こちら魔法界ホームセンター 作:そこら辺に転がってる石
純血と純潔を間違える...このままだと魔法界が綺麗になっちまうよ...
「さーて諸君、おっはよー!」
目の前でボソボソと話していた生徒達が一斉に静かになる。
うぅむ、さすがは上級生。授業に対する態度がしっかりしている。ただ真面目な子が多いのか気さくな挨拶に対して軽く返す子がいないのが少し残念かな。
本日めでたく、私の担当するマグル学の初授業だ。現状あまり人気のない選択科目の一つではあるものの、それでも一定数興味があるのか受ける子はいる。興味のない子は...寝ても大丈夫とでも思ってそうな子が何人かいるな。
ふははは。私の授業で寝れると思うなよ!暇つぶしのためにも明日から話題の中心間違いなしの授業をしてやろう!頑張って準備したからな!
「さて...改めて、今日からマグル学を担当するシユウよ。苗字はないからシユウ先生とお呼びなさいな。少なくとも君たちは約一年間共にする選択科目の一つだから、ちゃんと授業は聞いておくことをお勧めするよ」
ざっくりと周りを見渡す。生徒達...はこれからどうにかするとして、なんなんだこの教室は。
開発したての自転車があることはまぁ、いいだろう。いくつか魔法界の共通認識である内容が書かれた紙が貼り付けてあるのも許そう。
だが大砲、てめーはダメだ。てか玉入ってんじゃんあれこっわ。説明文軽く見ると杖とか書いてあるし...知らないって怖いわぁ。
「とりあえず、今日は初回ってのもあって私が今後君たちに教えることを大雑把に説明しよう。選択科目なんでまぁ、多少なりとも君たちはマグルという魔法の使えない人間に興味を抱いていると思われる。もしかしたらマグル生まれの人もいるかもしれないが...そうだな。現在の魔法界から見たマグルという内容についてはあまり教えることができないだろう。それを期待しておるのならごめんね」
「教えられない?じゃあ一体この授業じゃ何をするんですか?」
とりあえず謝罪から入ったら当然の疑問を寄せられた。
そりゃそうだ。というか質問した子ちゃんと手をあげて聞いてる。めっちゃ偉いじゃん。
「いい質問だ。私がやるのはそれよりもさらに深く。マグルが何を使い、どのように生活し、どのような歴史を歩んできたか。そんな現代を教えてあげよう。具体的には魔法族だという事を隠してマグルの会社に勤められる程度には。ちなみに魔法省公認よ。半分くらい」
「それは...今までと一体何が違うんですか」
...ふむ?見た感じ数人はなんとなく理解したみたいだが、まだまだ分かりづらいのか。
しょーがない。ちょっと早いけど実際に見せた方が早いか。
「大人たちの知る空想のマグル世界が今までの授業の内容よ。私が教えるのは、先ほども言った通りリアリティのある、現実の歴史よ」
おもむろに懐から杖を取り出す。左右に振ると、説明文がめちゃくちゃな、もともとこの部屋に置いてあったマグル製品が次々と消えてゆく。
正式には消してるのではなく一時的に私の魔法鞄に移動しているだけだが、まぁそれは置いといて。
「魔法界が数々の魔法を生み出し生活を豊かにしている間、マグルも同じく科学を使って発展した。それらは我々と比べて発展していることはあっても、決して劣っていることはない」
杖を振るう。教卓や生徒たちの机と椅子をのぞいたものが綺麗に片付けられ、代わりに板書用の黒板が二回り大きくなる。
本当ならわかりやすいマグルの道具を出せたらいいんだけど、目に見えてすごいものっていうと今は武器しかないから少し授業には出しづらい。わかりやすいゲームとかがあればもうちょっと変わったかもしれないけど、チェスは魔法界にも存在するから特に珍しくもなんともないしね。
「マグルを知るためにはまずはマグルに興味を持つ必要があると私は考える。まぁなんか小難しいこと考えるの面倒だし...とりあえず初回だから、ざっくりとどのように違うのか、できるだけ面白おかしく伝えようと思う」
教員として仕事できる程度の知識や技能があれど、教員としてはド素人だから、どう生徒を引きつければいいかがいまいちわからない。
勉強不足を実感するなぁ。後で校長や、アルバス君にも聞いてみよう。どうやら彼は生徒の中でも結構好かれるような存在らしいし。
私の目的のためにも、生徒に嫌われたり見捨てられるような授業はしたくない。
「あぁちなみに、今日の授業の宿題を先に言っておこう。宿題は君たちの知るマグルという存在についてのレポートを書くように。尚事実確認が取れてなかったものでも問題ないから、フィクションでもなんでも書いてかまわんよ。半ページぐらいは書いて欲しいかな」
どっちにしろこの初回は失敗と言えるだろう。とりあえず次回は生徒のレポートを見て魔法界との差とかを教えるようにしよっと。
もともと不人気教科だし、前途多難だぞこりゃ...。
コソコソ話
設定ミスったせいでやりたいことがなんもできなかった結果、なんか思ってたんと違う授業になった
思ったより昔の生まれやったんか彼...