機動戦士ガンダムSEED INFINITY   作:吉良/飛鳥

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今回俺達出番なーし!Byイチカ     暇だからデュエルでもする?Byカタナ     そんな場合でもない気がするんですけどねぇ……Byシン


PHASE88『天空のキラ~Kira am Himmel~』

 

ヘブンズベースはザフトによって制圧され、ロゴスの主要メンバーも捕らえられ、更にタバネからロゴスの盟主である『ロード・ジブリール』の身柄は現在オーブのセイラン家にあると言う情報を得て、ザフトはオーブへ攻め込む準備をしていた。

尤も、其の目的はジブリールの確保でありオーブを攻め落とす事ではないので、対モビルスーツ戦に於いては『可能な限りの不殺』がデュランダル直々に言い渡されていた。

この不殺の命令は、カガリがオーブを取り戻した際に不要な軋轢を生まないようにと言うデュランダルの判断だろう。

 

 

「イチカさん……不殺ってどうやれば良いんですか?」

 

「胴体斬らんと頭斬り落とせ。其れで大体何とかなる。」

 

「頭ですね、分かりました。」

 

 

戦場での不殺は難しい事なのだが、イチカは最善の不殺の方法を伝え、其れを聞いたシン、ルナマリア、ステラは納得していた――カタナとロランは前大戦と前世の記憶で殲滅の逆である不殺の方法を理解していたのだが。

 

 

その一方、廃棄コロニーを拠点としているアヴェンジャーズは次なる標的を狙っていた。

 

 

「キラ・ヤマトとアスラン・ザラは葬った……次のターゲットはラクス・クライン――と言いたいところなのだが、プラントに居るラクスと、エターナルのラクスの一体どちらが本物なのか……レイ、貴様は分かるか?」

 

「分からんが……俺の考えで言うならば恐らくはエターナルの方が本物だろうな。

 一見すればギルと共にいるラクス・クラインの方にはイチカやカタナが居るし数も多いが……だからこそ逆に警護の手が薄いエターナルの方に本物が居るのではないかと考えている。

 厳重な警護の方が本物だと思わせての裏だ。」

 

 

アヴェンジャーズの次なる標的はラクスだ。

とは言え、地球にあるプラントのシャトル発着場に二人のラクスが現れたのは有名であり、それだけにアヴェンジャーズはプラントとエターナル、何方に居るラクスが本物であるのかに悩んだのだが、ここはレイが中々に納得出来る理論を展開して来た。

確かに厳重な警護体制を敷いている方に敢えて影武者を置くと言うのは相手方を混乱させると言う意味では良い一手なのだから。

 

 

「成程な……ならば目標はエターナル――ラクス・クラインもろとも、砂漠の虎も葬ってやる……!」

 

「其の意気は良いが、お前は今回はお休みだマドカ。

 先のアスランとの戦闘でパーメット3を使ったダメージが大きいだろう?……今は回復を最優先にしろ。イチカを討つ前に死んでしまっては元も子もないのだからな。

 エターナル一隻ならば俺達が出ずとも何とかなるだろう……恐らく、モビルスーツのパイロットとして戦えるのはアンドリュー・バルトフェルドただ一人。

 如何に砂漠の虎と言えども、圧倒的な数の差を相手に守りながら戦うのは限界があるだろうからな。」

 

「砂漠の虎にも限界があるか。

 それとお前が言う通りイチカを殺す前に私がくたばってしまっては元も子もないから今回は休むとしよう……だが、私が十全の状態になり、パーメットスコアが5に達した時が貴様の命日だイチカ――あの苦痛の分だけ私は強くなるしな。」

 

 

今回はマドカとレイとキソは不参加となり、アヴェンジャーズの複数の艦隊がエターナルに向かって出撃するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE88

『天空のキラ~Kira am Himmel~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エターナルはコロニーメンデルに立ち寄り、其処でクルーのマーチン・ダコスタは一冊のノートを見付け、其れをエターナルに持ち帰り、ラクスはノートの内容を知るためにノートを開いたのだが、其処には遺伝子によって人々を管理する狂気の計画『デスティニープラン』の概要が記されていた。

