機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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刹那の夢……其れって全人類ガンダム計画?Byイチカ     其れは刹那違いよByカタナ   俺にも分かる会話をしてくれぇぇ!!Byシン


PHASE79『刹那の夢~Ein flüchtiger Traum~』

クレタ沖での戦闘はミネルバの優勢勝ちと言ったところだったが、ミネルバとて被害がゼロと言う訳ではなかった。

 

 

「インパルスとかは整備出来るけど、セイバーは俺達じゃ無理だよなぁ……」

 

「此処までぶっ壊されたらプラント本部に送らないと修理出来ねぇでしょ。」

 

 

テスタメントのウィルスの影響で撃破されたセイバーはミネルバの整備班では修理不可能なレベルであり、其れは同時にミネルバの最高戦力の一人であるアスランが戦場に出れなくなった事を意味していた。

 

 

「タバネさんならなんとか出来ると思って連絡しようとしたんだが、生憎スマホは圏外でしたとさ……このご時世に圏外って、何処に居るんだあの人は?」

 

「太陽系の外に居るのかも知れないわねぇ。」

 

「その可能性が否定出来ねぇ……序にエイリアンやプレデターを従えてるかもだぜ。」

 

「タバネさんは何時か宇宙の支配者になるかもしれないわね。」

 

「彼女は存在其の物が人間外生物だからねぇ。」

 

「ロラン……まぁ、否定出来ねぇな其れは。」

 

 

大破したセイバーもタバネなら完全修理できるだろうと考えてイチカは連絡を取ろうとしたのだが、スマートフォンは圏外となっていた――地球とプラントですら通信が可能となっているコズミックイラの世界に於いて圏外となると銀河系の外に飛び出してる可能性の方が高いだろう。

 

 

「俺は戦線離脱か……歯痒いな。」

 

「お前の戦線離脱は痛いが、戦場に出る事は出来なくても、戦術面で出来る事はあるだろ?

 戦う事しか出来ない俺とは違ってお前には他に出来る事があるんだから、そっちで力を発揮しろよアスラン。」

 

「イチカ……確かにその通りだな。」

 

 

セイバーの大破によるアスランの戦線離脱はミネルバにとっては痛手だが、アスランはモビルスーツでの戦闘が行えなくとも戦術面でのサポートも出来るので実はさほど大きな問題でもないだろう。

 

 

「イチカ。」

 

「ん?如何したステラ?」

 

「お腹減った。」

 

「ガイアも戦艦相手に大活躍だったからな……戦闘の後には腹が減るってな。」

 

 

それとは別に、激しい戦闘を行った後で腹が減るのは道理であり、ステラに言われたイチカはミネルバの食堂の厨房に向かうと『ザフト軍の料理長』とまで言われる主夫力を全開にしてランチメニューを完成させた。

本日のランチメニューは『マグロカツ丼』、『マグロの唐揚げ』、『マグロのアラ汁』と見事なまでのマグロ尽くしだった。

 

 

「此のマグロカツ丼、具材の下にネギトロ入ってません?」

 

「言われてみれば確かに……此れは嬉しいサプライズね♪」

 

「マグロカツ丼、おかわり。」

 

「はいよ!」

 

 

戦場の兵士にとっては唯一の楽しみであると言っても過言ではない食事の時間は、今日も今日とてイチカの極上の料理で満たされており、ミネルバ内には戦闘後とは思えない和やかな空気が流れているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE79

『刹那の夢~Ein flüchtiger Traum~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミネルバがジブラルタルに向かう中、アークエンジェルでは先の戦闘で回収されたトダカとクラリッサが乗艦していた空母のクルー達がアークエンジェルのクルーと対面を果たしていた。

 

 

「カガリ様、セイラン家を抑えられなかったのは我々の力不足……真に申し訳ありません。」

 

「顔を上げてくれトダカ一佐。

 其れに、こうなってしまったのは貴方のせいではない……私の政治的な根回しが不足していた事が原因だ……首長達に根回しをして私の側に付けておけばこうはならなかったからな。

 代表首長として私が未熟だったからこうなってしまったのだ……逆にすまなかったな。」

 

 

トダカはカガリに謝罪したのだが、カガリは自分の力が及ばなかったから此の事態を招いたのだと、トダカ達に責を問う事はしなかった。

こうしてトダカの部隊は丸々アークエンジェルにお引越しとなったのだが、移ったのはクルーだけでなくモビルスーツもだった――先程の戦闘で、トダカは脱出前に自身の部隊のモビルスーツ隊に『即座に戦闘を中断しアークエンジェルに向かえ』との指示を送っていたので、現在のアークエンジェルにはフリーダムとストライクルージュ、バルトフェルドカラーのムラサメの他にM1アストレイが五機、ムラサメが十機と、充分過ぎるほどの戦力が集まっていた。

 

 

「ですがユウナ・ロマは未だ健在……このままではオーブは連合の傀儡となってしまうでしょう。」

 

「確かにな……さて、如何したモノか?お前は如何思うキラ?」

 

「……暫くは様子見かな?

