機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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ストライクノワールだけじゃなくブルデュエルとヴェルデバスターもMGで出してくれByイチカ      其れは、望み薄だと思うよByキラ


PHASE5『イチカとキラ、最高無敵のバディ結成』

ヘリオポリスを脱出したイチカ達はアークエンジェル内で過ごす事になったのだが、アークエンジェルのオペレーターとなったキラの仲間達が地球連合の軍服を着用していたのに対してイチカとキラは私服のままだった。

イチカはそもそもの所属がオーブ軍なので地球連合の軍服を着る必要はなかったのだが、キラも私服と言うのは如何にイチカのバディであっても少々解せない。仲間達が地球連合の軍服を着用しているのならば尚更だ。

 

 

「僕達は連合の軍服着なくて良いのかな?」

 

「着ないんじゃなくて着れないんだから仕方ないだろ?サイズが合うやつはオペレーター組が使ってる訳だし。

 そもそもにして軍人が乗る軍艦に一般人に、しかも学生にサイズの合う軍服が五つもあった事が奇跡みたいなもんだっての……其れを言ったら、俺達にサイズの合うパイロットスーツがあった事はもっと奇跡的だけどな。」

 

「確かに其れは言えてるかも……それよりも無事にオーブに戻れると良いんだけどね。」

 

「マッタク何もなくってのは期待出来ないだろうな……ザフトが連合の新型艦を見逃す筈がないし、此の艦だって動かしたばかりで燃料その他は最低限しか積んでない筈だから何処かで補給をしなきゃならん。

 その途中で必ず何度かザフトとの戦闘は発生するからな――とは言っても最優先にすべきは仲間を守る事と自分を守る事で、相手を倒す事じゃないけどよ……ったく、休暇で訪れたヘリオポリスでこんな事になるとは予想もしてなかったぜ。

 若しかしなくても今年の俺の運勢は大凶か?年初めに御神籤ひいときゃ良かったぜ。」

 

「イチカって星座は何座で血液型は何型?」

 

「天秤座のA型だけど、其れが如何かしたか?」

 

「新年の特番で『星座と血液型による運勢』ってのをやってて、天秤座のA型は、確か四十八位中の三十五位だった気がする。」

 

「中途半端に低いなぁ?最下位じゃないのが逆に凹むぞ?最下位なら逆に開き直るところだが、中途半端に低いと却って反応に困るわ!」

 

 

地球連合の制服を着ていないのは、単純に合うサイズが無かっただけだったらしい。

地球の、オーブに到着するまでには確実に何度かザフト軍と遣り合う事になるだろうが、イチカはあくまでも『最優先事項は仲間と自分を守る事』だと言っていた――此れは『敵の撃破』を最優先にしない事で、軍人ではないキラに対しての精神的負担を軽くする意味合いもあるだろう。

無論、相手を倒さねばならない状況もあるだろうが、イチカは可能な限りその役目は自分が背負うとも考えていた――軍人である自分こそがやるべきであると考えているのである。

 

 

「そう言えばキラ、お前工業ガレッジの学生なんだよな?彼女とか居ないのか?」

 

「居るように見える?イチカこそ彼女とか居ないの?」

 

「軍属に其れ聞くか?軍隊なんぞ只でさえ野郎の方が圧倒的に多い上に、上官の女性はリアルより二次元の人なんだぜ?……つか、基本的に女性は皆年上だから弟か息子扱いされる事が圧倒的に多いんだわ。」

 

「其れは其れで悪くない気もするけど……僕だったらちょっと耐えられないかも。」

 

 

他愛のない話を振るのもモビルスーツで出撃する時以外は出来るだけリラックスして過ごせるようにと考えての事だろう。

同時に、モビルスーツで出撃する際に過度な緊張をしないようにとの考えもあるのかも知れないが、何れにせよイチカがキラの事を気遣っているのは間違い無さそうであり、キラもまた気さくに話をしてくれるイチカの事は信頼しているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE5

『イチカとキラ、最高無敵のバディ結成』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘリオポリスから緊急発進したアークエンジェルだったが、本来の予定にはない発進だったため艦内物資は不足しており、一先ずは友軍の軍事要塞『アルテミス』に向かい、其処で補給を受ける事にした。

同時に暫定的にではあるがアークエンジェルの艦長はマリュー、副艦長はナタルが務める事になったのだった。

 