デスティニープラン……その実態は不明だが、ダコスタからノートを受け取ったラクスは渋い顔を浮かべていた。

 

 

「ラクス、何が書いてあったのそのノート?」

 

「見てみますかフレイ?……中々に面白いですわよ?」

 

「面白いって……ちょっと待ってよ、これってマジ?こんな事になったら人類は……!」

 

「一時は歴史にないレベルで発展するかもしれませんが、其の後は衰退しやがて滅亡する事が見えています……スーパーコーディネーター計画とオリムラ計画の裏では、更に恐るべき計画が行われていたと言う事ですわね。」

 

「でもこれって破綻したんだよね?」

 

「当時は、ですよフレイ。

 此の狂気の計画を受け継いだ者が居ないとは誰にも言えないのですから。」

 

「言われてみれば、確かにそうね。」

 

 

そのノートに示されていた『デスティニープラン』とは、言うなればナチュラル、コーディネーター問わず遺伝子検査を行って、その結果によって遺伝子的に最も適合した職業に就けるようにすると言うモノだった。

確かに其れならば、誰もが最も適した職に就く事は出来るだろうが、裏を返せば其れは選択の自由を奪い、遺伝子が示した道に従えと言う、ある意味では究極の独裁体制と言えるだろう。

 

 

「いざと言う時に必要となるかもしれませんから、このノートは取っておきますが……フレイ、このノートの内容は……」

 

「他言無用でしょ?言われなくても分かってるわよラクス。」

 

「お願いしますね。(しかし、このノートを見た瞬間に脳裏に浮かんだあの光景は一体?……金髪の幼女、幼い私を抱える母上……そして何より、アコードとは一体何なのでしょう?)」

 

 

此の独裁体制は許してはならないが、ラクスは脳裏に浮かんだ己の記憶にない光景に少し戸惑っていた……とは言え、エターナルには二機の最新鋭モビルスーツが積み込まれており、其れを使うべき者の元に届けるべく、エターナルはコロニーメンデルを発つと、一路地球に向かうのだった。

 

ただしそのエターナルの姿を、物陰に隠れていた一機のジンがじっと見ていたのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アークエンジェルが潜伏しているオーブのオノゴロ島では、現在のアークエンジェルの全戦力である三十機のムラサメと、カガリ専用のストライクルージュの整備、そしてアークエンジェルの改修が行われていた。

モビルスーツは通常の整備だが、アークエンジェルは先のアヴェンジャーズとの戦闘で、撃墜を偽装したとは言え艦体に無視出来ないダメージを受けているので念入りな改修が行われているようだ。

 

 

「バルトフェルドさんのムラサメは設計限界まで機体性能が引き上げられてたんだ……此処までとは行かなくても、全体性能をもう30%位引き上げても良いんじゃないかな、一般用のムラサメは。

 ルージュの方は、オオトリの対艦刀を扱うにはもう少しだけ全体の運動性能を上げた方が良いかなぁ?カガリなら設計限界まで引き上げても行けそうだけど……やり過ぎると怒られそうだしなぁ。」

 

 

そんな中でキラはムラサメとストライクルージュのOSを更新していた。

ムラサメは単独での飛行機能と変形機構を有しており、汎用量産型モビルスーツとしてはザクに次ぐ性能を誇っている傑作機なのだが、キラは『もう少し性能を底上げしても良いかなぁ?』と考えていたらしく、OSの更新を行っていたのだ。

ストライクルージュに関しても『カガリならもっと高性能でも大丈夫だろう』と考えてだ。

 

 

「お前基準でOSを弄られたら一般兵では凡そ扱えない機体になってしまうから程々にしろよキラ。」

 

「ムラサメは兎も角、ストライクルージュは設計限界まで引き上げても大丈夫じゃない?カガリ、SEED発動出来るし。」

 

「私はお前と違って意識的に発動する事は出来ん!!」

 

「そうだとしても、ルージュの機体性能を底上げしておく事に越した事はないわ……キラ君は、OSの改造に関しても超一流ね?もしも戦争が無かったらエリカさんがモルゲンレーテにスカウトしてたんじゃないかしら?」

