機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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生きるべき奴は絶対に生き延びるってなByイチカ     これが世界の運命力ねByカタナ   話について行けねぇ……!Byシン


PHASE78『残る命、散る命~Remaining lives, lost lives~』

 

クレタ沖で激突したミネルバと、オーブと連合の同盟軍。

モビルスーツとパイロットの質ではミネルバの方が上だが、数の上では同盟軍の方が上であり、更に同盟軍のモビルスーツは飛行能力を有しているモノが多く、支援機なしでの飛行能力を有している機体がキャリバーンフリーダム、エアリアルジャスティス、セイバーの三機であるミネルバは制空権を取られる形になってしまった。

 

 

「数の暴力でなんとかしようってか?その考えが甘いんだよぉ!!」

 

「一万匹の蟻は象の一踏みで全滅すると知りなさい!」

 

 

 

――パリィィィィィン!!

 

 

 

数で上回られただけでなく制空権を取られたら絶対不利なのだが、それを覆す事が出来る存在が居るのであれば其の限りではない。

イチカとカタナはSEEDを発動すると、エスカッシャンのエネルギーフィールドでミネルバを覆って外的攻撃をシャットアウトすると、キャリバーンフリーダムはバリアブルロッドライフルとバラエーナーの超火力で同盟軍のモビルスーツを撃墜し、エアリアルジャスティスはビームブーメラン兼ビームソードの二刀流で敵機を切り裂いて行った。

更に此の時、キャリバーンフリーダムとエアリアルジャスティスのクリスタル状のパーツ、『シェルユニット』は此れまで以上に鮮明かつ強烈に赤い光を放っており、それはまるでイチカとカタナのSEED発動に機体が応えているかの如くだった。

 

 

「っと、接近するモビルスーツあり?……此れはフリーダムとストライク・ルージュ……此の状況で、お前が来ないなんて事は無いよなキラ!」

 

 

その状況で現れたのはフリーダムとストライク・ルージュ。

カガリはオーブ軍を止める為に出撃し、キラはカガリの護衛で出撃したのだ。

 

 

「改めて名乗ろう!私はオーブ首長国連邦代表首長のカガリ・ユラ・アスハ!

 オーブの兵よ、今すぐ撤退しオーブに帰還せよ!此れは代表首長命令だ!……此れを聞いてもなお戦闘を続けると言うのならば、先ずは私を斬り捨ててからにしろ!」

 

 

戦場に現れたストライク・ルージュはオーブ軍に対し、ミネルバを守る形で立ち塞がり、其れに加えて武装を手にしない状態で両腕を広げる『通せん坊』の姿勢を取ってみせた。

其れは完全な無防備な状態であり、戦場に於いては只の的なのだが、オーブ軍の兵士達は攻撃する事が出来なかった――このカガリが偽物だという確固たる証拠があれば未だしも、カガリがユウナとの結婚式の際にフリーダムによって連れ去られた事はオーブ軍全体に知れ渡っていたので、フリーダムと共に現れたストライク・ルージュのパイロットは本物のカガリである可能性の方が高かったのだから当然と言えば当然だろう。

 

 

「自分を盾にするとは、中々の豪傑ねカガリちゃんは♪」

 

「中々出来る事じゃないからな……まぁ、それとは別に呼んでねぇ奴も来たみたいだぜ?……ったく、妹がヤンデレとか誰得だっての。」

 

「モテるお兄ちゃんは辛いわねぇ♪」

 

「過去は兎も角、今のマドカは俺への憎しみ100%だけどな。」

 

 

だが、戦場に現れたのはストライク・ルージュとフリーダムとアークエンジェルだけでなく、マドカ率いる『アベンジャーズ』もやって来ていた。

 

 

「お前が俺への憎しみを捨てきれずに無用な戦いを選択したってんなら、せめてもの情けとして俺がお前を討つ……なにより、俺の手で討たなきゃ、お前が戦場に介入したせいで死んじまったハイネに申し訳が立たないからな。」