一方ヘリオポリスから一時撤退したクルーゼ隊ではブリーフィングが行われ、其処でラウが『連合製モビルスーツの性能は驚異的である事』、『其れが連合本隊の手に渡ったらこの戦争は一気にプラントが不利になる事』を理由に、アークエンジェルに攻撃を行い、連合側に残った二機のモビルスーツの撃破を次の任務としていた。

 

 

「今回出撃するのは、カタナ、イザーク、ディアッカ、二コルの四名。そしてジンが十機。アスラン、君は今回は待機していたまえ。」

 

「隊長、何故俺だけ待機なのですか!?」

 

「何故と言われると困るが、敢えて言うのならば第六感が今回は君を出撃させるべきではないと告げていると言ったところか……理論では説明出来ない事を言葉にすると言うのは存外難しいモノだ。」

 

 

だがこの任務にて、クルーゼ隊ではトップの腕前を持つアスランは何故か待機となった。

ラウの歴戦の勘から来る決定だったが、アスランからしたら確固たる理由もないのに待機を命じられたと言う若干理不尽を感じる状況でもあっただろう――撃破対象に嘗ての親友が含まれているのならば尚更だ。

 

 

「大丈夫だよアスラン。僕達だけでもやり遂げて見せるから。」

 

「二コル……」

 

「二コル君の言う通り、私達に任せておきなさいなアスラン。

 どうせだから機体は撃破せずに行動不能にだけしてパイロットごと連れて来ちゃいましょう♪そして其れが成功したら、あの機体のパイロットは私の部屋に連れ込んで……うふふ……♪」

 

「思考が怖いよお姉ちゃん……イザーク、お姉ちゃんが暴走しかけたら止めて貰っても良い?」

 

「言われずともその心算だカンザシ!」

 

「良くやるよなイザーク……俺だったら全力で断るところだね。今のカタナには触りたくねぇって。」

 

 

カタナの思考がまたしても暴走しかけたが、アスランは其れを聞いて若干安心もしていた。

パイロットごと連れて来ると言う事は、つまりキラも生きて連れて来ると言う事であり、そうなれば捕虜と言う形ではあるがキラをプラント側に――コーディネーター側に置く事が出来ると思ったのだ。

 

だがだからと言って不安が完全になくなった訳ではない。

必ずしもカタナの言った通りになると言う保証はどこにもなく、カタナ以外は寧ろ敵機の撃破を優先する可能性が高い事を考えると、キラが討たれる確率は可成り高いと言えるのだ。

そう考えたアスランは、命令違反である事は分かっていても、カタナ達が出撃した後に強奪したイージスに乗って出撃したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

グラディエーター、デュエル、バスター、ブリッツ、そしてイージスの接近をレーダーで捉えたアークエンジェル内にはコンディションレッドが発令され、イチカとキラはパイロットスーツに着替えてモビルスーツのドッグに向かい、其処でイチカはビャクシキに、キラはストライクに乗ってカタパルトに移動する。

 

 

「キラ、大丈夫か?」

 

「大丈夫だよイチカ。友達を守るために、僕は戦うから。」

 

「OK、その気持ちを忘れなきゃ大丈夫だ……そんじゃ、いっちょやりますか!」

 

『ストライク、発進スタンバイ。ストライカーパックはソードを装備します。』

 

 

出撃準備は着々と進み、カタパルト内ではストライクに近接戦闘特化型のストライカーパック、『ソードストライカー』が装着される。

ソードストライカーは近接戦闘特化型故にビームライフルは未搭載だが、逆に言えば本体のエネルギーを消費するビームライフルがない分だけ燃費の良いストライカーパックであると言えるだろう。

 

 

『無理はするなよキラ?』

 

「うん。ありがとうトール!」

 

『進路クリア。ストライク、発進どうぞ!』

 

「キラ・ヤマト。ストライク、行きます!」

 

『続いてビャクシキ、進路クリア、発進どうぞ。』

 

「イチカ・オリムラ。ビャクシキ、行くぜ!!」

 

 

先ずはストライクが出撃し、続いてビャクシキが出撃してザフトの軍勢を迎え撃つ。

ストライクはストライカーパックからレーザーブレード対艦刀『シュベルトゲベール』を取り出し、ビャクシキは左手にビームライフル『ビャクライ』を持ち、右手に雪片を双刃状態で展開する。

 

ザフトの方は強奪した五機の『G兵器』の他にジンも数機存在しており、数の上では圧倒的に不利なのだが……

 

 

「雑魚はお呼びじゃねぇんだよ!」

 

 

イチカはビャクシキに搭載されたマルチロックオンを起動すると、オオタカパックに搭載された高エネルギービームキャノンと電磁リニアランチャーを展開し、ビャクライも使っての一斉掃射でジンの半数を撃破!