 

「そんな未来もあったかもしれませんねマリューさん。

 だけど今は戦争中で……フリーダムがない僕にはこんな事しか出来ません……アレが無いと、僕は……」

 

「……焦ってはダメよキラ君。

 戦争だからと言って戦う事が全てではないわ……戦わなくても貴方に出来る事はこうしてあるのだから。」

 

「マリューさん……はい。ありがとうございます。」

 

 

キラのOS改造はフリーダムを失った事で戦う事が出来なくなった事に対する焦りの裏返しだった部分もあるのだが、マリューは焦ってはダメだとキラを諭すと同時に今出来る事をすれば良いと言ってくれた。

其れはキラにとってこの上ない救いの言葉だっただろう。

実際にキラのOS改造によってストライクルージュとアークエンジェルのムラサメは性能が底上げされ、ストライクルージュは連合が開発したストライクの後継機であるストライクノワールに、ムラサメはザフトのグフに匹敵する性能になっていたのだから。

 

 

『ラミアス艦長、エターナルから緊急の電文です!』

 

「エターナルから?読み上げて!」

 

『はい!エターナルは現在第三勢力からの攻撃を受けている最中。

 何とか当該ポイントまで辿り着き、積み荷を降下するので其れを受け取られたし……との事です。』

 

「エターナルが攻撃されているですって……!」

 

 

そんな中、アークエンジェルの内部整備に立ち会っていたミリアリアからマリューに通信が入り、エターナルがアヴェンジャーズからの攻撃を受けているとの報告が入った。

エターナルは積み荷を地球に降下させる事を目的としており、其の目的が達成されれば撃破されても良しとしていると思われる内容にキラ達の表情も険しくなるが、現状ではどうする事も出来ないのが事実だった。

アークエンジェルは改修中で、唯一単独で大気圏突破能力を有していたフリーダムは撃墜されてしまい、宇宙に上がる手段はほぼゼロな状況なのだから。

 

 

『キラ!』

 

「アスラン?」

 

『ラクスを、フレイを……彼女達を護るんだ!特にラクスは……彼女を失ったら全てが終わってしまう!!』

 

『……だ、そうだぜ?』

 

 

此処でアークエンジェルの医務室から通信が入った。

怪我が化膿して熱を出したメイリンを見舞に訪れたアスランが、エターナルが攻撃を受けていると言う事を聞いて通信を入れて来たのだ――尤も、其の通信回線を開いたのはアスランではなく、メイリンと同じ医務室に居たネオだったのだが。

 

 

「……カガリ、ルージュ貸して!それとブースターも!」

 

「え?」

 

「ありがとう、アスラン!!」

 

 

其れを聞いたキラは、タブレットをカガリに投げ渡すと、格納庫に向かって行った。

 

 

「通信コードは覚えていたのね。」

 

『え?』

 

「全員、キラ君の援護を!」

 

 

マリューは其れを聞いて全クルーにキラを援護するように指示を出し、それと同時に格納庫ではストライクルージュにオオトリパックの搭載とブースターの接続が急ピッチで執り行われる事になった。

 

 

「ありがとうございますフラガ少佐。通信コードは俺も知らなかったので。」

 

「お前さんも俺をそう呼ぶの?俺はネオ・ロアノーク。大佐!!」

 

「???」

 

 

医務室ではこんな会話が交わされ、自らを『ネオ・ロアノーク』と自称する人物にアスランは少し困惑しているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

モビルスーツの格納庫ではストライクルージュの出撃準備が急ピッチで進められていた。

 

 

「そんで、電圧やその他のスペックは如何するんでい!」

 

「全てストライクと同じで!」

 

 

キラはストライクルージュのスペックを全てストライクと同じにする事で自分でも充分に使える機体に設定していた――基本スペックはストライクルージュの方がストライクよりも上なのだが、ストライクルージュはカガリの専用機として開発された部分があるので、キラとは少し合わないところがあったのだ。

だからこそキラは慣れ親しんだ嘗ての愛機であるストライク寄りのスペックを希望したのだ。

 