 現状維持なら機を見て仕掛ける事になるだろうけど、オーブ国内にブルーコスモスが入り込んだその時は話は別だ――そうなったらカガリが代表首長の権限でセイラン家に国家反逆罪を言い渡してオーブ軍に拘束させるべきだと思う。如何かな?」

 

「確かに其れが良いかも知れないな……どうだろうトダカ一佐?」

 

「その方向性でよろしいかと。

 キラ様、貴重なご意見、ありがとうございます。」

 

「えぇっと、様だなんて。僕はそんな大した人間じゃ……」

 

「カガリ様の御兄妹である貴方は我々からしたら敬意を表するに値する人です。」

 

「カガリ……」

 

「諦めろキラ。私の兄妹と言う時点でお前はオーブ軍内でも相当に信頼されているだけでなく、尊敬されているからな。」

 

「逃げ場がなかった……」

 

「ふふ、大人気ねキラ君♪」

 

「僕としては笑い事じゃないですよマリューさん。」

 

 

オーブの軍人にとってはキラは代表首長であるカガリの兄妹だという事でカガリと同等の存在となっていたようだった。

そしてオーブの正規軍がアークエンジェルに合流した事と、アークエンジェルにカガリが乗艦していた事で改めてアークエンジェルのクルーに暫定的ではあるがオーブ軍の階級が与えられ、その結果キラは准将の地位に上り詰める大出世を果たしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

アベンジャーズのアジトにて――

 

 

「もう動けるのか?呆れた回復力だな。」

 

「テスタメントが盾になってくれたのでな……この程度ではオリムラは折れん。」

 

 

メディカルポッドで回復したマドカがレイの前にやって来たのだが、その左腕は先の戦いで失われていた――だけでなく、専用機であるテスタメントも大破したので通常ならばマドカは戦場から退場なのだが裏社会のジャンク屋によって、テスタメントは強化改修が施され、マドカもアベンジャーズが取り込んだ闇医者によって機械義手が取り付けられていた。

 

 

「其れは良いが、このままでは奴等に勝つ事は出来んぞ?」

 

「分かっている……テスタメントも強化改修されたとは言え、テスタメントのウィルスすら無効にするイチカとカタナにはこのままでは勝てんだろう……せめて奴等と同じ機体能力があれば良いのだが……」

 

 

 

 

「その願い、叶えてあげようホトトギス。」

 

 

 

 

「誰だ!?」

 

 

圧倒的な力の差を見せつけられたマドカは、このままでは勝てないと考え、勝つにはイチカとカタナの機体と同等の能力が必要だと考えていたのだが、次の瞬間に謎の声がアベンジャーズのアジトに響いたかと思うと、そのアジトにニンジン型のロケットがダイレクトアタック!

 

 

「ニンジン?」

 

「ニンジンだな。」

 

「銀河系の果てから光年の概念を完全無視して地球よ私は戻って来た!

 神に愛されまくっただけじゃなく、悪魔にも魅入られた光と闇のホモサピエンス!状態異常は全て無効!ステータスはHP一億で他のステータスはカンストしてるだけじゃなく固定ダメージ9999999持ちで防御不能な状態異常攻撃を備えたダイヤモンドドレイクや人修羅もビックリの倒せないボスキャラ!

 三幻神、三幻魔、三邪神ともマブダチの最強無敵のチート無限のバグキャラ!タバネ・シノノノ、此処に参上!!」

 

 

そのニンジンから現れたのはタバネだった。

此のインパクト絶大な登場にマドカとレイも固まってしまったのは仕方ないと言えるだろう。

 

 

「マドカちゃん、キミいっ君に勝ちたいんだよねぇ?」

 

「お前は……どうやってこの場所を特定した……?」

 

「タバネさんに不可能は無いのさ。君達のアジトを特定するくらいは朝飯前なんだよ。

 其れよりも私の問いに答えて。君はイッ君に勝ちたいのかな?」

 

「勝ちたい……奴に勝てるのならば私はどんな事でもやってやる!!」

 

「その先に死が待っているとしてもかな?」

 

「元より死んでいた筈の私だ……死の恐怖などない。

 奴を殺した直後に死んだとしても後悔はない……イチカを殺せば、私の目的は達成されるのだからな!」

 

「そうか……だいぶ狂ってるけど、その狂いっぷりは嫌いじゃないな……良いよ、君の機体をこの私が強化してあげる。」

 

 

