機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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ライジングフリーダムとイモータルジャスティスはMGで出るかな?Byイチカ    其れは微妙ねぇ……Byカタナ    出ると思いたいっすByシン


PHASE104『一時の平穏と……~Ein Moment des Friedens~』

――ファウンデーション王国:王城練兵場

 

 

シュラとの模擬戦を圧倒的勝利で飾ったイチカは、マドカとレイとハイタッチを交わしキラとは拳を合わせていた。

 

 

「僕が剣での戦いも出来たら良かったんだけど……手間を取らせたねイチカ。」

 

「人には得手不得手ってモノがあるから仕方ねぇって。

 近接戦闘なら俺の方がお前より上だが、俺はモビルスーツで戦闘しながらOS書き換えたり、初めての砂漠戦で戦闘プログラムを砂漠戦に適応させたり、遥か上空からモビルスーツのライフルの銃身を通過中の銃弾撃ち抜いたり、動き回る敵機を数十機をマルチロックオンで捉えて全機不殺で済ますなんて事は出来ないからな……お前ホントに人間かって思うぜ。」

 

「君がそれを言う?

 フリーダムと一緒だったとはいえ、バッテリー機のビャクシキで核エンジン機のプロヴィデンスを墜としたイチカも相当トンデモナイと思うよ?」

 

「確かにそうだが、そんな俺達もタバネさんと比べるとまだまだ人間の範疇なんだよなぁ……」

 

「タバネさんは、進化した人類なんじゃないかな……スーパーコーディネーターすら及ばないスーパーヒューマンなんだと思う。」

 

「否定出来ねぇな其れは。」

 

「でも、ホント凄いわよねぇオリムラ副隊長。アンタじゃこうはいかなかったでしょうねシン?ま、アタシが出たら勝ったかもしれないけど。」

 

「寝言は寝て言えよアグネス。

 自慢じゃないが、俺は近接戦闘ではイチカさん以外に負けた事はないんだ……相手がイチカさん以上でない限り近接戦闘での俺の勝ちは絶対だ!!」

 

 

そんな中でアグネスはまたもシンを挑発して来たのだが、シンは其れに冷静に対処し、逆にアグネスに強烈なカウンターをブチかまして見せた。

シンはイチカの弟子であり、モビルスーツのシミュレーター訓練だけでなく、生身でのスパーリングも数え切れないほど熟しており、其のスパーリングの中には模造刀を使った剣術もあったので、シンは不完全ながらもイチカの剣技を其の身に覚えさせていたのである。

そしてその腕前は本物で、近接戦闘に限定したシミュレーションでのバトルでは、シンはキラにも勝っているのだ――故に、アグネスの煽りなんぞはシンにとってはなんの問題でもないのだろう。

 

 

「アグネス?……アグネス・ギーベンラート、『月光のワルキューレ』か……強き者は美しいな。」

 

 

アグネスの名に反応したシュラはこんな事を言い、其れを聞いたアグネスは頬を赤らめ、シュラに熱っぽい視線を送るのだった。

其れを見たシュラは僅かに口元に笑みを浮かべていた――そう、まるで『巧く行った』と言わんばかりの笑みを……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE104

『一時の平穏と……~Ein Moment des Friedens~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、王城の大広間では盛大なパーティが開催され、フロアでは紳士淑女がダンスを楽しんでおり、コンパスの面々も重要なゲストとして此のパーティに招かれていたのだが……

 

 

「共に踊っていただけますか姫?」

 

「お前の誘いを断ると思うかレイ?」

 

 

其処ではレイがマドカに跪いてダンスを申し込み、マドカが其れを受け入れ、更にレイはマドカの手を取り其処にキスを落とすと言う気障極まりない事をした後に周囲の紳士淑女に交じってダンスを開始。

小柄なマドカと高身長のレイでは巧くダンスが出来ないようにも思えるが、マドカは西暦時代の平成ギャル並みの厚底ブーツを着用していたので問題はなかった。

 

 

「貴国の繁栄はかねがね耳にしておりましたが……」

 

「此の短期間で此れだけの繁栄とは驚きですわ……此れもアウラ女帝の政治手腕の賜物と言えますわね?」

 

「サラシキ女史、妾一人の力ではない。

 我が国は年齢や出身を問わず、優秀な人材を登用している。ナチュラル、コーディネーターに関わりなくな――全てオルフェとゾルガの采配じゃ。」

 

 

会場の一角ではコンパスの総裁であるラクスと副総裁であるカタナ、そしてアークエンジェルの艦長であるマリューがファウンデーションの女帝であるアウラ、宰相のオルフェとゾルガ、そして国防長官にして近衛師団長を務めるシュラと会談していた。

アウラが言うにはファウンデーションの繁栄は優秀な人材ならば出身も年齢もナチュラルかコーディネーターを問わずに登用しているからとの事であり、其れ自体はコンパスが目指している世界平和において基盤となるモノなのでラクスとカタナも否定する事はなかった。

 

 

「「一曲踊っていただけますか姫?」」

 

 

 

此処でオルフェはラクスの、ゾルガはカタナの前に片膝をついて座り込み、ダンスの誘いをかけて来た。

 

 

ラクスは一瞬戸惑ってキラの方を見たのだが、此処で断ってファウンデーションとの関係が悪化するのは良くないと考えてオルフェの申し出を受けて一曲踊る事になったのだが――

 

 

「ダンスは苦手なのよねぇ……公衆の面前で無粋なダンスを見せたくもないし……」

 

「ダンスが苦手とは意外ですね?

