機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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今回俺達ほとんど出番なーし!Byイチカ      今回はカガリとアスランの話だからねByキラ


PHASE24『二人だけの戦争~Cagalli&Athrun~』

 

アークエンジェルとザフトのモラシム隊の戦闘は苛烈を極め、其の最中にカガリがスカイグラスパーで出撃するも被弾し、しかし被弾しながらも地球に降下して来たザフトの輸送機の一つを撃墜していたのだが、其処でスカイグラスパーも限界が来て輸送機が墜落したのと同じ無人島に不時着していた。

 

 

「つつ……不時着時に備えてのクッション機能が必要かもしれないな。」

 

 

不時着したスカイグラスパーから外に出たカガリはそうごちると不時着した島の散策を始めるのだった。

 

 

そして同じ頃、無事に地球に降り立ったカタナ達は、撃墜されたアスランの身を案じていた――其れはタダ単純に隊長の輸送船が撃墜されたと言う事だけだなく、カタナ達がアスランの事を本当の仲間だと思っていたからこそ、その身を真に案じていたのだ。

 

 

「新部隊の初任務が隊長の捜索と救出とは……オイ、、俺は一体どこから突っ込めばいいんだカタナ!と言うか、アスランの奴は不幸過ぎないか!?

 クルーゼ隊に任命されたのは兎も角として、クルーゼ隊に任命された事で親友と戦う事になり、そして今また地球に降下して来た所をピンポイントで撃墜されるとはドレだけ不幸なんだアイツは!?」

 

「言われてみれば中々に凶運だわねアスランって?お祓いとかしてもらった方が良いのかしら……とは言ってもこの近くに神社とか無いでしょうけど。」

 

「神社って、其れは東アジア連合の国にでも行かないと無いですよカタナ……其れよりも、アスランが無事だと良いんですが……」

 

「ま、アイツなら大丈夫じゃねーの?

 輸送機が被弾しても中のモビルスーツが無事ならなんとかなんだろ?イージスはモビルアーマー形態なら大気圏内でも飛べるみたいだし。」

 

「そう思ってイージスのシグナルを現在捜索中だけどまだ見つからない。

 若しかしたら何処かの無人島に不時着してイージスの電源をオフにしてるのかも……だとしたらもう一度電源が入るまで見つけるのは可成り難しいかもしれない。」

 

 

無論アスランが簡単に如何にかなるとは誰も思ってはいないが、何事にも『万が一』と言う可能性が必ず存在している事を考えると、一刻も早く見つけ出して救助したいと言うのが本音だろう。

 

 

「そう言えば、アスランの輸送機を襲った戦闘機も被弾していたように見えたのだけど……墜落前の最後っ屁でアスランの輸送機を撃墜して、其のまま海の藻屑となったならまだしも、アスランがイージスで無人島に不時着したと仮定して、同じ無人島に不時着した可能性も無くはないわよね?

 もしも其処でアスランと戦闘機のパイロットが出会ったりしたら……取り敢えず生きるために共闘した挙句に仲良くなっちゃったりして?」

 

「カタナ貴様、流石に其れは……無いとも言い切れんが、其方の方が今回は有り難いかもしれん。もし殺し合いになったとしたら、相手が余程の手練れでない限りは大丈夫だろうが、戦闘経験がある相手となれば奴でも無傷でとは行かんかもしれんからな。

 其れは兎も角、カンザシばかりに任せておく事も出来んだろう!俺達は俺達で探しに行くぞ!デュエル、バスター、ブリッツも、新装備の『グゥル』を使えば大気圏内でも飛行出来る訳だからな!」

 

「そうね、行くとしましょうか?

 カンザシちゃん、イージスのシグナルをキャッチしたら即連絡入れて頂戴な♪」

 

「うん、了解だよお姉ちゃん。」

 

 

アークエンジェル追撃の特務隊、『ザラ隊』には新たに大気圏用モビルスーツ空中支援機体『グゥル』が配備され、此れにより大気圏内での飛行能力を持たないデュエル、バスター、ブリッツも大気圏内での飛行が可能となって行動範囲が広がっており、早速その新装備を使ってアスランの捜索の為に出撃して行ったのだった。

カタナのグラディエーターはバックパックを装備する事で大気圏内での飛行能力も有していたので其のまま出撃して行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE24

『二人だけの戦争~Cagalli&Athrun~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方のアークエンジェルでも、カガリが戻らないために一夏がビャクシキで、キラがストライクで出撃してカガリの捜索に出ていたのだが、懸命の捜索にもかかわらずカガリの行方は掴めていなかった。

 

 

「カガリ~~何処だ~~?いるなら返事をしろ~~!……って言って返事が聞こえて来たら苦労はしねぇよなぁ……ったく、カガリのお目付け役を任されてるならGPS付きの携帯か発信機持たせとけよキサカさん。」

 

 

イチカはカガリに緊急用の通信機やGPSを持たせていなかったキサカに文句を言いながらも捜索を続け、キラはスカイグラスパーのシグナルからの救難シグナルが無いかを調べていたのだが、スカイグラスパーからの救難信号は出されていなかった――被弾して無人島に不時着したスカイグラスパーでは救難信号を送る事はどだい不可能ではあるのだが。

