワクワクとしている自分がいることも確か。そんな感情も相まって、より一段と美しく感じる。
「んー中々絶景かな。さて、ここからは船で移動になる。不安に思うかもしれないが素敵な魔法で転覆の心配は一切ないから安心してね。定員は一艘四人、早い物順だ。ほい乗った乗った」
同じ、いや俺よりは感動が少なそうではあるが、生徒と同じく若干景色に見惚れていた声を聞いてハッとなる。視線を感じて隣を見れば、トムがニヤニヤと笑っている。
「お前にもそう言う感情があったんだな」
「五月蝿い。誰よりも楽しみにしていたやつが言える事じゃないだろ」
「否定はしないのか」
若干トムが驚いている。俺をなんだと思ってるんだ。別に感情が皆無なわけでもないし、記憶はともかく感覚はこの歳の子供に随分と近い自覚はある。下手に大人びているよりも良いだろ、別に。
逃げるように船に乗り込む。どうやら俺たちが最後だったようで、余っていたシユウの乗る船に同乗する形でトムと乗り込む。
「全員乗ったね。んじゃいくぞー。進め」
おそらく最後の言葉が合図になっていたのだろう。船が一人でに動き出し、湖面を滑るように進んでいく。
静かだ、とても。夜の湖を渡っているせいかもしれない。夜風が適度に心地よい。
「...なぁ」
「あ、私ホグズミード店長だから学校話はそっちの私にして」
「いやなんでだよ」
「届け物ついでよ。アルバス君の無駄な気遣いとも言う」
あー、それならまぁ、わからなくもない。あの校長は時々そう言う余計な気遣いをする時がある。
とはいえそれが本音だとも思わない。護衛、もしくは監視の言い訳としてその言葉を使った可能性がある。一応俺たちは生き残った男の子として注目を浴びている存在なのだから、学校までの短期間を死喰い人の残党などが襲いかかってきてもおかしくはない、とか考えていても変ではないだろう。
「学校以外なら聞くけど。あ、弁当の空箱邪魔だろうし今のうちに預かるよ」
「ここで回収すると思って渡したのかよ」
「いや偶然。割と直前に決まったし...と、早いな船。そろそろつきそうだけど他に質問は?」
「僕達が何をしても良いんだな?」
真面目に問いかける。トムも気になっていたのか返答を待っている。
最終確認、とでもいえば良いだろうか。
俺たちホムンクルスは結果がどうであれ、シユウが目的あって作られた存在だ。俺の記憶の中では『生き残った男の子』と言う存在を奪い取りヴォルデモートに一泡吹かせるためのみだった気がするが...すでに十年前の思考だ。別の利用を考えていてもおかしくはない。
トムはトムとしての意識があるから別として、シユウがどう考えていようと『シュウ』と言う存在はシユウの分身体だ。何か目的があるのならそれに沿って動きたいし、聞いておきたい。
かくして、そんな考えのもと尋ねた問いかけに対してシユウはきょとんとした顔を浮かべ、何やら合点が言ったのか笑いながらこう答えた。
「ご自由にどうぞ。別に現状目的があるわけでもないし、強いて言うなら君らが好きに存在してくれた方がこっちも助かる。面白ければ尚のこと嬉しいかな。先輩の件もあるしね」
どうやら少し考えすぎたらしい。とりあえず俺はそう結論付ける。
そういえば先輩の件があったな。それを探すのを目標にしようか。流石に二週目の学校生活は授業関係の大半が暇になるであろうことが確定している。
トムは俺と違い、むしろ何かを考えているようだ。とはいえ口元が笑っているので面白いことか、碌でもない事は確かだろう。教員になると言っていたしそこまで何か酷い事はしないと思うが。
「んじゃあとは教員の私に聞きな。一緒だけども...おっと、一年生全員頭下げなー!ぶつけないようにねー!」
すでにホグワーツ城の真下らへんまでついていたらしい。洞窟に入りかかる直前にかけられた大声に少し慌てて頭を下げる。高さ的には上げていてもぶつかる事はなさそうだが、垂れ下がる蔦は顔面にクリーンヒットしていた事だろう。
天井が高くなったのを確認し顔を上げると、そこは洞窟内の船着場のようで、緑のローブを着た女性が慎ましく佇んでいた。