そして整備が終わり――

 

 

『ストライクブースター、発進どうぞ。』

 

「行きます!!」

 

 

ブースターを装備したストライクルージュが発進し、発進と同時にPS装甲が起動して機体がホワイト、ブルー、レッドのトリコロールカラーとなり、一直線に大気圏に突っ込んで行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

アークエンジェルに通信が入る数十分前――エターナルはアヴェンジャーズからの攻撃を受けていた。

エターナルは細心の注意を払って隠密活動を行っていたのだが、コロニーメンデルでダコスタの姿がアヴェンジャーズのジンに目撃され、其れがレイの仮説を裏付ける事となり集中攻撃を受ける事になってしまったのだった。

 

 

「ダコスタ……奴等に見られたな……!!」

 

「え?……もしかして、やらかしました俺?」

 

「盛大にな……だが、其れを責めている場合でもなかろう――俺がガイアで出る!」

 

 

まさかの襲撃はコロニーメンデルでダコスタが目撃された事が原因だったのだが、バルトフェルドは其れを咎める事はせず、専用のガイアで出撃しアヴェンジャーズに向かって行った。

アヴェンジャーズの主力は戦場で回収してレストアした機体が大半であり、多くはジンなのだが、中には使える部分を組み合わせたキメラ的な機体も存在しており、一例を挙げるなら機体の右腕だけがグフになっていたり、頭はジン胴体はザク腕はダガーで足はアストレイと言った感じだ。

 

 

「連合でもザフトでもないテロリストってのはマッタクもって面倒だねぇ!」

 

 

ターミナルで製造されたバルトフェルド専用のガイアはオリジナルと異なり、PS装甲のカラーリングが濃いオレンジとなっており、オリジナルの黒と比べると堅さで劣り強さで勝る装甲になっていた。

 

マドカとレイ、そしてキソを除いてアベンジャーズのパイロットはバルトフェルドには遠く及ばず、出撃したガイアはキメラジンをビームライフルで撃ち抜くと、接近して来たキメラザクを蹴り飛ばすと同時にモビルアーマー形態に変形してキメラグフをグリフォンビームブレードで一刀両断!

砂漠の虎の爪牙は一気に五機の敵機を葬り去ったのだが、その隙に他の敵機がエターナルへの攻撃を行っていた――エターナルの装甲はアンチビーム装甲を採用しており、また物理攻撃に対しても強固な防御力を誇る装甲を併用しているのでそう簡単に落とされる事はないのだが、それでも多数のモビルスーツからの攻撃となれば無事では済まないだろう。

 

 

「主砲発射!」

 

「ミサイルポッド、全門展開!!」

 

 

ラクスとフレイも指示を飛ばし、エターナルの主砲として搭載されているミーティアを放ち、ミサイルを放って迎撃を試みるが、モビルスーツの機動性の前には其れは中々通じず、敵部隊に対してダメージを与える事は出来なかった。

 

更にガイアのビームライフルがキメラジンの右手から放たれた電磁ウィップに絡め取られて破壊され、ガイアは否応なしに近接戦闘を行わざるを得ない状況になってしまった――ビームライフルが使えれば遠距離攻撃で敵機を撃破出来たのだが、其れが出来なくなったとなれば更に戦局は悪くなるのは必至だ。

近接戦闘のみで敵機に対処するとなれば、エターナルの防衛は更に手薄になってしまうのだから。

 

 

「く……こなくそぉ!!」

 

 

バルトフェルドも決死の近接戦闘で敵機と遣り合うが、其処は多勢に無勢。

遂に一機のキメラガナーザクウォーリア―がエターナルを捉え、オルトロスビーム砲を放とうとしたのだが……

 

 

――バシュン!バシュン!!