 ですが、私がフォローしますのでご安心を。」

 

「ん~~……だとしても気分が乗らないからやめておくわ。

 私としてはダンスよりも、もっとアウラ女帝とお話ししたいのよねぇ……お話と言うよりもO・HA・NA・SHIかもしれないけど♪アウラ女帝の最大必殺技は桜色の元気玉……」

 

「おぬし、妾をなんだと思っておるのだ?」

 

「全力全壊魔法少女……ではありません。」

 

「うむ、意味が分からぬ!」

 

 

カタナはゾルガからのダンスの誘いを絶妙な理由で断り、更にはアウラを弄ると言う結構ギリギリな事を行っていた――普通ならばファウンデーションとの関係を悪化させかねない行為だが、カタナは前世の記憶からギリギリの一線を見極める事が出来ているので、こんな事が出来るのである。

 

 

ホールではオルフェとラクスが見事なダンスを披露する傍ら、コンパスの面々はバイキング形式の立食パーティを堪能していた。

 

 

「シン、ルナマリア、お前達にバイキングの奥義を教えてやろう。

 まず寿司は絶対にダメだ。米で腹が膨れるし酢飯と醤油で喉が渇く。そして中華もNGだ。濃い味付けと油で矢張り喉が渇いて水を飲む事になって食べる量が減ってしまう。

 なので、フォアグラのような高価な肉料理から食べるようにしろ。」

 

「了解であります!……にしても、なんなんですかねアイツ等?」

 

 

其処ではイチカがバイキング形式の立食パーティの極意を伝授しつつ、シンがファウンデーションの面々に関して疑問を抱いていた。

フリーダム強奪事件の際にはキラが乗っていなかったとは言え、先の大戦で一度の被弾もなく最強の名を欲しいままにしたストライクフリーダムを戦闘不能にし、更には『ブラックナイト』なる独自のモビルスーツまで使用し、コンパスの部隊に対して挑発的な言動を繰り返す事が気になっていたのだ。

 

 

「普通に考えれば選民思想を持ってるコーディネーターなんだろうが……スーパーコーディネーターのキラや、戦闘特化型のコーディネーターである俺よりも上だと思ってる感じがしたから、スーパーコーディネーターをも超える存在なのかもな。」

 

「イチカさんやキラさんよりも強いって事ですか?……信じられませんよ、そんな事!」

 

「まぁ、俺やキラを超える存在だったとしても、経験の差が大きいから俺とキラが負ける事はないがな……実際、さっきの模擬戦でアイツ等も感じたんじゃないか?

 少なくとも俺に関しては一筋縄じゃ行かない存在だって……そんでもって、そんな俺が副隊長のコンパスは油断ならない相手だってな。

 なんにしても、奴等は真面な軍隊じゃない……アンタもそう思うだろフラガの旦那?」

 

「あぁ、真面じゃないね。

 そもそも連合から独立した国家が此の短期間で此れだけ繁栄できることがおかしいんだ……相当後ろ暗い事をしてないと、これだけの繁栄は有り得ないってな――そんな事も無しに此の繁栄があるんだとしたら、それこそファウンデーションはバケモンだよ。」

 

 

イチカとムウはファウンデーションの部隊は真面なモノではないと考えており、表沙汰に出来ない後ろ暗い事をしているのではないかと推測していた。

奇しくもその推測は後にアスランとロラン、メイリンによって証明される事になるのだが、今の段階では推測の域を出てはいなかった。

 

その一方で、アグネスはキラをダンスに誘っていたのだが、『僕達は遊びに来てるんじゃない』と言われ、断られていた。

 

 

「アンタさぁ、もう隊長にちょっかいかけるの止めときなさいよ。」

 

「何で?」

 

「何でって……アンタ、本当に隊長の事好きな訳?」

 

「私はアンタとは違って適当なところで妥協したくないのよ。」

 

「妥協ですって?」

 

「あの山猿と付き合ってるのが其の証拠。

 アンタ、理想の人が見つからなかったからアイツで妥協したんでしょ?」

 

