こちら魔法界ホームセンター 作:そこら辺に転がってる石
マルフォイの口調難しいけどスネイプの言葉はめっちゃすらすら出てくるんだよね。一体どうして
魔法薬学の教室に着いたのはどうやら二番手だったらしい。すでにトムと、一緒にきたであろうポッターと列車で出会ったロンがいた。
合同であれ特に席の指定はなかったはずだ。躊躇なくトムの横に座るとドラコがその左側に座った。自然とこの五人で一列埋まってしまったようだ。
「シュウ!それに...えっと、マルフォイ、だっけ?列車ぶりだね!」
「...そうだな。久しぶり」
「ようポッター。元気そうだな」
「そっちこそ。あ、ハリーって呼んで。僕もシュウって呼び捨てにしているし」
そう言ってポッター、もといハリーがにこやかに笑いかける。前から薄々思っていたが自然と会話に入ってきたりなかなかにコミュニケーション能力が高いんだな。どう接するか悩んでいたらしいドラコが毒気を抜かれて普通に返事してたぞ。
「上々か?」
「そこそこにね。シュウの方は?」
「一週間そこらで何か変わるわけでもないが、強いて言うなら暇だな」
俺は普通に、隣に座るトムに話しかける。
ドラコにも言ったが寮が別になったことは何も思っていないが、仮にもヴォルデモートだった人物がどうやってグリフィンドールに行ったのかは気になるところだ。とは言え今は無関係のドラコ、ハリーにロンがいるし、こうして話している間にも他の生徒が次々に教室にたどり着いているから大々的に聞くことはできないので、当たり障りない会話になる。
現に隣で聞いていたらしいハリーが、俺の暇という言葉に反応して声をかけてきた。
「もしこの後暇なら僕たちと一緒にハグリットの小屋に行かない?招待されているんだ」
「へぇハグリットに...え、トムも行くのか」
驚きの提案にトムを見れば、とても複雑な顔をしていた。あまり会いたい人物ではないがハリーの誘いを断るのは、と言った表情だろうか。
ダイアゴン横丁でも一緒だったが、ハリーは随分とハグリットとの仲が良いらしい。確か途中退学しているとは言えグリフィンドールに組み分けされていたはずだし、性格的に気も会うのだろう。
だが...うーむ。正直俺はお勧めしない人選ではある。その時のことは記憶に残っているし、生徒の頃の様子も森番になった後もどう言う人物だったかはよく知っているつもりだ。接する機会があまりなかったとは言えシユウもハグリットも同じホグワーツの教員なのだから。
「...ハリー、やめとこうぜ。スリザリンを連れて行ったら気を悪くするかもしれないだろ」
「なんで?同じ魔法学校の一年生じゃないか」
「それは、そうだけど」
「ふん、スリザリン寮が気に食わないなら直接そう言えば良いじゃないか。だからグリフィンドールは、と言われるんだぞ」
ロンがゴモゴモと言葉を紡ぐ。小さく言っていたつもりだろうが、こちらまで丸聞こえだ。売り文句に買い言葉とでも言わんばかりにドラコが噛み付く。
「君の親が何を吹き込んだか知らないが、スリザリンというだけで嫌うなんて幼稚な発想はやめた方がいいぞ、ウィーズリー」
「今僕のパパをバカにしたのか?」
「そう教えたのが君の父親なのだとしたらそうだ。君だってグリフィンドールだからと言う理由で嫌われたら怒るだろう」
「グリフィンドールはスリザリンと違って嫌われる寮じゃない!」
立ち上がりそうな勢いで叫ぶのを見て頭を抱える。これだ。これのせいで話がだいぶ通じない。だからグリフィンドールは苦手なんだ。急に飛躍した感情論を勢いのままに突きつける。全員がこうとは言わないが、そういった発言をする人が多いのがグリフィンドールなんだ。
