機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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作者はポケモンエメラルドでストライク使いのエリートトレーナ『キラ』と戦った事がある!Byイチカ      なに其の謎の拘り!?Byキラ


PHASE16『燃える砂塵~Heat Of Desert~』

 

キラの容態を考慮してザフトが実効支配しているアフリカに降下したアークエンジェル内では、キラがフレイの献身的な看病によって驚異的な回復を見せて夜には全快しておりアークエンジェル内部を歩き回る事が出来るようになっていた。

そしてイチカは夕食の準備に取り掛かっていたのだが、其処にはフレイの姿もあった――家事、取り分け料理スキルに関しては壊滅状態のフレイは、将来的にキラに美味しい料理を作りたいとの事でイチカに弟子入りを申し入れて来たのだ。

イチカとしても其れを断る理由はないのでフレイを弟子として受け入れたのだが、フレイの料理の腕は中々にぶっ飛んでいた。

 

 

「フレイ、この真っ黒なペースト状のモノはなんだ?」

 

「……ぽ、ポテトサラダ……」

 

「なんで茹でたジャガイモを潰してマヨネーズと混ぜるだけの料理が真っ黒になるんだよ!」

 

「あ、味にパンチを加えようと思って黒コショウをふんだんに入れたら良いかなぁって思って入れたらこんな事に……ほ、ほぼ一瓶全部入れちゃったかも……」

 

「アホか!こんなモン食ったらキラの脳の血管が破裂すんだろうが!

 変にアレンジ加える前に先ずはレシピ通り作れレシピ通りに!アレンジはレシピ通りに作れるようになってから!そうなるとこのオムレツに見える真っ赤な物体はチリパウダーぶっこんだってところか?」

 

「あ、チリパウダーじゃなくてデスパウダー(朝天唐辛子パウダー、ハバネロパウダー、キャロライナリーパーパウダーのミックス)とデスソースを卵に混ぜて焼き上げただけよ。」

 

「おうふ、想像してたよりも酷かった。」

 

 

まさかのダークマターをも通り越した危険物質を作り出しており、此れはイチカでもフレイの料理の腕前を鍛え上げるのは相当に骨が折れる事だろう……大前提として料理が出来ないのに先ずレシピ通りに作ろうとしない時点で大問題である。

 

 

「正直此処まで酷いとは思っていなかったが、だからこそ遣り甲斐があるってモンだ……ザフトとの戦闘もあるだろうから教えてやれる時間は限られてくるだろうが、其れでも合計五十時間以内にお前の料理の腕前を人並までは引き上げてやる。

 だが、俺は料理に関しては妥協はしねぇ……オーブ軍で緊急時の炊き出し隊の隊長に任命されてんのは伊達じゃねぇからな?和、洋、中の基本をミッチリ叩き込んでやるから覚悟しろよ!」

 

「はい、お願いします師匠!」

 

 

其れでもフレイはやる気満々なのでイチカはミッチリと鍛えてやる事にした……料理の腕前の向上はフレイ自身にとってもプラスであるだけでなく将来的にはキラの為にもなるのだからイチカも熱が入ると言うモノだろう。相棒には幸せになって欲しいのだ。

因みにフレイに『料理のさしすせそは知ってるか?』と聞いたところ『サラダ油、塩、酢、背脂、ソース』との答えが返って来てイチカは頭を抱える事に……一応全て食材だった事と『し』と『す』は正解していた事がなんともアレであるが。

 

 

 

――ビー!ビー!!

 

 

 

そんな中、艦内にコンディションレッドを告げる警報が鳴り響き、其れを聞いたイチカとフレイは表情を一変させた――考えるまでもない、アフリカを実行支配しているザフトの地球部隊が攻撃をして来たのだ。

 

 

「続きは帰って来てからな。」

 

「まだ何も教わってないんだから死なないでよね?」

 

「誰に言ってんだお前?俺がそう簡単に死ぬかよ……てか、俺が死にそうになったらタバネさんが介入して生かしてくれるんじゃないかなぁって思ってる俺がいる。」

 

「……その人、本気で何者なの?」

 