 

イチカとキラがカガリを捜索している中、アークエンジェル内では副艦長のナタルが戦闘中の行方不明……実質的な『戦死』を意味する『MIA判定』を提案していた――無論ナタルとてカガリの生存を信じたくはあったが、アークエンジェルの現状を考えると捜索に時間を掛けるのは得策ではないと考えての苦渋の決断ではあったのだが、艦長であるマリューは其れを認めずにカガリの捜索の継続を命じたのだった。

軍人として判断するのであればマリューの判断は甘いのかもしれないが、人としての判断としては間違ってはいないのでナタルも其れ以上は何も言わなかった……技術士官であったマリューと生粋の武官であるナタルではそもそもの考え方が異なり、マリューの考えはナタルからすれば『甘い』モノであるが、ナタルはマリューの判断其の物は嫌いではなかった――だが、武官として生きて来たからこそ異を唱えているだけであり、同時に副艦長である自分の意見を抑えてマリューが自分の意見を通す様をアークエンジェルのクルーに見せれば、マリューの艦長としての立場も安泰になると考えていたのだった。

 

 

「其れが艦長命令であるのならば従いましょう……ビャクシキとストライクにカガリとスカイグラスパーの捜索を続行するように伝えろ。」

 

「了解!」

 

 

其れからビャクシキとストライクにアークエンジェルから『捜索続行』の通信が入り、イチカとキラはカガリの捜索の為に機体を走らせるのだった――尚、キラのストライクのエールストライカーは、アークエンジェルの整備クルーによってビャクシキのオオタカパックのブースターとスラスターを流用した改造が施されて大気圏内での飛行能力を有していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

無人島に不時着したカガリは無人島を散策してる最中に同じく無人島に不時着していたアスランを発見していた。

アスランはカタナ達が予想していた通りに輸送機が落ちる前にイージスに乗って脱出したのだが、あまりにも地面が近くなっていたのでモビルアーマー形態になる事が出来ず、PS装甲の物理攻撃無効能力とイージスの運動能力の高さでこの無人島に降り立っていたのだ。

だが其れでイージスは機体エネルギーを大きく消費してしまったので、今は少しでも消費を抑えるために電源をオフにしているのである。

 

 

「(アイツはザフトの……アイツを討てば、アークエンジェルの敵も減るか……!)」

 

 

 

そんなアスランを発見したカガリは岩陰に身を隠すと息を潜め、そしてアスランが近くに来るのを待つ――カガリはアスランを此処で討つ気でいたのだ。

コーディネーターとナチュラルが共存している数少ない中立国である『オーブ』で育ったカガリにはナチュラルだのコーディネーターだのとの差別意識はなかったのだが、地球のレジスタンス組織に参加した事で、ザフトには僅かばかり所謂『アンチ』の感情が芽生えてしまい、故にアスランを討つと言う選択をしてしまったのだ。

 

アスランが近くに来たところでカガリは奇襲をかけたのだが、アスランは冷静に其れに対処すると、ナイフを持つカガリの右手を捻り上げてナイフを落とすと、背負い投げで地面に組み伏せると今度は自分がナイフを振りかぶる。

其れこそ、そのナイフを一気に振り下ろす勢いでだ。

 

 

「ぐ……!」

 

「……女の子?」

 

 

だが、ナイフを振り下ろす前にアスランは相手が自分と同じ位の歳の女の子と言う事に気付いて攻撃の手を止めた――ザフトの軍人であるアスランでもナチュラルの女の子を攻撃するのは躊躇われたのだろう。

ナイフを収めたアスランはカガリの上からどくと、カガリも体勢を立て直して其の場にしゃがむ。

此れにはアスランもカガリもなんとも言えない微妙な空気となってしまったので、夫々の通信機で通信が出来ないかと電波状態を確認したのだが、通信機器の電波状態はレベル1にもなっておらず、通信はほぼ不可能な状態となっていたのだった。

 

 

「通信は出来ないか……そしてそれはそっちも同じみたいだな?

 なら、此処は一時休戦としないか?此処で俺達が争う理由はないからな。」

 

「そう、だな……今は争うよりも生き延びる事を最優先に考えるべきだったなうん。」

 

 

なので此処は一時休戦となり、アスランとカガリは救助が来るまで一緒に待つ事になり、其処からカガリとアスランは自分の事を話すようになっていた――カガリは自分の今の立場、アスランは何故今自分が地球に居るのか、其れを話していた。

 

 

「レジスタンスに参加していたのか君は……レジスタンスの仲間を討ったザフトの事は憎むべき相手か……」

 

「さっきまでは、お前を討てばアークエンジェルの敵も減ると思ってたが……其れは間違いだったと思う――と言うよりも少し冷静になるべきだったな私も。

 所詮レジスタンスで付け焼刃の戦闘技術しか学んでいなかった私が、生粋の軍人であるお前に生身の戦闘で勝てる筈もないなんて事は、少し考えれば分かる事だったのだから。」

 

「生身の戦闘は兎も角、戦闘機の操縦技術は高いと思うがな?