いや、仕方のないことっちゃ仕方のないことかもしれない。今回の場合、ロンは俺やトムのように精神が成長し切ってるわけではないし、ドラコのように貴族的教育を受けていたわけでもないだろう。ウィーズリーは純血一族ではあるが貴族というわけではないのだから。まぁその場合大半が純血至上主義なのでグリフィンドールと真っ向から口論するだろうが。
ドラコに関して言えば、純血至上主義は残っているものの、ルシウスの考え方やマルフォイ家の教育のほかに俺たちと接している影響で色々と考え方が変わったらしい。ルシウスのなんでも利用する性格を受け継ぎ始めていると言っても良い。どこの寮であれ、自分が縁を作るにふさわしいと感じれば作りに行こうとする努力を感じれる。
...まぁ、一介のグリフィンドール生ならここまでのことにはならなかっただろうな。マルフォイ家とウィーズリー家というか父親同士の因縁がある一家の子供だから起こったことだ。
「ロン、一旦落ち着こう。あまり大きな声は迷惑になってしまう」
「落ち着けだって?あいつは僕達グリフィンドールをバカにしたんだぞ!」
「バカにしてるのはお前だけだウィーズリー。ハリーのことは普通に良いやつだと思っているしトムは元々仲がいい。僕は君と違って寮で人の良し悪しを決めない。そもそも喧嘩を売ってきたのは君だろ」
「ロン、シュウの言う通り落ち着くべきだよ。もう直ぐ授業が始まる...ドラコも、その、今はよした方がいいと思う」
「左様。ここは魔法薬学を学ぶ場であり諸君らが議論する場ではない」
突然、第三者の声が響く。口論していた二人も、それを止めようとしたハリーもトムも、呆れていた俺も同時に前を向く。
そこにいるのは柔らかな黒髪を肩まで伸ばした、鉤鼻が特徴的な男性だ。羽織っている黒いローブは、他の教員と比べて少しマグル的な新しさを感じる。
セブルス・スネイプ。シユウだった頃の教え子の一人であり、当時ルシウスが気にかけていたスリザリンの後輩。当時と比べると髪質や肌質が良くなっており、その時よりはストレスと無縁の生活を送っていることが伺える。組み分けの時も目撃していたが教員になっていたとは。シユウは割とこう言うのを人に伝えない。
「すでに授業開始の時間になっているのに大声で喚き立てるとは随分とご機嫌なようで何より。しかし先ほども言った通りこの教室は私が諸君らに魔法薬学を教える場だ。けして魔法のまの字も未だ知らぬ一年生が力強い演説をする場ではない」
「あの、ご、ごめんなさ」
「しかしそこまで声を出すと言う事は随分と完璧な予習をしたのだろう。吾輩に教えられる必要がないほどにな」
謝ろうとしたロンを遮って淡々と告げるスネイプ。あんまりな勢いのせいで怒りのままに立ち上がっていたロンは座るタイミングを失ったようだ。
いつの間にか教室にいた全員がスネイプの方を見ていた。スネイプが顔を動かし生徒が揃っているのを軽く確認すると、再度ロンに向かい言葉を発する。
「ウィーズリーと呼ばれていたな。それではウィーズリー、アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」
『生ける屍の水薬』。とても強力な睡眠薬の一種で、使用方法は十分に注意しなくては二度と目覚めることのできない、文字通り生きる屍になる薬だ。効力が強力なくせに作成方が簡単なことでも知られている。
確か教科書の序盤にあったはず、とペラペラとめくり探す。当てられたロンはいったいなんの話をしているのかわからず目を白黒させている。
「どうした?わからないのかね?随分と後半の予習をしていると見た。それならば、ベゾアール石を見つけてこいと言われたらどこを探すかね?」
「あ、その」
「これもわからないと?ではモンクスフードとウルフスベーンの違いは?」