 

 

それを見たイチカは不敵な笑みを浮かべるとアベンジャーズに突撃し、先ずは擦れ違いざまに二機のダガーを一刀両断して海の藻屑と化すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE78

『残る命、散る命~Remaining lives, lost lives~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マドカ率いるアベンジャーズの介入はあったモノのだからと言って戦場が混乱する事はなった――寧ろ、此の介入はミネルバにとっては有り難いモノであったと言えるだろう。

此処で仕切り直しが出来たのだから。

 

 

「お前達は……お前達が来たから、お前達のせいでハイネは死んだんだ……なんなんだよお前達はぁ!!!」

 

 

 

――バシュゥゥゥゥン!!

 

 

 

更に此処でシンがSEEDを発動し、斬りかかって来たデス・インパルスの攻撃を回避するとビームジャベリンのカウンターを放ったのだが、デス・インパルスは其れをギリギリで回避し、胸部のバルカン砲を放つ。

インパルスは其れをブラストシルエットで受けると同時にブラストシルエットをパージし、ミネルバにフォースシルエットの射出を要請し、フォースシルエットに換装するとデス・インパルスと切り結んでいた。

 

 

「邪魔……!」

 

 

シンがデス・インパルスとやり合っている中、ステラのガイアは連合の艦隊を次々と撃沈していた。

本来なら潜水能力も飛行能力も持たないガイアだが、モビルアーマー形態の機動力と跳躍力に限れば現行のモビルスーツを凌駕しており、其の機動力を活かして戦艦を飛び移りながら、背部のグリフォンビームブレードで戦艦のブリッジを切り裂いて撃沈していたのだった。

 

それはさておき、イチカ達はマドカ達と戦っていたのだが――

 

 

「ほう?お前が私の前に立ち塞がるかアスラン・ザラ!!」

 

「ザフトでも連合でもなく、イタズラに戦場を乱すお前達は一体何者なんだ!なぜこんな事をする!」

 

 

此処でセイバーとテスタメントが切り結んでいた。

テスタメントは近接戦闘に重きを置いた機体なので近接戦闘に関しては相当な強さを発揮するのに対して、セイバーは変形機構以外は大きな特徴の無い機体なので、真っ向から近接戦闘でぶつかればマドカのテスタメントの方が有利なのだが、アスランはビームサーベルの二刀流とモビルスーツとモビルアーマーの形態を絶妙に切り替える事でテスタメントと互角以上にやり合っていた。

 

 

「貴様には言っても分からんだろう……だが、貴様は此処でお終いだ、アスラン・ザラ!!」

 

 

 

――キィィィィン!!

 

 

 

「!?機体のコントロールが効かないだと!?」

 

「貴様の機体にウィルスを送り込ませて貰った――貴様の機体は死んだぞ!」

 

「!!!!」

 

 

此のまま戦えばアスランがマドカを落としていたのかも知れないが、マドカはセイバーと切り結ぶ中でコンピューターウィルスをセイバーに送りつけてその機能を停止させてしまったのである。

送り込まれたウィルスによってセイバーはコントロールを失い操作不能となってしまい、無防備な姿を晒す事になってしまった。

そうなれば最早ただの的であり、マドカはセイバーを切り刻んだのだが、アスランはコックピットが切り裂かれる瞬間に緊急脱出ボタンを押してコックピットから脱出しており無事だった。

 

 

「はい、回収。」

 

「カタナ、スマナイな。」

 

「仲間を助けるのは当然でしょう?……だけど、貴方がやられるなんてね……」

 

「あの機体は危険だ……コンピューターウィルスを送り込む機能――モビルスーツにとっては最大の天敵だ。」

 

「其れは流石に反則だわね。」

 

 