其の攻撃は全て的確にジンの頭だけを吹き飛ばして居るのでパイロットは無事だろうが、頭部が吹き飛ばされると言う事はコックピット内のモニターは全てシャットアウトされてしまう訳で、視界が効かない状態では戦闘行為を続ける事は出来ないだろう。

イチカはジンのパイロットに情けを掛けた訳ではなく、数の上では圧倒的に不利なので、先ずは相手の数を減らそうと考えたのだ。

コックピットを狙えばパイロット諸共葬る事も出来るが、その場合は敵の闘志の炎に油を注ぐ結果となってしまう可能性が高い――だが逆に、頭部だけを吹き飛ばして行動不能にした場合、他の無事な機体が其れを回収して撤退する可能性の方が高いのだ。

真面に動く事が出来ないモビルスーツなど、其れこそ戦場では良い的でしかない上に、ビャクシキは先制攻撃で複数の相手を同時に攻撃する事が出来ると言う事を見せ付けたので、次の攻撃で確実に撃破されない為には、動ける味方が回収した方が良いのだ――損傷した機体は直せば済むが、死んだパイロットを生き返らせる事は出来ないのだから。まして、ビームやモビルスーツサイズの実弾兵器に貫かれたとなったら尚更だ。

 

そしてイチカの読みは当たり、頭を飛ばされなかったジンは、頭部を失ったジンを回収して撤退して行き、此の場に残ったザフトの戦力は強奪されたモビルスーツのみとなった。

数の上では二対五だが、ビャクシキが複数に対して攻撃出来る以上、たった三機の差はあってないようなモノと言えるだろう。

 

 

 

――キュピーン!

 

 

 

「此の感覚……お前かグラディエーター!」

 

「ウフフ……矢張り貴方が乗ってるのね、ビャクシキィ!!」

 

 

謎の感覚でお互いの存在を察知したイチカとカタナだったが、先ずはグラディエーターがミステリアスレイディの二刀流で斬りかかり、ビャクシキは其れを双刃モードの雪片で防ぎ、更にバトン回しの要領で雪片を操ってグラディエーターの二刀流に対処していく。

此れだけでも驚くべき事だが、更にビャクシキは左手のビャクライでデュエル、バスター、ブリッツへの牽制攻撃も行っていたのだ。其れもノールックで。

ビャクシキは額のメインカメラとツインアイカメラが捉えた映像だけでなく、頭部のセンサーが感知した機体もコックピット内のモニターに映し出されるので、イチカはビャクシキの頭部を動かさずとも攻撃をする事が出来たのだ……尤も、其れだけ処理すべき情報が増えるので、コーディネーターであっても完全に扱い切れるモノではないのだが。

 

 

「く……私が押されてるですって!?でも、そう来なくちゃ面白くないわ!」

 

「如何やら、オオタカを装備したビャクシキの方が性能は上みたいだな!」

 

 

だが、その戦いは徐々にビャクシキが押し始めていた。

カタナが強奪したグラディエーターはGATシリーズでもストライクと並んで後発型の機体であり、ストライクと同様に先発型のデュエル、バスター、ブリッツ、イージスで培われた技術がフィードバックされている高性能機なのだが、機体の開発コンセプトはストライクと同様に『バックパックの換装によって単騎であらゆる戦局に対応出来る機体』だった為、バックパック未装備の状態ではその真価を発揮する事は出来ないのである。

逆に同様の機体でありながら専用のバックパックを搭載したビャクシキはその性能を100%引き出している状態なので、こうなるのは当然と言えるだろう。

 

 

「カタナはやらせんぞ!!」

 

 

至近距離で電磁リニアランチャーを喰らって体勢を崩した所にビャクシキの雪片が振り下ろされ、グラディエーターは絶体絶命の状況になったのだが、すんでの所でデュエルが割って入り雪片の一撃をシールドで防いだ。

 

 