前者は解毒石のことだ。胃が消化できなかったものの塊のことを指している。魔法界ではヤギの胃から取れるとされているが、やろうと思えば牛でも犬でも猫でも、人間だって作れるだろう。ただ魔法的価値はなくなる可能性がある。魔法的価値のあるベゾアール石はもっぱら万能解毒薬として重宝されており、マグルの間でもヒ素という物質に対する解毒効果が存在する石もあるとわかっている、まぁ解毒作用のある生物由来の石だ。
後者は同一のものだ。別名アコナイト、有名な名称はトリカブトだろうか。猛毒を持った植物だが、毒というのは薬にもなる。実際脱狼薬などの魔法薬に利用されているし、マグルも鎮痛効果のある薬や漢方の一種として取り扱っているところもある。
割と基本所の知識を尋ねているようだ。しっかりと一年の範囲内、後半と言っていたがそう遠くないうちに教えられるであろう知識。予習していれば答えられる程度の問題だ。ただそれを全員やるかと言われればやらないだろうし、突然当てられて動揺しているロンが答えられなかったこと責めるつもりはない。そもそも答えられずとも俺に被害はない。
「...わかりません」
「なるほど、座りなさい」
おずおずと座るロン。俯き、心なしか先ほどより一回り小さく見える。あのとき騒いでいた勢いはどこへやらだ。自業自得とも言えるのでそれ以上何か思うことはないが。
「ではそこの、答えられるかね?」
「はい先生」
当てられたのは俺、ではなく隣のトムだった。先ほどから視界の端で勢いよく手を上げていた栗色の髪の少女がいたのだが教員もトムもガン無視している。視界外の可能性もあるが、そもそも当てる際に周りを見ていなかったので元々当てるつもりがなかったのだろう。
「アスフォルデルとニガヨモギは眠り薬である『生ける屍の水薬』を作る材料です。ベゾアール石はヤギの胃の中から取り出し、解毒として使います。モンクスフードとウルフベーンは同一の存在で、植物のトリカブトのことです」
「よろしい、座りたまえ。彼に免じて減点は無しだ。次はないので気をつけたまえ。...さて諸君。なぜ今の言葉をノートに書かない?」
一斉に羽ペンと羊皮紙を取り出す音が聞こえる。俺は特にこだわりがないので普通にマグル製ノートとボールペンで書き込み済みである。契約書ならまだしも、わざわざ書きづらい羊皮紙や羽根ペンを使う理由がない。
「魔法薬調剤は微妙な科学と厳密な芸術の上行われる神秘だ。杖を振り回すような馬鹿げたこととは大きく違う。沸々と沸く大釜、ゆらゆらと立ち上る湯気、血管をはいめぐる液体の繊細な力、惑わせ誘惑し、感覚を狂わせる魔力。そう言った緻密な調整の上出来上がるものだ。諸君らにこれを真に理解する期待はしていない。我輩がするのはただ名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死に蓋をする方法を教えるだけだ」
大演説だった。だれもが黙って聞き入れていた。
正直俺は魔法薬学は好きな教科の一つだ。絶妙にマグルの信頼する科学に頼りながらも魔力という要素で全く別のものに変容させるこの授業はどっちの知識も持っている俺からすればとても心躍るものだ。と言うか、そうでもなきゃホムンクルス作成なんていう突拍子もない方法は思いつかなかった気がする。失敗しているが。
「では諸君、改めて授業を始めよう」
とある書き込み掲示板(幻覚)
!Question! S君
あの子をアレの子と捉えるか同居しているあの人の子供と捉えるか、とても難しすぎて無視してしまう。何か良い案はないだろうか。できることなら仲良くなり家来てもらいたいのだが、アレの顔が嫌でも浮かぶせいで複雑だ。どうしたら良いのか、考えすぎて夜しか眠れない。誰か助けてくれ
!Answer! Sさん
君それ後者の場合自分の息子として見ようとしてない?怖...
手に追えなさそうなので好きなように考えて、夜にぐっすり寝てください