コンピューターウィルスを敵機に送りつける能力は極悪極まりないだろう――其れこそ、戦場のモビルスーツを全て機能不全に陥らせる事が可能なのであるのだから。

せめてもの救いは現状ではタイマン勝負でしか其の力を発揮出来ないという点だろう。

 

 

「アスラン……目の前で俺のダチ公を落とすとは良い度胸だなマドカ?……俺に落とされても文句言うんじゃねぇぞ?」

 

「ふ、貴様に私が落とせるかイチカ!」

 

 

続いて今度はイチカとマドカが切り結ぶ。

近接戦闘能力ならばテスタメントの方が上だが、総合的な能力ならばキャリバーンフリーダムが圧倒的に上であり、イチカも終始マドカを圧倒していたのであるが――

 

 

 

「此れでも喰らえ!!」

 

 

 

此処でマドカがコンピューターウィルスを送り込んできた。

普通ならウィルスを送り込まれた時点でゲームオーバーなのだが――

 

 

 

「効くかよ、そんなモノが!!」

 

 

 

イチカの感情に呼応する形でキャリバーンフリーダムのシェルユニットが青い光を放ち、その光を受けたエアリアルジャスティスもシェルユニットが同様の反応をしていた。

 

 

「馬鹿な、ウィルスが効かないだと!?」

 

「パーメットスコア6だったか?

 俺とカタナの機体は特別製でな、機体とパイロットのシンクロ率が高くなるほど強くなるらしくてな?シェルユニットが青い光を放ったのはスコア6を突破した証で、スコア6を突破するとあらゆる外的干渉を無効化し、更に敵機のコントロールも支配出来るってらしいぜ?」

 

「なんだその反則能力は!?」

 

「タバネさんが設計した時点でぶっ飛んでんだよ俺とカタナの機体はな!」

 

 

シェルユニットが青い光を放ったキャリバーンフリーダムとエアリアルジャスティスにテスタメントのウィルスは通じず、逆にウィルスを逆流されてテスタメントは動きが鈍ってしまっていた。

ウィルスの逆流を考慮してワクチンも設定されていたのだが、そのワクチンをもってしても逆流されたウィルスを完全に無効化する事は出来なかったのだ。

 

 

「八つ当たりの延長の怒りじゃ俺は倒せねぇよ。出直して来い、此のバカ妹が!!」

 

「く、くそぉ!!」

 

 

イチカはビームサーベルの二刀流でテスタメントの両腕を斬り落とすと、サッカーボールキックをブチかまして連合の艦隊にゴールして艦隊は爆破炎上!!

テスタメントにはPS装甲があるのでマドカは死んではいないだろうが、其れでも連合に大きな損失を与える事は出来ただろう。

 

 

同じ頃、キラのフリーダムは、キソのデス・インパルスと交戦状態にあった。

インパルスを模したデス・インパルスは現行のモビルスーツでは最高クラスの性能なのだが、ユニウス条約下で製造されたインパルスをベースにしているため、『制約の中で誕生した最高クラスの性能』であり、ターミナルと言う治外法権で『制約なしの中で誕生した最強』として復活したフリーダムではそもそもの性能に天と地ほどの開きがあるので普通ならば勝負にすらならないのだが……

 

 

「キラ・ヤマト……俺はお前の存在を認めない!絶対に!!」

 

 

キソはキラに対する執念でフリーダムに喰らい付いていた。

無論キラはデス・インパルスの攻撃を全て回避しダメージはゼロだったのだが。

 

 

「君からは凄い執念を感じる……だけど、戦場に介入してイタズラに戦場を混乱させるような事は絶対に間違ってる!

 こんな事をこれからも続けると言うのなら、僕は君を討つ!!」

 

 

 

――バシュゥゥゥゥン!!