「それ、本気で言ってるならぶっ殺すわよアグネス。

 私はシンで妥協したんじゃなくて、シンが良かったから付き合ってるの。アンタみたいに略奪愛繰り返して男とっかえひっかえしてる尻軽女と一緒にしないでほしいわね。

 なんて、好きでも無い男に処女捧げたアンタに言っても分からないか。」

 

 

その後でルナマリアとアグネスの間でお互いの恋愛観の違いによるバトルが勃発し掛けたのだが、其処にレイとのダンスを終えたマドカが割って入り、『尻軽痴女は精々男の『放送禁止』でもしゃぶってろ!』と言ってアグネスの膝裏にローキックをブチかまして強制ダウンさせた後にシャイニングウィザードを叩き込んで完全KOしていた。

 

 

「これ、捨てていい?」

 

「捨てると問題になるから割り当てられた部屋に放り込んどいてステラ。」

 

「分かった。」

 

 

そのアグネスはステラによって割り当てられた部屋に放り込まれるのであった……自分と同じ体格のアグネスを軽々と担ぎ上げるステラは流石は連合の強化人間と言ったところか。

その後、ルナマリアがシンに『一曲踊ってくれない?』と言い、シンは『俺ダンスは苦手なんだけど……ルナが其れを望むなら』とその誘いを受け、ぎこちないながらも一曲踊ったのだった。

其れを見たファウンデーションの面々はぎこちないシンのダンスを見て馬鹿にしたような笑みを浮かべていたが……

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティ会場を抜けたキラはテラスで夜空を眺めていた。

ラクスがオルフェからのダンスの誘いを受けたのは政治的な判断として正しいと理解は出来ても、納得出来ないと言ったところだろうか……

 

 

「キラ、一杯どうだ?星を肴に飲むってのも良いモンだぜ?」

 

「イチカ……そうだね、少し飲もうかな……月見酒ならぬ星見酒ってのも悪くないね。」

 

 

其処にイチカが酒の入ったグラスを二つ持って現れ、一つをキラに渡す。

イチカとキラはグラスを軽く合わせると其の中身を一気に飲み干した。

 

 

「つ、強いねこのお酒?なんなのこれ?」

 

「アルコール度80%のウォッカ。普通に火が点くレベルだな。

 口の前でライターつけて毒霧噴射すれば、誰でも簡単ヨガフレイム!!」

 

「突っ込みが追い付かないよ……って、ん?」

 

 

グラスの中身は超絶強い酒だったのでキラも思わずむせたのだが、これだけ強い酒を一気飲みしても全然平気なイチカとキラはコーディネーターの中でもトップクラスの色々なモノへの耐性があるのは間違いないだろう。

そんな中、キラはラクスとオルフェがダンスをしながら城の外の中庭に出て来た事に気付いた。

そのダンスは見事なモノだったのだが、ラクスは終始目を瞑り、オルフェと目を合わせないようにしていた……初対面時に妙な感覚を覚えたので、視線を合わせないようにしているのかもしれないが。

その後、オルフェはラクスに中庭に咲いているバラを一本差し出し、ラクスも其れを受け取った。

其処でオルフェは自身の理想『此の世界の真の平和の実現』をラクスに話し、ラクスも『それは素晴らしい事ですわ』と肯定したのだが、オルフェの顔にキラの顔が重なり、じしんに触れてきたオルフェの手をやんわりと払うと、『旅の疲れが出たようです。今日は失礼させて頂きます』と言って其の場を去ったのであった。

 

 

「あのパツ金、ラクスに手を出そうとするとか良い度胸してんじゃねぇか……ラクスにはキラが居るってのによぉ?

 あの手の輩は見てるだけでムカつくんでちょっと滅殺して来るわ……我が名はイチカ!殺意の波動に目覚めた拳を極めた者なり!!」

 

「イチカの髪が逆立って、目と髪が赤くなって肌が褐色に!?落ち着いてイチカ、僕は大丈夫だから!

 僕はラクスを信じてるから!!」

 

「単純にアイツムカつくからボコりたいんですけど。」

 

「それはそれで大問題だからやめて。隊長命令。」

 

「隊長命令じゃ仕方ねぇな……命拾いしたなパツ金野郎。」

 

 

オルフェのラクスに対する態度に不快感を覚えたイチカは殺意の波動に目覚めかけたのだが、其処はキラが何とか抑えて事無きを得たのだった。

その後、キラはパーティ会場に戻って行ったのだが、ラクスが去った後にオルフェはテラスに目を向けるとイチカに対して含みのある笑みを浮かべ、それに対してイチカは余裕の笑みを浮かべながら右手をピストルの形にして己の頭を撃ち抜くポーズをして見せた。

イチカの行為を額面道理にとれば『自ら命を絶つ覚悟はある』と言ったところなのだが、オルフェは其の裏にある『俺は何時でも自分の命を絶てるから、他者の命を絶つのは容易い』と言うメッセージを感じ取り、パーティ会場に戻るイチカに厳しい視線を向けるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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