 

 

突如放たれたビームがオルトロスビーム砲を破壊し、更にエターナルに迫っていたキメラジンの頭を吹き飛ばした。

 

 

「なんだ?」

 

 

バルトフェルドも突然の事態に驚き、ビームの出所に目を向けると、其処にはブースターを装備したストライクの姿があった。

 

 

「ストライク!」

 

 

キラはギリギリのところで間に合い、エターナルを救ったのだ。

そしてストライクはブースターをパージすると、ビームライフル、高エネルギービームランチャー、リニアランチャー、イーゲルシュテルンを放ってアヴェンジャーズの機体の武装を破壊し、ガイアにビームライフルを投げ渡す。

 

 

「「キラ!!」」

 

「お前……!」

 

「すみません。でも心配で。」

 

 

ビームライフルを受け取ったガイアは敵機を撃ち抜き、ストライクはイーゲルシュテルンを放ちながら高エネルギービームランチャーとリニアランチャーを放って敵機の武器を破壊する。

が、ここでガナーウィザードを装備したキメラザクがエターナルを狙って来た――のだが、キラはオオトリパックをパージしてエターナルに向かって射出する事でキメラザクの一撃をオオトリパックを盾にしてエターナルを守り、そのキメラザクを対艦刀で頭を斬り落とす。

其の直後に別のガナーキメラザクが砲撃を行ってきたが、其れはシールドで防ぐ……とは言っても、オルトロスのビームは戦艦のビーム砲クラスなので、シールドと一緒に左腕も吹き飛んでしまったのだが、キラは対艦刀を投げてジンの頭部を貫いて戦闘不能にして見せた。

 

 

「馬鹿。だったらサッサとエターナルに入れ。お前の機体を取って来い!」

 

「バルトフェルドさん……はい!」

 

 

両腕を失ったストライクは、エターナルに向かい、その最中に両足も破壊されたのだが、エターナルのモビルスーツ回収機構であるクロー付きのクレーンで回収された。

 

 

「「キラ!!」」

 

 

エターナルに入ったキラにはラクスとフレイが近寄り、その胸に顔をうずめた――そしてキラはそんなラクスとフレイを優しく抱き留めていた。

平時ならばこのまま甘い恋人の時間に突入するところなのだが、テロリストとの戦闘中となればそうは行かない。

 

 

「ラクス、フレイ……僕の機体が此処にあるんだよね?」

 

「……はい。」

 

「こっちよキラ。」

 

 

キラに言われてラクスとフレイはキラをエターナルの格納庫に案内し……其処でキラの前に現れたのは新たな姿を得たフリーダムだった。

機体の基本的なデザインは其のままに、額のブレードアンテナとショルダーアーマーの形状が変更され、背部のウィングも厚みを増したように見え、特に二丁となったビームライフルは大きな変更点と言えるだろう。

 

 

「フリーダム……ありがとう、ラクス、フレイ。此れで僕はまた戦える。僕の戦いが。」

 

「「キラ……」」

 

「すぐに終わらせるから。だから一緒に帰ろう。」

 

「はい。」

 

「うん!」

 

 

其れを見たキラは、これでまた自分の戦いが出来ると考えていた――そして、新たな機体に乗り込む。

 

 

「CPG設定完了。ニューラルインゲージ。メタ運動野パラメーター設定。イオン濃度正常。原子炉臨界。パワーフロー正常、全システムオールグリーン。」

 

 

其処でキラは新型機のOSを自分用に書き換えると、新型機――ストライクフリーダムのシステムを起動し、新たなる自由の翼に命が宿る。

 

 

『X-20Aストライクフリーダム、発進どうぞ。』

 

「キラ・ヤマト。フリーダム、行きます!!」

 

 

エターナルのカタパルトから飛び立ったストライクフリーダムはバレルロールしながらPS装甲を起動させ、機体カラーがホワイト、ブラック、ブルーとなり、関節部は金色に輝く。

新たに出撃して来たストライクフリーダムに対し、二機のキメラジンがビームライフルを放ち、一機のキメラブレイズザクウォーリアがミサイルを放つも、ストライクフリーダムはビームをビームライフルで防ぎ、ミサイルを二丁ビームライフルで迎撃すると一気に間合いを詰めて擦れ違いざまに二機のキメラジンの頭部をビームサーベルで斬り落として戦闘不能にする。

 

 

「なんだあの機体は?」

 

「新型か?速いぞ!」

 

 

アヴェンジャーズの他の機体もストライクフリーダムが一味違う機体である事を察し、ストライクフリーダムに向かって行く。

キメラグフは右腕のビームバルカンでストライクフリーダムを狙う。

 

 

「フリーダム……!」

 

 

キメラグフのパイロットは新たに現れた機体がフリーダムである事に気付くも、ストライクフリーダムはビームバルカンを全て躱した上でキメラグフに接近し、右腕と頭部を切断!