 

 

此処でキラがSEEDを発動し、互いにビームサーベルをシールドで防いだ直後にシールドを投げ捨てる形でデス・インパルスのビームシールドを弾くと、左手でビームサーベルを抜いて逆手居合いでデス・インパルスの右腕を斬り落とし、変則二刀流でデス・インパルスをダルマにしてしまった。

 

こうなっては戦闘行為は不可能なのだが、デス・インパルスは上半身と下半身をパージすると、コアスプレンダーの状態で戦場を離脱したのだった。

 

 

「キラ・ヤマト……次こそは必ず!」

 

 

またしても敗北したキソだったが、この敗北によって更にキラへの恨みを募らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、そろそろ此の戦いも大詰めってか?

 となるとだ……トダカさんの秘匿回線のコードが変わってなけりゃ此れで通じるよな。」

 

 

アビスが撃沈し、アベンジャーズもマドカとキソが撤退した事で戦場から去った今、戦局はミネルバに傾いていた。

此処でイチカはオーブ軍時代にトダカから渡されていた秘匿コードを使ってトダカとの通信を試みていた。

 

 

「テステステス。

 此方現在無敵街道驀進中のザフトのイチカ・オリムラです。トダカさん応答どうぞ。」

 

「オリムラ!まさか君から通信が来るとはな……要件は?」

 

「トダカさんとクラリッサさんが乗ってる戦艦ドレ?

 ライト点滅させてくれます?」

 

「構わないが、何をする気だ?」

 

「その戦艦ぶっ壊すんで即時脱出して下さい。

 でもって、アークエンジェルに回収して貰うように連絡入れとくんで……アンタ達は、あの紫ワカメに使われる程度の器じゃない。真に其の力を発揮すべきオーブの君主はカガリだろ?」

 

「……そうだな……オリムラ、感謝する。」

 

 

此処でイチカはトダカ達の乗る戦艦を撃沈する事を伝え、トダカ達に即時脱出するように伝え、其の後はアークエンジェルが回収する事も伝えた。

此れはトダカ達にとっても有り難い事であり、アークエンジェルに回収されればユウナの手を離れカガリの下で働く事が出来るのだから断る理由がなかった。

無論トダカ達の艦に乗っていたユウナは脱出に異を唱えたのだが、其処はトダカが『貴方の使命は生き残り、此の事実を後世に伝える事だ!連合と共に歩んだ此の戦いは、オーブの輝かしい歴史となりましょう!』と言って豪快な背負い投げで救命ボートに放り込み、大海原に放り出したのだった。

 

 

「ちゅー訳で、回収宜しくマリューさん。」

 

『了解。』

 

 

アークエンジェルがトダカ達を回収したのを見届けたイチカは、空になった戦艦をバリアブルロッドライフルで破壊し――

 

 

「待たせたなシン……思い切り暴れろ!!」

 

「イチカさん!……ステラを捨て駒にしやがって……絶対に許さねぇぞ連合のクソッタレがぁ!!」

 

 

――バリィィィィィン!!

 

 

イチカがシンに『暴れろ』と言った瞬間にシンがブチキレてSEEDを発動!

ブラストのフルバーストで連合の艦隊に大ダメージを与えたと思ったら、ミネルバにソードシルエットの射出を要請し、タリアが其れを許可してソードに換装すると、レーザーブレード対艦刀『エクスカリバー』で連合の戦艦を次々と切り裂いていく。

 

 

「うおあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

その姿は正に鬼神の如き。

 

 

「こりゃ、ここ等が潮時だな。」

 

 

此の状況で戦闘を継続しても勝ち目はないと判断したネオは部隊に撤退命令を下すと其の場から去り、ミネルバは先に進む事が可能となったのであった。

 

 

「(マドカは仕留め損ねちまったか……今回は俺達が勝ったが、今度また何をして来るか分からねぇ……プラントvs連合って単純な状況にはまだならないだろうな。)」

 

 

ザフトの優勢勝ちとなった今回だが、マドカ達の動きが読み切れない以上、楽観は出来ないだろう。

そんな中でイチカは次なる戦いを予感しつつ、今はミネルバのメンバーに一人の離脱者が居なかった事に安堵するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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