『イチカに勝ちたいのか?』とのタバネの問いに対し、マドカは『イチカを殺す事が全てだ』と言わんばかりの答えをして、其れを聞いたタバネはマドカの機体の強化を提案して来た。

マドカからすれば願ったり叶ったりだが、突如目の前にニンジン型のロケットで突撃してきたエプロンドレスにウサミミ型メカを装着した不審人物にそう言われて首を縦に振る人間は居ないだろう。

 

 

「何が目的かは知らんが、ここに来た事が運の尽きだったな。」

 

「あは、良い反応♪でも残念でした、次頑張りな~~!」

 

 

此処でレイがタバネに向けて発砲するも、タバネは其れを難なく避けて一瞬でレイの背後を取り、そのままアームロックを決めると膝カックンでレイの体勢を崩して組み伏せてしまった。

 

 

「馬鹿な、俺が背後を取られるとは……!」

 

「ん~~……なかなかやるけどマダマダだね。

 タバネさんを殺したいなら最低でもキー君……キラ・ヤマトレベルの能力が無いと無理無理ってね。……そんで如何すんの、マドカちゃん?」

 

「……良いだろう、その提案受けさせて貰う。

 アベンジャーズのナンバー2であるレイを赤子の手をひねる用に簡単に組み伏せた其の力は見事だと言わざるを得ないのでな……貴様の本分は頭脳なのだろうが、フィジカルでもこれだけの水準であるのならば頭脳の方はより期待できると言うモノだ。

 貴様の持てる技術の全てを注いでテスタメントを強化しろ……イチカを殺せるようにな!!」

 

「お任せ~~♪

 (前世の記憶を取り戻す事はなかったか……だったら君はいっ君とカタちゃんが幸せを手にするための踏み台としての価値しかない――いっ君とカタちゃんには完全なデータストーム耐性があったけど、いっ君のスペアでしかない君は如何だろうね?

  ま、精々劣化コピーの意地を見せてくれよ?同じく劣化コピーであるパツ金長髪君と一緒にね。)」

 

 

それを見たマドカはタバネによるテスタメントの改修を了承したのだが、その時のタバネはマドカとレイが気付かないレベルでほの暗い笑みを浮かべていた。

数え切れないほどのイチカとカタナの悲劇を見て来た束にとって、イチカとカタナの幸福な未来以外に求めるモノはなく、其れを達成するためならば他の何をも利用する心算であり、マドカも其のコマに過ぎなかったのである――前世の記憶を取り戻していなかったのは此の世界のマドカにとって最大の不幸だったのかもしれない。

 

こうしてテスタメントはタバネによって『テスタメントファラクト』として生まれ変わり、胸部と両肩部、両大腿部にシェルユニットが追加され、武装も基本性能が底上げされて大幅な強化が施されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

一方の連合の第81独立機動群、通称『ファントムペイン』の隊長であるネオは此処最近の戦果に関して頭を悩ませていた。

ガイアとステラをロストしただけならば未だしも、この間の戦闘ではアウルとアビスを失う結果となっただけでなく、オーブの旗艦を失い、更に旗艦のクルーも行方不明となり、少なくない手札を失ってしまったのだから其れも致し方ないだろう。

 

 

「と言う訳で、若干ピンチです。」

 

『堂々と言う事でもないと思うが……まぁ、それは不問としましょう今回は。

 補充人員は此方から送りますが、其れとは別に例の機体、『デストロイ』が遂に完成したので、そちらに補充人員と一緒に送るとしましょう――是非とも有効活用して下さいね?』

 

「ハッ!了解しております!!」

 

 

ブルーコスモスもといロゴスの現盟主であるジブリールとの通信で現状を伝えつつ、ジブリールから補充要員と新たな機体を送ると言われたネオは画面越しに敬礼を返し、期待に応える事を約束していた。

 

そして此の通信から数時間後、ファントムペインに新たな機体と新たな人員がやって来た。

 

 

「……ステラ、なのか?」

 

「S'(エスダッシュ)、任務に就きます。」

 

「(ステラのクローンってところか。)

 ご苦労さん、歓迎するぜ。」

 

 

そこにやって来たのはステラと瓜二つの少女だった。

自らを『S'』と名乗った少女には一切の感情も表情もなく、其れこそ戦う為だけに生み出された存在のようだった――其れを看破しつつもネオはS'を新たな仲間として受け入れたのだった。

 

 

 

 

「おい、これって……」

 

「でけぇよな流石に……」

 

 

S'がファントムペインに加入したと同時に、ファントムペインのモビルスーツ格納庫には異形の機体が搬入されていた。

ドーム型の上半身に極端に短い両腕、人型では有り得ない構造の脚部を持った機体――ジブリールが言っていた『デストロイ』がファントムペインに搬入されるのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 




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