其の後も迫りくる敵機を二丁ビームライフルで悉く戦闘不能にして行ったのだが、ここで二機のキメラグフが電磁ウィップでストライクフリーダムの右腕と左足を捉えた。

動きを封じるのが目的だったのだが……

 

 

「……!!」

 

 

ストライクフリーダムは翼を展開すると、其処からスーパードラグーンを射出し、ビームで電磁ウィップを破壊し更にキメラグフの頭部を撃ち抜く。

 

 

「うわぁぁ!!」

 

「こ、これは!!」

 

 

まさかのドラグーンに驚く相手をよそにストライクフリーダムは高度を上げるとマルチロックオンを展開し、敵機に纏めて照準を合わせ――

 

 

――バガァァァァァァァァン!!

 

 

二丁ビームライフル、腰部のレールガン、腹部のカリドゥス複相ビーム砲、八基のドラグーンの計一三門の火器を一気に放つ、フリーダムのフルバーストをも上回る『ドラグーンフルバースト』でアヴェンジャーズのモビルスーツを鎧袖一触!

 

 

「二分……たった二分で二十五機のモビルスーツが全滅だと?」

 

 

アヴェンジャーズの戦艦の艦長は僅か二分でモビルスーツ部隊が全滅した事に驚いてた――幸いな事にコックピットは破壊されなかったのでパイロットは全員無事だが、それでもたった二分で部隊を壊滅させられたと言うのは恐るべき事だろう。

 

 

「敵モビルスーツ来ます!」

 

「全砲門開け!撃ち落とせ!!」

 

 

そして戦艦にストライクフリーダムが接近し、戦艦はビーム砲やミサイルを放ってストライクフリーダムを迎撃せんとするが、キラは巧みな操縦で其の全てを躱して逆に腰部レールガンで戦艦の装甲にダメージを与え――

 

 

「いけぇぇぇぇ!!」

 

 

スーパードラグーンを展開して戦艦の機関部と武装を破壊し戦闘及び航行を不能にしてしまった。

アヴェンジャーズは人的被害はゼロだが、物的被害は甚大で、破損したモビルスーツと戦艦の回収の為の部隊を向かわせる事になったのであった。

 

その一方で窮地を脱したエターナルは、ストライクフリーダムとガイアを帰還させると、一路地球に向かいストライクフリーダムと他四機の新型機を地球に降下させる準備を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~~順調順調!良い感じで世界は動いてるねぇ♪」

 

 

此の戦いをモニタリングしていたタバネは満足そうな笑みを浮かべていた。

 

 

「このまま行けば此の戦争は私が望む形で終わるけど、パーメット5に達したマドちゃんがどうなるかが不確定なんだよねぇ?

 パーメット汚染で死ぬのか、それとも記憶を取り戻すのか……ま、どっちに転んでもマイナスにはならねーからなる様になれか――其れよりも問題は二年後に本格的に活動を開始する此のロリババアだね……今の段階で潰そうと思えば潰せるけど、其れは世界に影響を与えすぎるし其れでイッ君とカタちゃんが不幸になったら元も子もないから今は手を出さないでおくか。

 だけどお前達が本格的に動き始めた其の時は容赦しない……それを見越したイッ君とキー君の機体強化案はもう既に出来上がっているからね。」

 

 

其れでもタバネは更に未来を見ているらしく、モニターの周囲には『プラウドディフェンダー』と『タイラントオフェンス』なる支援機と思われる機体の設計図が存在していた。

 

 

「今度こそ間違えない……必ずイッ君とカタちゃんを幸せにする――それが私の使命だからね。」

 

 

そう呟くと、タバネはモニターの前に腰を下ろし、一人葉巻のタバコを燻らせるのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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