 連合からの奇襲があるんじゃないかと警戒していた心算だったが、まさか被弾した状態の戦闘機に撃墜されるとは思っていなかった……隊長が此の体たらくでは隊員達を不安にさせてしまうだろうな。」

 

 

カガリもアスランも話をしながら何とも不思議な気分だった。

カガリは現在はアークエンジェルの一員として地球連合サイドで戦っており、アスランは其のアークエンジェルを追う追撃隊の隊長と言う立場であり、本来ならば相容れる筈のない者同士の筈が、一時休戦状態とは言えこうして普通に話をしているのだから。

 

 

「それにしても、お前も其の、中々に難しい立場と言うか厳しい状況なんじゃないか?

 アークエンジェルにはお前の親友が乗っているんだろう?……ストライクのパイロットって事は、キラだよな?親友同士が敵として戦わなきゃならないだなんて、私だったらきっと耐えられないと思うな。」

 

「俺だって本音を言えばキラとは戦いたくない。

 だが同時に、アイツが俺の仲間を殺してしまったその時に、俺の中にあるキラへの友情が怒りと憎しみに一気に転化してしまう可能性は捨てきれない……そうなったら俺はその感情のままにアイツを殺そうとするだろうな。」

 

「……そうなる前に、戦争が終わると良いんだけど……連合もザフトも互いに落としどころが見えてない現状では其れは難しいか――砂漠の虎の『敵を全て滅ぼして終わらせるのか?』って言うのは、戦争を終わらせる難しさを言い表わしていたのかも……」

 

「敵を全て滅ぼす……其れこそ現実的じゃないけどな。」

 

 

キラがアスランの親友だと言う事を聞いたカガリは、なんとも遣る瀬無い気持ちになっていたが、現状では其れは如何する事も出来ない問題でもあった。

キラもアスランも互いに守りたいモノの為に戦っているのであり、互いに自分が退くと言う事は仲間の命を危険にさらす事にもなるので如何あっても退く事だけは出来ないのだから。

 

 

「其れよりも、キラは元気か?

 ナチュラルばかりの船にコーディネーターと言うのは肩身が狭いと思うんだが……」

 

「其れに関しては心配いらないぞ?

 コーディネーターはキラだけじゃなくイチカもいるし、何よりもキラにはガールフレンドが居るみたいだからな?ナチュラルの。」

 

「ちょっと待て、今なんて言った?キラにガールフレンドが居るって言ったか?」

 

「あぁ、言ったぞ?

 名前は確か、フレイ・アルスターだったか?赤い髪をポニーテールにした女の子でな、女の私が見ても極上レベルの美少女だな……多分だが、キラの戦う理由の多くを占めてるのはフレイの存在だろうな。」

 

「アイツ、何時の間にガールフレンドなんて作ってたんだ!?」

 

 

そして何時の間にかキラにガールフレンドが出来ていた事にアスランは軽い衝撃を受けるのだった……自分は婚約者が居る身であっても、親友に恋人が出来るとは思っても居なかったのだろう。其れは其れで中々に失礼な話ではあるが。

 

 

其のまま時間を忘れて話している内に夜になり、無人島の洞窟内で焚火を焚いて一晩を過ごす事になったのだが、先に眠ったのは意外にもアスランの方だった。

今のカガリには敵意が無いと判断したのか、それとも先に寝てしまうほどに疲れていたのかは定かではないが……だが、眠ったアスランを見てカガリはその隙にアスランの銃を奪って躊躇いながらも銃口を向ける。

一時休戦として話しはしたモノの、アスランはザフトの兵士でありアークエンジェルの敵なのは変わらない……ならば、眠っている隙にと思ったモノの、カガリは銃を撃つ事が出来ず、しかし引鉄に掛けた指が大きく震えた事で銃を暴発させてしまい、其の銃弾はアスランの腕を掠めてしまったのだった。

 

 

「!!?」

 

「す、すまない!こんな、こんな心算じゃなかったんだ……私は……」

 

「…………」

 

 

本来ならば、アスランはカガリの事を此の場で殺すべきだったのだろうが、銃をもって震えるカガリの事を殺す気にならなかったアスランは何も言わずに、カガリの手当てを受けるのだった。

そして、カガリとアスランは互いに相手に対して少し特別な感情を抱く事になっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜が明け、通信も回復した事でカガリはアークエンジェルと、アスランはカンザシと通信を行い夫々の陣営から救助が来る事になり、カガリとアスランは一緒に居るところを見られると良くないと考えて、夫々無人島の両端に移動して迎えを待つ事にした。

 

 

「そう言えばお前、名前は?」

 

「……アスラン。」

 

「私はカガリだ。じゃあな、アスラン!!」

 

 

其の別れ際にカガリとアスランは互いに相手の名を知るのだった。

そしてまずはカガリの方にビャクシキとストライクが迎えに来て、其れから遅れる事十分後にアスランの方にグラディエーターとデュエルが迎えに来て、カガリとアスランは無事に夫々の陣営に戻って行った。

 

そしてそれは同時に、此処からアークエンジェルと追撃部隊の本格的な戦闘が始まると言う事でもあったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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