「ありがとう、助かったわイザーク。」

 

「貴様を死なせてしまったらカンザシに一生恨まれるからな……俺はそんなのは御免だ!」

 

「つまり、カンザシちゃんに嫌われたくなかったから私の事を助けたと、そう言う事なのかしら?」

 

「違うわ馬鹿者ぉ!!」

 

 

デュエルが割って入った事で、ビャクシキは一対二の状況になったのだが、イチカにとってはそんなモノはあまり関係なかった。

バックパックがない事で機体性能を十全に発揮出来ないグラディエーターと、搭載された装備が素直過ぎるデュエルのタッグであるのならば充分に対処は可能なレベルであるのだ。

 

とは言え、流石に二機を相手にすれば隙も大きくなるので、その隙にバスターとブリッツが仕掛けようとしたのだが……

 

 

 

――スパーン!

 

 

 

「え?」

 

「なんだこりゃぁぁぁ!?」

 

 

突如としてバスターの高エネルギー収束火線ライフルとガンランチャー、ブリッツのトリケロスがすっぱりと切って落とされた……ブリッツは兎も角として、メイン武装が二つとも使用不能になったバスターは此処で撤退間違いなしだろう。

 

 

「ビームブーメラン……此れは結構使えるね。」

 

 

其の攻撃を行ったのはキラのストライクだった。

ソードストライク唯一の遠距離攻撃武装であるビームブーメラン『マイダスメッサー』を投擲してバスターとブリッツの武装を破壊したのである。

 

 

「ナイスアシストだぜキラ!」

 

「此れ位なら僕でも出来るよイチカ。」

 

 

此れによりバスターとブリッツは撤退を余儀なくされたのだが、此処でアスランが駆るイージスがストライクに接近していた――イージスは腕部のビームサーベルで斬りかかり、ストライクはシュベルトゲベールで其れを防いだが。

 

 

「アスラン……何で、どうして君がこんな事を!」

 

「如何して、だと?

 なら教えてやるよキラ!地球連合がユニウスセブンを核ミサイルで攻撃した『血のバレンタイン』……あの日、ユニウスセブンには俺の母親が居た!母さんはプラントのために働いていただけなのに連合の核攻撃で殺された!

 母さんがザフトの軍人だったら俺も割り切る事が出来たかも知れないけど、母さんは民間人だった!その民間人である母さんを殺した連合を、俺が許せる筈ないじゃないか!!」

 

「アスラン……まさかそんな事があったなんて。」

 

「キラ、お前はそんな残酷な事をした奴等と一緒に居るんだ!奴等と一緒に居ても良い事は何もない!其の機体と共にこっちに来るんだ!」

 

「確かに血のバレンタインは連合の最悪の一手だったと思うけど、だからと言ってナチュラル全てが悪じゃない!僕の友達もナチュラルなんだ!ナチュラル全てが悪だって言うのは間違ってる!!」

 

「キラ……!」

 

 

数年越しの再会となった嘗ての親友同士は、しかし互いに譲れないモノも持っており、互いの意見をぶつけ合っても答えは出ない状況だった――其処からストライクとイージスは交戦状態となったのだが、其処に頭部を壊されたジンを母艦に輸送し終えたジンが割り込んで来て……アッサリとストライクに斬り捨てられた。

逆袈裟に斬り裂かれたので、コクピットが腹部にあるジンのパイロットは無事だったのだが、一撃で斬り捨てられたのはある意味ではトラウマとなるかも知れない。

 

とは言え、このままでは泥仕合になり兼ねないのだが――

 

 

 

――ピュオォォォォォ~~~~!

 

 

 

「何だこれは?」

 

「えっと、ニンジンかしら?」

 

「ねぇ、イチカ、此れって若しかしなくても……」

 

「タバネさんだろうな……つー訳で目を瞑れキラ!」

 

 

其処に突如としてニンジン型のロケットが現れ、そして次の瞬間に大爆発を起こして宙域には眩い閃光が――其れこそ暗黒の宇宙を照らす程の光が発せられ、ザフト軍はその閃光に目が眩み、咄嗟に目を瞑ったイチカとキラは目くらましを免れてアークエンジェルに帰還するのだった。

そして閃光が治まったその時には、アークンジェルはヘリオポリスの跡地から完全に離脱し、クルーゼ隊はアークエンジェルを見失ったのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

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