「俺もあの人の事は良く分からんが、不思議と怪しいけど頼りになるんだよ……変わり者の変人である事は間違いないと思うけどな。」

 

 

フレイはブリッジに、イチカはモビルスーツが格納されているハンガーに向かって戦闘の準備に入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE16

『燃える砂塵~Heat Of Desert~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イチカがパイロットスーツに着替えてハンガーに到着すると、其処にはパイロットスーツに着替えたキラの姿があった――顔色はスッカリ良くなり体調は完全に回復したようである。

 

 

「キラ、お前もう動いて大丈夫なのか?」

 

「イチカの料理とフレイの看病のおかげで完全回復出来たよ。」

 

「俺の料理よりもフレイの看病の方が効果はデカかっただろうがな……愛の力は偉大だマジで。

 だが、回復したとは言え病み上がりなんだ、無理せず休んでた方が良いんじゃないか?」

 

「確かにそうかも知れないけど、イチカは同じ状況で休んでる事なんて出来る?」

 

「ま、出来ねぇわな……そんじゃ、頼りにしてるぜ相棒!夜襲掛けて来やがったザフトの連中に一泡吹かせてやろうじゃねぇか!」

 

「うん、行こうイチカ!」

 

 

イチカは病み上がりのキラの体調を気にしたが、キラから『同じ状況で休んでられる?』と言われたら其れは否なので、キラの思いを汲んで共に出撃する事を決めて腕を合わせてらイチカはビャクシキに、キラはストライクに搭乗してカタパルトに移動する。

 

 

『キラ、大丈夫なの?』

 

「うん、大丈夫だよフレイ。君の看病のおかげで完全回復出来た……其のお陰で僕はこうして戦える。行って来るよフレイ。」

 

『キラ……貴方の武運を祈るわ――ストライク、発進スタンバイ。ストライカーパックはランチャーを装備します。進路クリア。ストライク、発進どうぞ。』

 

「キラ・ヤマト。ストライク、行きます!」

 

『ビャクシキ、発進スタンバイ。バックパックはオオタカを装備します。オプションでゲイボルグも装備。進路クリア。ビャクシキ、発進どうぞ。』

 

「イチカ・オリムラ。ビャクシキ、行くぜ!」

 

 

ストライクの発進シークエンスはフレイが、ビャクシキの発進シークエンスはミリアリアが担当し、アークンジェルの左右のカタパルトからビャクシキとストライクが射出されてビャクシキは空中に停滞し、ストライクは砂漠に着地したのだが……

 

 

 

――ズル……

 

 

 

砂地に足を取られてしまった。

ストライクが地上戦を行うのはヘリオポリスの市街地戦に続いて二回目だが、ヘリオポリスが堅いコンクリートの地面だったのに対し、今回は柔らかい砂地であった為姿勢すら真面に制御出来なかったのだ。

 

だが敵は待ってはくれず、其処に四つ足型の砂漠のような局地戦闘に特化したザフトのモビルスーツ『バクゥ』が現れた。

姿勢制御もままならない状況で局地戦特化型のモビルスーツとの戦闘ともなれば其れは可成り難しいモノとなる――と言うか、相当な無理ゲーであるのは間違いないだろう。ストライク一機のみならば。

 

 

「空を飛べる場合、地上の環境ってのはあんまり関係ないんだな此れが!」

 

 

ストライクに迫るバクゥを上空からビャクシキがゲイボルグで撃ち抜いて爆発四散させる……砂漠では二足歩行タイプのモビルスーツよりもバランスが取り易いので圧倒的に有利になる四つ足型のモビルスーツのバクゥではあるが、空を舞う相手には逆に無力なのだ。

一応跳躍は出来るモノの、其れは空を舞う自由度には程遠いのだから――そしてマリューは砂漠と言う特殊環境だからこそザフトが砂漠特化のモビルスーツを持っていると予想してビャクシキにオオタカを、ストライクにランチャーを装備する選択をしたのだ。

空と地上からの波状攻撃で攻めればザフトの軍勢を圧倒出来ると踏んだのである――砂漠と言う特殊な地形にストライクが対応出来るかが懸念材料ではあったのだが、マリューはストライクを操作しながらOSを最適化してしまったキラの腕を信じる事にしたのだ。

 

そしてキラはそんなマリューの思いに応えるかの如くにバクゥの攻撃を避けるために跳躍した直後に見事に砂漠の地面に足を取られる事なく着地して見せた――キラはこの短時間にストライクの地面接地圧を砂漠の環境に対応出来るようにOSを書き換えたのだ。

 

 

「この短時間で砂漠に対応させたのか?アレがナチュラルだと?」

 

 

此れには双眼鏡で其の様子を確認したバルトフェルドも舌を巻くと同時に『あのモビルスーツのパイロットはナチュラルではないのではないか?』とも思っていた――バルトフェルドにナチュラルを見下す思想はないが、其れでも『コーディネーターでも難しいモビルスーツの局地戦へ対応』を僅かな時間でやってのけたストライクのパイロットがナチュラルであるとはとても思えなかったのだ。

 

 

「まさかとは思うが、連合にはコーディネーターのパイロットも居るのか?……だとしたら、少しばかり見過ごせんな。」

 

 

同胞であるコーディネーターが敵である地球連合に居ると言うのはバルトフェルドからしたら見過ごす事は出来ない――同胞での殺し合いなど、到底容認出来るモノではないのだから。

とは言え、今はそれを確かめる術はないので仕掛けた夜襲でアークエンジェルを落とす事を優先する訳だが。

 

 

「PS装甲がない相手に対してはゲイボルグは最強レベルの兵器だな……ビームと違って機体エネルギーを消費する事もないからコスパも最高に良いぜ!しかも空からなら一方的に攻撃出来るから負ける気がしねぇ。

 キラ、今の俺ならいっそ阿修羅にだって勝てる気がするんだけど如何よ?」

 

「イチカは何時だって誰にも負けないと思うけどね……だけど、此処からが本番みたいだよ?」

 

「だな……良いぜ、そっちがその気ならトコトンやってやらぁ!!」

 

 

先に出て来たバクゥは全滅させたモノの、新たに六機のバクゥが現れ、更にはバルトフェルド隊の旗艦『レセップス』の主砲による砲撃も加わり戦況は一気に苛烈な状況へと変わって行った。

レセップスの攻撃に対し、アークエンジェルもミサイルや電磁レール砲の『ヴァリアント』、大口径ビーム砲『ゴッドフリート』で応戦する――特装砲である陽電子砲の『ローエングリン』を使えば一気にカタが付いたのだろうが、地上での陽電子砲の使用は環境に悪影響を与えるとの事でマリューが許可しなかった。

軍人としては甘い判断なのかもしれないが人としては間違った判断ではないだろう。

 

 

「コイツ等、新たに出て来た奴もだけじゃなくて先に出て来てた奴等もさっきまでとは動きが違う?……さっきまでは小手調べって事かよ……上等だオラァ!!」

 

「アークエンジェルはやらせない、絶対に!」

 

 

新たに出撃して来た六機のバクゥは先に出ていたバクゥとの連携攻撃を行ってビャクシキとストライクに波状攻撃を仕掛けて来る。

バクゥに搭載されている遠距離兵器はミサイルポッドなので、PS装甲ならば無効化出来るとは言え、着弾時の爆煙を無効にする事は出来ず、その爆炎に紛れて他のバクゥが追撃を仕掛けてる連携には地上のストライクだけでなく、空中にいるビャクシキも手間取る事になった。

地対空ならば圧倒的に空の方が有利であるとは言え、爆煙で視界を遮られたところに地上からの奇襲を仕掛けられたら対処が遅れてしまう――結果として、ビャクシキはゲイボルグの銃身を折られてしまう事に。

更に跳躍したバクゥはビャクシキに覆い被さるように降って来て、ストライクを強襲した地上のバクゥはストライクのコックピットを狙って攻撃して来た……此の攻撃が通ってしまえばイチカもキラも無事では済まないだろう。

正に絶体絶命だが……

 

 

 

――パリィィィィィン!!

 

 

 

その瞬間にイチカとキラのSEEDが発動し、ビャクシキは降って来たバクゥを巴投げの要領で投げ飛ばすと、其処にビャクライのビームを撃ち込んで撃破し、ストライクはアーマーシュナイダーをホルダーから取り出して突撃して来たバクゥの頭部にカウンターで突き刺してメインカメラを破壊した後に右肩のコンボウェポンユニットのガトリングで破壊して撃破する。

こうして絶体絶命の状況は脱したイチカとキラだったが、数の上では絶対的に不利であるのは変わらない――アークエンジェルからの支援攻撃はあるとは言っても戦艦の攻撃でモビルスーツを撃破するのは略不可能に近く、精々牽制するのが精一杯なのだから。

 

 

「キラ、コイツを使え!」

 

「イチカ?うん、ありがとう!」

 

 

此処でイチカは雪片を二刀に分割すると一つをキラに投げ渡してランチャーストライクにアーマーシュナイダー以外の近距離武装を供与する。

これによりストライクは距離を詰められても戦闘が出来るようになったのだが、レセップスの主砲の攻撃が厄介だった――ビャクシキとストライクが反撃するのに合わせて行われる主砲の攻撃により、イチカとキラは決定的なSEED直後以外は決定的な反撃を行う事が出来ていなかったのだ。

此のままで機体エネルギーが尽きてジリ貧なのだが――

 

 

『その二機のモビルスーツ、砂漠の虎の部隊を地下洞に誘い込め!限られた空間内で一気に仕留めるんだ!』

 

 

此処でビャクシキとストライクに謎の通信が入って来た――その声はイチカにもキラにも聞き覚えのあるモノだったのだが、今はそれを気にするよりもその通信に従う事が正解だと直感で思ったイチカとキラはストライクが囮となってバクゥの一団を地下洞に誘い込み、誘い込んだ先でビャクシキと挟み撃ちにして、最後はランチャーストライカーのメイン武装であるアグニの超絶ビーム砲撃と、ビャクシキがオオタカのブースターを全開にして放った『疾走居合い』でバクゥを全滅させたのだった。

 

 

「イチカ、返すよ此れ。」

 

「ハイよ。」

 

 

ストライクから雪片の片割れを返されたビャクシキは空中で其れを連結させた後に手元で器用に回転させた後に腰部アーマーのホルダーにスタイリッシュに装着してターンエンド。

出撃したバクゥが全機撃破された事で、バルトフェルドも此れ以上の戦闘は得策ではないと考えたのか其れ以上の追撃はしてこなかったので、砂漠の夜の戦闘は一先ずアークエンジェルの部隊が勝利と言う結果になったのだった。

 

 

「何とかなったなキラ……お疲れさん。

空を飛んでりゃ地上の条件は関係ないと思ってたが、案外そうでもなかったぜ……ぶっちゃけ局地戦舐めてたわ――あの通信がなかったらジリ貧だったかもだぜ。」

 

「確かに其れは否定しないよイチカ……でも、あの通信は一体誰が?聞き覚えのある声だったけど……」

 

「お前もか?俺も聞き覚えのある声だったんだよなぁ……果てさて、俺達を助けてくれた女神様は何処の誰なんだろうな?……取り敢えず、アークエンジェルに戻ったら軽く腹ごなしだな。

 アルテミスでの火事場泥棒の際に、袋の『チキンラーメン』を五箱もゲットしたお前達はGJと言わざるを得ないぜマジで。」

 

 

謎の通信相手の事は気になったイチカとキラだったが、追撃が来ない事を確認すると其のままアークエンジェルに帰還して行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、カガリは砂漠での戦闘、そしてビャクシキとストライクがアークエンジェルに帰還するまでの全てを双眼鏡で見ていた――ビャクシキとストライクに通信を入れたのは他でもない、カガリだったのだ。

 

 

「カガリ、巧く行ったのか?」

 

「取り敢えずな。」

 

 

仲間にそう言うと、カガリは双眼鏡を投げ渡して砂漠に設営されたテントの中に入る。

砂漠に設営されたキャンプは決して大きいとは言えないが、かといって小さいかと言われたら其れは否――このキャンプは、『砂漠の虎』に対抗するために結成されたカガリ率いるゲリラ部隊……レジスタンス部隊『明けの砂漠』のキャンプだったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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